【頭皮乾癬とは】原因から市販薬・おすすめシャンプーなどをご紹介

乾癬は、銀白色の皮膚の粉が伴う、境界がはっきりしている紅班が全身の皮膚に現れる病気です。皮膚であればどこにでも出来る可能性はあり、頭皮も皮膚の一部なので、乾癬症状が現れる場合もあります。ここでは、乾癬について気になる原因や治療法など詳しく解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01頭皮乾癬とは
  2. 02頭皮乾癬の原因
  3. 03頭皮乾癬の治療法
  4. 04頭皮乾癬に効果的な市販薬とは
  5. 05頭皮乾癬の方におすすめのシャンプー
  6. 06まとめ

頭皮乾癬とは

ここがポイント!

  • 頭皮乾癬とは、乾癬の症状が頭皮に現れている状態
  • 乾癬は青年〜中年に好発する慢性的な皮膚の病気をいう
  • 乾癬の90%は「尋常性(じんじょうせい)乾癬」という、皮膚の粉を伴う盛り上がった紅斑が出現する症状である
  • 尋常性乾癬の他に、滴状乾癬、膿疱性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症がある

乾癬が頭皮に発症した状態

頭皮乾癬とは、乾癬の症状が頭皮に現れている状態を言います。乾癬とは、青年~中年に好発する慢性の皮膚疾患で、頭、背中、肘、膝などに主に見られますが、人によって症状や発生場所は異なります。乾癬にはいくつかの種類に分類でき、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症の5つがあります。

尋常性乾癬

もっとも多いものが「尋常性乾癬」で、乾癬の症状の90%がこの症状にあたります。皮膚に赤い発疹が出来、次第に広範囲に拡大していきます。表皮の細胞が過剰に作られているため、皮膚は厚く盛り上がり、銀白色の皮膚の粉がフケのようにポロポロと剥がれ落ちます。かゆみなどの自覚症状はすべての人に出現するわけではなく、現れない人もいます。

滴状乾癬

尋常性乾癬に比べて小さな発疹が、ぶつぶつと広がります。主に、小児に多く現れる乾癬で、上気道のレンサ球菌感染後の発症や薬剤誘発性も存在します。

膿疱性乾癬

皮膚に赤い発疹が現れ、その発疹の周りに膿が出るようになります。発熱や全身の倦怠感を伴い、炎症が強いため痛みやかゆみが強く出る特徴があり、重症化する場合があります。

乾癬性紅皮症

赤い発疹が全身に広がり、正常の皮膚がほとんど見えなくなった状態をいいます。

乾癬性関節炎

乾癬に関節炎の症状が合併した病気です。乾癬が発症してから数年後に関節の腫れや痛みが出てくる場合が多いと言われています。皮膚の症状と関節の痛みは一見関係ないように見えますが、関連している可能性もあるのでそのような症状があれば皮膚科専門医に相談しましょう。

乾癬はうつる病気ではない

「かんせん」という名前から誤解されやすいですが、乾癬は他人に感染することはありません。乾癬の原因は完全に解明されていませんが、免疫異常によって引き起こされる症状と考えられており、ウィルスや細菌、カビなどが原因ではないため、人うつる心配はありません。
乾癬は、人目に触れる場所に出来ることが多いため、精神的なストレスが掛かります。そのため、周囲の人の理解や配慮が重要となるのです。

また、乾癬になりやすい体質は遺伝するといわれていますが、なりやすい体質だからといって必ずしも発症するとは限りません。遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活や食事、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤など)が加わると発症する可能性が高くなると考えられています。

参考


脱毛症診断チェック

頭皮乾癬の原因

ここがポイント!

  • 乾癬の原因や発症メカニズムは解明されていない
  • 免疫異常が原因で、皮膚の表皮細胞が過剰に増殖することによって起こる炎症性角化症という説が最も有力とされている

乾癬は、原因や発症メカニズムが解明されていない病気です。
現在は、免疫機能の異常によって、皮膚の表皮細胞が過剰に増殖してしまうことが原因と考えられています。また、乾癬の発症には遺伝的要因を背景として、「樹状細胞(免疫細胞)」、「Th1細胞、Th17細胞などのリンパ球」などが関与していると考えられており、これらの発症因子の働きを抑える薬が乾癬の治療に用いられています。また、食生活の欧米化も発症要因の一つと考えられています。

参考


頭皮乾癬の治療法

ここがポイント!

  • 乾癬に効果的であると考えられている治療法には、ステロイド、ビタミンD3などの外用療法、シクロスポリン(免疫抑制剤)、レチノイド(ビタミンA誘導体)などの内服療法、紫外線照射による光線療法、生物学的製剤の注射、点滴で行う抗体療法などがある

乾癬は慢性的な皮膚疾患であり、繰り返し症状が現れるという特徴があります。必ずではありませんが、治療を続ける事で症状が完全に消失する方もいます。尋常性乾癬や関節症性乾癬、膿疱性乾癬は治療が長期になることが多いです。乾癬は、明確な原因は解明されてはいませんが、有効な治療法はあります。乾癬に効果があると考えられている治療法の中から、主治医と相談しながら症状に合わせて適切な治療を受ける事が重要です。
ここでは、乾癬の主な治療を外用療法、内服療法、光線療法、抗体療法に分類して紹介していきます。

外用療法

ステロイド外用薬
ステロイドは、人の副腎から分泌される重要なホルモンで、皮膚の炎症を軽減する働きがあります。乾癬の治療に効果的ですが、長期に漫然と使用したり、自己判断で用法や用量を変えたりすると副作用が出ることがあるので注意が必要です。
ビタミンD3外用薬
乾癬になった皮膚は表皮細胞が異常な速さで増殖します。ビタミンD3は増殖を抑え、乾癬の症状を改善させる効果があります。

内服療法

シクロスポリン(免疫抑制剤)
免疫を担当するリンパ球の1つである、T細胞の働きを抑える作用があり、過剰な自己免疫を抑制することで、症状を改善する効果があります。
レチノイド(ビタミンA誘導体)
レチノイドは、体内で代謝を受けてビタミンAになる物質で、皮膚の新陳代謝に欠かせない角化作用に対し影響を及ぼし、乾癬の治療にも有効なことが確かめられています。表皮の過剰な増殖を抑え、表皮が厚くなるのを防ぐ作用があります。

紫外線照射による光線療法

外用療法だけでは症状が改善しない場合や、発疹の面積が広くなったときには光線療法が用いられます。症状のある部位もしくは全身に紫外線を照射して過剰な免疫作用を抑える方法です。「PUVA(プバ)療法」といって、ソラレン(オクソラレン)という紫外線に敏感になる薬剤に長波長紫外線照射を組み合わせたものと、「UVB(ユーヴィビー)療法」という、紫外線照射だけの治療法があります。

抗体療法

2010年から外用療法、内服療法、光線療法で十分な効果が得られなかった場合や、副作用などで内服薬が使えない場合には「抗体療法」という新しい治療が使えるようになりました。抗体療法には、アダリムマブ(皮下注射)、インフリキシマブ(点滴注射)、ウステキヌマブ(皮下注射)などの生物学的製剤が含まれます。免疫にかかわる物質の過剰な働きを弱めて乾癬の症状を抑える治療法であり、重症例にも効果があるとされています。しかし、副作用が出現するリスクもあり、治療に精通した医師による使用が勧められています。

乾癬は慢性的な疾患であり、症状はよくなったり悪くなったりします。また、症状や薬の効果には個人差があるので、医師とよく相談をしならがら、その時の自分の症状にあった治療方針を選択する事が重要となります。

参考


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頭皮乾癬に効果的な市販薬とは

ここがポイント!

  • 頭皮乾癬に効果的な市販薬はない
  • 乾癬の症状が現れたら、市販薬に頼らず、医療機関を受診し医師の診察を受けよう

乾癬に効果的は市販薬は現在のところありません。乾癬は、自分で治療可能な病気ではありません。効果が期待できる複数の治療法から、その人の状態に合わせた適した治療法が選択されるのです。乾癬の症状が現れた場合には、早期に医療機関を受診し、医師の診察を受ける様にしましょう。

頭皮乾癬の方におすすめのシャンプー

ここがポイント!

  • 乾癬の炎症に効果が期待できる「コムクロシャンプー」がマルホ株式会社より販売が開始された
  • コムクロシャンプーは医療用医薬品に分類されるため、医師の処方が必要である
  • 市販のシャンプーのうち乾癬の症状に効果が期待できる商品はない

医療用医薬品のシャンプー

「コムクロシャンプー」は、2017年7月にマルホ株式会社から販売が開始され、頭部の尋常性乾癬に効果があることが確認されている「医療用医薬品」のシャンプーです。クロベタゾールプロピオン酸エステルというステロイドを有効成分に含み、乾癬の炎症に効果が期待できるシャンプーです。医療用医薬品に分類されているため、医師による処方が必要です。試してみたい方は、一度皮膚科を受診し医師の診察を受けてみてはいかがでしょうか。

コムクロシャンプーの使い方

使い方は、乾燥した頭部の患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水または湯で泡立て、洗い流します。これを、1日1回行います。一般的なシャンプーのように髪が濡れた状態で使用すると、薬が垂れて目に混入し、白内障などの眼障害を起こす可能性があるため、乾燥した頭皮に使用しましょう。また、使用後に、肌が熱く感じた、ひりひりする、痛みがでた、発疹が悪化したなどの異変を感じたら、直ちに使用を中止し医師に相談しましょう。

市販されているシャンプー

現在、日本で製造販売されているシャンプーのうち「乾癬」に効果が期待できる市販のシャンプーはありません。効果が期待されているシャンプーは先ほど紹介した医療用医薬品の「コムクロシャンプー」のみですので、試してみたい方は皮膚科を受診し医師に相談してみてはいかがでしょうか。

シャンプーの注意点

乾癬は、過剰に作られた皮膚がポロポロと剥がれ落ちてしまいます。頭皮乾癬の場合は、剥がれた皮膚がフケに似ているので、シャンプーをする際にフケを落とそうとして、力を入れて洗ってしまう方がいます。しかし、摩擦によるダメージは、乾癬の症状を悪化させてしまうことがありますので、シャンプーをする際は、爪を立てず、指の腹を使って優しく洗うようにしましょう。

参考

脱毛症診断チェック

まとめ

乾癬は慢性的な皮膚疾患で、医師による適切な治療が必要です。乾癬の原因は完全に解明されてはいません。発症している乾癬の種類や症状の範囲によって、医師の判断により効果があると考えられている治療法の中から適切なものが選択されます。
まずは、医師の診察を受けて自分に合った治療法を見つけることが大切です。乾癬のような症状が出現した場合は、早めに皮膚科や乾癬外来がある医療機関を受診しましょう。

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Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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