フィナステリド(プロペシア)の効果|医学的な研究論文を基に、効果が実感できる目安について解説

フィナステリドは、AGAの内服治療で用いられている薬です。フィナステリドの発毛・育毛効果は医学的に証明されていますが、髪の毛は「毛周期」というサイクルで生え変わっているため、効果を実感するまでにはある程度の期間が必要だとされています。ここでは、フィナステリドがAGAの症状を改善するメカニズムや、内服を始めてからどの程度で効果が現れるのかなど、フィナステリドの効果について詳しく解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01フィナステリドの効果
  2. 02フィナステリドの効果はいつから実感出来るのか
  3. 03フィナステリドが効かないケースもある
  4. 04フィナステリドの効果が出るまでに出来る事
  5. 05まとめ

フィナステリドの効果

ここがポイント!

  • フィナステリドには、AGAの原因物質を作る酵素の働きを弱める効果がある
  • 国内の臨床試験では、フィナステリド内服48週後5割以上の方に症状の改善傾向が認められた

フィナステリドはAGA治療用の内服薬です。
フィナステリドの発毛・育毛効果は医学的に証明されています。ここでは、フィナステリドがどのような作用機序でAGAの症状を改善するのか、その効果について見ていきましょう。

作用機序

男性ホルモン(テストステロン)は髪の毛を作る細胞内に入ると「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きで、「DHT(ジヒドロテストステロン)」というより強い男性ホルモンに変換されます。「DHT」は前頭部や頭頂部の髪の毛の成長を抑制する方向に働くため、薄毛になると考えられています。フィナステリドには、男性ホルモンをDHTに変換する酵素の働きを抑え、原因物質を減らす作用があるのです。
テストステロンがDHTから作られる仕組み

・AGAの原因について詳しく知りたい方は「【AGAの原因について】原因物質「DHT」が薄毛スイッチを入れる仕組みから遺伝やストレスの影響・女性のAGAまで」をご参照下さい。
・DHT(ジヒドロテストステロン)に関して詳しく知りたい方は「AGAを引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」とは~男性ホルモンに共通の役割とDHTの特徴からAGA治療薬がDHTを減らす作用の仕組みまで解説」をご参照下さい。

フィナステリドの効果を証明した研究

フィナステリドは、国内の臨床試験において発毛・育毛効果が医学的に証明されています。
臨床試験の内容は、AGAの方414名(24歳~50歳)を対象に、「ニセ薬を飲むプラセボ群」「フィナステリド0.2㎎を飲む群」「フィナステリド1mgを飲む群」の3つに分けて、頭頂部の毛髪の変化を7段階で評価するというものでした。
投与前と比べて、48週後(約1年後)に改善傾向であると判定されたのは、フィナステリド0.2㎎群で54.2%、フィナステリド1mg群で58.3%、プラセボ群で5.9%という結果でした。薬剤群とプラセボ群では、有意差が認められましたが、0.2㎎と1mgの薬剤群同士ではほとんど有意差は認められませんでした。フィナステリド内服により半数以上の方にAGA症状の改善が認められ、発毛・育毛効果が医学的に証明されました。

参考


脱毛症診断チェック

フィナステリドの効果はいつから実感出来るのか

ここがポイント!

  • フィナステリドの効果を実感するには、6カ月間内服を継続する必要がある

フィナステリドにはAGAの症状を改善させる効果があります。
しかし、髪の毛は古い髪の毛が抜けて、新しい髪の毛に生え変わる「毛周期」というサイクルがあるため、薬の効果が発揮されるまでに時間がかかります。
MSD株式会社から製造販売されているフィナステリドを有効成分とした「プロペシア」という薬の添付文書には、「3カ月内服を続けることで効果が現れる場合もあるが、効果が確認できるまでには通常6カ月間が毎日内服する必要がある」と記載されています。つまり、フィナステリドの効果を実感するまでには、最低でも6カ月はかかるのです。飲み始めてすぐに効果が得られない場合でも、まずは6カ月間内服を続けてみましょう。

効果が実感できるまでに2年弱かかったとする報告もあります。いずれにしても、効果が実感できないからといって、すぐに服用をやめることはおすすめできません。

参考


フィナステリドが効かないケースもある

これまで、フィナステリドの「発毛・育毛効果」「効果が実感できるまでの期間」について解説してきました。しかし、薬の効果は全ての人に等しく現れるわけではありません。フィナステリドの内服を続けても、症状が改善しない方もいます。日本皮膚科学会が策定したAGAの診療ガイドラインでは、1年間外用薬や内服薬の治療を続けても症状が改善されない場合には、自毛植毛やかつらの使用も推奨されています。フィナステリドの継続期間は、最低6ヶ月とされていますが、人によっては1年間継続して効果が得られる場合もあります。しかし、効果が得られないまま何年も内服を継続する必要はなく、薬の変更や中止のタイミングについては、主治医とよく相談して決めましょう。

参考


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フィナステリドの効果が出るまでに出来る事

ここがポイント!

  • 直接的にAGAの症状を改善する根拠はないが、髪の毛の健康を保つために気を付けられるポイントはある
  • バランスの良い食事、正しいシャンプー方法による洗髪、生活リズムを整えるなどを日常生活で気を付けていく

内服治療はすぐには効果がでないと説明しましたが、直接的にAGA症状の改善に結びつかなくても、日常生活の中で髪の毛の健康のために気を付けられる点はたくさんあるのです。ここでは、それらを1つ1つ解説していきます。

バランスの良い食事

髪の毛も体の一部なので、成長や健康維持には「栄養」が必要となります。偏った食事を続けていると、髪の毛の成長にも影響を及ぼします。バランスのとれた食生活を心掛けるようにしましょう。
髪の毛の約90%はケラチンというたんぱく質で構成されています。そのため、タンパク質やタンパク質を合成をサポートする亜鉛やビタミンB群などの栄養素を、食生活の中に取り入れていくと良いでしょう。

正しいシャンプー

髪の毛や頭皮の清潔を保つために、シャンプーはとても重要です。しかし、直接髪の毛や頭皮に触れる行為なので、正しい方法で行わないと返ってダメージを与えてしまう可能性もあります。
シャンプーをする際に爪を立てて洗ったり、熱いお湯を使わないよう注意しましょう。また、シャンプーの洗い残しは、頭皮が荒れる原因になるのでしっかりと洗い流すようにしましょう。

生活リズムを整える

生活リズムの乱れは、自律神経の乱れに繋がると考えられています。ストレスや睡眠不足などが原因で、自律神経のバランスが崩れると「交感神経」が活発になり、血管を収縮させて血行不良を引き起こす場合があります。髪の毛は、頭皮の毛細血管から必要な栄養素と酸素を取り入れているため、血行不良になると髪の毛の成長を妨げる可能性があるのです。そのため、規則正しい生活を送ることが重要です。厚生労働省は、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」という健康施策の中で、「さまざまな精神的・身体的病気の予防において、健やかな睡眠と休養が重要である」としています。
快眠のためのポイントには「寝具を整える」「朝起きたら光を浴びる」「同じ時刻に眠る」などがあります。
快眠のためのポイント

AGA予防のための食事、シャンプー、快眠のためのポイントについて詳しく知りたい方は「【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説」をご参照下さい。

まとめ

「フィナステリド」はAGA治療に用いられる内服薬の1つです。
フィナステリドには、AGAの原因物質を作る酵素の働きを抑える作用があり、原因物質が減ることで症状を改善させる効果があります。フィナステリドの発毛・育毛効果は医学的に認められていますが、効果が現れるまでには一定の時間を必要とします。フィナステリドを有効成分としている「プロペシア」という薬の添付文書には、効果を実感するまでに6カ月間内服を続ける必要がある旨が記載されています。髪の毛は「毛周期」というサイクルを繰り返して生え変わっています。AGAの細く短い髪の毛が抜けて、太く長い髪の毛が新しく生えてくるまでに一定の時間が必要なのです。
また、薬の効果は個人差が大きく、内服を続けても症状が全く改善しない方もいます。日本皮膚科学会が策定したAGAの診療ガイドラインでは、外用薬や内服薬による治療を1年以上続けても症状が改善されない方は、自毛植毛やかつらの使用の検討を推奨しています。
AGAの治療法や対策は一つではありませんので、内服薬で効果が得られなかった方は、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

また、フィナステリドのように直接的にAGAの症状を改善することは出来ませんが、食事のバランスを気を付けたり、生活リズムを整えたりすることで髪の毛の健康を保つことは出来ます。また、髪の毛や頭皮に直接触れるシャンプーを正しい方法で行うことで、刺激を抑えることも出来ます。ここまで紹介してきた対策法を、日常生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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