【薄毛の薬】市販薬、病院で処方される薬の薄毛改善効果を徹底解説~女性が飲んではいけない薬、薬の個人輸入が危険な理由など

薄毛は見た目を大きく変化させるため、男女問わず大きな悩みになります。薄毛の主な原因には、「AGA(男性型脱毛症)」があります。AGAは進行性の脱毛症なので治療を受けないと薄毛はどんどん進行していきます。日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインでは、AGA治療薬として薬の有効性と安全性から3種類の薬を治療に用いる事を推奨しています。ここでは、これらのAGA治療薬を中心に薄毛の薬の種類、効果、購入方法、個人輸入は危険なのかなどを紹介していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01薄毛改善に効果的な薬はあるのか
  2. 02病院で処方される薄毛の薬
  3. 03 薬局で購入できる薄毛の市販薬
  4. 04個人輸入出来る薄毛の薬
  5. 05女性は使用できない薄毛の薬もある
  6. 06まとめ

薄毛改善に効果的な薬はあるのか

ここがポイント!

  • 「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」は、発毛・育毛効果が医学的に認められているAGAの治療薬である
  • 発毛・育毛効果の医学的根拠は乏しいが、診療実績から治療に用いても良いと評価されている薬もある

薄毛の主な原因である「AGA(男性型脱毛症)」という脱毛症の治療薬には、発毛・育毛効果が医学的に認められている薬があります。日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインでは、内服薬である「フィナステリド」「デュタステリド」、外用薬である「ミノキシジル」を治療に用いることを推奨しています。
これら3つの薬の有効性には劣りますが、薄毛の改善効果が期待される薬もいくつかあります。「塩化カルプロニウム」は、発毛・育毛効果の医学的根拠は乏しいですが、国内における膨大な診療実績から診療に用いても良いと評価されています。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)

脱毛症診断チェック

病院で処方される薄毛の薬

ここがポイント!

  • 病院を受診し、医師による処方を受けないと購入出来ない薬がある
  • 発毛・育毛効果が医学的に証明されているAGAの内服薬は、「フィナステリド」「デュタステリド」がある
  • AGAの内服薬は、発症の原因である「DHT」の産生を抑制することで発毛を促す効果がある

ここでは、病院で医師による処方が必要な「医療用医薬品」に分類される薄毛の薬について紹介していきましょう。

フィナステリド

フィナステリドは、AGAの内服治療薬として推奨されています。
テストステロンという男性ホルモンは、髪の毛を作る細胞内に入ると「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きで、「DHT(ジヒドロテストステロン)」というより強い男性ホルモンに変換されます。「DHT」は前頭部や頭頂部の髪の毛には「成長期」を短くするように働くため、髪の毛が十分に成長することが出来ず薄毛になると考えられています。

フィナステリドには、「男性ホルモンをDHTに変換する酵素の働きを抑え、原因物質を減らす作用」があり、「DHT」が減ると、短くなっていた髪の毛の成長期は、再び正常な長さになるので、太く長い髪の毛が生えてくるためAGAの症状を改善する効果があるとされています。

フィナステリドについて詳しくは、【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説を、ご参照ください。


デュタステリド

デュタステリドは、AGAの内服治療薬として推奨されています。
デュタステリドもフィナステリドと同様に、AGAの原因物質である「DHT」を作る「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きを抑える作用があり、「DHT」を減少させることで、薄毛の症状を改善する効果があります。
さらに、デュタステリドには、「1型5αリダクターゼ」という酵素の働きも抑える作用があります。現在「1型5αリダクターゼ」がAGA発症に関与しているのか、医学的に明らかになっていませんが、デュタステリドよりもフィナステリドの方が発毛効果が高いという研究報告もあり、AGA治療薬の新薬として注目されています。

デュタステリドについて詳しくは、AGA新薬「ザガーロ」(デュタステリド)を徹底解説|正しい飲み方、効果、副作用、価格など~プロペシア(フィナステリド)との比較表付きを、ご参照ください。

塩化カルプロニウム外用液

塩化カルプロニウムは、脱毛症の治療に広く用いられている外用薬です。
塩化カルプロニウムには、局所の血管拡張作用があるので、使用した部位の血管を拡げて頭皮の血流を改善する作用があります。髪の毛は、頭皮の毛細血管を流れる血液から栄養や酸素を取り入れています。血流が改善されると、髪の毛に十分な栄養や酸素が行き渡ることで成長をサポートすることが出来るとされています。
しかし、塩化カルプロニウム単独の「発毛・育毛効果」を証明している研究は少なく、医学的根拠は乏しいです。ただ、国内では古くから使用されており膨大な診療実績があるため、AGAや円形脱毛症の診療ガイドラインでは、診療に用いても良いという評価をしています。

AGA治療薬は医療保険が適用されませんが、「塩化カルプロニウム外用液」は医療保険が適用されるという違いがあります。塩化カルプロニウムを使用したい場合は、病院の皮膚科など保険診療を行なっている医療機関で処方してもらうと良いでしょう。塩化カルプロニウムを有効成分としている薬には「フロジン外用液」や「アロビックス外用液」があります。

アロビックスについては【アロビックス外用液とは】脱毛症への発毛効果や白斑への有効性、女性でも使えるのか、初期脱毛は生じるのか等を詳しく解説をご参照ください。

参考

プロペシア錠0.2Mg/1Mg(フィナステリド)|添付文書  (pdf資料)
ザガーロカプセル0.1㎎/0.5㎎(デュタステリド)|添付文書 (pdf資料)
アロビックス外用液5%|添付文書(pdf資料)
フロジン外用液5%|添付文書 (pdf資料)

薬局で購入できる薄毛の市販薬

ここがポイント!

  • 大正製薬の「リアップ」シリーズは、薬局のほか薬剤師がいるドラッグストアやコンビニエンスストアで購入できる

ここでは、市販されている薄毛の薬を紹介していきます。

ミノキシジル(リアップシリーズ)


ミノキシジルは、AGAの塗り薬として使用が推奨されています。外用薬で発毛効果が認められているのは「ミノキシジル」のみです。ミノキシジルには「髪の毛の成長因子の産生を促進する」「髪の毛の周辺組織の血流を改善する」「髪の毛の基となる細胞の減少を抑制する」という3つの働きがあります。これら3つの働きにより「発毛・育毛効果」が得られると考えられています。

ミノキシジルについて詳しくは【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用までをご参照ください。

現在、日本で製造販売が認可されているミノキシジル配合の育毛剤は、大正製薬の「リアップ」シリーズのみです。リアップは「一般用医薬品(第一類)」に分類され、市販されているので、店舗によってはドラッグストアやコンビニエンスストアなどで購入する事が出来ます。しかし、第一類医薬品は体にもたらす作用から、取り扱いに十分に注意が必要なため「薬剤師による薬の安全性の説明」が義務付けられています。そのため、薬剤師が常駐している店舗でのみ購入する事が可能です。

最近では、インターネットを介した通信販売でも購入することが出来ます。しかし、通販で購入する際は、「性別や年齢、アレルギーの有無、脱毛の症状など健康状態を報告する」「薬剤師からの薬の情報提供に関するをメールの返信をする」などの条件をクリアしないと、商品が発送されない仕組みとなっています。また、使用者からの問い合わせがあった場合には、薬剤師による対応が義務付けられています。
ミノキシジルは第一類医薬品

参考

リアップX5(添付文書)|大正製薬株式会社 (pdf資料)
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個人輸入出来る薄毛の薬

ここがポイント!

  • 海外の薬は、日本国内において有効性及び安全性が確認されていない
  • 有害物質が含まれている場合や、有効成分が含まれていない偽造品の可能性もある
  • 個人輸入した薬を服用し健康被害が生じても、国の救済制度を受ける事は出来ない
  • 医療用医薬品を使用したい場合は、必ず医療機関を受診して医師による処方を受ける

インターネットでは、AGAの治療薬の個人輸入を代行するサイトをいくつか見かけます。睡眠薬などの一部の薬を除いて、一般的な医薬品の個人輸入は法律では禁止されていないため、AGA治療薬は買おうと思えばインターネットなどの通販で購入することができます。
しかし、個人輸入出来る医薬品は、日本国内において薬の有効性や安全性が検証されておらず、有害物質が含まれている可能性もありますし、有効成分が含まれていない偽造品である可能性もあるのです。
また、医師・薬剤師による用法用量、副作用の説明も受けられませんし、薬についての情報も日本語で書かれていないため、正確な情報が得られにくく、薬を間違った方法で使用してしまう危険性もあります。そのため、海外の薬は健康被害を生じる危険性があるのです。

日本で製造販売が認可されているAGAの内服治療薬は、「医療用医薬品」に分類されており、医師による処方が必要な薬です。AGA治療薬を購入したい場合には、必ず医療機関を受診し医師の診察を受けるようにしましょう。

医療品副作用被害救済制度

薬は、病気や怪我を治療をする上で必要なものですが、治療効果とは別に、副作用という別の症状が現れる可能性があります。副作用の出現には個人差がありますが、場合によっては重篤な健康被害が生じる恐れもあります。
しかし、万が一薬の副作用により健康被害が生じた場合には「医薬品副作用被害救済制度」という国の救済制度を受ける事が出来ます。

「医薬品副作用被害救済制度」は、医薬品等を適正に使用していたにも関わらず、副作用による健康被害を受けた方に対して、医療費等の給付を行い、被害を受けた方へ迅速な救済を図ることを目的とした制度です。
この制度はあくまでも日本で認可されている薬に限ります。個人輸入した薬を自己判断で服用し健康被害が生じても「医薬品副作用被害救済制度」が適応されず、全て自己責任となります。ですから、薬を内服する場合は、必ず医療機関を受診し医師による処方を受け、用法用量を守り正しく服用するようにしましょう。

参考

医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省

女性は使用できない薄毛の薬もある

ここがポイント!

  • AGAは女性でも発症する可能性があり、「FAGA」と呼ばれる
  • FAGAの原因は完全に解明されていない
  • AGAの内服治療薬は、男性ホルモンに関与した作用があり、女性への安全性や有効性が確認されておらず使用する事は出来ない

薄毛の主な原因は「AGA」であると紹介しました。AGAは女性も発症する可能性があり、「FAGA」と呼ばれています。AGAの原因は男性ホルモンですが、FAGAの原因は完全に解明されていません。そのため、男性ホルモンに関与した作用を持つ「フィナステリド」「デュタステリド」といったAGA内服治療薬は、女性に対する安全性や有効性が確認されておらず、女性には使用する事は出来ません。

また、フィナステリドやデュタステリドの成分が、男の子を妊娠している女性の体内に入ると、男児の生殖器の発育に影響を及ぼす恐れがあると考えられています。有効成分は、直接触れるだけでも皮膚から吸収されてしまいます。錠剤はコーティングされており、通常であれば有効成分には触れない構造になっていますが、妊婦や妊娠している可能性がある女性は、フィナステリドやデュタステリドの錠剤には触れないように気をつけましょう。また、AGAの内服薬を服用している男性は、錠剤は割ったり砕いたりせず、薬の保管場所にも気をつける必要があります。
脱毛症診断チェック

まとめ

薄毛の薬として、主な薄毛の原因である「AGA」の治療薬を中心に紹介してきました。AGAの内服治療薬の「フィナステリド」「デュタステリド」は、医療用医薬品に分類されており、医師による処方が必要なため医療機関を受診する必要があります。また、外用薬である「ミノキシジル」は「第一類医薬品」に分類され、市販されておりドラッグストアやコンビニエンスストアで購入する事が出来ますが、薬剤師による薬の情報提供が義務付けられているため、薬剤師がいる一部の店舗に限られます。これらの治療薬は、発毛・育毛効果が医学的に証明されている薬ですが、薬による効果というのは個人差が大きく、人によっては効果が全く現れない場合もあります。そのような場合には、医師に相談し治療方法を検討していくと良いでしょう。
また、インターネット上で薬の個人輸入代行サービスを行なっている業者もあるようですが、海外の薬は日本国内において有効性や安全性の確認がされておらず、届いた薬に有効成分が含まれておらず偽造品である可能性もあります。加えて、有害物質が含まれている可能性もあり、健康被害が生じることもあります。

薬を安全に服用するためには、医師による診察を受けて、服用している薬が症状に対して効果があるか、副作用が起きていないかなど定期的に経過観察していく事が重要です。治療効果を高めるためにも、日本で認可されている薬を用法用量を守り正しく使うようにしましょう。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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