【フィナステリドの副作用とは】現れる可能性がある症状から女性や子どもへの影響までを解説

フィナステリドは、男性のAGA治療に用いられている内服薬です。フィナステリドの発毛・育毛効果は医学的に証明されており、AGA男性の多くが内服治療を受けています。一方、女性の薄毛への有効性は証明されていないため、基本的に女性には処方されません。
ここでは、ED,むくみ、頻尿、肝臓の障害などの症状はフィナステリドの副作用として生じる可能性があるのか、フィナステリドの内服が妊娠している女性にどのような影響を与えるのかなど、様々なフィナステリドの副作用について解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01フィナステリドとは
  2. 02フィナステリドの副作用でEDになるのか
  3. 03フィナステリドの副作用でむくみは起こるのか
  4. 04フィナステリドの副作用で頻尿になるのか
  5. 05フィナステリドの副作用で肝臓に障害が起こるのか
  6. 06妊娠している女性に対するフィナステリドの副作用
  7. 07フィナステリドの副作用は子作りに影響するのか
  8. 08フィナステリドの副作用一覧と出現頻度
  9. 09まとめ

フィナステリドとは

ここがポイント!

  • フィナステリドは、男性のAGA治療用の内服薬である
  • AGAの診療ガイドラインでは、男性の内服療法の第一選択薬として推奨されている
  • フィナステリドは、AGAの原因物質(男性ホルモン)を作る酵素の働きを抑える作用がある

AGA治療用の内服薬である

フィナステリドは、AGA治療の内服薬です。日本皮膚科学会が策定したAGAの診療ガイドラインでは、男性のAGAでは内服療法の第一選択薬として用いることが推奨されています。女性のAGAは、原因が明らかになっておらず、フィナステリドの有効性が証明されていないため、女性の薄毛治療には使用されていません。

フィナステリドの効果

AGAの原因物質は「DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。「DHT」が前頭部や頭頂部の髪の毛を作る細胞に作用すると、髪の毛の成長が抑制され薄毛になります。
フィナステリドには、男性ホルモンを「DHT」に変換する「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きを抑えることで、DHTの量を減少させAGAの症状を改善する効果があります。

参考


脱毛症診断チェック

フィナステリドの副作用でEDになるのか

ここがポイント!

  • フィナステリドの副作用には「勃起機能不全(ED)」がある
  • 国内の評価試験では、被験者の0.7%に「勃起機能不全(ED)」の症状が出現した

フィナステリドの主な副作用には、「性欲減退」と「勃起機能不全(ED)」があります。
フィナステリドを有効成分とした「プロペシア錠」の添付文書には、副作用の発症する確率が記載されています。日本国内で行われた薬の評価試験では、フィナステリドを内服している方のうち「性欲減退(1.1%)」「勃起機能不全(0.7%)」に認められたと報告されています。つまり、フィナステリドの副作用でEDを発症する可能性はあるのです。しかし、性欲減退やEDについては、薬の影響以外にも、生活習慣や加齢、心理的な要因など多くにより影響される現象です。よって、明確に「薬による影響」と判断することが難しい側面もあります。

フィナステリドの副作用でむくみは起こるのか

ここがポイント!

  • プロペシアの添付文書には副作用として「むくみ」に関した記載はない

プロペシア錠の添付文書には、出現頻度が不明な副作用として「血管浮腫」があげられています。
血管浮腫は通常のむくみとは異なり、まぶた、唇、手足の一部などが急性的に腫れることをいいます。プロペシア錠の場合、過敏症の欄に「血管浮腫」が記載されており、急性のアレルギー症状の1つを指していると考えられます。
そのため、通常の「むくみ」は添付文書に記載されておらず、薬の効果もむくみを生じさせるものでないため、フィナステリドの副作用により「むくみ」が生じる可能性は低いと考えます

ちなみに、出現頻度が不明な副作用は、国内の評価試験では認められていないが、海外からの報告や自発的な報告により分かったものをいいます。

参考


脱毛症診断チェック

フィナステリドの副作用で頻尿になるのか

ここがポイント!

  • プロペシアの添付文書には副作用として「頻尿」に関した記載はない

プロペシアの添付文書には、「頻尿」に関する副作用は記載されていません。
フィナステリドという成分は、前立腺肥大の治療薬としても用いられており、むしろ「頻尿」を改善する薬でもあるのです。そのため、フィナステリドの副作用で頻尿が生じることは、ほぼないと考えられます

参考


フィナステリドの副作用で肝臓に障害が起こるのか

ここがポイント!

  • プロペシアの添付文書には「肝機能障害」が重大な副作用として記載されている
  • しかし、国内の評価試験では出現しておらず、海外からの報告や自発的な報告なので出現頻度は不明

「肝機能障害」も重大な副作用としてプロペシア錠の添付文書に記載されています。
しかし、国内の評価試験では現れておらず、海外からの報告や自発的な報告により分かったものなので出現頻度は不明ですが、少なからず肝臓に障害を与える可能性はあるということを心得ておきましょう。もともと肝臓に病気を抱えている方は、内服開始前に医師に伝える必要があります。また、
薬を飲んでいる間に体に異常を感じたり、血液検査で肝機能に関する数値に異常が出たような場合には、必ず医師に相談してください。

参考


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妊娠している女性に対するフィナステリドの副作用

ここがポイント!

  • 男児を妊娠している女性が、体内にフィナステリドの成分が取り入れると、男児の生殖器の発育に影響を与えてしまう可能性がある
  • フィナステリドの成分は、皮膚からも吸収されるため、妊婦、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は割れた錠剤には触れないように注意が必要

男の子を妊娠している女性の体内にフィナステリドの成分が取り込まれると、赤ちゃんの生殖器などの発育に影響を与えてしまう可能性があると考えられています。そのため、妊婦や妊娠の可能性がある女性の内服が禁止されていることはもちろんですが、フィナステリドは皮膚からも吸収される薬なので、直接薬の成分に触れないよう注意する必要もあります。

プロペシア錠の表面はコーティングされており、通常割れたり砕いたりしない限りは有効成分に直接触れることはありません。しかし、割れているものは有効成分が露出している可能性があります。妊婦、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は割れた錠剤には触れないように気を付けましょう。また、フィナステリドを内服中の男性は、錠剤を割ったり砕いたりせずに飲むことが大切です。

参考


フィナステリドの副作用は子作りに影響するのか

ここがポイント!

  • フィナステリドの主な副作用には「性機能障害」があるため、子作りに影響すると考えられる
  • しかし、それ以外の副作用や薬の成分が子作りに影響するとは記載されていない

フィナステリドの主な副作用には、「性欲減退」「勃起機能不全」などの性機能障害があると紹介しました。性機能障害によって、性交が行えず子作りに影響を及ぼす可能性は否定できません。その場合には、内服を中止するなどの対処が必要となります。しかし、それ以外の副作用や薬の成分が子作り影響することは、添付文書やAGAの診療ガイドラインには記載されていません。
また、先ほども示したように、性欲減退やEDについては、薬の影響以外にも生活習慣や加齢、心理的な要因など多くに影響される現象であることも、頭に入れておきましょう。

参考


脱毛症診断チェック

フィナステリドの副作用一覧と出現頻度


種類/頻度 頻度不明 1~5%未満 1%未満
過敏症 掻痒症(かゆみ)、蕁麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面浮腫)
生殖器 睾丸痛、男性不妊症・精液の質の低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等) 性欲減退(リビドー減退) 勃起機能不全、射精障害、精液量減少
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ‐GTP上昇
その他 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

副作用を心配して、治療に踏み切れない方もいると思います。副作用は、少しでも薬との関連があると認められた症状は全て記載されます。国内では認められていない症状や、因果関係がはっきりしない症状も含まれています。よって、過度に心配しすぎることはないと考えます。気軽に主治医に相談してみるのがいいでしょう。

参考


まとめ

フィナステリドは、AGAの診療ガイドラインにて男性のAGA内服治療の第一選択薬として推奨されています。フィナステリドには、薄毛の原因である「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンを作る酵素の働きを抑制する作用があります。しかし、女性のAGAは原因が完全に解明されておらず、有効性が証明されていません。それだけでなく、男児を妊娠している女性がフィナステリドの成分を体内に取り入れると、男児の生殖器などの発育に影響を及ぼす可能性があると考えられているのです。そのため、AGAの診療ガイドラインでは女性には使用しないよう記載されています。
フィナステリドの主な副作用には「性欲減退」「勃起機能不全(ED)」などの性機能不全があります。これらの他に、国内の評価試験では現れていませんが、肝機能障害、血管浮腫、睾丸痛などさまざまな副作用が報告されています。これらの報告は、海外からの報告もしくは自発的な報告なので、出現頻度は不明です。
フィナステリドには副作用がいくつかありますが、発毛・育毛効果が医学的に証明されている内服薬です。薬の副作用を理解し、似たような症状が現れている場合には直ちに医師に相談するなどして、薬と上手に付き合うことが大切でしょう。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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