高血圧は自覚症状が現れるのか|頭痛・めまいなど合併症により起こる症状も解説

高血圧は、初期の段階では自覚症状がほとんど現れません。
そのため、「いつの間にか血圧が高くなっていた」というケースが多く見られます。
高血圧に関連した症状が現れていたとしても、それらは頭痛や倦怠感など、寝不足や過労などでも見られる症状であるため、勘違いして見逃してしまうことも少なくありません。また、高血圧は初期症状がほとんどありませんが、逆に、症状が出るような高血圧は重症な場合が多いのです。
さらに、高血圧は「動脈硬化」を引き起こし、放っておくと心臓病や脳卒中など命に関わる重大な合併症の発症につながります。ここでは、高血圧に関連した症状を見逃さないで悪化する前に対策していけるよう、高血圧の症状を確認しておきましょう。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01高血圧のなりやすさをセルフチェック
  2. 02なぜ血圧が高いことがいけないのか
  3. 03高血圧は自覚症状がほとんどない
  4. 04自覚症状がある高血圧もある
  5. 05高血圧の本当は怖い合併症
  6. 06合併症の症状その1:頭痛
  7. 07合併症の症状その2:吐き気
  8. 08合併症高血圧の症状その3:動悸
  9. 09合併症の症状その4:めまい
  10. 10合併症症状その5:目の症状
  11. 11まとめ

高血圧のなりやすさをセルフチェック

ここがポイント!

  • 高血圧は生活習慣病の一つであり、誰にでも発症する可能性がある
  • 生活習慣の乱れは高血圧の発症や悪化のリスクを高める

生活習慣病は、生活習慣の乱れが病気の発症に深く関連しているものをいいます。生活習慣病には、高血圧、糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。、高尿酸血症などがあります。この中でも、高血圧は日本において4,300万人程度いると推定されています。つまり、日本人の約3人に1人は高血圧であり、いつ誰が発症してもおかしくない病気なのです。

まずは、高血圧になったり、高血圧を悪化させたりする生活を送っていないかセルフチェックしてみましょう。

<高血圧のなりやすさ危険度をチェック>


あなたはいくつチェックが付きましたか?
「高血圧の危険度チェック」では、これまでのさまざまな医学的研究で、高血圧に確実に関連すると示されてきた生活習慣を挙げています。したがって、チェックのついた数が多いほど高血圧になるリスク、また高血圧が悪化するリスクが高いと考えられます。

特に、3つ以上チェックがついた人は今の生活を続けていると、高血圧になってしまうか、高血圧が悪化してしまうかもしれません。今日から生活習慣の改善を始めていきましょう。

食事、体重、運動、たばこ、ストレスなど、これらは糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。、痛風など、あらゆる生活習慣病に共通する危険因子(リスクファクター)です。しかし、これらの影響が最初に現れやすいのが高血圧症であるため、罹患人口は多く、罹患期間は長くなります。また症状がないため未治療で放置されやすい反面、脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。の最大の原因であることはあまり知られていません。

参考


あなたに合わせた生活・食事指導で高血圧改善

なぜ血圧が高いことがいけないのか

ここがポイント!

  • 血圧が高いと血管が傷つき、弾力性や柔軟性を失い、動脈硬化が進行する
  • 高血圧を放置すると、動脈硬化の進行により命に関わる合併症を引き起こす

なぜ、高血圧の方は生活習慣の改善や降圧薬によって、血圧を下げる必要があるのでしょうか。ここでは、血圧が高いことの何がいけないのかを見ていきましょう。

そもそも血圧とは

血圧は、心臓から送り出された血液が血管の中を流れるときに、血管の壁にかかる力をいいます。つまり、「血圧が高い」ということは、「血管に高い圧力がかかっている」という状態です。
血圧について詳しくは「【血圧の基礎知識】正常値と血圧が「高い」「低い」と判定される数値まで」をご参照下さい。

高血圧は動脈硬化を進行させる

血圧が高い状態が続くと、血管の壁はダメージを受け、やがてあちこちに傷が付いてきます。血管の壁が傷付くと、傷の部分に血液中のコレステロールなどの脂質が付きやすくなります。血管の壁にコレステロールなどが付くと、それがきっかけでさまざまな細胞が反応し、血管壁は少しずつ盛り上がっていきます。すると血管は硬くなり、血液の通り道も狭くなります。これが「動脈硬化」と言われる状態です。
このような仕組みで、高血圧は動脈硬化を引き起こす原因となっているわけです。
動脈硬化の進行により、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)、心臓病、腎臓病などの命に関わる合併症を引き起こしてしまうのです。
動脈硬化の仕組み

参考


高血圧は自覚症状がほとんどない

ここがポイント!

  • 初期の高血圧は自覚症状が現れにくく、高血圧であることや改善の必要性に気付きづらい
  • 高血圧は自覚症状がほとんどなく、知らない間に進行し、命に関わる合併症を引き起こす
  • そのため、別名「サイレント・キラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれている

初期の高血圧は自覚症状がほとんどない

初期の高血圧は、自覚症状がほとんどありません。そのため、高血圧であることに気付かずに、動脈硬化が進行してしまうケースも少なくありません。
また、運良く健康診断などで高血圧が分かったとしても、その時に困るような症状が出ていなければ、食事制限をしたり運動をしたりといった生活改善を始めるのは、なかなか困難であり、高血圧と診断されても、治療を受けずに放置してまう方もいます。

高血圧は別名「サイレント・キラー」と呼ばれる

高血圧は、別名「サイレント・キラー(Silent Killer)」と呼ばれることがあります。これは、高血圧の自覚症状がほとんど無いまま、気付かぬうちに進行し、命に関わる合併症を引き起こすことから名付けられました。高血圧の合併症は、脳や心臓などの重要な臓器に影響する場合が多く、合併症で命を落としてしまうケースもあるのです。
高血圧は

高血圧の約75%は治療を受けいない

日本には高血圧の人が約4300万人もいると言われています。しかし、厚生労働省の調査によると、高血圧で治療を受けている人は、たったの1000万人程度です。つまり、高血圧になっている人の4人に3人もの人が、高血圧に対する治療をしていないのです。治療を行っていない理由は、多忙や経済的な問題など、さまざまであると考えられますが、治療につながらない原因の1つには「症状が現れにくく、病気であることの意識を持ちにくい」という高血圧の特徴もあると考えられます。

初期の高血圧には一般に症状はありません。慢性的な症状が現れるころには既に後戻りできない合併症が起きている可能性があります。高血圧は、気づいたらすぐかかりつけ医を含む信頼できる医療機関に相談することが大切です。なお、二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の場合には、身体的な特徴が現れてから血圧が上昇してくる場合もあります。

参考


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自覚症状がある高血圧もある

ここがポイント!

  • 高血圧は本態性高血圧本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)原因の明らかでない高血圧。高血圧の原因となる病気がなく、生活習慣の乱れなどが原因である。高血圧の約90%が本態性高血圧である。二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の2種類に分けられる
  • 本態性高血圧本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)原因の明らかでない高血圧。高血圧の原因となる病気がなく、生活習慣の乱れなどが原因である。高血圧の約90%が本態性高血圧である。は、原因が特定できない高血圧で全体の90%を占めている
  • 二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。は他の病気が原因で血圧が高くなっている状態をいう
  • 高血圧に加えて原因となる病気の症状が現れる特徴がある
  • 自覚症状のある高血圧の場合には、専門医による診断を受けよう


高血圧は自覚症状がほとんどないと解説してきましたが、実は高血圧には自覚症状が現れる「二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。」があります。ここでは、二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。について解説していきます。

高血圧は2種類に分けられる

高血圧は、原因を特定できない「本態性高血圧本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)原因の明らかでない高血圧。高血圧の原因となる病気がなく、生活習慣の乱れなどが原因である。高血圧の約90%が本態性高血圧である。」と他の病気や薬の副作用で起こる「二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。」があります。高血圧の90%は、本態性高血圧本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)原因の明らかでない高血圧。高血圧の原因となる病気がなく、生活習慣の乱れなどが原因である。高血圧の約90%が本態性高血圧である。です。生活習慣の乱れが要因となる生活習慣病の一つとされており、今まで解説してきたように自覚症状がほとんどありません。
一方、二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の場合は、他の病気が原因で血圧が高くなっているため、原因となる病気の症状が伴う場合があります。二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の原因として、最も多い原発性アルドステロン症原発性アルドステロン症(げんぱつせいあるどすてろんしょう)アルドステロンというホルモンが過剰に分泌されている状態。原因の多くは、副腎(腎臓の上にある小さな臓器)に出来る腫瘍である。主な症状は高血圧症であり、二次性高血圧の原因で最も多い。低カリウム血症、多尿、テタニー(手足のしびれ、けいれん)などの症状が現れる場合もある。は、他の自覚症状はありません。

二次性高血圧は原因となる病気の治療が必要

二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。は、他の病気が原因で血圧が高くなっているので、本態性高血圧本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)原因の明らかでない高血圧。高血圧の原因となる病気がなく、生活習慣の乱れなどが原因である。高血圧の約90%が本態性高血圧である。のように生活習慣を改善するだけでは血圧は下がりません。血圧を下げるためには、薬を飲んだり、原因となる病気を特定し、治療をする必要があります。

二次性高血圧の主な原因

二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の原因となる主な病気と疑うべき症状を解説していきます。

腎実質性高血圧

腎臓に障害が生じ、腎機能が低下することで血圧が上がります。尿をろ過する部分である「糸球体糸球体(しきゅうたい)腎臓にある毛細血管が毛糸の球のように丸まっているもの。血液のろ過をする役割があり、体に不要な老廃物、塩分などをボーマンのうへこし出すことで、血液をきれいにしている。」に炎症が起きる糸球体糸球体(しきゅうたい)腎臓にある毛細血管が毛糸の球のように丸まっているもの。血液のろ過をする役割があり、体に不要な老廃物、塩分などをボーマンのうへこし出すことで、血液をきれいにしている。腎炎、糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。の合併症である糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。腎症、多発性嚢胞(のうほう)腎などの病気が含まれます。

腎血管性高血圧

腎臓にある動脈が、何らかの原因で狭くなったり、閉塞したりすることが原因で発症する高血圧です。高血圧のうち、約1%の方に認められています。腎動脈が狭くなる原因は、動脈硬化が最も多いです。

内分泌性高血圧

内分泌性高血圧は、体内の臓器から分泌されているホルモンが過剰に分泌されることで、血圧が高くなる高血圧です。主に原発性アルドステロン症原発性アルドステロン症(げんぱつせいあるどすてろんしょう)アルドステロンというホルモンが過剰に分泌されている状態。原因の多くは、副腎(腎臓の上にある小さな臓器)に出来る腫瘍である。主な症状は高血圧症であり、二次性高血圧の原因で最も多い。低カリウム血症、多尿、テタニー(手足のしびれ、けいれん)などの症状が現れる場合もある。、クッシング症候群、褐色細胞腫褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)主に副腎(腎臓の上にある小さな臓器)に出来る腫瘍であり、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンの総称)を過剰に分泌する。高血圧、体重減少、頻脈、多汗、高血糖、頭痛など多彩な症状がある。などが含まれます。
原発性アルドステロン症
両側の腎臓の上にある小さな臓器を副腎といいます。原発性アルドステロンは、副腎から分泌される「アルドステロン」という血圧を上げるホルモンの過剰分泌によって発症します。ホルモンが関連している二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の中では、最も多いとされています。
クッシング症候群
副腎から「コルチゾール」という血圧を上げるホルモンが、過剰に分泌されることで発症します。コルチゾールは、糖質ステロイドホルモンの1種類であり、高血圧以外にも、顔やお腹に脂肪が蓄積し、ムーンフェイスや中心性肥満などが現れたり、糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。を発症したりします。
褐色細胞腫
副腎の内側にある副腎髄質や傍神経節から発生する腫瘍をいいます。この腫瘍は、血圧をあげる作用のある「カテコールアミン」というホルモンを産生するため、高血圧になります。
ほとんどは良性の腫瘍であり、手術で摘出することで治癒しますが、10%は骨や他の臓器に転移する悪性腫瘍です。

その他の内分泌性高血圧

内分泌性高血圧には、上記で解説した病気以外にも「先端巨大症」「甲状腺機能亢進症甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)甲状腺の活動が活発になり、甲状腺ホルモンが過剰に作られ、体の各組織にその作用が過剰に発現される内分泌疾患の一つ。主な症状には、動悸、息切れ、体重減少、血圧上昇、発汗、倦怠感などがある。 」「甲状腺機能低下症」「原発性腺機能亢進症」などがあります。

血管性高血圧

血管性高血圧とは、名前の通り「血管」に何らかの異常が生じることにより血圧が高くなっている状態をいいます。主な原因としては、大動脈、肺動脈、冠動脈冠動脈(かんどうみゃく)心筋(心臓を動かす筋肉)に、必要な酸素と栄養素が含まれた血液を送る動脈で、心臓を囲むように存在する。が閉塞したり、拡張したりする原因不明の血管炎である「大動脈症候群」。大動脈以外の血管に炎症が起こる「結節性多発動脈炎」「全身性強皮症」や「大動脈狭窄症」などがある。

脳・中枢神経系の病気による高血圧

脳血管障害、脳腫瘍、脳炎、脳外傷などが原因で、頭蓋骨内の圧力が高まり、脳の中枢の血液量が減少することで、交感神経の活動が亢進し、血圧が上昇します。この反応は、「クッシング反応」といわれています。

薬の副作用で高血圧になる場合もある

二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の原因は、病気だけではありません。薬の作用によって、高血圧が誘発される場合もあります。それらの薬を降圧薬と併用すると、降圧薬の効果を弱めてしまう可能性があると考えられています。これまで、血圧コントロールができていたにも関わらず、薬の服用をきっかけにコントロールができなくなった場合には、薬剤誘発性高血圧の疑いがあります。

高血圧を引き起こす可能性がある薬剤
  • 非ステロイド性抗炎症薬
  • カンゾウ(甘草)製剤
  • グルココルチコイド
  • シクロスポリン
  • エリスロポエチン
  • 経口避妊薬
  • 交感神経刺激薬
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症状のある高血圧の場合は専門医を受診しよう

二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。は、生活習慣を改善するだけでは血圧は下がりません。原因となっている病気をみつけて、治療する必要があります。高血圧に加えて、何らかの自覚症状が現れている場合には、二次性高血圧二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)特定の病気が原因となり引き起こされる高血圧。原因となっている病気の精査や治療が必要。の可能性がありますが、原因によっては判断が難しい場合もありますので、高血圧の専門医に相談する事をおすすめします。

参考


高血圧の本当は怖い合併症

ここがポイント!

  • 「高血圧の症状」と言われるものの、ほとんどは高血圧の合併症による症状である
  • 心臓や血管に現れる高血圧の合併症は、「狭心症」「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」「大動脈瘤」など
  • 脳に現れる高血圧の合併症は、「脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。」「脳出血」「くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」など
  • 高血圧により慢性腎臓病を発症する場合があり、進行すると透析治療が必要になる


高血圧は、動脈硬化を進行させます。血管は、全身に張り巡らされているため、心臓、脳、腎臓などに障害を及ぼし、様々な合併症を引き起こします。
ここでは、高血圧の主な合併症について解説していきます。

動脈硬化により合併症が引き起こされる

血管は全身に張り巡らされています。血液は、心臓から血管を通じて体の隅々まで酸素や栄養を送り、脳などの臓器が十分に機能できるよう支えています。しかしその血管で動脈硬化が起こると、先ほど説明したような仕組みにより血流が滞ってしまいます。血流が滞ると、その先にある臓器に十分な酸素や栄養が行き届かなくなってしまいます。

高血圧により、心臓の血管で動脈硬化が進むと「狭心症(狭心症)」や「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。(しんきんこうそく)」「大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)」などの「心血管病」になりやすくなります。脳の血管で動脈硬化が進むと脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。(のうこうそく)」や「くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」などの「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)になりやすくなります。
これらの心血管病や脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)は、高血圧が原因となって起こった場合に「高血圧の合併症」と呼ばれます。

血圧が高いほど死亡リスクが高まる

厚生労働省が、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」のために行った調査では、「収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が10mmHg上昇すると、狭心症や心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などの心血管病の発症・死亡リスクが約1.1〜1.4倍上昇する」と示されています。

また、高血圧で脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)のリスクが高くなるというデータもあります。大阪市立大学の研究グループによる報告では、最高血圧が160mmHg以上の人はそうでない人に比べて脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。の発症リスクが約3.5倍、脳出血の発症リスクが6.1倍高くなっていました。この結果は、日本脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)学会による「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)治療ガイドライン2015」でも引用されています。

このように、高血圧の合併症としての心血管病や脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)は、国民の健康に大きく影響しているということが、厚生労働省によるデータからも示されているというわけです。
高血圧は危険な合併症を招く.png

2018年秋に、アメリカの高血圧ガイドラインが改定され、高血圧の基準が130/80 mmHgからに引き下げられました。これは何も130/80 mmHgになったらみんな薬を飲みなさいという意味ではなく、やはりこのくらいの血圧からは気を付けた方が良いよね、という意味になります。「予防に勝る治療なし」ですね。


高血圧の合併症1:心臓の病気につながるサイン


高血圧の合併症の中で、心臓に関係しているのは「狭心症」「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などです。

狭心症

「狭心症」は、動脈硬化によって心臓の血流が減少し、心臓に十分な酸素や栄養を送ることが出来ない状態です。この状態を「虚血(きょけつ)」と言います。いわば、心臓の細胞が「窒息」した状態です。

心筋梗塞

心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」は、狭心症と同じく動脈硬化が原因ですが、血管内に出来た「血栓(けっせん)」という塊が血管を塞いでしまい、心臓の一部分で血流が完全に途絶えた状態です。血流が途絶えた先にある心臓の細胞は死んでしまいます。これを「壊死(えし)」と言います。
狭心症で「窒息」している心臓の細胞は、また血管が十分に広くなれば回復しますが、心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。で「窒息死」してしまった心臓の細胞は、二度と生き返りません。そういう意味で、狭心症よりも心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。の方がはるかに重篤です。
高血圧がまねく心臓の病気

狭心症や心筋梗塞を疑うサイン

狭心症や心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。を起こすと、心臓は血液を全身に送るポンプとしての機能を果たせなくなってしまいます。そのため全身が酸欠状態になってしまいます。

このようにして起こる「狭心症」や「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」により体に現れる症状は、「胸痛」「動悸(どうき)」「吐き気」「冷や汗」などです。

狭心症・心筋梗塞を疑うサイン.png

高血圧の合併症2:脳の病気につながるサイン

高血圧の合併症の中で、脳に関係しているものに脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)(のうそっちゅう)」があります。脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)は、脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。、脳出血、くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。の3種類に分けられます。

脳の血管が動脈硬化によって詰まり、脳へ十分な血流を送れない状態は「脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。(のうこうそく)」、脳の血管が破れた状態は「脳出血」、脳の血管の一部分が膨らみ、それが破裂した状態を「くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」と言います。
高血圧がまねく脳の病気

脳卒中を疑うサイン

これらの脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)を発症すると、「激しい頭痛」「めまい」「嘔吐」「手足などのしびれ」などの症状が現れます。脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)は、命に関わる危険な状態です。これらの症状を感じた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
脳卒中を疑うサイン

高血圧の合併症3:腎臓の病気につながるサイン

高血圧の合併症の中で、「腎臓」に関係しているものに「慢性腎臓病(CKD)」があります。

高血圧は、腎臓の機能を低下させ、慢性腎臓病の原因となります。腎臓は、血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体外に排出する役割があり、塩分や水分を排出することで血圧を調整しています。そのため、慢性腎臓病を発症すると、高血圧も重症化するという悪循環を引き起こします。

透析治療が必要になる場合もある

慢性腎臓病になると、ゆっくりと腎機能が悪化していきます。腎臓の機能は、一度失われると回復するのは難しく、腎不全になった場合には、血液がろ過できなくなり、体に老廃物が溜まってしまうため、人工的に機械を通して血液をろ過する「透析治療」が必要となってしまいます。透析治療を行わないと、尿毒症が進み命に関わるため、定期的に人工透析を受ける必要があります。

慢性腎臓病を疑うサイン

初期の場合は、自覚症状がほとんどありません。そのため、高血圧と同じく気づかない間に進行している場合があります。病気がかなり進行してくると、むくみ、倦怠感、貧血、息切れ、夜間尿などの症状が現れてきます。
先ほども説明しましたが、腎機能は進行してしまうと回復することはないため、早期発見のためには、定期的に検査を受けることが重要です。

高血圧の合併症4:血管の病気につながるサイン

高血圧の合併症の中で、「血管」に関係しているものに「大動脈瘤」があります。

大動脈瘤

「大動脈瘤」は、動脈硬化によって血管の一部が膨らんだ状態をいいます。その膨らんだ部分が破裂すると、本来は臓器へ送られる血液が血管から漏れてしまいます。すると臓器へ必要な量の血液を送ることができなくなってしまい、出血によりショック状態に陥ることがあります。大動脈瘤ができていた場所によっては、吐血や血便などの症状も伴います。大動脈瘤が破裂した場合には、すぐに手術を受けないと、命を落とす危険があります。

大動脈瘤を疑うサイン

大動脈瘤のほとんどは無症状のため、自分で発見することは困難であり、健康診断や診察の際に発見されることが多いです。大動脈瘤が大きくなってくると、声がかすれる、息苦しさ、血痰などの症状が現れる場合もあります。
大動脈瘤が破裂した場合には、胸から背中にかけて、激しい痛みが急激に襲います。死亡率が高く、激しい痛みを感じたらすぐに緊急手術を受ける必要があります。大動脈瘤と診断された場合には、破裂の危機を常に心得ておくことが必要です。

参考


高血圧症発症チェック

合併症の症状その1:頭痛

ここがポイント!

  • 高血圧によって頭痛が起こる原因には「高血圧性脳症」と「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」がある
  • 「高血圧性脳症」では脳の血流が増えて脳がむくみ、脳にかかる圧力が上がるために頭痛が起こる
  • 脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」では特に「くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」で「頭を後ろからバットで殴られた」ような頭痛が起こる
  • 高血圧による頭痛への対処法として大切なのは、「高血圧治療」と「急激な血圧の上昇を防ぐこと」
  • 高血圧の人が激しい頭痛を感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう

頭痛が生じる高血圧の合併症とは

高血圧によって頭痛が起こる原因は、全てが解明されているわけではありません。頭痛の原因は緊急性の高い場合から低い場合までさまざまですが、まれに「高血圧性脳症」という、重篤な合併症が原因になっている場合があり、その場合は緊急に対処が必要です。

 高血圧脳症により頭痛が起こるメカニズム

本来脳の血管は、血圧が変化すると血管を収縮させたり広げたりして、脳の血流を一定に保っています。しかし、血圧が著しく上昇して、脳の血管を流れる血流が異常に増えてしまうと、血液の液体成分が脳の血管から漏れ出てしまいます。すると脳はむくんだ状態になり、通常よりも膨らみます。脳を包む頭蓋骨(ずかいこつ)の大きさは変わらないので、脳が膨らむと、脳にかかる圧力が上昇します。この圧力上昇により、頭痛が出現するのです。
「高血圧性脳症」になると、頭痛だけでなく、視力障害、けいれん、意識障害などの症状も現れる場合があります。
高血圧脳症で「頭痛」が起こるメカニズム.png

強烈な頭痛はくも膜下出血が原因の可能性がある

高血圧脳症高血圧脳症(こうけつあつのうしょう)急激な血圧上昇により、脳への血流調節が上手に行われず、必要以上の血液が脳に流れ込む。脳の血液量が増加することで、脳がむくみ圧迫された状態をいう。脳出血、意識障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。」に加え、緊急性の高い頭痛として、高血圧の合併症である脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」により起こる頭痛が挙げられます。脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)の1つであるくも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」を起こすと、85%以上の人が、突然激しい頭痛に襲われることが、米国エール大学の研究により明らかにされています。この時の痛みは、「頭を後ろからバットで殴られたような」と例えられるように、後頭部の強烈な痛みとして現れます。また、くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。を発症する前にも、これから起こるサインとして軽い頭痛が持続する場合があります。

頭痛を伴う合併症を起こさないための対処法

高血圧に関連した頭痛を予防するためには、高血圧に対する治療を行うことと、急激な血圧上昇を防ぐことが大切です。

高血圧に対する治療

国立がん研究センターの報告によると、69歳の男性で比較した場合、健康な人では向こう10年に脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)を起こすリスクは5%ですが、高血圧の人ではその倍の10%になると算定されています。
また、高血圧を完全になくすことが出来た場合、防ぐことが可能となる脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)発症者の割合は35%であると算定されています。喫煙を完全になくした場合は15%、肥満や糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。の場合は5%脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)を防げると算定されており、日本における脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)予防ではダントツに高血圧が重要であると、この結果から読み取ることが出来ます。

血圧が140/90mmHgを超えている人で、高血圧に対して治療を行っていない人は、突然恐ろしい病気が発症するのを予防するためにも、出来るだけ早く一度病院や診療所を受診するようにしましょう。
高血圧の治療では、「血圧を上げる食事」や「運動不足」などの生活習慣を改善することが重要になります。仕事や生活のパターンは人によって異なるため、生活習慣も人それぞれです。ぜひ、医師や病院の専門スタッフと相談して、自分の生活スタイルに合った、実行および継続可能な生活習慣の改善法を考えて、実践していきましょう。
高血圧の程度によっては血圧を下げる薬(降圧薬)が必要になる人もいます。降圧薬を処方された場合は、指示された通りに薬を確実に飲むようにしていきましょう。

急激な血圧上昇を防ぐ

頭痛が現れるような、高血圧の脳への合併症が起こりやすいのは、急激に血圧が上昇したときなので、予防のためには急激な血圧上昇に注意する必要があります。
急激な血圧上昇は、興奮した時によく起こります。例えば「スポーツ試合の応援」や「言い争い」などが挙げられます。他にも入浴時にいきなり熱いお湯につかったり、トイレで強くいきんだりすることも血圧を急に上げる原因になるため、注意しましょう。
高血圧の合併症に関連した頭痛が出た場合は早めに治療を行うことが大切です。そのため高血圧の人が激しい頭痛を感じた場合には、早めに医療機関に相談をしましょう。

参考


合併症の症状その2:吐き気

ここがポイント!

  • 高血圧によって吐き気が起こる合併症には「高血圧性脳症」「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」がある
  • 高血圧脳症高血圧脳症(こうけつあつのうしょう)急激な血圧上昇により、脳への血流調節が上手に行われず、必要以上の血液が脳に流れ込む。脳の血液量が増加することで、脳がむくみ圧迫された状態をいう。脳出血、意識障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。」で脳の圧力が上がると、脳の「嘔吐中枢神経中枢神経(ちゅうすうしんけい)脳と脊髄(せきずい)をいい、末梢神経から得た情報を分析し、指令を出す。」が刺激されて吐き気が起こる
  • 脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」による出血で脳の圧力が上がると、脳の「嘔吐中枢神経中枢神経(ちゅうすうしんけい)脳と脊髄(せきずい)をいい、末梢神経から得た情報を分析し、指令を出す。」が刺激されて吐き気が起こる
  • 心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」により心臓の近くにある「迷走神経」が刺激されると吐き気が起こる
  • 高血圧の人は吐き気が出た場合、病院や診療所を受診して原因を確認しよう


次は吐き気について見ていきましょう。

吐き気を生じる高血圧の合併症とは

頭痛と同じく、吐き気も高血圧の合併症によって出てくる症状です。吐き気が出る高血圧の合併症をいくつか紹介します。、

高血圧脳症

高血圧脳症高血圧脳症(こうけつあつのうしょう)急激な血圧上昇により、脳への血流調節が上手に行われず、必要以上の血液が脳に流れ込む。脳の血液量が増加することで、脳がむくみ圧迫された状態をいう。脳出血、意識障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。」は、脳の血流が異常に増えることで脳がむくみ、脳にかかる圧力が上がっている状態です。脳には「嘔吐中枢神経中枢神経(ちゅうすうしんけい)脳と脊髄(せきずい)をいい、末梢神経から得た情報を分析し、指令を出す。(おうとちゅうすうしんけい)」という、吐き気や嘔吐に関係する神経があります。高血圧脳症高血圧脳症(こうけつあつのうしょう)急激な血圧上昇により、脳への血流調節が上手に行われず、必要以上の血液が脳に流れ込む。脳の血液量が増加することで、脳がむくみ圧迫された状態をいう。脳出血、意識障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。」によって脳に強い圧力がかかると、嘔吐中枢神経中枢神経(ちゅうすうしんけい)脳と脊髄(せきずい)をいい、末梢神経から得た情報を分析し、指令を出す。が刺激されやすくなります。すると、吐き気を感じて嘔吐してしまうことがあるのです。

 脳卒中

高血圧の合併症である「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」の症状としても、吐き気が出る場合があります。「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」のうち、「くも膜下出血くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)脳動脈瘤という血管の膨らみが破れて、出血することで起こる。脳の髄膜は3層構造になっており、中間のくも膜と脳の間で、出血が起こった場合にくも膜下出血と呼ばれる。突然の激しい頭痛で発症する。」や「脳出血」では出血により脳にかかる圧力が上がりやすくなります。すると嘔吐中枢神経中枢神経(ちゅうすうしんけい)脳と脊髄(せきずい)をいい、末梢神経から得た情報を分析し、指令を出す。が刺激され、吐き気が出現する場合があります。

心筋梗塞

心臓に関係する高血圧の合併症である「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」の症状でも吐き気が出ることがあります。日本循環器学会による「虚血性心疾患の一次的予防ガイドライン」には、心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。の人の2~10%が、発症時に吐き気を感じて実際に嘔吐すると示されています。
心筋梗塞で吐き気が生じるメカニズム
その仕組みには、「迷走神経(めいそうしんけい)」という神経が関係していると言われています。「迷走神経」とは脳神経の一つです。脳神経でありながら、多数枝分かれしておなかの方まで伸びている神経です。迷走神経は、心臓近くにも走っています。そのため心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」によって心臓にダメージが生じると、迷走神経が刺激されて吐き気などの反応が起こることが知られています。このように、迷走神経が関係した反応は「迷走神経反射」と呼ばれ、吐き気以外にも、血圧や心拍数の低下、失神、冷や汗などの症状も出る場合があります。

高血圧による吐き気を伴う合併症の対処法

ここまでお話ししてきたように、高血圧に関連した吐き気の裏には、「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」や「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」などの命に関わる危険性の高い病気が隠れている可能性があります。そのため、高血圧の人は吐き気が出た場合、我慢して様子を見るのではなく、医療機関を受診して、吐き気の原因を確認するようにしましょう。

高血圧で吐き気が起こらないためには、何よりもまず、高血圧の合併症を起こさないように日頃から血圧コントロールをしていくことが重要です。高血圧である人はもちろん、そうでない人も、定期的に血圧測定や生活習慣の見直し・改善を行っていくようにしましょう。また、医療機関で高血圧の治療のために降圧薬を処方された場合には、医師の指示通り正しく飲んでいくようにしましょう。

参考


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合併症高血圧の症状その3:動悸

ここがポイント!

  • 動悸とは、心臓の動きが自覚できるほどドキドキして不快な状態
  • 高血圧によって動悸が起こる原因には「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」「心筋症」「心不全」などの心臓の病気がある
  • 心臓の病気によって不整脈が起こりやすくなり、不整脈の症状である動悸が出現する
  • 寝起きに起きる動悸には、朝に活動を起こそうとして血圧が上がる「早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。」が関係している場合がある
  • 運動や緊張などの脈拍が上がるような原因がないのに急に動悸がしたら、心臓の病気が潜んでいる可能性があるので医療機関を受診しよう

次は動悸(どうき)について見ていきましょう。動悸という言葉を、聞いたことはありますか?最初に動悸とはどのようなものなのか、確認をしていきましょう。

動悸(どうき)とは

動悸は「通常とは異なり、心臓の動きがドキドキと不快に感じられる状態」です。動悸の原因はさまざまですが、大きく「心臓の病気が原因で起こるもの」と、「心臓の病気以外が原因で起こるもの」の2つに分けられます。
動悸が生じる心臓の病気には、心臓が必要とする酸素や栄養が十分に供給されず、心臓自体がダメージを受ける「狭心症」や「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。、心臓に付いている弁に異常がある「心臓弁膜症」などがあります。
一方、動悸が起こる心臓の病気以外の原因としては、発熱やストレスなどが挙げられます。
動機とは

動悸を生じる高血圧の合併症とは

高血圧で動悸が起こる原因は、主に「心臓に起こる合併症」です。
高血圧が続くと動脈硬化が進行し、「狭心症」や「心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。」などの合併症が起こりやすくなります。また、高血圧で動脈硬化が起きている状態のとき、心臓は全身へ血液を送るために、本来よりも強い力で血液を押し出しています。高血圧が持続したり悪化したりすると、その分、心臓への負担は大きくなるのです。やがて、心臓の筋肉自体が大きくなる「肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)」や、心臓が疲れてしまって全身に血液を十分に送れなくなる「心不全」を発症する可能性が出て来ます。

心臓の病気では不整脈が見られる場合が多い

心臓の病気では「不整脈(ふせいみゃく)」が出やすくなります。心臓は本来、一定のリズムで1分間に60〜100回程度脈を打ちますが、何らかの原因で脈が早くなったり、遅くなったり、不規則なリズムになったりすることがあります。これが「不整脈」と言われる状態であり、「不整脈」の症状の1つに動悸があるのです。

動悸を生じる合併症の対処法

動悸が起こったからといって危険な状態にあるかというと、全てがそうというわけではありません。

動悸のほとんどは、ただ単に緊張したことで、一時的に脈拍が上昇して起こるものです。そのためほとんどの場合は、緊張が解けることで動悸も治ります。
一方で、日本循環器学会の調べにより、「高血圧」「糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。」「肥満」「高コレステロール血症」の人や、「喫煙習慣」のある人は動脈硬化が進んでおり、狭心症や心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。を起こしやすいと分かっています。
特にこれらに該当する人は、運動や緊張などの脈拍が上がるような原因がない時に、急に動悸がした場合、心臓の病気が原因で不整脈が出ている可能性があります。そのような場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

動悸を感じたらきっかけや時間をメモしておこう

動悸を感じたら、医療機関を受診して心臓などの検査を行ってもらい、動悸の原因となっている病気を突き止めることが大切です。動悸の原因となっている病気を見つけて適切な治療を受けることで、危険な状態になるのを防ぐことが可能になります。
病院を受診した際には、運動や緊張などの動悸が出るきっかけは何かあったのか、動悸はどのくらいの時間持続したのか、動悸は定期的に出現するのか、動悸が出現した時の脈の速さはどんな具合だったのか、などを医師に伝えると、診断の手がかりとなり、動悸の原因を突き止めてもらいやすくなります。気になる症状は、メモを取っておくとよいでしょう。

参考


合併症の症状その4:めまい

ここがポイント!

  • 脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。や脳出血では脳への血流が低下して、脳にある体のバランスをとる神経がダメージを受けることでめまいが生じることがある
  • めまいに加えて頭痛、吐き気、ろれつが回らないなどの症状が出現した場合、高血圧の合併症によってめまいが出ている可能性がある

次は、高血圧の合併症とめまいの関連性について見ていきましょう。

めまいを生じる高血圧の合併症とは

高血圧の合併症の一つである「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」では、めまいが起こることがあります。
めまいは、体のバランスを保つ平衡感覚(へいこうかんかく)が異常になることによって生じます。脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。」や「脳出血」が起こると、脳への血流が低下するため、脳の一部がダメージを受けます。その際に、平衡感覚に関係する神経などがダメージを受けると、体のバランスが不安定になり、その結果めまいを生じてしまいます。

めまいを生じる合併症の対処法

脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」が原因の場合では、めまいに加えて「ろれつがまわらない」「手足に力が入りにくい」「物が二重に見える」「頭痛がある」「吐き気がする」などの症状が伴う場合があります。
これらの症状が出た場合には「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」によるめまいを疑って、直ちに医療機関を受診しましょう。

参考


高血圧症発症チェック

合併症症状その5:目の症状

ここがポイント!

  • 高血圧のみでは、眼の症状が生じることは極めて少ない
  • 脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」によって目の神経近くの脳がダメージを受けると、目が見えなくなるなどの症状が出る
  • 「高血圧性網膜症」では、目の血管で動脈硬化が起こることで目の血流が途絶え、目の機能がダメージを受ける
  • 高血圧の人で目が見えづらくなったら、高血圧の合併症の可能性があるため医療機関へ相談しよう

最後に、高血圧による目の症状について見ていきましょう。

目に症状が現れる高血圧の合併症とは

脳卒中

高血圧の合併症の一つに「脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」があります
脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」は脳の血管が詰まったり出血したりして、脳の隅々までに血液が行き届かなくなり、脳が正しく機能出来なくなる病気です。
目に映るものが見えることに関わる神経は、目から奥に向かって出ており、脳の後ろ部分につながっています。
そのため、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)」によって目の神経近くの脳がダメージを受けると、片目が見えなくなることがあります。また完全に見えなくなっていなくても、目の前にカーテンがかかったようになったり、物が二重に見えるようになったりするなど、見え方に変化が現れます。

高血圧性網膜症

高血圧に関連して目に症状が出る病気は脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)だけではなく、もう1つ「高血圧性網膜症(こうけつあつせいもうまくしょう)」というものもあります。
高血圧性網膜症とは、高血圧が引き金となって、ものを見る上で大切な働きを担っている目の「網膜」が損傷を受ける病気です。
他の臓器と同じく、目にも血管が通っています。私たちからいつも見えている前側ではなく、眼球の後ろ側に血管はあります。高血圧になると、血管で動脈硬化が進むことはもうお分かりですね。動脈硬化は目の血管でも起こります。目の血管で動脈硬化が進んでいくと、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)と同じように目の血管が詰まったり出血したりしやすくなります。すると、網膜に血流が届かず、場合によっては一部の細胞が死んでしまう場合もあります。網膜がダメージを受けると、視力が低下するなどの症状が出る可能性があります。

目の症状を生じる合併症の対処法

目の症状の直接の原因となる脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)や高血圧性網膜症などは、治療をしないと失明の恐れや、場合によっては命を失う危険さえあります。
そうならないためには、日頃の高血圧改善策が基本ですが、もし目が見えづらくなるなどの症状が出現した場合は、高血圧の合併症によるものである可能性を考えて、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

参考

まとめ

普段の生活で頭痛やめまいなどを感じた時「最近疲れているからかな」と、疲れなどを理由に見過ごしていませんか?確かに、今回お話ししてきたさまざまな症状は、高血圧以外でも出現することがあります。しかし高血圧の人にこれらの症状が現れた場合、もしかしたら高血圧の合併症から来ている可能性もあるのです。そのサインを見逃してしまうと、危険な高血圧の合併症を発症し、命を落としてしまう可能性さえあるのです。
ぜひ自分の体が発するサインを敏感に感じ取るようにしてみてください。
今回お話ししてきた症状のほとんどは、高血圧が原因となって起こり得るものです。もしも高血圧が原因であった場合、その対処法や予防法として1番重要なのは、原因である高血圧を改善することです。高血圧は1日で改善するようなものではありません。食事や運動などの生活改善に加えて、必要であれば医師の指示通りに血圧を下げる薬を服用するようにしていきましょう。その上で症状が出た場合には症状に応じた対処法を試し、医療機関を受診するようにしましょう。

Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

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