【AGA専門医に聞く②ー現場の生の声。どんな治療をしていて、本当に効果があるのか?ー】

東京ロイヤルクリニックインタビュー

AGA(男性型脱毛症)は、若年男性に発症しやすい脱毛症です。内服薬や外用薬の他にも、クリニックによって様々な治療がなされています。AGA治療に10年間携わっている東京ロイヤルクリニック院長に、実際のAGAの治療方法や副作用、「本当に効果があるのか」などの素朴な疑問も含めて、お話を聞きました。

目次

  1. 01クリニックでの実際の治療について
  2. 02副作用は、ほとんど起こらない
  3. 03効果が出るまで、半年間は必要
  4. 04遠隔診療を利用すれば、自宅や会社からでも受診できる
  5. 05これからのAGA治療

クリニックでの実際の治療について


ー桐生先生のクリニックでは、実際どのような治療を行っていますか

桐生先生:植毛以外のすべての治療を行っています。具体的には、ミノキシジル外用薬、内服治療、育毛メソセラピー、HARG療法です。最近では、高濃度ミノキシジル外用薬(15%)の取り扱いを開始しました。育毛セラピーやHARG療法は、AGAガイドラインに記載はありませんが、患者さんが希望し、適応であると判断した場合は、積極的に行うようにしています。治療の効果は人それぞれで、なかなか効果を実感できない方もいますが、まずは「治療を続ける」ことが大切だと思います。実際、治療を続けている方は、表情もだんだん明るくなっていきますね。

当院では、国から認可されている薬を適正価格で処方しています。クリニックによっては、いくつかの成分を配合し「オリジナル薬」として、高価な値段で販売しているところもあります。そのような薬の中には、どんな成分がどの程度入っているか明記されていないものもあります。どのような薬でも副作用のリスクはあるので、いかなる薬でも適正に使用されるべきです。オリジナル薬を処方するような診療態度は、医師としても倫理的に反すると思うので、当院ではオリジナル配合剤は取り扱っていません。

ー受診される患者さんの中には、治療が不必要な方もいますか

桐生先生:治療適応ではない方もいます。ただ、患者さんの9割は自分がAGAだと思い、治療を希望して受診しています。加えて、絶対にAGAになりたくないからと受診する方もいます。どちらにしても、受診するということは、何らかの治療を希望しているんですよね。なので、治療を希望している方には、何らかの治療を提供するように心がけています。また、薄毛が進行していて、スキンヘッドのような状態になってしまっている方もいらっしゃいます。基本的には治療適応ではありませんが、本人の希望を重視し、HARG療法などの治療を続けている方もいます。実際、外見が大きく変わるわけではありませんが、ほんの少しでも髪の毛が生えてくることで喜ばれる方もいます。
また、未成年には、内服薬を含むAGAの治療は行っていません。そもそも中高校生で、AGAを発症する可能性は低く、円形脱毛症や抜毛症など他の疾患を除外する必要があります。よって、適切な診断や治療が必要なので、一般病院の皮膚科を受診すべきだと考えます。

脱毛症診断チェック

副作用は、ほとんど起こらない


ー副作用を心配されている方も多いと思いますが、実際のところ副作用は多いですか

桐生先生:プロペシアなどの内服治療では、性欲減退などの副作用が約2%に出現するとされています。しかし、薬を飲まなくても加齢やストレスで性欲減退は起こりますので、薬の副作用と判断するのはとても困難です。実際当院では、ED(勃起機能不全)を含む副作用を訴えられる方はほとんどないです。以前に、「精液減少」を訴えた方が1人だけおり、調べたところ精液減少も副作用によって起きる可能性がありました。しかし、その患者さんは、それを理解した上で内服の継続を希望されました。また、他のクリニックでプロペシアを内服し、性欲が減退したという方が来院されましたが、ザガーロに変更しただけで、性欲減退が改善しました。薬理作用は同じなので、理論的には薬の変更では改善しないはずです。そのような副作用は、やはり心理的な影響も強いのかもしれません。

効果が出るまで、半年間は必要


ーAGAの治療薬は効果が出るまでに少なくとも半年は必要ですよね。半年間も治療を継続する事って難しくないですか

桐生先生:確かに、AGAの治療効果はすぐに認められないので、治療の継続は難しい問題です。まずは、治療を開始する時に、「効果が現れるまでにある程度の時間を要する」と、患者さんにしっかり理解して頂くことが大切です。私は、「薬を飲んでから6ヶ月で体が慣れます。治療はそれからのスタートになるので、しっかり治療を続けましょう」と説明しています。しかし、AGAの治療を行っている患者さんは、忙しく働いている方が多く、受診するための時間を作れない方もいます。AGAの治療は、「継続すること」が最も大切であると同時に、困難なことなんです。

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遠隔診療を利用すれば、自宅や会社からでも受診できる


ー最近、AGAの治療は初診から遠隔診療で行えますが、「治療を継続する」という観点から、とても有用性が高いように思いますが

桐生先生:その通りです。初めにもお話ししましたが、AGAの診断は視診と問診なので、遠隔診療でも診断が十分可能です。もちろん、診断が難しい方や、様々な持病を持っている方など、遠隔診療に適さないケースもあります。しかし、多くの方は、初診から遠隔診療でAGAを診断、治療することは可能であると思います。
肝機能障害や薬疹などの副作用がが出た場合には、近くのクリニックに行っていただく事になり、そこは不安な点ではあります。しかし、AGA自体は危険な病気ではなく、内服薬や外用薬もしっかりとした診断のもとに使用すれば、安全な薬です。少なくとも対面診療と比較して、過度に心配する必要はありません。ただ、育毛メソセラピーやHARG療法などの「処置」は、クリニックでしかできないので、それらを希望する場合は受診が必要になります。

遠隔診療は、自宅や会社などで診察を受けることができます。「継続すること」が大切なAGAの治療のおいては、メリットは大きいと思います。通院や待ち時間などで自分の時間を無駄にせず、また人目を気にすることなく、専門医による診断を受けられることはとても魅力的ですよね。費用も通常の対面での診療とほとんどかわらないですしね。

これからのAGA治療


ー先生が注目しているAGAの新しい治療法はありますか

育毛メソセラピーについて、新しい注入薬が出ないか気になっています。あと、薬を注入するときの痛みですが、様々な工夫で以前よりずっと軽減されていますが、人によってはまだ痛みを感じる方がいらっしゃいます。なので、より痛みを緩和できる方法があればいいなと思っています。痛みを減らすために、ガス噴射で注入したり、麻酔を併用する方法もあるみたいですが、薬がきちんと注入されなかったり、麻酔も効かなかったりと問題も多いようです。当院では、とても細い針ですばやく打つという方法でやっています。

痛みを和らげる方法で、私が一番良かったと思うのは、原始的ですが、冷やすことですね。実際に行うと、麻酔のクリームを塗るよりも効いている感じがしますね。しかし、頭皮は髪の毛があるので、氷嚢をあててもなかなか冷えなくて、時間はかかります。最近、当院ではコールドスプレーで頭皮を一気に低温にしています。特殊な機械を使って、一気に頭皮をまんべんなくクーリングして、痛覚を鈍麻させて治療を行っています。

今後は再生医療の技術が進み、自分の髪の毛を作って移植するような時代がくるでしょう。自分の髪の毛を再生・培養し、移植することが可能になれば、治療薬がほとんど必要がないくらい画期的な治療法になると思います。

ー最後に、AGA治療を受けようかと悩んでいる方へ一言お願いします

ネットには多くの情報が溢れており、中には間違った情報も含まれています。悩んでいる方は、まずAGA専門の医師に相談してほしいです。時間がなかったり、人目が気になるようなら、遠隔診療という手段もあります。おそらく、読んで頂いた方の多くは、遠隔診療で診断、治療が可能だと思います。早期に治療した方が改善も早いので、悩まれている方は、気軽に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事のインタビュアー

岡田 里佳

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。2008年名古屋市立大学医学部卒業。2017年医療をより身近に誰でもアクセスできるような環境作りを目指しポート株式会社に入社。医療系メディアの監修を行う。

掛川 愛莉奈

看護大学で看護師、保健師の国家資格取得。総合病院と眼科専門病院にて看護師を経験後、医療ライターを志しポート株式会社に入社。資格を生かし、医療メディアのライティング・編集業務を行う。

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