【育毛効果のある食事とは】栄養素や食材や食事方法などについて紹介

髪の毛に良い食べ物があるのなら、積極的に摂って育毛に役立てたいと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、直接的に育毛に効果がある食事はありません。ですが、髪の毛や頭皮も体の一部なので、バランスの取れた食生活を送ることは、髪の毛の成長や健康を維持することに重要です。ここでは、髪の毛の健康を保つために必要な栄養素について解説していきます。また、それらを多く含む食品を使った簡単オリジナルレシピも紹介しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01医学的に「育毛効果がある」と言える食事はない
  2. 02「育毛を助ける効果」が期待出来る食事はある
  3. 03育毛を助ける栄養素
  4. 04育毛を助ける栄養素を多く含む食材
  5. 05管理栄養士監修メニュー:育毛を助けるふさふさレシピ
  6. 06産後・授乳中に抜け毛が気になる女性の食事ポイント
  7. 07育毛につながる食事の方法
  8. 08まとめ

医学的に「育毛効果がある」と言える食事はない

ここがポイント!

  • 育毛効果が医学的に証明されている食事はない
  • しかし、髪の毛や頭皮も体の一部なのでバランスの取れた食生活を送ることは重要

育毛に効果がある食事はない

何かを食べて、髪の毛の成長を促すことが出来れば積極的に摂取したいものです。しかし、ある特定の栄養を摂取する事で、育毛効果が得られたとする医学的根拠はありません。
もちろん、直接的な育毛効果こそありませんが、髪の毛や頭皮も体の一部なので、不摂生な食生活を続けていると健康な髪の毛が育ちにくくなります。健康的な頭皮と髪の毛のためには、バランスの摂れた食生活を送ることが重要です。

育毛に医学的に根拠のある方法はAGA治療

育毛効果が医学的に証明されているのは、AGA治療に用いられている「外用薬:ミノキシジル」「内服薬:フィナステリド、デュタステリド」です。これらの薬は日本皮膚科学会が策定しているAGAの診療ガイドラインで、有効性や安全性が認められ、AGA治療薬として推奨されています。
AGA治療については【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的にをご参照下さい。

ちなみに、「AGAの診療ガイドライン」にも食事についての記載はなく、食事により育毛が改善するといった医学的根拠は明らかになっていないと言えます。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)

脱毛症診断チェック

「育毛を助ける効果」が期待出来る食事はある

ここがポイント!

  • 髪や頭皮を健康に保ち、髪の毛の成長をサポートするためには、バランスの取れた食生活を送ることが重要

育毛に直接的な効果がある食べ物はありませんが、だからと言って食事をおろそかにしていると、髪の毛の基となる細胞が影響を受けて、健康的な髪の毛が生えにくくなってしまう可能性があります。頭皮や髪の毛も他の臓器と同じく、健康を保つためには食事によって体の外から必要な栄養素をバランス良く体内に取り入れることが大切です。バランスの良い食事は、間接的に髪の毛の成長をサポートするだけでなく、生活習慣病予防や全身の健康にも繋がります。

参考

男性型脱毛症診療ガイドライン2010|日本皮膚科学会(pdf資料)

育毛を助ける栄養素

ここがポイント!

  • 髪の毛の90%以上は、ケラチンという「タンパク質」からできている
  • タンパク質の合成に関与している栄養素は、「亜鉛」と「ビタミンB群」
  • 直接的な育毛効果はないが、髪の毛の健康増進や成長のサポートには欠かせない栄養素である

ここでは、髪の毛の健康を保ち成長をサポートするためには、具体的にどのような栄養素を摂取すれば良いか紹介していきます。

タンパク質

髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質からできています。そのため、タンパク質が不足すると髪の毛は栄養不足となり、髪の毛が健康的に成長出来なくなります。
タンパク質は、炭水化物、脂質と共に三大栄養素のひとつであり、私たちの身体の細胞を構成する主要な成分です。タンパク質は髪の毛だけではなく、皮膚、筋肉、内臓など体のいろいろな部分を構成していて、生きていくうえで欠かせないものです。

亜鉛

亜鉛は、タンパク質の合成に関わる酵素の構成成分の1つであるため、タンパク質と同じく健康な髪の毛の成長には必要な栄養素です。
亜鉛は様々な食品に含まれているので、通常の食事をバランスに気をつけて摂取していれば、過度に不足することはありません。しかし、消化器系の手術を受けたことがある人や消化器系の病気を持っている人、菜食主義で肉類を摂取しない人、妊婦や授乳中の女性、過度なダイエットをしている人、アルコール依存症の人などは、「体が亜鉛の摂取や吸収を十分にできない状態」や、「亜鉛の損失が増加している状態」にあり、亜鉛不足なるリスクがあります。亜鉛が足りているか不安な場合は、血液検査で調べることが出来るので、医師に相談してみましょう。

ビタミン

ビタミンは体の機能を正常に保つために必要な栄養素です。その中でも「ビタミンB群」は、「脂質・糖・タンパク質(三大栄養素)の代謝」や「エネルギー産生」を助ける働きがあります。髪の毛は主にタンパク質で構成されているので、タンパク質の代謝を助けるビタミンB群の摂取は、皮膚や髪の毛の健康を維持する役割があります。しかし、ビタミンは体内で合成することがほとんど出来ないため、食事から摂取する必要があります。

<髪に良いとされる主なビタミン>
栄養素 主な作用 主な食材
ビタミンB2 細胞の新陳代謝を促す レバー、卵、大豆
ビタミンB6 タンパク質の合成や分解を助ける かつお、さば、レバー、肉
ビオチン 糖・脂質・タンパク質の代謝を助ける レバー、カレイ、いわし

参考


脱毛症診断チェック

育毛を助ける栄養素を多く含む食材

ここがポイント!

  • タンパク質は「赤身の肉、鶏肉、魚、卵、大豆、納豆、豆腐」などに多く含まれている
  • 亜鉛は「牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豆類、ナッツ類」などに多く含まれている
  • ビタミンB群は「レバー、卵、大豆、かつお、さば、肉、カレイ、いわし」などに多くて含まれている

ここでは、前の章で紹介した「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」を多く含む食品を紹介します。また、1日にどのくらいの量を摂取すれば良いのか、厚生労働省による「日本人の食事推奨摂取量(2015)」を参考に見ていきましょう。

タンパク質

タンパク質は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」に分けられます。
動物性タンパク質は、赤身の肉、鶏肉、魚、卵などに多く含まれ、植物性タンパク質は、大豆、納豆、豆腐などに多く含まれています。

厚生労働省によると、タンパク質の1日推奨摂取量は18~69歳の男性で60g、女性で50gとされています。

亜鉛

亜鉛は、牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豆類、ナッツ類などに多く含まれています。

厚生労働省によると、亜鉛の1日推奨摂取量は18~69歳の男性で10mg、女性で8mgとされています。

ビタミンB群

ビタミンB群には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがあります。この中でも特に「ビタミンB2」「ビタミンB6「ビオチン」は、髪の毛の成長に重要な栄養素です。
ビタミンB2は、レバー、卵、大豆などに、ビタミンB6は、かつお、さば、レバー、肉類などに、ビオチンは、レバー、カレイ、いわしなどに多く含まれています。

<厚生労働省による、18~69歳の男女の1日の推奨摂取量>
ビタミン群 男性 女性
ビタミンB2 1,6mg 1,2mg
ビタミンB6 1,4mg 1,2mg
ビオチン 50mg 50mg

参考

たんぱく質|農林水産省
亜鉛|「統合医療」情報発信サイト|厚生労働省
ビタミン|e −ヘルスネット
日本人の食事摂取基準(2015年)の概要

管理栄養士監修メニュー:育毛を助けるふさふさレシピ


髪の毛の成長に必要な栄養素を含んだ、管理栄養士監修のふさふさレシピを3つご紹介します。

「鶏肉とひよこ豆のトマト缶煮」(2人分) 

レシピ.jpg
<材料>
・鶏もも肉 約300g
・ひよこ豆(水煮缶)1缶 約100g
・トマト缶 1缶 約400g 
・たまねぎ 1個 約200g
・コンソメスープの素 1個または小さじ2
・塩、コショウ 適量
・にんにく 約1片(お好みで)
・白ワイン 約50㎎

<作り方>
1)鶏肉は一口大に切る。玉ねぎ、にんにくは粗めのみじん切りにする
2)オリーブオイルを入れ、鶏の表面をきつね色に焼いたら、一旦取り出す
3)フライパンにオリーブオイルをひいてニンニクを炒め、香りがでてきたらたまねぎを加えて、たまねぎがしんなりして透き通るまで炒める
4)鶏肉、ひよこ豆、トマト缶、コンソメスープの素(あれば白ワインも)を加えて混ぜ、鶏肉が柔らかくなるまで15分程度煮込む
5)味をみて、塩こしょうで調整する

「サバ缶とほうれん草のグラタン」(2人分) 

サバグラタン.jpg

<材料>
・さば味噌煮缶 1缶 約40g 
・トマト缶 1/5缶 約80g
・たまねぎ 1個 約200g
・ほうれん草 約1/2束
・ピザ用チーズ 適量
・塩、コショウ 適量
・にんにく 1片 (お好みで)

<作り方>
1)ほうれん草は、予め電子レンジ(600W)で加熱し、水に晒したあと水気を絞って約3cm幅に切っておく
2)サバ間の汁けをきる
3)たまねぎとにんにくは薄切りにする
4)オリーブオイルでニンニクを炒め、香りが出てきたらたまねぎとサバ缶を炒める
5)たまねぎがしんなりしてきたら、ほうれん草とトマト缶を加える
6)耐熱の容器に移して、チーズをのせてオーブントースターでこんがりするまで焼く
<下処理のワンポイント>
ほうれん草の下処理は、「沸騰した鍋にほうれん草を茎からいれ、30秒ほどサッと茹でる。ザルにあけ粗熱がとれたら水気を絞り約3cm幅に切る」
茹で時間を短くして余熱で火を通すことで栄養の損失を防ぐことも出来ます。

「豚レバーの麻婆豆腐」(2人分) 

麻婆豆腐.jpg
<材料>
・木綿豆腐  約200g
・豚レバー 約180g
・長ねぎ 約10g
・にんじん 約40g
・麻婆豆腐の素 1袋

<作り方>
1)豚レバーは表面を綺麗に洗い、塩を揉み込み15分程度放置した後、水でよく流し臭みを取る
2)木綿豆腐は2cmの角切りにする
3)長ネギとにんじんをみじん切りにする
4)レバーの臭みが取れたら、レバーを細かくみじん切りにする
5)レバーとにんじんと長ねぎと麻婆豆腐の素を炒めて、豆腐を加えてひと煮立ちさせる。
<下処理のワンポイント>
木綿豆腐の下処理は、沸騰した鍋に角切りした豆腐を入れて1~2分茹で湯通しすると、
豆腐の煮崩れが防げ、味のしみこみも良くなります。

脱毛症診断チェック

産後・授乳中に抜け毛が気になる女性の食事ポイント

ここがポイント!

  • 授乳中の女性は子どもの成長のために、母乳へのエネルギー移行量が増えるため、食事から摂る栄養素の推奨摂取量が増える
厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」 には、産後・授乳中の方へ向けた食事の推奨摂取量が記載されています。授乳中の女性は、赤ちゃんに必要な栄養素を届けるため母乳へのエネルギー移行量が増えるため、妊娠前よりも余分に栄養素を摂取する必要があるとされています。
そのため、タンパク質や亜鉛やビタミンも多く摂取する必要があり、推奨摂取量は健康な成人女性に付加量を加えた値となっています。
どのくらい多く取ることが推奨されているのかは、下記の表をご参考下さい。また、産後の食生活で悩みや不安を抱えている方は、かかりつけの医師に一度相談して見てはいかがでしょうか。

<授乳中の推奨摂取量>
栄養素 成人女性 授乳中
タンパク質 50g / 1日 +2g / 1日
亜鉛 8mg / 1日 +3mg / 1日
ビタミン類 1,2mg / 1日 +0.6mg / 1日

妊産婦のための食生活指針 厚生労働省

育毛につながる食事の方法

ここがポイント!

  • 健康な頭皮や髪の毛のためには、1日3食バランスの摂れた食事を取ることが重要

髪の毛や頭皮も体の一部なので、バランスの取れた食生活を送ることは重要です。自炊をしない人や、日常的に外食が多い人、過剰なダイエットをしていたりする人は、食事の栄養バランスが偏ってしまいます。外食でも、どんぶり物やラーメンなどの単品メニューのみで済ませないで、サラダや煮物などの副菜を1品追加するなどの工夫をしましょう。

農林水産省は、「主食」「主菜」「副菜」をバランス良く摂取できるように、日本型食生活推奨しています。日本型食生活は、主菜・副菜がそろいやすく、ごはんを中心に魚、肉、牛乳・乳製品、野 菜、海藻、豆類、果物など、多様な食品を組み合わせており、栄養バラン スにも優れています。食生活は、自分自身で気をつけ改善する事が出来ます。健康な頭皮や髪の毛のためには、1日3食バランスの摂れた食事を取ることが重要になります。

農林水産省 デキる大人がやっている 5 つの食習慣

脱毛症診断チェック

まとめ

直接育毛効果が得られる栄養素や食事方法はありませんが、私たちの身体は、食事から生きるために必要な栄養素を取り入れています。髪の毛や頭皮も体の一部なので、バランスのとれた食生活は健康を保ち成長をサポートするために必要なことです。栄養素の中でも髪の毛を構成している「タンパク質」、タンパク質の合成をサポートする「亜鉛」「ビタミンB群」などが不足しないように、それらを多く含む食材を献立に取り入れて行くと良いでしょう。
また、外食が多かったり、過度なダイエットをしたりしていると、栄養が偏ってしまう可能性があります。外食の場合には、品数の多い和食を選ぶ、サラダや煮物などを1品追加するなどの工夫をして髪の毛に良い食事を意識して見てはいかがでしょうか。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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