【AGA(男性型脱毛症)とは】抜け毛や薄毛になるメカニズムと治療法を解説

「最近おでこが広くなった」「髪の毛が薄くなってきた気がする」などと、薄毛に悩んではいませんか?もしかしたらそれは、AGA(男性型脱毛症)かも知れません。AGAは日本人男性の3人に1人がなる、とても身近な症状なのです。
AGAは、男性ホルモンが発症に深く関与することから「男性型」とされていますが、男性だけではなく女性でも発症する場合があります。
ここではAGAについて、原因、検査、診断、症状、治療法など、医療的な観点から解説をしていきます。AGAの基本について理解して、薄毛の予防・改善を目指しましょう。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01AGAとはどのような状態なのか
  2. 02AGAで「薄毛」の症状が出る仕組み
  3. 03AGAの原因は「男性ホルモン」
  4. 04男性型脱毛症(AGA)と円形脱毛症(AA)の違い
  5. 05AGA治療のためには何科の病院へ行けばいいのか
  6. 06AGAの検査と診断
  7. 07AGAの治療法と治療薬
  8. 08AGAの治療にかかる費用
  9. 09AGAは予防出来るのか
  10. 10まとめ
この記事のチェックポイント

AGAとはどのような状態なのか


ここがポイント

  • AGAは「男性型脱毛症」の英語の頭文字を取った名前
  • AGAは「太く長い髪の毛」が「細く短い毛」に置き換わってしまう状態
  • 髪の毛が細くなってしまうので、本数が変わらなくても薄く見える
  • AGAはいつ誰が発症してもおかしくない身近な症状

近頃は、テレビCMや電車の広告などで、「AGA(エー・ジー・エー)」という言葉を目にするようになりました。AGAは「男性型脱毛症」のことですが、まずはAGAが一体どのような病気なのかを見ていってみましょう。

AGA は「毛が細く短くなる」状態

AGAは、英語の「androgenetic alopecia(アンドロジェネティック・アロピーシア)」の頭文字を取った略称で、「男性型脱毛症」を意味します。
詳しいメカニズムは後の章で解説しますが、AGAは髪の毛が抜け落ちてしまう状態というよりむしろ、髪の毛が太く長く育たずに1本1本が細くて短い毛に置き換わり、髪が薄く見えるようになってしまう状態であると言えます。

AGAは身近な症状

男性型脱毛症は、思春期以降に始まり徐々に進行していく脱毛症です。
日本皮膚科学会によると、我が国における男性のAGA発症率は、20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降は40%以上と、年齢とともに高くなっていきます。つまり男性は「30代で5人に1人がAGA」と言えるわけで、AGAは決して他人事ではなく、いつ誰が発症してもおかしくない身近な脱毛症と言っても過言ではないでしょう。
AGAの人数

AGAは薬で改善可能〜何もせずに諦める必要はない

AGAに対して有効な治療法が確立されていなかった昔は、気になる人はカツラや植毛などの方法で対処しており、根本的な症状の治療が出来ていませんでした。
しかし、諦めるしかなかった昔とは違い、今では、AGAは治療によって改善することが出来る症状となりました。AGAに有効な塗り薬や飲み薬が開発された上に、自分の細胞から成長因子を採取し髪の毛に注入するという、全く新しい再生毛髪治療も普及してきています。このようにAGAは、今や何もせずに諦めるべき症状ではなくなったのです。

AGAではなく生まれつき薄毛の人は

ここで、生まれつきの薄毛について一言触れておきます。
AGAは思春期以降に発症する脱毛症なので、生まれつき髪の毛が少ない状態の人は、欠毛症や無毛症など、AGAとは別の状態です。
欠毛症や無毛症は、毛のみに異常を認める場合と、毛以外の臓器にも異常を認める場合があります。これらの病気は、遺伝子の異常が原因であると考えられていますが、今のところ、この2つの病気に対する治療法は見つかっていません。生まれつき毛が少ないという人は、裏にこのような病気が潜んでいる可能性もありますので、一度医師に相談してみるようにお勧めします。

参考



AGAで「薄毛」の症状が出る仕組み


ここがポイント

  • AGAでは太く長い毛が細く短い毛に置き換わってしまうために「薄毛」となる
  • 薄毛と感じるのは、毛の成長期が短くなって毛が十分に育たなく、細い毛が増えるため

AGAの症状と言えば「薄毛」ですが、どのようなメカニズムで薄毛になるのかを、ここで確認していきましょう。

太く長い毛が細く短くなってしまう

AGAでは毛が十分に太く長く育たず、細く短い毛に置き換わるようになります。これがまさにAGAにおける薄毛の症状の実体であり、症状が進行するほど細く短い毛が増えていくため、より薄毛になっていきます。

ではなぜ、太く長い毛が細く短い毛になってしまうのでしょうか。それを知るために理解すべき大切な仕組みが「毛周期」です。

髪の生え変わりサイクル「毛周期」


髪の毛は、「毛周期」という下記のようなサイクルによって生え変わりを繰り返しています。
毛周期
毛周期 期間 内容
成長期 約2~6年 新たな毛を作る器官である「毛包」が成長し、毛が太く長く成長していく
退行期 約2週間 毛の成長が停止する
休止期 約3~4か月 毛は抜け落ちる

正常な毛周期とAGAの毛周期
AGAになると、毛周期のうち、毛を太く長く成長させる「成長期」の部分が徐々に短くなり、毛が十分育つ前に、成長が止まる「休止期」に入ってしまいます。また、新たに生えてくる髪の毛も、成長期の短い毛周期を繰り返すため、常に細く短い毛が多くなり、薄毛となってしまうのです。

AGAで、成長期の短い毛周期になってしまう原因については、次の章で詳しく解説します。

女性でもAGAになる人がいる

AGAは「男性型脱毛症」であるわけですが、女性も発症する場合があります。女性が発症した場合には「FAGA/Female AGA (女性男性型脱毛症)」の別名で、AGAと区別して呼ばれる場合もあります。
女性の場合は、更年期以降に発症することが多く、AGAとは異なり、おでこ周辺の髪の毛には変化がなく、頭頂部から比較的広い範囲において毛が薄くなるパターンが多いと知られています。

AGAの症状について詳しくは【AGAの症状について】初期症状から特徴的な症状まで正しく理解して対策を立てよう~かゆみや髪質の変化は本当に起こるのか?セルフチェック付きをご参照ください。

参考

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AGAの原因は「男性ホルモン」

ここがポイント

  • AGAの発症には「DHT」という男性ホルモンが深く関係している
  • 前頭部や頭頂部の毛は、男性ホルモンの影響を受けて細く弱くなりやすい
  • AGAの人の男性ホルモンに関連する遺伝子には、ある程度共通した特徴がある
AGAは女性でもなるという話をしましたが、一方で、男性全員がAGAになるわけではありません。実際、高齢でも、髪の毛がふさふさしている男性もいますが、その違いはどこにあるのでしょうか。ここではAGA発症の原因を解説していきます。

AGAスイッチが入る原因は「DHT」

AGA発症の直接の原因となる物質は「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンです。

「男性ホルモン」と聞くと、毛が濃くなるイメージを持つ人もいるかもしれません。一般的に男性ホルモンは、骨や筋肉の発達を促進してひげや胸毛などの毛を濃くするように働きます。一方で、前頭部や頭頂部にある髪の毛は細く弱くするように働いてしまうのです。ではなぜ男性ホルモンの影響で、前頭部や頭頂部の髪の毛は細く弱くなってしまうのでしょうか。

ひげや前頭部・頭頂部の髪の毛など、男性ホルモンが成長に影響を与える毛の根元にある「毛乳頭(もうにゅうとう)細胞」内には、男性ホルモンを受け止めて作用する「アンドロゲン受容体(AR)」というタンパク質と、「2型 5αリダクターゼ」という酵素が存在します。

男性ホルモンは「ステロイドホルモン」と呼ばれる種類のホルモンで、これらの細胞内に、外側から自然に入り込んで来ます。すると、「2型 5αリダクターゼ」が働き、「テストステロン」という状態であった男性ホルモンは 「DHT」という形に変換されます。次いでDHTがARに受け止められると、DHTとARは一緒になって細胞の「核」という部分に移動し、成長を左右する物質を作る遺伝子に指令を出しにいきます。

この指令が、ひげや胸毛の場合には「成長を促進する物質を作れ」、前頭部・頭頂部の髪の毛では「成長を抑制する物質を作れ」と、反対の指令になっており、こうして作られたそれぞれの物質が、「毛母(もうぼ)細胞」という、毛の成長に直接関連する細胞に作用した結果、ひげや胸毛は「濃く太く」、前頭部・頭頂部の髪の毛は「細く短く」なってしまうのです。
ジヒドロテストステロンが毛の成長に作用する仕組み
DHTについて詳しくは「AGAを引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」とは~男性ホルモンに共通の役割とDHTの特徴からAGA治療薬がDHTを減らす作用の仕組みまで解説」をご参照ください。

遺伝もある程度影響すると分かっている

経験的に、薄毛は遺伝するというイメージはありませんか?祖父や父親が薄毛だったので、自分も薄毛になるのでは、と不安な人もいるのではないでしょうか。
遺伝によって必ずAGAになるとは言い切れません。一方で、研究により、AGAの人には男性ホルモンの効果に関連する遺伝子(受容体遺伝子)にある程度共通な特徴が見られることが明らかになっています。この特徴は、「一塩基多型(SNP, スニップ)」と呼ばれるものです。こうした理由から、AGA発症には、ある程度遺伝が影響すると、現在は考えられています。

女性のAGAの原因

AGAの原因は「男性ホルモン」であるとお話ししてきましたが、女性のAGAの明確な原因はまだ解明されていません。一方で、女性も「副腎」という臓器から男性ホルモンを分泌しており、閉経後に女性のAGAが多い傾向があることなどから、男性ホルモンが関与する可能性が考えられています。

AGAの原因について詳しくは【AGAの原因について】原因物質「DHT」が薄毛スイッチを入れる仕組みから遺伝やストレスの影響・女性のAGAまでをご参照ください。

参考


男性型脱毛症(AGA)と円形脱毛症(AA)の違い

ここがポイント

  • AGAは「男性ホルモン(DHT)」、AAは「免疫の仕組みの異常」などが原因
  • AGAは「髪の毛が細く短くなる」、AAは「髪の毛が抜ける」
  • AGAとAAは治療法が異なる


脱毛症にはAGA以外にもいくつかの種類があります。代表的な脱毛症の1つに「円形脱毛症」があります。これは、円形に髪の毛が抜けることから「10円ハゲ」などと呼ばれることもある脱毛症です。
髪の毛が薄くなるという症状が似ていることから、混同してしまっている人もいるかも知れませんが、実は、AGAと円形脱毛症には、明確な違いがあります。この章ではAGAと円形脱毛症の違いについて確認していきましょう。

男性型脱毛症は英語名の頭文字を取ってAGAと表されるとお話ししましたが、円形脱毛症は英語名の「Alopecia Areata(アロピーシア・アリアータ)」の頭文字を取ってAAと表されます。
AGAは「DHT」の影響によって、主に前頭部や頭頂部の髪の毛が細く弱くなってしまう病気であるのに対し、円形脱毛症は髪の毛の組織に対する「自己免疫」などの影響によって突然髪の毛が抜けてしまう病気です。「自己免疫」とは、本来、自分の体を守るために細菌やウイルスなどの外敵を攻撃する「免疫」の仕組みが異常になり、自分自身を攻撃するようになってしまう病気です。円形脱毛症の場合、脱毛する部位は決まっておらず、頭の一部分の髪の毛が抜ける場合もあれば、頭全体の髪の毛が抜けてしまう場合もあります。

AGAとAAの違い
病名 英語名 主な原因
男性型脱毛症 AGA(Androgenetic Alopecia) DHT
円形脱毛症 AA(Alopecia Areata) 自己免疫

AGAとAAは原因が違うため、当然治療法も異なり、日本皮膚科学会はAGA、AAそれぞれについて治療ガイドラインを作成しています。
後の章で詳しく説明しますが、AGAの主な治療では脱毛の原因となるDHTを作らせないようにする飲み薬や外用薬が使用されます。一方で円形脱毛症の治療では、免疫の働きを抑える作用のある薬を脱毛部に注射する方法などが行われます。

このように同じ脱毛症であっても、種類によって原因から治療法まで変わってしまうため、脱毛が気になり始めた人は自己判断で対処するのではなく、病院や診療所で受診をするようにお勧めします。

円形脱毛症(AA)について詳しくは「【円形脱毛症(AA)とは】原因・4つの症状・治療など正しく知ろう~ストレスとの関連性やステロイド治療薬、シャンプーのポイント、隠す手段などまで」をご参照ください。

AGA治療のためには何科の病院へ行けばいいのか

ここがポイント

  • AGAを含む全ての脱毛症の治療は基本的に「皮膚科」で受けられる
  • 脱毛症専門外来、AGA専門外来、AGA専門クリニックもある

脱毛症は皮膚科の診療領域であるため、基本的に皮膚科を受診すれば、AGAの治療を受けることが出来ます。

最近では病院の皮膚科などに「脱毛症専門外来」が設けられている場合があります。脱毛症専門外来では、AGAの他に円形脱毛症、休止期脱毛症、先天性脱毛症などさまざまな種類の脱毛症を専門とする医師が診療を行っており、専門的な治療を受けることが出来ます。

また、テレビCMや電車の車内広告などで見かけたことがあるという人も多いと思いますが、病院やクリニックによっては、脱毛症の中でもAGAに特化した、「AGA専門外来」「AGA専門クリニック」を開設している所もあります。AGAの専門外来では、AGAの専門医による治療を受けることが出来ます。
最近髪の毛が薄くなっていて気になる、もしかしたらAGAかもしれないと不安な人はぜひ「脱毛症専門外来」や「AGA専門外来」を受診してみてはいかがでしょうか。全ての病院で専門外来が開かれているわけではありませんので、事前に電話やインターネットなどで調べて、必要であれば予約をしましょう。無料カウンセリングを行っている医療機関もありますので、治療を考えている人は、一度相談をしてみてはいかがでしょうか。

AGAの治療について詳しくは【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的にをご参照ください。

AGAの治療法のほとんどが自由診療であるため、一般皮膚科では多くの専門的な治療が受けられません。AGA診療の経験が豊富な専門クリニックで治療を受けるべきであると考えます。


参考


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AGAの検査と診断

ここがポイント

  • 病院では、医師が髪の毛の生え際の後退と、頭頂部の毛の薄さを確認してAGAの診断をする
  • 生まれつきどの程度AGAを発症しやすいかを調べる「遺伝子検査」がある
  • 遺伝子検査は、あくまでも「なりやすさ」を調べる検査で、診断のために行う検査とは異なる

AGAの診断は、額の生え際や頭頂部の毛の状態を見て医師が行い、診断のための検査はありません。現在AGAに関する検査は「生まれつきどの程度AGAを発症しやすいのかを調べる遺伝子検査」のみです。

ここでは、AGAの検査と診断について詳しく見ていきましょう。

AGAの遺伝子検査

先ほど、AGAの人には男性ホルモンの効果に関連する遺伝子(受容体遺伝子)にある程度共通な特徴が見られるとお話ししました。AGAの遺伝子検査とは、この遺伝子に特徴があるかどうかを調べる検査で、結果から、生まれつきどの程度AGAを発症しやすいかを知ることが出来ます。

一般的な検査方法は、口の中の粘膜を綿棒のような採取棒でこすり取ったり、専用の容器で唾液を採取したりするだけです。採血のような痛みもなく短時間で終了しますが、ほとんどの場合、検査結果が出るまでに1カ月程度かかります。

AGAの遺伝子検査は保険適用ではないため、検査費用は2万円程度かかります。病院で検査を申し込む場合には、検査費用に加えて、診察代や薬の料金が加算されることもあります。病院やクリニックによって、検査の価格設定は異なるので、正確に費用を知りたい場合には、電話やインターネットなどで問い合わせるようにしましょう。

AGA遺伝子検査は病院へ行かなくても受けられる

AGAの遺伝子検査は、病院へ行かなくても受けることが出来ます。AGAの遺伝子検査キットは、主にインターネットで遺伝子検査サービス会社によって販売されており、AGA単独の検査として販売されている場合もあれば、他の体質などに関する遺伝子検査とセット販売されている場合もあります。

市販のAGA遺伝子検査キットの相場は、1万2,000円〜1万6,000円程度です。
検査キットの中には、採取棒や唾液を採取する容器が入っており、検査方法は病院で行われるものと同じです。

市販のキットを用いた、一般的なAGA遺伝子検査(採取棒タイプ)の流れ

  • インターネットで申し込むと、自宅に検査キットが届く
  • 検査を行う前に、食べ物のカスなどが付かないように、口をすすぐ
  • 頬の内側に、採取棒の先端を当てて強くこすり、反対側も同じようにこする
  • 採取棒を乾かして専用のケースに入れる
  • 検査会社に返送する
  • 約1カ月で検査結果が届く

AGAの遺伝子検査キット

より詳しい検査方法や返送方法は、それぞれの検査キット内に同封されていますので、そちらを参考に行ってください。

市販のAGA遺伝子検査キットは、忙しくてなかなかクリニックを受診出来ないという人などにおすすめですが、検査の際に医師などの医療者に直接質問が行えないなどのデメリットもあります。

AGAの検査について詳しくは【AGAの検査を知ろう】病院(皮膚科・AGA専門科)で行われる検査方法から自宅で出来る遺伝子検査まで、方法や特徴を解説をご参照ください。

AGAの診断基準

ここからは、病院でAGAがどのように診断されるのかを詳しく見ていきます。
AGA診断の過程では、まず問診で「血の繋がった家族にAGAの人がいるか(家族歴)」や「脱毛の経過」などが聞かれ、その後、医師の診察が行われます。診察では、目で確かめる方法(視診)で「額の生え際が後退していないか」「頭頂部の毛が細く短くなっていないか」をチェックしていきます。視診の際、肉眼ではなく、拡大鏡やダーモスコピー使う場合もあります。ダーモスコピーは、皮膚の病気を観察するときに用いられている特殊な拡大鏡です。
視診により、生え際の後退や頭頂部の薄毛など、AGAの症状が認められた場合には、AGAと診断される可能性が高くなります。

問診や視診以外にも、薬の効果を確認するなどの目的で、血液検査を行う場合もあります。

AGAの診断は、他の病気による脱毛、薬の副作用による脱毛、貧血、過度のダイエットによる脱毛など、AGA以外の脱毛との見極めを慎重に行いながら進められます。
AGA診断の流れ


さきほど紹介したAGAの遺伝子検査は、あくまでもAGAの「なりやすさ」を調べるものです。AGAであるという診断は、医師の視診により行われるものであり、診断がついて初めて薬などによる治療が出来るようになります。AGAかも知れない、もしそうであったら治療を受けたいと思った場合には、病院で直接医師に相談してみましょう。

AGAの診断について詳しくは【AGAの診断方法と診断基準】病院での診断の流れから自宅で出来るセルフチェックや遺伝子検査キットなど幅広く解説をご参照ください。

AGAの診断は、遺伝子検査もありますがエビデンスは少なく、結局のところ経験豊富な専門医による視診と患者さんの経過やエピソードが最も信頼が高いものになります。

AGAの無料カウンセリング

AGA専門クリニックなどでは「無料カウンセリング」が行われている場合があります。無料カウンセリングでは、AGAの説明が受けられるだけではなく、AGAかどうかを大まかに判断してもらえる場合もあります。直接医師に質問をすることも出来ますので、AGAかも知れないと不安に感じている人は、まず無料カウンセリングを検討してみても良いかも知れません。

参考


AGAの治療法と治療薬

ここがポイント

  • AGAの主な治療法は「内服薬」「外用薬」「植毛」の3通り
  • 国内の治療で使用されている内服薬はフィナステリド・デュタステリド、外用薬はミノキシジル
  • 治療の効果があるかどうかを判断するには、1年間は薬を継続する必要がある
  • 内服薬は、女性と未成年は飲んではいけない
  • 薬によるAGA治療は中断すると再度薄毛に戻ってしまうため、ずっと続ける必要がある

ここではAGAの治療法と治療薬について解説をしていきます。

AGAに対して行われる治療法

現在、国内で行われているAGAの主な治療法は、「内服薬」「外用薬」「植毛」の3通りです。それぞれについて、詳しく見ていってみましょう。

AGAの治療法

1)内服薬

現在、国内の病院で行われるAGA治療において、主に使用されている薬は、内服薬(飲み薬)である「フィナステリド」「デュタステリド」です。これらの薬は、医師が処方する「医療用医薬品」で、処方箋がない場合には購入して使用することは出来ません。

2)外用薬

一方、処方箋がなくても薬局・薬店・ドラッグストアなどで購入出来る「一般用医薬品」では、「ミノキシジル」という外用薬がAGAに効果的であるとされています。

日本皮膚科学会は、AGAの最初の治療法として、これらの内服薬もしくは外用薬を単独もしくは併用する治療を、まずは1年間続けるように推奨しています。ただし、女性の場合、AGAの内服薬を飲んではいけない(禁忌)と決められていますので、女性の場合は、薬は外用薬のみとなります。

AGA治療薬について詳しくは「AGA治療薬の効果と副作用|主な3種類の薬~ジェネリック薬情報や値段・通販・輸入薬などについて解説」をご参照ください。
また、これらの治療薬については、後ほど詳しく解説します

3)植毛

AGAの治療ガイドラインでは、外用薬と内服薬を1年間使用した場合でも十分な効果が得られず、他の治療法もない場合に限り、十分な経験と技術を持った医師が行う「植毛」を推奨しています。

「植毛」には自らの毛を使用する「自毛植毛術」と、ナイロンなどの化学繊維で作られた人工毛を使用する「人工毛植毛術」の2通りがあります。

人工毛植毛術の方はトラブルが多く、安全性が担保出来ないため、日本皮膚科学会は、「実施しないように」と勧告しています。ナイロンなどで出来た人工毛を頭皮に移植すると、体は人工毛を「異物」と判断して拒絶反応を起こしてしまい、拒絶反応が起こると、移植した部分が炎症を起こしたり、人工毛が抜け落ちたりしてしまうからです。

日本皮膚科学会が実施しないように勧告している一方で、医療行政を担当する厚生労働省は、人工毛植毛を禁止していないため、日本には現在でも人工毛植毛術を行っている施設があります。

米国では、危険性を鑑み、米国食品医薬品局(FDA)によって、人工毛植毛術は禁止されています。人工毛植毛術を希望する場合には、起こり得る危険などを十分に考慮した上で、医師とよく話し合ってから選択するようにしてください。

もう一方の「自毛植毛術」は、側頭部や後頭部の毛を毛根ごと採取して、必要な部分に移植する方法で、髪の毛が抜けても再び生えてくるという特徴があります。自分の組織を自分に移植するので、基本的に拒絶反応は起こらず、82.5%以上の生着率が得られると報告されています。

人工毛でも自毛でも、植毛を行うには痛みが伴い、費用も高額になる可能性があります。そのため気になる点は事前に医師に確認するようにして、十分に納得してから選択するようにしましょう。

植毛について詳しくは「【自毛植毛によるAGA治療について】植毛後の経過、費用、メリット・デメリット、失敗例など幅広く解説」をご参照ください。

ここまでの治療に関する費用については、後の章で詳しくご紹介します。


AGAの治療法の推奨度


日本皮膚科学会は、治療ガイドラインの中で、AGA治療の種類別に以下のように推奨度を示しています。

推奨度の分類
治療法の種類 推奨度
ミノキシジル外用薬(男性) A
ミノキシジル外用薬(女性) A
塩化カルプロニウム外用薬 C1
tーフラバノン C1
アデノシン C1
サイトプリン・ペンタデカン C1
セファランチン C2
ケトナコール C1
フィナステリド内服薬(男性) A
フィナステリド内服薬(女性) D
自毛植毛術 B
人工毛植毛術 D

A:治療を行うことを強く推奨する

B:治療を行うことを推奨する

C1:治療を行ってもよいが、効果に根拠がない

C2:効果に根拠がないので、推奨できない

D:行わないよう推奨する

推奨度が「A」「B」の治療法は、AGAに対しての治療効果が医学的に認められており、日本皮膚科学会も実施を勧めています。現状では、主に内服薬による治療が行われています。

それでは、推奨度が高い「薬による治療」を中心に、もう少し詳しく見ていってみましょう。

AGAの治療薬が効く仕組み

まずは、内服薬である「フィナステリド」と「デュタステリド」、外用薬である「ミノキシジル」が、AGAに効く仕組みを解説していきます。

フィナステリド

先ほど、DHTがAGAの直接の原因になるとお話ししましたが、この薬には、「テストステロン」を「DHT」に変換する酵素である「2型 5αリダクターゼ」の働きを邪魔する作用があります。テストステロンに比べてDHTの方が男性ホルモンとしての作用が強いため、酵素の働きを邪魔して「DHT」の量を減少させることで、毛の成長期が長くなりAGAの治療につながります。
フィナステリドについて詳しくは「【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説」をご参照ください。

デュタステリド

デュタステリドもフィナステリドと同じく、「2型 5αリダクターゼ」の働きを邪魔する作用があります。この酵素には、1型と2型があり、フィナステリドは2型しか働きを邪魔できないのに対して、デュタステリドは1型と2型の両方の働きを邪魔する力があります。1型の働きを邪魔する作用がAGAの発毛効果に影響を与えるという報告は今のところありませんが、臨床試験においてフィナステリドに比べて発毛効果が高いことが報告されていることから、デュタステリドはフィナステリドよりも2型の働きを邪魔する力が強いと推測されています。
デュタステリドを配合した医薬品「ザガーロ」について詳しくは「AGA新薬「ザガーロ」(デュタステリド)を徹底解説|正しい飲み方、効果、副作用、価格など~プロペシア(フィナステリド)との比較表付き」をご参照ください。
AGA治療薬の作用


ミノキシジル(外用薬)

ミノキシジルは、薬局やドラッグストアで購入することが出来る「一般用医薬品」です。もともとは、血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用で多毛症が頻発することから、さまざまな臨床試験を通してAGAの外用治療薬として用いられるようになりました。
AGAの人は、毛周期は成長期が短いため毛が育たない状態ですが、ミノキシジルには、1.髪の毛の成長因子の産生を促進する、2. 髪の毛の周辺組織の血流を改善する、3.髪の毛の基となる細胞の減少を抑制する作用があります。そのためミノキシジルを脱毛部に直接塗布することで育たず小さくなってしまった毛包を成長させ、その結果毛包が成長して、太く長い毛が伸びて来ます。
ミノキシジルのメカニズム

ミノキシジルが配合されている有名な商品として「リアップ」が挙げられます。処方箋が無くても購入出来る一般用医薬品ですが、AGAの治療効果は医学的に認められており、日本皮膚科学会ではAGAの治療で最初に使う薬(第一選択薬)として「男性では5%ミノキシジル外用液」「女性では1%ミノキシジル外用液」を推奨しています
ミノキシジルが配合されている割合は、成分表に記載されていますので、必ず確認してから購入しましょう。2017年1月現在は、ミノキシジル5%配合の「リアップX5プラス」とミノキシジル1%配合の「リアップジェット」が販売されています。

ミノキシジルについて詳しくは「【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用まで」をご参照ください。

AGA治療薬の副作用

薬の効果の仕組みが分かったところで、今度はAGA治療薬の使用で起こり得る、主な副作用について確認しましょう。

内服薬の副作用

AGA治療薬である「フィナステリド」と「デュタステリド」の主な副作用として、「性機能不全」が挙げられます。
この副作用は、勃起機能不全、射精障害、精液量減少など、「男性不妊」の原因となる場合があります。実際に国内で、フィナステリドと効果のない偽物の薬を使って、フィナステリドの効果を調べるための比較試験が行われた際、フィナステリドを飲んだ人のうち1.1%に「性欲低下(リビドー減少)」0.7%に「勃起機能不全」などの副作用が認められました。また、稀ではありますが食欲不振や肝機能障害の症状が現れる可能性もあります。1%が多いと捉えるか少ないと捉えるかは個人の見解によりますが、このような副作用が現れる可能性については心得ておきましょう。

外用薬の副作用

ミノキシジルは外用薬ですので、人によっては副作用として、薬を塗った部位に発疹や発赤、かゆみ、かぶれなどの症状が現れる場合があります。また、もともとは血圧を下げる薬なので、誤って口に入れると血圧に影響を与える可能性があり注意が必要であるとされています。その他に、頭痛、めまい、胸痛、むくみ、体重増加などの副作用が報告されています。

AGA治療薬によって副作用が起こることは稀ですが、もしも薬の使用中に体に異常を感じた場合には、すぐに使用を中止して医師に相談してください。また、副作用を感じた際に、自己判断で量を減らしたり増やしたりするのは危険なのでやめましょう。

AGA治療薬の副作用について詳しくはAGA治療薬の効果と副作用|主な3種類の薬~ジェネリック薬情報や値段・通販・輸入薬などについて解説をご参照ください。

AGAの内服薬はなぜ「男性だけ」飲んで良いのか

AGAの治療薬である「フィナステリド」「デュタステリド」は、未成年または女性は飲んではいけない(禁忌)とされています。
未成年が飲んではいけない理由は、未成年に対する安全性と有効性が確認されていないからです。
女性が飲んではいけない理由の1つは、女性のAGAの原因が男性ホルモンであるという確証がまだ得られていないからです。また、男の子を妊娠している人が飲んだ場合には、おなかの子の生殖器などの発育に影響を及ぼす恐れがあると考えられているのも理由の1つです。薬の成分は皮膚からも吸収されてしまうため、妊婦はAGA治療薬に直接触れないように気を付けましょう。(通常はカプセルの中に入っているため、安全とされています)。飲む側の男性も、こうした事故を防ぐため、錠剤を割って飲まないようにしてください。

AGAの内服治療で「初期脱毛」は起こるのか?

AGAについて関心を持っている人は、「初期脱毛」という言葉を聞いたり見たりしたことがあるかも知れません。「初期脱毛」は、AGA治療薬を飲み始めてから約1カ月後に抜け毛が増える症状と言われているようです。いくつかのサイトでは、「初期脱毛」が起こるのは薬が効き始めている証拠であるというように書かれてあります。
しかし、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、初期脱毛についての記載はありません。また、薬には、効果や使用上の注意など、薬についての詳細な情報を記載した「添付文書」が法律上必ず存在しますが、主なAGA治療薬であるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルのいずれの添付文書にも、「初期脱毛」という言葉は書かれておらず、副作用としての記載もありません。AGA治療薬の添付文書に書かれていないということは、作用の過程としても、副作用としても、初期脱毛という症状が出現する危険性は、これまでに報告されていないということになります。

以上のことから、AGAの内服治療において「初期脱毛」という症状は認められないというのが現状です。

初期脱毛について詳しくは「副作用の「初期脱毛」はフィナステリド(プロペシア)やミノキシジル(リアップ)による治療初期に本当に起こるのか~怖いと思う前に正しく理解しよう」をご参照ください。

AGAの薬による治療期間について

日本皮膚科学会は治療ガイドラインの中で、AGAの薬による治療期間に関して、内服薬と外用薬の片方、または両方を用いた治療を1年間継続して行い、治療の効果を評価するように推奨しています。
内服薬に限った場合には、最低でも6カ月程度は継続してから効果を確認するべきであるとされています。女性の場合は、内服薬を飲んではいけないので、外用薬のみの使用を継続することになります。

これらの薬は、効果が認められた場合でも、内服を中止すると再び薄毛の状態に戻ってしまいます。つまり、薬によるAGA治療は、今のところ「治療の終了」はなく、継続して行っていく必要があるわけです。

AGAの治療とかつら~治療中にかつらを使用しても大丈夫なのか

AGAの治療中も、薄毛が気になるので、かつらを使用したいという人も中にはいます。かつらを着けていると、どうしてもかつらの内側が蒸れるため、AGAを進行させたり治療に悪影響を及ぼしたりするのではないかと心配になる人もいるのではないでしょうか。
結論を言うと、かつらを使用することでAGAを進行させたり治療に悪影響を及ぼしたりすることはありません。日本皮膚科学会は、「AGA治療中のかつらの使用は病気や治療には影響せず、むしろかつらを使用することで薄毛を気にすることなく過ごせるため、社会生活に対しても前向きになれる」という見解を示しています。

AGAの治療について詳しくは【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的にをご参照ください。
かつらについて詳しくは「【医療用かつら(ウィッグ)とは】おしゃれ用との違いや男性用(メンズ)の特徴、値段の相場と医療費控除や保険適用の可能性まで正しく理解しようをご参照ください。

内服薬などと併用されることのある治療法

AGAの診療ガイドラインには記載されていませんが、現在フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬と併用される治療法の1つに「HARG(ハーグ)療法」という治療法があります。HARG療法は、HARGカクテルという薬剤をを直接頭皮に注入することで、抗炎症効果や毛髪の成長を期待する治療法です。現在、全国約170の医療機関が「日本医療毛髪再生研究会」に参加しており、HARG療法が実施されています。しかし、HARG療法は内服薬(フィナステリド、デュタステリド)やミノキシジル外用に比べると医学的根拠が乏しく、男性型脱毛症のガイドラインにも記載はありません。

参考


AGAの治療にかかる費用

ここがポイント

  • AGA治療にかかる薬代は1カ月6,000円〜1万円程度
  • AGA治療は保険適用ではない
  • 治療費として掛かる費用は、薬代・診察代・その他検査代など

ここでは、AGA治療を受けるためにはどのくらいの費用がかかるのかを一緒に見ていきましょう。

AGAの治療に保険は効くのか

AGA治療は、命に関わる病気の治療ではないため、美容整形などと同じ分類として考えられており、保険適用外とされています。治療は長期間行うことになるので、ある程度の費用は必要であると考えていたほうが良いでしょう。

確定申告で医療費控除が出来るか

医療費控除とは、「生計をともにする家族の医療費が、1月1日から12月31日までの間の1年間で10万円を超える場合に、確定申告を行うことで一定の金額の所得税の控除を受けることが出来る仕組み」のことです。

AGAの治療薬については、一定の条件の下で、病院で医師に処方されたものである場合には、医療費控除を受けることが出来るケースがあります。医療費控除を受けようと考えている人は、申請の際に病院やクリニックで受け取った領収書が必要になるので、保存しておきましょう。現在受けている治療が医療費控除の対象になるかどうかについては、各自治体の税務署で相談することが出来ます。また、医療費控除、確定申告の詳しい方法は、「国税庁」のHPに詳しく記載されていますので参考にしてください。

AGAの治療費は保険適用ではないため、長期的に見ると高額となります。医療費控除の対象となっている場合には、申請を検討してみても良いでしょう。

AGAの治療費は年間どのくらいかかるのか

AGAの治療費

外用薬治療の場合

AGA治療における外用薬では「ミノキシジル」を配合したものが使用されており、日本では大正製薬の「リアップ」という商品が、唯一認可を受けて製造販売されています(2017年1月現在)。
リアップは、いわゆる「育毛剤」として、薬局やドラッグストアでも市販されているため、病院へ行かなくても入手して使用することが出来ます。薬のタイプによりますが、ミノキシジルを使用した場合、1カ月で3,000〜7,000円程度の薬代がかかります。

内服薬治療の場合

AGA治療で主に使用されている「フィナステリド」と「デュタステリド」はどのくらいの価格なのでしょうか?AGAの治療薬は保険適用ではないため、医療機関によって価格が異なります。そのため、医療機関ごとに比較する必要があります。
フィナステリドは1カ月分で6,000円〜7,000円程度、デュタステリドは1カ月分で9,000円〜1万円程度の薬代が掛かります。つまり1種類だけの薬で治療している場合でも、1年で7万2,000円〜12万円程度の費用がかかるのです。薬の費用に加えて、診察代やその他の治療費も加わるため、実際はもっと費用が掛かります。

自毛植毛術の場合

自毛植毛術も保険適用外であり、治療費は医療機関によって異なります。また、移植する範囲や部位によっても費用は異なります。一般的には、基本的な手術費用が約20万円〜30万円程度で、そこに植毛の本数によって料金がプラスされる仕組みとなっています。

AGA治療薬にもジェネリック医薬品はある

ジェネリック医薬品とは、「これまでに有効性や安全性が実証されてきた薬と同等の効果が得られると認められた低価格な薬」で、先に発売されていた新薬の特許が切れた後に製造販売された薬です。新薬と同等の成分でも開発費用が大きく抑えられているため、低価格に設定されているのです。

現在、AGA治療薬の中で、フィナステリドにはジェネリック医薬品があります。ジェネリック医薬品を選ぶことで1カ月約4,500円〜6,000円程度と、新薬の7〜8割程度の価格で購入することが出来ます。

AGA治療薬は保険適用ではなく高額であるため、経済的な負担を減らしたいと考える人は、ジェネリック医薬品を検討してみてはいかがでしょうか。

治療にかかる費用について詳しくは【AGAの治療にかかる費用】年間費用の相場を治療法別に比較~ジェネリック情報や確定申告についてもをご参照ください。

参考


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AGAは予防出来るのか

ここがポイント

  • AGAの直接的な予防法は確立されていない
  • 頭皮と髪の毛の健康のために、規則正しい生活と髪の毛のケアは重要

ここまでAGAの原因から症状、治療法までを順番に見てきました。
最後に、AGAを予防する方法はあるのかについてお話ししておきます。

発症メカニズムについて前の章で詳しく解説したように、AGAの発症には男性ホルモンや遺伝的要因が関連しているため、確実に改善出来る直接的な予防法は今のところ確立されていません

一方で、双子を対象にして日本で行われた研究で、AGAは遺伝的要因だけではなく飲酒や喫煙、その他の病気などの他の要因も影響している可能性があると示され、2013年に論文報告されています。
毛の量やAGAを発症した時期、飲酒、喫煙、これまでにかかったことのある病気などを調べて比較した結果、遺伝子がほぼ等しい双子であっても兄弟間で毛の量に差があることが明らかになったのです。
あくまで可能性に留まりますが、この論文の結果から、頭皮と毛髪の健康のためにも規則正しい生活を送ることが大切であることがうかがえます。バランスの取れた食生活、禁煙、節酒、十分な睡眠時間の確保、ストレスを溜めないなど、日頃から健康的な生活を心掛けていきましょう。

また、頭皮は発毛の大事な土台です。頭皮の環境を良好に保つためにも、シャンプーをする際には頭皮を傷付けないように注意しましょう。

頭皮に優しい洗髪の方法

  • シャンプー前にはブラッシングをして、地肌までしっかりと濡らす
  • シャンプーは手のひらで泡立ててから使用する
  • 頭皮に爪を立てずに指の腹でマッサージするように洗う
  • 洗い残しがないように、シャンプーはしっかりと洗い流す

髪と頭皮に優しいシャンプーの手順

日頃自分がシャンプーをしている場面を思い浮かべつつ、上記の方法を参考にしながら、頭皮や髪の毛に優しい洗髪を行うよう心掛けていきましょう。

AGAの予防に関して詳しくは「【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説」をご参照ください。

参考


まとめ

AGA(男性型脱毛症)は、主に20代〜30代以降の男性に現れ、徐々に進行する症状です。発症の原因は「男性ホルモン」で、遺伝的な要因の関連も報告されています。日本人では30代男性の5人に1人がAGAを発症しているという調査結果があり、いつ誰が発症してもおかしくはないと言えます。AGAは、このようにありふれた症状ですが、髪の毛が薄くなり外見が変わると、人によっては精神的な苦痛を感じ、治療の必要性を大きく感じる場合もあります。

AGAの治療は、基本的に皮膚科で受けられます。最近では「AGA専門外来」も多く開設されてきており、そこでAGAの専門医による治療が受けられます。AGAに対する治療法は、内服薬、外用薬、植毛といくつかの選択肢があり、それぞれにAGAの改善効果が認められています。薄毛に悩んでいる人は、諦めるのではなく一度AGA専門外来を受診し、相談してみてはいかがでしょうか。

薬によるAGA治療の効果は、薬をやめてしまうと消えてしまうため、薬はずっと飲み続ける必要があります。AGAの治療は保険適用外であるため、ある程度の費用がかかるということを心得ておきましょう。医療機関によっては、無料カウンセリングを行っている場合もあります。不安な人は、一度無料カウンセリングを受けて直接医師に相談するなどして、治療内容や費用などを十分に理解し、納得してから治療に臨むことが大切です。

治療の効果に個人差はありますが、いまやAGAは治療出来る時代です。1人で悩まずに、まずは一度AGA外来を訪れてみてはいかがでしょうか。

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Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

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