帯状疱疹は頭皮に現れる可能性も|原因から症状、治療法、痛みの対策までをご紹介

帯状疱疹とは、子供のころにかかった水ぼうそうのウイルスが、身体の中に潜伏していて、加齢や過労、ストレスなどで抵抗力が弱くなった時に、再び活動を始めてしまうことで発症する皮膚の病気です。帯状疱疹は、頭皮にも現れる可能性があり、発症部位に強い痛みを伴うという特徴があります。ここでは、帯状疱疹について症状や原因、治療法などを詳しく解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01頭皮にも帯状疱疹はできるのか
  2. 02帯状疱疹の原因は水ぼうそうウィルス
  3. 03帯状疱疹の治療法
  4. 04帯状疱疹が痛い場合の対策法
  5. 05まとめ

頭皮にも帯状疱疹はできるのか

ここがポイント!

  • 帯状疱疹は全身の皮膚に発症する可能性があり、頭皮にもできる場合がある

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウィルス(VZV)というウイルスが原因で発症します。小児期に初めてVZVウイルスに感染した際は、「水ぼうそう」が発症します。ほとんどの方は、小さい頃に水ぼうそうを発症しますが、水ぼうそうが治った後もVZVウイルスは体の中に潜み続けます(潜伏感染)。そして、過労やストレスで抵抗力が落ちている時に、再び活性化することで帯状疱疹が発症します。帯状疱疹は、男女や年齢に関係なく誰でも発症する可能性がありますが、加齢により発生する確率は上がります。60歳代を中心に50〜70歳代に多く見られますが、若い人でも過労やストレスがきっかけとなり、発症することもあります。

帯状疱疹の症状は、必ず身体の左右どちらか一方に出現します。体の神経に沿って、帯状に広がっていくのが特徴です。最初に痛みが出現し、その後皮疹(赤いボツボツ、水疱)が現れます。皮疹が現れる前に痛み(ピリピリ感など)が出現することがあり、最初の頃は診断が難しいことがあります。体の片側にピリピリするような痛みがあった場合、帯状疱疹の初期の可能性があることを頭に入れておきましょう。

頭皮にも症状が現れることも

帯状疱疹の症状は身体のどこにでも起こるため、頭皮にも出現する可能性はあります。帯状疱疹は皮膚だけでなく神経にも炎症を伴うため、ピリピリとした神経痛を伴います。頭皮に症状が現れた場合も、頭皮に神経痛が出現します。髪の毛を触っただけで、ピリピリ感を感じたり、頭痛や吐き気を伴うこともあります。出来るだけ早めの治療が重要になります。また、帯状疱疹の皮疹として水疱が出現することが多く、シャンプーなどの頭皮ケアも大切になります。

頭部や顔面の帯状疱疹は、耳や眼の付近に発症した場合、危険な合併症が出現することがあります。
耳の付近に症状が現れた場合、聴覚障害や顔面神経麻痺が引き起こされる「ラムゼイ・ハント症候群」という合併症が出現することがあります。また、眼の付近だと結膜炎や角膜炎などが起こり、視力障害が引き起こされる場合もあります。

こんな症状が現れたら病院を受診しよう

帯状疱疹の症状の特徴は、体の片側に限局的に出現する「水疱を伴う皮疹」と「神経痛」です。まず皮膚にピリピリとした痛みや違和感、知覚異常などといった症状が現れた後に、赤い発疹や水疱が出来て、さらに強い痛みとなります。帯状疱疹は発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことがあり、入院加療が必要な場合もあります。このような症状が現れたら、早めに医療機関を受診しましょう。帯状疱疹の治療は早ければ早いほど、いいと言われています。

参考


脱毛症診断チェック

帯状疱疹の原因は水ぼうそうウィルス

ここがポイント!

  • 子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスは、完治しても身体の中に潜伏している
  • 加齢や過労やストレスによる免疫機能の低下が誘因で、再活性化して発症する
  • 帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹としてうつることはないが、水ぼうそうにかかったことのない子どもに、水ぼうそうとしてうつる場合がある

水疱瘡ウィルスとは〜再発の可能性

子どもの頃によくかかる病気の一つに「水ぼうそう」があります。水ぼうそうは水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウィルス(VZV)の感染で起こる病気で、発熱と全身に赤い皮疹の症状が現れ、一度発症して治ってしまうと抗体ができるため、通常は再発しません。
しかし、ウイルスは水ぼうそうが治った後も、皮膚にでた発疹から神経を伝わって神経節内に潜伏しています。潜伏していても症状が無いまま過ぎますが、加齢や過労やストレスによる免疫機能の低下などが誘因で、ウイルスが再活性化することで、帯状疱疹が発症します。
ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染します。そこで、更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現するのです。

帯状疱疹は他人にうつるのか

水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウィルス(VZV)の空気感染により、まだ水ぼうそうに罹ったことのない他人にうつります。しかし帯状疱疹は、空気感染しません。帯状疱疹は過去にかかった水ぼうそうのウイルスが、身体の中に潜伏していて、再び活動を始めたために発症すします。ほとんどの大人は水ぼうそうに罹ったことがあり、すでにVZVウイルスに対する抗体を持っているため、感染はしません。また、ウイルスは皮疹部位に限局していると考えられており、もし水ぼうそうに罹ったことのない人がいても、皮疹部位に接触しない限りは感染しないと考えられています。

子どもには水疱瘡としてうつる可能性も

帯状疱疹は多くの大人にはうつることはありませんが、今までに水ぼうそうになっていない子供や、免疫力が落ちている人などが帯状疱疹の皮疹に接触すると、感染する可能性があります。帯状疱疹が治るまでは、まだ水ぼうそうにかかっていない子どもや妊娠中の女性などには接触しないように注意しましょう。
また、まれに帯状疱疹が全身に拡大することがあります(汎発性帯状疱疹)。その場合は、水ぼうそうと同じように空気感染することもあるため、注意が必要です。

参考


帯状疱疹の治療法

ここがポイント!

  • 帯状疱疹の治療は病院の皮膚科で受ける事ができる
  • 抗ウイルス薬による治療を出来るだけ早く開始することが重要
  • 重症の場合には、入院治療が必要な場合もある

帯状疱疹の治療は、皮膚科受ける事が出来ます。重症度に応じて「抗ウイルス薬」の内服や点滴による治療を行います。通常は、外来通院で抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)の内服を行い、重症な人や免疫が低下している人では、入院し抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注を行います。

帯状疱疹は皮疹だけではなく、痛み(神経痛)が問題になります。痛みは皮疹が治ったあとも続くことがあり、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれます。ピリピリとした痛みによって、眠れなくなったり、仕事に支障をきたしてしまう場合もあります。痛みの後遺症をなるべく減らすためには、早期に治療を受けることが重要とされています。また、痛みが強い場合は、「鎮痛剤」による痛みのコントロールをしっかり行うことが大切です。
また、細菌の二次感染を伴うことがあるので、「抗生物質」の投与または外用を行うこともあります。「抗菌薬」や「非ステロイド系の抗炎症薬」などの外用薬が使用されることもあります。

参考

-
医師に脱毛症の相談をしませんか?脱毛症のお悩みを募集しています

帯状疱疹が痛い場合の対策法

ここがポイント!

  • 冷やすとより痛みは悪化するので、温める
  • 痛みは、「痛み止め」でしっかりコントロールすることが大切

帯状疱疹の痛みは、皮膚の炎症による痛みと神経の炎症による痛みがあります。皮膚の炎症による痛みは、皮膚を清潔に保ち、炎症を抑える塗り薬などで対策します。神経の炎症による神経痛は、患部を温め、血行をよくすることで緩和されますが、痛みを抑える飲み薬が必要なケースが多いです。また、皮疹が改善した後も神経痛は続くことがあり(帯状疱疹後神経痛)、ペインクリニックなどでの専門的な治療が必要になることもあります。

皮疹が治った後でも、痛みが続きやすい人の特徴として、
1)皮疹が重症
2)夜眠れないほどの強い痛み
3)60歳以上の高齢者
が挙げられます。

自分で出来る対策法としては、冷やすとより痛みは悪化するので、温める事をおすすめします。ただし、入浴をしてもいいかは、皮膚の状態にもよるので医師に確認するようにしましょう。眠れないほど痛みが強く出る人もいますので、必要に応じて痛み止めを処方してもらい、痛みをしっかりコントロールしていくと良いでしょう

まとめ

帯状疱疹は、後遺症としての神経痛を残さないためにも早めの治療が重要です。症状が現れたらまずは皮膚科を受診し、すぐに治療を始めましょう。帯状疱疹の誘因に過労やストレスが関係していることから、日ごろから栄養と睡眠を充分にとり、適度に運動を行うなど、心身の健康に気を配り体力を低下させないことが大切です。帯状疱疹がでたら、疲れやストレスなどで抵抗力が落ちている証拠なので、無理をせず安静に過ごしましょう。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

この記事の情報の信憑性について

オンラインクリニックでは、医療従事経験者による記事編集、専任の監修医を設けることにより信頼性のある情報提供を心がけておりますが(詳細は「運営方針」をご確認ください)、ユーザーの方ご自身、またはご家族の具体的な医療上の問題を解決する必要がある場合には、医療機関へ相談されるか、または受診をするようにしてください(詳細は「利用規約」をご確認ください)。

記事についてのお問い合わせ