【AGA専門医に聞く①ー男性の疑問。薄毛に悩み始めたら、いつから病院に行くべきか?ー】

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東京ロイヤルクリニック
東京ロイヤルクリニック院長

AGA(男性型脱毛症)は、若年男性に発症しやすい脱毛症です。現在日本では、治療に公的な保険が適応されず、自由診療となっていますが、AGAは「病気」と考えていいのでしょうか。AGA治療に10年間携わっている東京ロイヤルクリニック院長に、「AGAは病気なのか」などの素朴な疑問を含めて、お話を聞きました。

目次

  1. 01AGAは病気なのか
  2. 02どれくらい薄くなったら、AGAと言えるのか
  3. 03タバコ、お酒、寝不足は薄毛の原因になるか


AGAは病気なのか

ーAGAの治療は公的な保険が適応されず、「治療」というより「美容目的」と、とらえる考えもありますが、先生はAGAを「病気」と考えますか。

桐生先生:命に関わるような「がん」や「感染症」とは確かに異なりますが、薄毛になると見た目が変わります。特に若い男性がAGAを発症した場合、恋愛や人間関係にも少なからず影響を及ぼし、時にはその方のQOL(Quality of life; 生活の質)を下げる可能性があります。そういう観点からは、病気であると考えて良いと思います。しかし、必ずしも治療を受ける必要はないという点で、他の病気とは異なりますので、治療に公的な医療保険が適応されないのでしょう。よって、治療を希望される患者さんには、「病気じゃないんだから、薬なんて飲まなくていい」というような態度ではなく、希望に応じて適切な治療が提供されるべきである思います。

ー高い治療を勧められるのではないか、と不安に感じている方もいるかもしれません。

桐生先生:確かに、クリニックによっては「専門スタッフ」という医師ではないカウンセラーによる相談が実施され、高価な薬を購入させられたり、高額なローンを組まされた、といった話は聞かないわけではありません。AGA専門クリニックのホームページを見ても、治療の流れや費用などが具体的に説明されていないところもあります。具体性や正確性を欠く情報では、不信感を煽ったり、逆に過度な期待をさせる原因にもなります。
現在はネット社会で、様々な情報に誰もが簡単にアクセスできます。AGAについても、多くの情報があふれています。医師である私がみると、疑問を抱かざるを得ない情報もあります。治療についての正確な知識が乏しく、何をされるか分からない不安から、受診行動に移せない方も多いのが現状でしょう。
AGA治療の基本は、「外用薬」「内服薬」「植毛」「育毛メソセラピー(頭皮注射)」であり、費用もある程度相場は決まっています。受診したクリニックの治療方針や金額に疑問を感じる場合は、納得いくまで相談しましょう。当院では、初めから院長である私が直接カウンセリングを行い、治療まで責任を持って行います。院長1人が最初から最後まで責任を持って治療をしているところが、他のクリニックとの違いかもしれません。


ーしかし、実際のところ、「結局はAGA治療は自由診療であり、美容目的でしょ」という意識が強いように感じますが…

桐生先生:そうですね。ただ、自由診療も悪いところばかりではないと思います。保険診療を行っている一般的な病院で、「これ以上治療はできません」と言われた患者さんに対して、自由診療を行っているクリニックでは、保険診療ではカバーできないような治療を提供できます。そういった患者さんの受け皿的な役割を果たしている面はあります。例えば、「無料カウンセリング」は保険診療ではなかなか出来ませんよね。実際は、ただ話を聞いてもらいたいという方も割と多いですよ。もちろん、美容的な感覚の方もいますけどね。
私がAGAの治療を始めた10年前は、今より情報が少なく試行錯誤の時代でした。しかし、治療を続けていくうちに、AGAの患者さんが抱えている悩みとか、薬を続けられない人が多いなとか、色々なことが見えてきてました。育毛メソセラピーは、たとえ十分な結果がすぐに出ない場合でも、満足してくれる方が多いのも驚きでした。

どれくらい薄くなったら、AGAと言えるのか

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ー薄毛が気になっている男性は多いと思いますが、どこまで薄毛が進行したら、AGAだと考えて良いのでしょうか。医療機関を受診するタイミングを教えてください。

桐生先生:AGAには明確な診断基準はなく、原因物質とされている「DHT」の値を測定しても、診断の参考にはなりません。よって、診断は視診と問診で行うしかありません。視診は、単に肉眼で見て判断する以外に、ダーモスコピーという拡大鏡を用いて、毛髪や頭皮の状態を細かく観察する方法もあります。肉眼で診断に迷う時など、拡大鏡を用います。通常では、毛穴1つに対して太い毛が2~3本生えています。毛穴と毛穴の間が開いていたり、毛穴にたいして1本しか太い毛が生えていないと、AGAの可能性があるかもしれない、と考えます。他には、生え際やつむじを確認して、薄毛が進行していないかを見たり、過去の写真を見せていただき、現状と比較したりもします。

問診としては、抜け毛の状況を聞くことが多いです。枕に抜け毛がたくさんついている、シャンプー時に抜け毛が多いなどと心配される方が多いので、「抜け毛自体は、1日100本程度あってもおかしくないですよ」と、説明しています。
実は、「抜け毛の数」自体は大きな問題ではなくて、「抜けた毛の状態」の方が重要なのです。そのため患者さんには「抜け毛の中に、以前よりも短く細い毛が増えていませんか」と聞きます。それらを踏まえたうえで、AGAであるか診断をし、初期なのか、中期なのか、末期なのかを判断していきます。医療機関を受診するタイミングについては、個々のケースによって様々です。一般的には、発症早期の若い年齢から治療を開始すると、治療への反応が良いとされていますので、少しでも薄毛が気になったら気軽に相談し、適切な治療を受けることが望ましいでしょう。

オンラインで医師の診療が受けられるAGA治療

タバコ、お酒、寝不足は薄毛の原因になるか


ー生活習慣の乱れがAGA発症の原因になるとお考えですか。また、先生が生活指導をされる時に、特に気をつけている点はありますか。

桐生先生:人間も動物なので、生活習慣が悪いと髪の毛が抜けたり、頭皮が荒れたりするなど、少なからず影響はあると考えています。特にタバコを吸っている人には、禁煙を勧めています。AGA治療を行っていても、喫煙者の方が治療効果も低いと感じています。

患者さんには、食事バランスを整える、適度な運動を行う、深夜遅くまで起きていることは避けるように話します。ただ、このように抽象的に指導しても、だいたいの方はできませんよね。なので、私が患者さんに指導するときには、なるべく具体的に伝えるという点を気を付けています。「深夜二時までに寝る」「お酒は三杯まで」など、具体的な数字を出しています。バイクのヘルメットや帽子などで蒸れることも、頭皮環境としてよくないと思いますが、紫外線も頭皮へのダメージにつながるので、メッシュの帽子を使用するなどの工夫をして、頭皮へのダメージを防ぐことも大切です。

- AGA専門医に聞く②に続く

この記事のインタビュアー

岡田 里佳

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。2008年名古屋市立大学医学部卒業。2017年医療をより身近に誰でもアクセスできるような環境作りを目指しポート株式会社に入社。医療系メディアの監修を行う。

掛川 愛莉奈

看護大学で看護師、保健師の国家資格取得。総合病院と眼科専門病院にて看護師を経験後、医療ライターを志しポート株式会社に入社。資格を生かし、医療メディアのライティング・編集業務を行う。

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