【アロビックス外用液とは】脱毛症への発毛効果や使い方などを詳しく解説

アロビックス外用液は、脱毛症治療に使われている外用薬です。日本皮膚科学会が策定している円形脱毛症やAGAの診療ガイドラインの中にも、有効成分である塩化カルプロニウムについて記載がされています。これまで国内おいて膨大な診療実績があり、多くの脱毛症治療に用いられてきました。ここでは、アロビックス外用液の適用である脱毛症と尋常性白斑について、治療効果や副作用、薬価、初期脱毛は生じるのかなどについて紹介していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01アロビックス外用液とは
  2. 02アロビックスの発毛効果
  3. 03アロビックスは白斑に効果があるのか
  4. 04アロビックスは女性も使用できるのか
  5. 05アロビックス外用で、初期脱毛は生じるのか
  6. 06アロビックスの薬価を知ろう
  7. 07まとめ

アロビックス外用液とは

ここがポイント!

  • アロビックスは塩化カルプロニウムを有効成分とする外用薬
  • 局所の血管を拡げて、血流を改善する効果がある
  • 添付文書上の適応疾患は、脱毛症、乾性脂漏(ふけ症)、尋常性白斑

主成分は塩化カルプロニウム

アロビックス外用液の主成分は、「塩化カルプロニウム」です。AGAの診療ガイドラインで外用薬として使用が最も推奨されているのは「ミノキシジル」ですが、塩化カルプロニウムも生薬との組み合わせで発毛・育毛効果が実証された研究報告があることと、これまでの国内での膨大な診療実績から、外用薬として用いても良いという評価がされています。
アロビックスの添付文書上の適応疾患は、「脱毛症(円形・悪性・びまん性・粃糠性・壮年性・症候性)など、乾性脂漏、尋常性白斑」とされています。局所の血管を拡げ、皮膚への浸透性がよく、作用は持続的という特徴があります。主成分の塩化カルプロニウムは、アセチルコリン様の作用があり、血管を拡張させて、血流をよくすることで、脱毛症の改善に効果が期待されています。動物(ウサギ)実験では、塩化カルプロニウムの局所の血管拡張作用は,アセチルコリンの約10倍であるという報告もあります。

男性型脱毛症の方に対して、公的な保険診療で処方できる外用薬はアロビックスだけです。このような背景から、たくさんの処方がされていますが、効果は乏しい印象です。しっかり治療したい方は、ミノキシジル外用や内服薬をおすすめします。

参考

脱毛症診断チェック

アロビックスの発毛効果

ここがポイント!

  • 添付文書には、脱毛症における「脱毛防止」「発毛促進」の効果があると記載されている
  • 塩化カルプロニウムの発毛効果を証明している研究論文は乏しいが、これまでの国内における診療実績から円形脱毛症やAGAの治療薬として推奨されている

発毛効果は期待できるのか

アロビックスの添付文書には、脱毛症における「脱毛防止」「発毛促進」の効果があると記載されています。主な脱毛症である「AGA」「円形脱毛症」の診療ガイドラインでは、アロビックスの有効成分である「塩化カルプロニウム」を治療に用いても良いという評価がされています。塩化カルプロニウムの発毛効果を証明している研究論文は乏しいですが、保険診療で受けることができる脱毛症の外用治療として、日本国内で膨大な診療実績があり、その部分がガイドラインでは評価されています。

アロビックスが適用される脱毛症

アロビックスが適用される脱毛症は、「円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)、悪性脱毛症、ひこう性脱毛症、びまん性脱毛症、壮年性脱毛症、症候性脱毛症など」と添付文書に記載されています。つまり、なんらかの脱毛症であれば、ある程度の効果が期待できるかもしれないといった位置づけの薬と考えられます。

使い方、副作用

アロビックスは、特徴的な緑色の外観をしており、わずかに特有の匂いがある薬剤です。副作用は比較的少なく、安全に使える薬と考えられます。しかし、塗った部位の刺激感、かゆみ、発赤などが生じる可能性はあります。また、アセチルコリン様の作用があることから、大量に使用したり、生理機能が低下している高齢者などでは、発汗やそれに伴う悪寒や嘔吐などの症状が出現する場合もあります。よって、処方された医師の指示通りに使うことが大切です。

参考

アロビックスは白斑に効果があるのか

ここがポイント!

  • 尋常性白斑の診療ガイドラインには、アロビックスについての記載はない
  • 白斑に対するアロビックスの効果を検証した研究論文は乏しい
  • アロビックスの添付文書には、適用として「尋常性白斑」が記載されているが、治療効果については不明

そもそも尋常性白斑とは

「尋常性白斑」という病名を聞きなれないという方も多いのではないでしょうか。白斑とは皮膚の色調が部分的に抜けてしまうことで、「尋常性(じんじょうせい)」とは、皮膚科の領域では「普通の」という意味で用いられます。よって、尋常性白斑は「普通の白斑」という病態を指します。
尋常性白斑という病気は、最も高頻度で発症する後天性の皮膚の色素異常症です。尋常性白斑の原因は、円形脱毛症と同じ免疫機能の異常だとされています。そのため、尋常性白斑の診療ガイドラインでは、ステロイド外用療法を最も推奨しています。

アロビックスは尋常性白斑に有効か

アロビックスの添付文書には、尋常性白斑に効能・効果があると記載されています。一方、尋常性白斑の診療ガイドラインには、アロビックスについての記載はありません。また、尋常性白斑に対するアロビックスの効果を検証した研究論文は乏しいです。そのため、添付文書には尋常性白斑と記載されていますが、アロビックスの薬理作用(血管拡張作用)から考えても、尋常性白斑への治療効果はほとんどないと考えて良いかもしれません。

参考

脱毛症診断チェック

アロビックスは女性も使用できるのか

アロビックスの添付文書には、女性は使用してはならないという記載はありません。
また、血管拡張という薬の作用から考えても、適用に性差はないと考えられます。そのため、女性でも使用できる脱毛症治療薬だと考えられます。

参考

アロビックス外用で、初期脱毛は生じるのか

ここがポイント!

  • 初期脱毛は、「AGA治療薬による治療開始直後に起こる一時的な脱毛」とされる
  • 初期脱毛を起こす治療薬としては、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドなどが紹介されているが、アロビックスでも生じる可能性があると説明しているクリニックもある
  • AGA治療薬の添付文書にも記載がなく、初期脱毛に対する医学的根拠は乏しい

初期脱毛は、「AGA治療薬による治療開始直後に起こる一時的な脱毛」とされています。初期脱毛が起きると言われている主な治療薬は、ミノキシジル外用薬やフィナステリド、デュタステリド内服薬です。しかし、アロビックス外用でも初期脱毛を生じる可能性があると説明しているクリニックもありますが、初期脱毛が生じるのかについては、医学的に解明されておらず仮説に留まっています。

髪の毛は毛周期というサイクルを繰り返して生え変わっており、新しい髪の毛が生えるためには古い髪の毛が抜け落ちる必要があるため、初期脱毛は薬が効きはじめている証拠であると説明されている場合もあります。一方で、薬の副作用として紹介している場合もあります。しかし、アロビックスを含めAGA治療薬の添付文書には、初期脱毛に関する記載は見当たらず、薬の作用や副作用によって起こる症状という仮説に医学的根拠は乏しいと考えらます。

初期脱毛について詳しく知りたい方は「副作用の「初期脱毛」はフィナステリド(プロペシア)やミノキシジル(リアップ)による治療初期に本当に起こるのか~怖いと思う前に正しく理解しよう」をご参照ください。

初期脱毛は医学的に解明されている症状ではありませんが、複数のAGA専門クリニックで説明しているように、治療を受けている多くの方に現れている可能性があります。今後、初期脱毛について医学的解明がなされるかもしれません。

参考

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アロビックスの薬価を知ろう

ここがポイント!

  • アロビックスは医療保険が適用される薬である
  • 医療保険が適用される薬は薬価基準が定められており、そこから価格が設定される
  • アロビックスはジェネリック医薬品であり、比較的安価な薬である

アロビックスは医療保険が適用されます。医療保険が適用される薬は、国が定める「薬価基準」から価格が設定されるので、医療機関ごとに価格が異なることはありません。

厚生労働省のホームページに掲載されている薬価基準(平成29年6月16日適用)では、アロビックス外用液の薬価は、1mLあたり12.30円と記載されています。それに対して、同様の効果を持つ「フロジン」の薬価は、1mLあたり30.30円であり、アロビックスの方が安価です。アロビックスは1本30mLの製剤なので、1本あたり369円となります。加えて保険適応の薬なので、3割負担の方であれば、薬代は1本110円程度であり、比較的安価な薬剤と言えます。

参考

まとめ

アロビックスは、塩化カルプロニウムを有効成分とした外用薬です。血管を広げて血流を改善する効果があり、主に円形脱毛症やAGAなどの脱毛症の治療に用いられています。
AGAの診療ガイドラインでは、塩化カルプロニウム単独の有益性は明確でないとしながら、これまでの国内での膨大な診療実績より、外用治療の一つとして推奨すると記載されています。また、円形脱毛症の診療ガイドラインでも同様に、塩化カルプロニウムの有益性は十分に証明されていないが、国内における膨大な診療実績から円形脱毛症の単発型や多発型の併用療法として推奨するという評価がされています。
このように、塩化カルプロニウムの発毛・育毛効果は医学的に十分検証されているわけではありませんが、日本では以前から多くの病院で、脱毛症の治療に用いられてきました。アロビックスは医療保険が適用され、ジェネリック医薬品なので価格が低く、様々な脱毛症に適応があるという点が広く使われている理由かもしれません。脱毛症治療の選択肢の一つとして検討されている方は、保険診療を行なっている医療機関を受診し、アロビックスについて相談してみてはいかがでしょうか。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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