AGAの治療にかかる費用はどのくらい|年間費用の相場を治療法別に比較

AGA(男性型脱毛症)の治療には、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
AGAの治療は、医療保険が適用されない「自由診療」となるため、治療にかかった費用の10割、つまり全額を自分で支払う必要があります。また、自由診療の場合、同じ治療法でも医療施設ごとに診察や検査などにかかる費用の設定が異なるため、ある程度の相場はありますが、費用には幅があります。したがって、年間の治療費を把握するためには、AGAの治療を受け始める前に、医療機関に確認をしておく必要があります。また、AGAは治療法によっても費用が大きく異なるので、費用を考える上で、治療法の選択も重要となります。
ここでは、治療法ごとの年間費用の相場から、ジェネリック医薬品の有無、確定申告の可能性などまで、AGAの治療にかかる費用についての情報を幅広くご紹介していきます。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01AGA治療にかかる費用
  2. 02AGA治療にかかる年間費用を表で比較
  3. 03「皮膚科」と「AGA専門クリニック」とで治療費に差はあるのか
  4. 04AGA治療薬の「ジェネリック医薬品」について
  5. 05AGA治療はなぜ保険適用外なのか
  6. 06AGA治療にかかった費用は確定申告の対象となるのか
この記事のチェックポイント

AGA治療にかかる費用

ここがポイント!

  • 外用薬(ミノキシジル)は、1カ月3,000~7,000円程度
  • 内服薬「フィナステリド」は1カ月6,000~7,000円程度、「デュタステリド」は1カ月9,000~1万円程度
  • 自毛植毛術は、20~30万円程度の基本的な手術費用に加えて、植毛範囲に応じて50~300万円程度
  • 上記の料金に、診察費や検査費用が別途加算される

AGAの治療は「自由診療」であるため、治療費は医療機関や治療法によって異なります。ここでは、一般的に行われているAGAの治療法である、「外用薬」「内服薬」「植毛」「かつら」の治療費について紹介していきます。

外用薬療法~塗り薬による治療の相場

日本皮膚科学会は、AGAが軽症の場合、一般用医薬品である「ミノキシジル」の使用を推奨しています。ミノキシジルは、直接頭皮に付けるタイプの外用薬で、日本では、大正製薬の「リアップ」という商品が、唯一認可を受けて製造販売されています(2017年1月現在)。
リアップは、いわゆる「育毛剤」として、薬局やドラッグストアでも市販されており、病院へ行かなくても入手して使用することが出来ます。さらに、女性用や、ミノキシジルの配合濃度が5%と高いリアップも認可され、販売されています。薬のタイプによりますが、ミノキシジルを使用した場合、1カ月で3,000〜7,000円程度の薬代がかかります。

ミノキシジルによる治療について詳しくは「【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用まで」をご参照ください。

内服療法~飲み薬による治療の相場

日本皮膚科学会は、AGAが中等症、重症の場合には内服薬治療を推奨しています。AGAの内服薬は、医師の処方箋がないと購入・使用できない医療用医薬品です。AGAの内服薬には、「フィナステリド」「デュタステリド」の2種類があります。フィナステリドは1カ月で6,000〜7,000円程度、デュタステリドは9,000〜1万円程度の薬代がかかります。

AGAの重症度(軽症・中等症・重症)について詳しくは、【AGAの症状について】初期症状から特徴的な症状まで正しく理解して対策を立てよう~かゆみや髪質の変化は本当に起こるのか?セルフチェック付きをご参照ください。
またフィナステリドによる治療については「【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説」
デュタステリドによる治療については「AGA新薬「ザガーロ」(デュタステリド)を徹底解説|正しい飲み方、効果、副作用、価格など~プロペシア(フィナステリド)との比較表付き」をご参照ください。

植毛の相場

「自毛植毛術」は、自分の後頭部の毛の組織を脱毛部に移植する治療法です。日本皮膚科学会は、診療ガイドラインの中で、外用薬や内服薬治療を1年間行ってもAGAの症状が改善されない場合には、治療の選択肢として「自毛植毛術」を推奨しています。同ガイドラインの中では、自毛植毛の生着率が82.5%以上であったという研究報告も紹介されており、生着率の高さが、自毛植毛術の実施例が多い理由の一つであろうと考察しています。
自毛植毛術は、移植する範囲や部位によって価格が大きく異なります。基本的な手術費用だけで20〜30万円程度かかり、加えて植毛範囲に応じた費用が50〜300万円程度かかります

一方、化学繊維で作られた人工毛を移植する人工毛植毛術は、トラブルが多く、米国では米国食品医薬品(FDA)により実施が禁止されています。日本では、日本皮膚科学会が人工毛植毛術を行わないように呼びかけていますが、厚生労働省は禁止していないので、現在でも「人工毛植毛」を行っている施設があります。危険性を考慮した上で、治療法として選択するかどうか判断するようにしましょう。

かつらの相場

病気や事故で脱毛してしまった人のために、「医療用かつら」という商品が販売されています。
医療用かつらには、ヘアスタイルから選ぶものとオーダーメイドでヘアスタイルを指定出来るものがあります。かつらのグレードによって価格は違いますが、8万円〜20万円程度のものが多いようです。男性用、女性用の他に子ども用も作られています。
医療用かつらについて詳しくは「【AGAや円形脱毛症でも使う医療用かつら(ウィッグ)とは】男性、女性、子ども用の違いや特徴、値段の相場と医療費控除や保険適用など」をご参照ください。

別途かかる費用

病院で治療を行った場合、別途、検査費用や毎回の診察費などがかかります。自由診療であるため、これらの費用も施設によってさまざまです。治療費を医療機関に問い合わせる場合には、薬代や手術代だけではなく、別途かかる費用についてもよく確かめておくようにしましょう。

それぞれのAGA治療法について詳しくは【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的にをご参照ください。

参考


脱毛症診断チェック

AGA治療にかかる年間費用を表で比較

ここがポイント!

  • 外用薬や内服薬は、他の治療法に比べて治療費は安いが、継続が必要なので長期的な負担は大きい
  • 治療法は、治療効果と経済的負担を考慮して選択する必要がある

前の章では、治療法ごとにどの程度の費用がかかるのかをご紹介してきました。ここでは費用を年間に換算し、表で比較してみましょう。

治療法 年間費用
外用薬(1日2mL使用の場合) 3万6,000円〜8万4,000円程度
内服薬(1種類の場合) 7万2,000〜12万円程度
自毛植毛(植毛範囲による) 70万円〜330万円程度
医療用かつら 8万円〜20万円程度
※検査や診察にかかる費用は別途必要

外用薬や内服薬は、年間費用は比較的かかりませんが、継続して使用する必要があるため、長期的に見てある程度の経済的負担を覚悟する必要があります。治療法を選択する際には、治療の効果と自身の経済状況をよく照らし合わせて、その治療の実施・継続が可能かどうかを判断することが重要です。

「皮膚科」と「AGA専門クリニック」とで治療費に差はあるのか


ここがポイント!

  • AGAの治療を受けられるのは主に「皮膚科」「脱毛症外来」「AGA専門クリニック」
  • 病院の規模は治療費の差に影響しない
  • 高い治療費を払ったからと言って必ずしも良い治療が受けられるというわけではない
  • 医療機関によって行っている治療法が異なるため、事前に確認する必要がある

AGAの治療は自由診療であるため、施設によって治療費の設定は異なりますが、病院の規模などによって治療費に差はあるのでしょうか。ここでは、AGA治療を受ける医療機関の選択肢と費用の関係についてお話しします。

治療を受ける病院ごとに専門の治療法は異なる

AGAの診断や治療は、基本的に「皮膚科」で受けることが出来ます。最近では、大学病院や総合病院の皮膚科に、脱毛症を専門とした「脱毛症外来」が開設されている場合もあります。また、テレビCMや電車の広告で見かけるという人もいると思いますが、最近はAGAに対して専門的な治療を受けることが出来る「AGA専門クリニック」も増えてきています。
先ほど紹介した、さまざまなAGAの治療法は、どこの施設でも全て受けられるというわけではなく、多くの場合は施設ごとに専門とする治療法が異なります。受けたい治療法がある場合には、医療機関を受診する前に、その治療法が行われているかどうかを確認しましょう。

AGA専門クリニックと総合病院の皮膚科で費用は異なるのか

結論から言うと、「AGA専門クリニック」と「総合病院の皮膚科」など、医療機関の規模で治療費が異なるわけではありません。ある程度の相場はありますが、自由診療であるAGAの治療は、それぞれの施設ごとに料金設定はまちまちで、相場に比べて高いところから低いところまで大きく幅があります。治療費については、受診する前にいくつかの施設を比較検討してみることをお勧めします。

治療の費用と効果は比例するのか

高い治療費を払ったからと言って、必ずしも良い治療を受けられるというわけではありません。繰り返しになりますが、治療費は施設ごとに独自で設定されているものであり、治療効果から策定されているわけではないのです。病院を選ぶときは、担当医にAGA治療の実績がどれだけあるのか、治療実施後のアフターケアは充実しているか、安全性は保たれているかなどに注目しましょう。
また、治療法ごとに治療効果の違いがあったり、治療効果には個人差があったりするので、自分に合った治療法を見つけることが重要です。
無料カウンセリング等を利用して、治療法や費用、長く付き合うことのできる病院かを確認してみてはいかがでしょうか?
最近では、テレビ電話でカウンセリングを行っている病院もあり、無理な勧誘などが心配な方も安心して相談できるのではないでしょうか?

→ 自宅からテレビ電話で医師の無料カンセリングを受けることができます。(東京ロイヤルクリニック)

AGAクリニックの中には育毛カウンセラーによって多額の治療法を強引に進めてローンを組ませるところもあります。まずはAGAに詳しい医師が無料カウンセリングを担当しているのか聞いてみてください。

参考


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AGA治療薬の「ジェネリック医薬品」について

ここがポイント!

  • 内服薬の「フィナステリド」はジェネリック医薬品が販売されている
  • ジェネリック医薬品のフィナステリドを使用すると、先発品の7~8割程度に費用を抑えられる

AGAの治療薬の中にも、先発品より安価なジェネリック医薬品が出ているものがあります。ここでは、AGA治療薬のジェネリック医薬品について紹介します。

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品とは「これまでに有効性や安全性が実証されてきた薬と同等の効果があると認められた低価格な薬」で、新薬として先に売られていた「先発品」の特許が切れた後に、製造・販売が認可されたものです。新薬と同等の効果を有する成分が含まれていますが、開発費用が大きく抑えられるために、新薬に比べて低価格で購入することが出来るのがジェネリック医薬品です。

AGA治療薬のジェネリック医薬品

AGA治療薬のうち「内服薬」の「フィナステリド」にはジェネリック医薬品が販売されています
「フィナステリド」は日本において、2005年にMSD株式会社より「プロペシア錠」という名称で販売が開始されました。その後、「プロペシア錠」の特許期間が終了し、各社からフィナステリドを有効成分としたジェネリック医薬品が販売開始されました。現在、フィナステリドのジェネリック医薬品の製造・販売に参入しているのは、ファイザー株式会社、沢井製薬株式会社、東和薬品株式会社、クラシエ製薬株式会社、大興製薬株式会社などです。

ジェネリック医薬品は先発品より安い

フィナステリドは、ジェネリック医薬品を選べば1カ月4,500〜6,000円程度と、先発品の7〜8割程度の価格で購入することが出来ます。年間で比べると、新薬が7万2,000円〜12万円程度なのに対してジェネリックは5万4,000円〜7万2,000円程度と、依然として高額ではありますが、費用を抑えることが出来ます。

参考


AGA治療はなぜ保険適用外なのか

ここがポイント!

  • AGAの診療は、厚生労働省が承認していない治療法や薬を使う「自由診療」
  • 「自由診療」は医療保険適用外であるため、治療費はすべて自己負担となる

我が国には「国民皆保険制度」があり、国民全員が公的医療保険に加入しています。これにより、病気やけがをして治療を受けた際「医療保険」が適用され、医療費の自己負担が減る仕組みになっています。負担する割合は、次のように年齢や所得によって異なります。

医療費自己負担額の割合(2017年1月現在)
義務教育就学前 2割負担
6歳以上70歳未満 3割負担
70歳以上75歳未満 2割負担
75歳以上 1割負担
※70歳以上であっても現役並みの所得がある場合には3割負担

分かりやすい例を出すと、医療費が1万円であった場合、3割負担の人が実際に支払う金額は3,000円になります。

しかし、AGAの診療にはこの医療保険が適用されません。その理由は、AGAの診療は、厚生労働省が承認していない治療法や薬を使う「自由診療」だからです。自由診療は保険適用外であるため、AGAの治療に関わる費用は、全額が自己負担となるわけです。

参考


脱毛症診断チェック

AGA治療にかかった費用は確定申告の対象となるのか

ここがポイント!

  • 確定申告による医療費控除の対象となるのは、病気の「治療」に関する費用のみ
  • 「美容」「予防」を目的としている場合は、医療費控除の対象とはならない
  • AGAの治療法のほとんどは現在「治療」としては認められていない
  • しかし、治療法によっては対象となる「可能性」があるので、税務署に問い合わせてみよう

医療保険が適用されないAGAの治療に関する費用は全て自己負担となるため、高額になります。医療保険は適用されないと分かりましたが、確定申告をすれば医療費控除の対象にはなるのでしょうか。ここでは、AGAの治療費が医療費控除の対象になるかどうかについてお話しします。

医療費控除とは

医療費控除とは、「税金を納めている本人」「納税者と生計を共にする家族」が1月1日から12月31日までの1年間で10万円を超える医療費を支払った場合に適用されます。納税者の総所得額が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%を超えた場合に適用されます。医療費控除を受けると、一定の金額が還付金として返却されます。戻ってくる金額は、納税率によって変動し、納める税金が多いほど還付金も多くなる仕組みです。
医療費控除の申請は、確定申告の際に「税務署」で行うことが出来ます

医療費控除の対象となる医療費

基本的に医療費控除の対象となるのは、

1:医師や歯科医師による診療、治療費用
2:治療のための薬代
3:病院、診療所、介護施設等への交通費用(自家用車は不可)
4:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による治療費(疲れを癒す目的のものは不可)
5:保健師、看護師、准看護師または依頼した人による療養上の世話の費用(家族や親戚の場合は不可)
6:助産師による分娩の介助
7:介護福祉士等によるたんの吸引や経管栄養の費用
8:介護保険制度による、一定の施設・居宅サービスの自己負担額

と決められています。
このように、病気の「治療」「療養」に関する費用のほとんどが「医療費控除」の対象となります。医療施設へ通う交通費も、「領収書」と一緒に申請することで医療費控除として申請することが出来るのです。
一方で、医療費控除の対象とならないのは、「美容」「予防」目的で行われた費用です。例えば、まぶたを二重にする、胸を大きくするといった美容整形は自分の美容のために行われます。そのため、手術であっても医療費控除の対象にはなりません。また、健康診断やビタミン剤なども健康を保つための「予防」であると考えられるために対象となりません。

AGAの治療費は医療費控除の対象になるのか

AGAの治療費も、医師の判断によって「治療」のためと認められれば医療費控除の対象となります。
AGA治療のほとんどは、現在「治療」と判断されていません。一方で、内服薬など処方箋のあるものは医療費控除の対象となる可能性があります。自分のAGA治療費が医療費控除の対象になるかどうかについて、詳しくは所轄の税務署に直接お問い合わせください。税務署は電話相談窓口を開いています。また、事前に予約をすれば直接相談に行くことも出来ます。

参考


 まとめ

AGAの治療は、保険が適用されない「自由診療」であるために、全額が自己負担となる上、医療施設によって治療の料金設定が異なります。AGAの治療は経済的負担も大きくなるため、自身の経済状況と治療効果の両方を考慮して、治療法を選択していく必要があります。AGAの治療を始める前には、かかる治療費を事前に調べ、把握しておくと良いでしょう。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

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