【AGAの発毛促進法】食べ物・漢方薬などは医学的に効果があると言えるのか解説

発毛促進効果が期待できるとして紹介されている商品や方法はたくさんあります。しかし、その中で、実際に発毛促進効果が医学的に認められているものはあるのでしょうか。ここでは、発毛効果があると謳っている、治療薬、サプリ、漢方薬、食べ物、マッサージ、シャンプーの発毛促進効果について、医学的根拠の有無を確認しながら解説をしていきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01そもそも「発毛促進」とは
  2. 02最も発毛促進効果が期待出来るのは「AGA治療用の医薬品」
  3. 03「発毛促進剤」と言える薬
  4. 04発毛促進効果がある「漢方薬」はあるのか
  5. 05発毛促進とサプリメント
  6. 06発毛促進とシャンプー
  7. 07発毛促進につながるマッサージ方法
  8. 08発毛促進と食べ物
  9. 09まとめ

そもそも「発毛促進」とは

ここがポイント!

  • 発毛とは、髪が生えてこない毛穴から新しい髪の毛が生えること
発毛促進とは、文字通り「発毛」を促す行動です。
発毛は、「髪の毛が生えてこない毛穴から、新しい髪の毛が生えること」をいいます。育毛のように、既に生えている髪の毛をより太く成長させるわけではありません。新しい髪の毛を生やすため、「育毛」よりも「発毛」の方がより強い作用が必要であると言えます
発毛効果があると謳っている商品や方法は、たくさんあります。
ここでは、「発毛促進剤」「漢方薬」「サプリメント」「シャンプー」「マッサージ」「食べ物」の順番で本当に発毛効果があるのかを解説していきます。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)
脱毛症診断チェック

最も発毛促進効果が期待出来るのは「AGA治療用の医薬品」


薄毛の主な原因である「AGA(男性型脱毛症)」の治療薬には、外用薬である「ミノキシジル」、内服薬である「フィナステリド」「デュタステリド」があります。外用薬は一般用医薬品、内服薬は医療用医薬品に分類されており、個人で勝手に購入することはできません。これらの、治療薬は、国内の臨床試験に置いて、発毛・育毛効果が医学的に証明されており、日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインでも、治療に用いることが推奨されています。
しかし、薬の効果は個人差があるので、人によっては薬の効果が現れにくい方もいます。治療薬で効果が得られなかった場合には、自毛植毛や医療かつらの使用の検討が推奨されています。治療については、医師とよく相談し納得がいく方法で進めて行くと良いでしょう。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)

「発毛促進剤」と言える薬

ここがポイント!

  • 発毛効果が医学的に証明されている薬には、外用薬の「ミノキシジル」、内服薬の「フィナステリド」「デュタステリド」がある
  • ミノキシジルには「髪の毛の成長因子を促進する」「頭皮の血流を改善する」「髪の毛の基となる細胞の現象を抑制する」という3つの作用がある
  • フィナステリド、デュタステリドには、AGAの原因物質である「DHT」を作る酵素の働きを抑制する作用がある

前の章でお話ししましたが、AGA治療薬としての医薬品は「発毛効果」が医学的に認められている薬です。ここでは、外用薬の「ミノキシジル」、内服薬の「フィナステリド」「デュタステリド」について紹介していきます。

外用薬「ミノキシジル」

「ミノキシジル」は、AGA治療に用いられている外用薬です。
ミノキシジルには「毛の根元にある毛乳頭を刺激して、細胞の成長因子を多く作らせる」「血管を拡張させて頭皮の血流を改善する」「髪の毛の基となる細胞の減少を抑制する」という3つの作用があります。
現在、日本で製造販売が認可されている「ミノキシジル」配合の外用薬は、大正製薬の「リアップシリーズ」のみです。ミノキシジルは、第一類医薬品に分類されるため、薬剤師が常駐しているドラッグストアやコンビニなどで購入する事が出来ます。

外用薬について詳しくは【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用までをご参照ください。

内服薬「フィナステリド」「デュタステリド」

「フィナステリド」「デュタステリド」は、AGAの治療に用いられている内服薬です。
AGAを引き起こす原因物質は「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンが深く関係している事が明らかになっています。「DHT」は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きを受けて変換された物質で、髪の毛の成長期を短くすることで薄毛を引き起こします。「フィナステリド」と「デュタステリド」は、どちらも「2型5αリダクターゼ」の働きを邪魔することで、DHTが作られるのを抑えてAGAの改善効果を期待する薬です。内服薬は「医療用医薬品」に分類されるので、医療機関を受診し医師による処方を受ける必要があります。

内服薬の詳しい内容については【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説
AGA新薬「ザガーロ」(デュタステリド)を徹底解説|正しい飲み方、効果、副作用、価格など~プロペシア(フィナステリド)との比較表付きをご参照ください。
2種類のAGA治療薬

女性の使用が可能な発毛促進剤


日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインでは、女性のAGA治療薬として「ミノキシジル1%配合の外用薬」が推奨されています。
実際に、大正製薬のリアップシリーズの中には、「リアップリジェンヌ」という「ミノキシジル1%配合」の女性向けの商品が販売されています。女性で薄毛に悩んでいる方はこちらを試してみてはいかがでしょうか。

女性が内服薬が使えない理由

「フィナステリド」「デュタステリド」といったAGA内服治療薬は、男性ホルモンに関与s する作用があると紹介してきました。しかし、女性のAGAの原因は完全に解明されていないため、内服薬の女性に対する安全性や有効性が確認されておらず、女性には使用する事は出来ません。

また、「フィナステリド」や「デュタステリド」の成分が、男の子を妊娠している女性の体内に入ると、男児の生殖器の発育に影響を及ぼす恐れがあると考えられています。そして、内服薬の有効成分は、皮膚からも吸収されてしまうので、妊婦や妊娠している可能性がある女性は、フィナステリドやデュタステリドの錠剤には触れないよう、薬の添付文書にも記載されています。また、AGAの内服薬を服用している男性は、錠剤は割ったり砕いたりせず内服し、薬の保管場所にも気をつける必要があります。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)
リアップX5(添付文書)|大正製薬株式会社
プロペシア錠0.2Mg/1Mg(フィナステリド錠)
ザガーロカプセル0.1㎎/0.5㎎(デュタステリド)
リアップ リジェンヌ
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発毛促進効果がある「漢方薬」はあるのか

ここがポイント!

  • 日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインにも漢方薬の記載は一切なく、漢方薬に発毛効果あるとする医学的根拠は乏しい

漢方薬とは、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品のことで、複数の生薬を組み合わせて調合しているものです。生薬とは、薬草の根や葉、果実、花などの天然に存在する有効成分のことで、服用することで治癒力を高め、体質の改善を目的として用いられます。
日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインにも漢方薬の記載は一切なく、漢方薬に発毛効果ある医学的根拠は乏しいと考えます。

漢方薬の治療は、体全体を整え本来の自然治癒力を高めることが基本になっています。
ストレスなどで自律神経が乱れている人は、血行不良になり頭皮環境が悪化する可能性があります。漢方薬で発毛効果を得る事は出来ませんが、血行の改善など、あくまでも体質改善の目的であることを心得て使用すると良いでしょう。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)

発毛促進とサプリメント

ここがポイント!

  • サプリメントは「医薬品」ではないので、発毛の効果が医学的には明らかになっていない

サプリメントは「医薬品」とは違い、病気の予防や改善ができる効果は証明されていません。また、「トクホ(特定保健用食品)」や「栄養機能食品」のような、国によって健康補助機能が認められていたり、栄養成分の基準が設けられているものとも区別されています。

一部のサプリメントには、育毛効果を認める論文報告がありますが、「発毛効果」を認めている論文はありません。さらに言えば、病気に対する治療効果が医学的に証明されているものは「医薬品」のみです。そのため、サプリメントには、薄毛の予防したり、改善したりする効果はありません。サプリメントだけでは発毛促進効果は得られないので、あくまでも頭皮環境を改善させるために補助的に利用するのが一般的です。

サプリメントについて詳しくは、発毛・育毛サプリについて徹底解説|それぞれの成分と発毛・育毛効果について医学的根拠に基づき徹底解説をご参照ください。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)
脱毛症診断チェック

発毛促進とシャンプー

ここがポイント!

  • 育毛・発毛の効果が医学的に証明されている市販のシャンプーはない

育毛・発毛の効果が医学的に証明されている市販のシャンプーはありません。ですが、頭皮や髪の毛に優しい成分が含まれている商品もあり、毎日使う物だからこそ、自分に合ったものを選ぶことが大切です。「アミノ酸系シャンプー」や「ノンシリコンシャンプー」など、頭皮や髪の毛への刺激が少ないものを試してみるといいでしょう。

シャンプーは毎日行いますし、直接頭皮や髪の毛に触れる行為です。そのため、間違った方法で行なっているとかえって頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。丁寧に洗わないと、皮脂や汚れでで毛穴が詰まり炎症やかゆみの原因になりますが、皮脂には「頭皮の乾燥を防ぐ」役割もあるため、洗いすぎてしまっても、頭皮環境が悪化してしまいます。
髪の毛の成長や健康維持のためには、正しいシャンプー方法を身につける事が重要なのです。

正しいシャンプー法について詳しくは 【AGAの予防・改善につながるシャンプーの方法とは】おすすめの洗い方からシャンプー選びのポイントまで~今日から試してみようをご参照ください。

発毛促進につながるマッサージ方法

ここがポイント!

  • 髪の毛は、頭皮の毛細血管から必要な栄養や酸素を取り入れている
  • 血行不良になると髪の毛が栄養や酸素不足となり、成長に影響を及ぼす可能性がある
  • マッサージをすることは、血行不良の改善につながる

マッサージをすることで、発毛を促進させる医学的根拠は明確にはなっていません。ですが、マッサージには頭皮の血行を改善する効果があります。髪の毛は頭皮の毛細血管を通して、成長に必要な栄養や酸素を取り入れています。そのため、血行不良になると十分な栄養や酸素が届かなくなり、髪の毛の成長に影響を与えてしまいます。適度なマッサージは、頭皮環境を良好にするので試してみてはいかがでしょうか。

これから、頭皮マッサージの方法を簡単にご紹介します。

<頭皮マッサージの手順>
① 人差し指と中指をもみ上げに当てる
②生え際に沿って、人差し指と中指で圧迫しながら皮膚を上に引き上げる
③生え際の中央まで達したら今度は中央から頭頂部に向かって円を描くように圧迫する
④こめかみあたりから頭頂部、後頭部の順で手ぐしを通すように圧迫しながら頭皮を引 き上げる
⑤両手の指先で頭全体をはじいていく

過度なマッサージは、かえって頭皮にダメージを与えてしまう場合もあります。お風呂あがりなど、1日1回を目安に行いましょう。頭皮への適度な刺激を与えることで、気分をリフレッシュする効果も期待出来ます。自分が気持ちいいと感じる強さで行うと良いでしょう。

マッサージの詳しい方法について 【AGA治療における発毛について解説】治療薬としての発毛剤、発毛シャンプーやサプリ、マッサージなどの効果について~医学的根拠の有無までをご参照ください。

参考


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発毛促進と食べ物

ここがポイント!

  • バランスの取れた食生活は、間接的なAGA予防につながる
  • 「タンパク質」とその合成に関与している「亜鉛」「ビタミンB群」を献立に取り入れよう

食事を気をつけるだけで、発毛促進ができるという医学的根拠はありません。しかし、髪の毛や頭皮も体の一部なので、バランスの取れた食生活をおくる事で、体の内側から髪の健康や成長をサポートする事は出来ます。農林水産省のホームページには「健康な方々の健康づくり」を目的とした「食事バランスガイド」が紹介されています。何をどれだけ食べたら良いか分からない方は、こちらを利用してみてはいかがでしょうか。

ここでは、健康な髪の毛を作るために、髪の毛を構成している「タンパク質」とタンパク質の合成をサポートする「亜鉛」「ビタミンB群」を多く含む食べ物をいくつかご紹介します。

成分 食品
タンパク質 赤身の肉、鶏肉、魚、卵、納豆、豆腐、ナッツ類
亜鉛 牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豆類、ナッツ類
ビタミンB2 レバー、卵、大豆
ビタミンB6 かつお、さば、レバー、肉
ビオチン レバー、カレイ、いわし

食事について詳しくは【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説をご参照ください。

参考

ビタミン |e −ヘルスネット
たんぱく質|農林水産省
亜鉛|「統合医療」情報発信サイト

まとめ

「発毛効果」が得られると宣伝されている商品や方法は複数あります。しかし、「発毛」は「髪の毛が生えてこない毛穴から、新しい髪の毛を生やすこと」をいい、育毛よりも強い作用が必要です。現在、発毛促進効果が得られると医学的に証明されているのは、AGAの外用薬である「ミノキシジル」と、内服薬である「フィナステリド」「デュタステリド」のみです。それ以外の漢方薬やサプリメントの効果は、医学的に証明されたものではありません。また、マッサージ、シャンプー、食べ物なども、直接的に発毛促進の効果を得る事は出来ません。しかし、髪の毛や頭皮の成長と健康のサポートには繋がりますので、それを目的と心得て行うと良いでしょう。

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Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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