【AGAの予防法とは】日常生活で出来る薄毛対策について徹底解説

「AGA(男性型脱毛症)」は成人男性を悩ませる脱毛症ですが、その発症は予防が出来るのでしょうか。
AGA発症の主な原因は「男性ホルモン」と「遺伝」であるため、食事や運動などの生活習慣の改善で直接的に予防することは、残念ながら今のところ出来ないと言えます。
一方で、髪の毛や頭皮も体の一部であるという考えに基づけば、それらの健康を保つために生活習慣を整えるなど、間接的にAGAの予防につながる行動をすることは可能です。特に「食事」や「シャンプー」など、毎日行う行動では、少しでも髪の毛に優しいノウハウを取り入れていきたいものです。
ここでは、髪の毛や頭皮を健康に保つために今日から実践出来る方法から、薬の予防効果についてまで、AGAの予防につながるさまざまな情報を解説していきます。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01予防法を考える前にAGAのメカニズムをおさらいしよう
  2. 02AGAは直接的な予防がない
  3. 03AGAの予防につながる食事
  4. 04AGA予防のためにシャンプーで気を付けるべき点
  5. 05その他日常で出来るAGA予防対策
  6. 06プロペシアはAGAの「予防薬」として病院で処方してもらえるのか
  7. 07AGA予防効果をうたっている「亜鉛」サプリに医学的根拠はあるのか
  8. 08まとめ
この記事のチェックポイント

予防法を考える前にAGAのメカニズムをおさらいしよう

ここがポイント

  • AGA発症の原因物質は、男性ホルモン「DHT」
  • 男性ホルモン「テストステロン」が「2型5αリダクターゼ」という酵素の働きを受けて「DHT」になる
  • DHTの作用が前頭部や頭頂部の毛母細胞に伝わると毛の成長が抑制され、AGAの症状「薄毛」が発症する

AGAの予防について考えるためには、AGA発症の仕組みを知っておく必要があるため、まずは簡単に発症メカニズムのおさらいをしましょう。

AGAの発症には「男性ホルモン」が深く関わっていることが明らかになっています。

髪の毛の根元には、発毛の司令塔のような役割をする「毛乳頭(もうにゅうとう)細胞」があります。男性ホルモンの影響を受ける部位にある毛の毛乳頭細胞の中には、男性ホルモンを受容する「アンドロゲン受容体(AR)」というタンパク質と「2型5αリダクターゼ」という酵素が存在しています。
この毛乳頭細胞の中に、男性ホルモンである「テストステロン」が入り込むと、2型5αリダクターゼが働き、テストステロンを「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換します。「DHT」は「AR」にくっついて、一緒に細胞の「核」という部分に移動し、髪の成長を左右する物質を作る遺伝子に指令を出します。
DHTについて詳しくは「AGAを引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」とは~男性ホルモンに共通の役割とDHTの特徴からAGA治療薬がDHTを減らす作用の仕組みまで解説」をご参照ください。

DHTへの変換メカニズム

この指令は毛の成長に重要な「毛母(もうぼ)細胞」に届きます。その結果、ひげや胸毛では毛の成長が「促進」される一方で、前頭部や頭頂部では毛の成長が「抑制」されます。こうしてDHTが多いと前頭部や頭頂部の毛は「細く短く」なり、AGAの症状である「薄毛」となるのです。

AGAの発症メカニズムについて詳しくは「【AGAの原因について】原因物質「DHT」が薄毛スイッチを入れる仕組みから遺伝やストレスの影響・女性のAGAまで」をご参照ください。

参考


AGAは直接的な予防がない

ここがポイント

  • 医学的根拠のあるAGAの直接的な予防法は、今のところ報告されてない
  • 予防出来ない理由は、AGA発症の原因が「男性ホルモン」と「遺伝」だから

AGAを発症前に防げれば喜ばしいですが、残念ながら、医学的根拠のあるAGAの直接的な予防法は、まだ見つかっていません。その理由は、AGAの原因にあります。

AGAが予防できない理由

前の章でお話ししたように、AGAの発症には「DHT」という男性ホルモンが深く関連しています。そのためAGAを予防するのであれば、原因となっているDHTを減らすなどの対策が必要になります。現在AGAの「治療薬」として、DHTを減らす働きのある薬が使われていますが、この薬は、あくまでAGAの進行を抑える治療薬として使われているものであり、発症を予防出来るという研究報告は出ていないため、基本的に「予防」を目的としては使用されません。

AGAの治療薬について詳しくは「AGA治療薬の効果と副作用|主な2種類の薬~ジェネリック薬情報や値段・通販・輸入薬などについて解説」をご参照ください。

AGAの主な原因には、男性ホルモンの他に「遺伝的要因」もあります。AGAの人は、男性ホルモンに関連する遺伝子などにある程度共通した特徴を持つと分かっているのですが、こうした遺伝的要因を、何らかの予防法によって取り除くことは、現在のところ不可能です。

このように、AGAの主な原因は「男性ホルモン」と「遺伝」で、これらは基本的に防ぎようがないため、AGAの発症を直接的に予防する方法は今のところ見つかっていないと言えます。AGAの予防法としてインターネットなどで公開されている情報のほとんどに、医学的根拠はないというわけです。

遺伝的要因の影響はあるが絶対ではない

AGAの主な原因の1つは「遺伝」だとお話ししましたが、AGAの遺伝的要因を持っている人は、持っていない人に比べてAGAになる可能性が高いと考えられる程度で、家族内にAGAの人がいたとしても必ずAGAを発症するわけではありません。また、遺伝的要因を持っていたからと言って、具体的に何%程度AGAになりやすいのかという詳しい数字も、まだ明らかになっていません。遺伝的要因は確かにありますが、その要因を持っていたとしても、必ずAGAになるというものではないと覚えておきましょう。

参考


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AGAの予防につながる食事

ここがポイント

  • 髪や頭皮を健康に保ってAGAを間接的に予防するために、バランスの取れた食生活を送ることが重要
  • 「タンパク質」とその合成に関与している「亜鉛」「ビタミンB群」を献立に取り入れよう
  • その理由は、髪の毛の90%以上が「タンパク質」で出来ているから

AGAの直接的な予防は出来なくとも、髪の毛や頭皮の健康に良い生活を送り、間接的にAGA予防につながる行動を取ることは出来ます。ここでは髪と頭皮の健康につながる食生活について、具体的に見ていきましょう。

食事がなぜAGA予防につながるのか

あなたは日頃バランスの取れた食生活を送っていますか。「仕事が忙しい」「面倒だ」などを理由に、頻繁にインスタント食品や冷凍食品で食事を済ませたりしていませんか。外から栄養を体内に取り入れる役割である「食事」は、体作りの基本であり、健康のためには、栄養素をバランス良く取ることが重要となります。髪の毛や頭皮も体の一部であるため、バランスの取れた食生活は、体の内側から行う髪の健康サポートになり、間接的なAGA予防につながると言えます。

髪に優しい栄養素


髪の健康のために積極的に取りたい栄養素は「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」です。

タンパク質

髪の毛は、90%以上が「ケラチン」というタンパク質で出来ています。つまりタンパク質は、髪の毛の基となる栄養素であり、不足すると髪の毛は栄養不足になってしまいます。タンパク質は髪の毛だけではなく、筋肉・内臓・皮膚・爪など、体のあらゆる部分を作るのに必要な栄養素でもあります。
タンパク質は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」に分けられ、それぞれ次のような食材に多く含まれています。

タンパク質の分類 豊富に含まれている食材
動物性タンパク質 赤身の肉、鶏肉、魚、卵など
植物性タンパク質 納豆、豆腐、ナッツ類など
タンパク質が多く含まれる食べ物

亜鉛

私たちの体の中では、実にさまざまな種類の酵素が働いています。亜鉛は、タンパク質の合成に関与する酵素の構成成分の1つで、欠かせない元素です。亜鉛を取ることで、主にタンパク質で出来ている髪の毛の成長をサポート出来ます。また、亜鉛が不足すると、「抜け毛」の原因にもなります。
亜鉛が豊富な食材は、牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豆類、ナッツ類などです。
厚生労働省によると、1日における亜鉛の推薦摂取量は、18〜69歳の男性で10mg、女性で8mgとされています。牡蠣は特に亜鉛を豊富に含んでおり、厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトには、カキフライ3個(約85g)中に約74mgの亜鉛が含まれていると示されています。
亜鉛が多く含まれる食べ物

ビタミンB群

ビタミンは、体の機能を正常に保つために必要な栄養素ですが、体内で合成することがほとんど出来ないため、食事から摂取する必要があります。ビタミンの中でも「ビタミンB群」は、「脂質・糖・タンパク質(三大栄養素)の代謝」や「エネルギー産生」を助ける働きがあります。ビタミンB群はこうした働きを介して、皮膚や髪の毛の健康を維持する役割を担っています。
それでは、ビタミンB群の中でも、特に髪の毛に良いとされる栄養素を紹介します。
ビタミンB2
作用:細胞の新陳代謝を促す
含まれている主な食材:レバー、卵、大豆
ビタミンB6
作用:タンパク質の合成や分解を助ける
含まれている主な食材:かつお、さば、レバー、肉
ビオチン
作用:糖・脂質・タンパク質の代謝を助ける
含まれている主な食材:レバー、カレイ、いわし
ビタミンB群が多く含まれる食べ物

バランスの良い食生活を送ろう

間接的なAGA予防につながる「髪と頭皮の健康」のために、ここまでに見てきた栄養素を積極的に取り入れながら、バランスの良い食生活を送るように心がけましょう。いくら髪の毛や頭皮に良い栄養素でも、取り過ぎや偏ったとり方は良くありませんので、全体のバランスに注意をしてください。

バランスの良い食事と聞いても、何を食べたら良いのか分からないという人は、農林水産省のHPに「食事バランスガイド」がありますのでそちらを参考にしてみましょう。「食事バランスガイド」は、国民が健康で豊かな食生活を送るために、厚生労働省と農林水産省が平成17年に策定したもので、1日に何をどれだけ食べたら良いのか、食事の望ましい組み合わせと量が分かりやすく示されているものです。

参考


AGA予防のためにシャンプーで気を付けるべき点

ここがポイント

  • シャンプー前にはブラッシングをして、地肌までしっかりと濡らす
  • シャンプーは手のひらで泡立ててから使用する
  • 頭皮に爪を立てずに指の腹でマッサージするように洗う
  • 洗い残しがないように、シャンプーはしっかりと洗い流す

日頃シャンプーをする際に心掛けていることはありますか。ほとんど毎日行うシャンプーは、じかに頭皮や髪の毛に触れるものでもあり、AGA予防に間接的につながる「髪と頭皮の健康」に影響を与える行為であると言えます。特に、気付かない間に頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまわないためにも、洗い方には注意が必要です。ここでは、シャンプーの際に気を付けるべきポイントを紹介していきます。

洗い方のポイント

1)シャンプーの前にはブラッシングをする
シャンプーを行う前に、髪の毛の絡まりを取っておきましょう。髪の毛に絡まりがあると、シャンプーの際に絡まりを解こうとして頭皮に無理な力を加えてしまう原因になります。
2)髪の毛から地肌までしっかりと濡らす
3)シャンプーは手のひらで泡立ててから使用する
シャンプーをしっかりと泡立てて、髪の毛を泡で包み込むようにして洗いましょう
4)爪を立てずに、指の腹でマッサージをするように洗う
指の腹を使って、優しくもみ洗いを行いましょう。マッサージするようなイメージです。
5)洗い残しがないように、しっかりと洗い流す
髪と頭皮に優しいシャンプーの手順
上記のポイントを参考にしながらシャンプーを行い、頭皮や髪の毛に優しい洗髪を心掛けていきましょう。
AGAの人におすすめのシャンプーなどについて詳しくは「【AGAの予防・改善につながるシャンプーの方法とは】おすすめの洗い方からシャンプー選びのポイントまで~今日から試してみよう」をご参照ください。

その他日常で出来るAGA予防対策

ここがポイント

  • 「血行促進」と「健康的な生活」が、間接的にAGA予防につながる
  • 髪の毛を作る毛母細胞は、毛細血管から必要な栄養や酸素を取り入れているため、血行促進は大切
  • 「ストレスを溜めない」「運動」「禁煙」「生活リズムを整える」など、体の健康を髪の健康につなげよう

髪の毛を作る毛母細胞は、毛細血管から必要な栄養や酸素を取り入れています。そのため頭皮の血行が悪くなると、髪の毛を作る細胞が栄養不足、酸欠状態になり本来の力を発揮出来ず、十分に髪の毛が育たなくなってしまいます。反対に、血行を良くすることは、間接的な髪の毛の成長のサポートにつながります。
ここでは、既に紹介した食事とシャンプーの他に、日常生活の中で髪の毛の健康のために実践出来る対策をいくつか紹介していきます。
日常でできるAGA予防と対策

ストレスを溜めない

AGAは見た目に影響するため、人によっては精神的なストレスが大きい病気であるとも言えます。ストレスを溜めると、体と心の両方に悪影響が及ぶことは、今や常識と言っても過言ではないほど、多くの人が心得ている事実です。「ストレス」は万病の元とも言われ、さまざまな病気の要因になることが証明されています。

ストレスが溜まると、自律神経が乱れ、体を活発に活動させるための「交感神経」の働きが強まります。交感神経は、血管を収縮させる働きがあるため、ストレスは血行不良の原因となります。こうした理由から、頭皮の血行を保つためにも、なるべくストレスを溜めない生活を送ることが重要と言えます。

とは言え、仕事や家事に追われていると、ストレスを感じない生活を送るのは、なかなか難しいものです。そのため、ストレスを感じてもそれを溜め込まないように、上手にストレスを解消していきましょう。その際、誰もがストレスを解消出来るような、共通のストレス解消法というものはありませんので、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
例えば、好きな音楽を聞く、友達と遊びに行く、ゆっくりとお風呂に浸かる、眠る、深呼吸(腹式呼吸)をする、ストレッチをする、スポーツをするなど、自分が楽しいと思える「ストレス解消法」を見つけましょう。
イライラしたり、心が疲れてしまったりした際には足を止めて、まずは大きく深呼吸をしてみてはいかがでしょうか。

運動は頭皮の血行促進にもつながる~ストレッチがお勧め

デスクワークなどで同じ姿勢を続けていると、肩などの筋肉が凝り固まってしまい、血行不良の原因となります。凝りを感じたら一旦作業を止めて、ストレッチをするように心掛けましょう。さらに、帰宅後などに、30分程度かけて全身の筋肉を順番にゆっくりと伸ばしていくことは、「交感神経」の活動を弱めて、リラックス効果のある「副交感神経」の活動を高める効果もあることが明らかになっています。つまり、ストレッチには、先程お話しした「ストレス」を解消する効果もあるのです。

禁煙をしよう

たばこの煙には「ニコチン」という有害な化学物質が含まれています。ニコチンには血管を収縮させる作用があり、頭皮の毛細血管が収縮してしまうと髪の毛に必要な栄養や酸素が届かなくなってしまいます。たばこを吸っている人は、髪と頭皮の健康のためにも、禁煙を強くお勧めします。
たばこは血行不良を起こすだけではなく、肺がんなどの命に関わる病気を発症する危険性を高めます。たばこが体に悪いと分かっていても、ニコチンには強い依存性があるため、禁煙は自分一人の力ではなかなか成功しません。最近は、禁煙治療を専門としている「禁煙外来」も多く開設されているので、たばこをどうしても止められない、禁煙をどのように行っていけば良いか分からないという人は一度禁煙外来を受診してみてはいかがでしょうか。

生活リズムを整えよう

生活リズムの乱れは、自律神経の乱れにもつながります。ストレスの項目でも解説したように、自律神経の乱れによって交感神経が活発に働くと、血管が収縮するため血行不良になります。
生活リズムを整えるためには、睡眠時間をしっかりと取ることが重要です。厚生労働省は、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」という健康施策の中で、「さまざまな精神的・身体的病気の予防において、健やかな睡眠と休養が重要である」としています。

ここで、快眠のためのポイントをいくつか紹介します。
快眠のためのポイント
寝具を整える
睡眠時間は、1日3分の1を占めています。自分の体に合った寝具を揃えることは、快眠のために重要です。
「枕は首の角度が5度になるものを選ぶ」と首や肩への負担が少ないとされています。枕の高さには、好みもありますがなるべく首や肩への負担が少ないものに変更しましょう。「ベッドマット・敷き布団は適度な硬さのものを選ぶ」ことで体への負担を少なく出来ます。私たちの背骨は真っ直ぐではなく、S字カーブを描いています。そのため、柔らか過ぎても硬過ぎても、「S字カーブ」の形が変わってしまい、体への負担が大きくなってしまうのです。仰向けの姿勢になった時に、背骨の曲がり幅が2〜3センチが理想とされています。
朝起きたら光を浴びる
1日は24時間ですが、私たちの体内時計は24時間よりも少し長いため、もしも真っ暗な中で過ごしたとしたら、体内時計は少しずつずれていきます。この体内時計は、起床時に光を浴びるとリセットされる仕組みになっています。体内時計を毎日リセットするためにも、朝起きたら、カーテンを開けて外の光を取り込む習慣をつけましょう。
同じ時刻に眠る
毎日大体同じ時刻に眠ることも効果的です。寝具を整えたり、運動やバランスの良い食事を心掛けたりしていても、眠る時間がバラバラである場合には、快眠は得られないとされています。眠る時間を決めて続けることで、体内時計に記憶され、その時刻になると自然と体が睡眠に備えるようになるのです。

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プロペシアはAGAの「予防薬」として病院で処方してもらえるのか

ここがポイント

  • プロペシアという飲み薬はAGA治療薬の1つで、既に発症しているAGAの進行を予防する作用がある
  • あくまでも治療薬であり、診療ガイドラインには予防薬としての使用は明記されていない
  • そのため、予防薬として処方してもらえることは基本的にないと考えるべき

プロペシアには、既に発症しているAGAの「進行予防」の効果があります。
東京女子医科大学の研究グループにより、AGAを発症している日本人の男性に1日1mgのプロペシア(フィナステリド)を1年間毎日内服してもらい、症状の変化を頭頂部の写真で評価したところ、軽度以上の改善が58%の人に見られたとの論文報告がなされています。このとき、少なくとも進行は防げた人も含めると、98%の人に効果が認められたとも示されています。この結果からもプロペシアが、AGAの発症後に症状の進行を抑える効果があることが分かります。
一方で、AGAの診療ガイドラインでは、プロペシアはあくまでも「AGAの治療薬」として推奨されているものであり、AGAの発症前から「予防薬」として使用した場合の効果について、記載はありません。また、予防薬としての効果を検証した研究論文も、今のところ報告されていません
AGAを発症していない場合には、今のところ、薬による予防を考えるというよりは、生活習慣を整えたりシャンプーに気を使ったりするなど、髪の毛や頭皮の健康に良い生活から始めてみるのが良いでしょう。また、プロペシアについて分からないことがあれば、皮膚科やAGA専門クリニックを受診して、直接医師または薬剤師に相談してみましょう。

プロペシアに配合されている有効成分「フィナステリド」に関して詳しくは「【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説」をご参照ください。

AGAの診断に数値的な基準がない以上、明らかなAGAが見られた時のみ服用すべきで、予防投与は否定されがちです。しかし、進行してからでは遅い、という一面もあり臨床現場では予防投与に近い状態で処方されている現状もあります。

参考


AGA予防効果をうたっている「亜鉛」サプリに医学的根拠はあるのか

ここがポイント

  • 亜鉛サプリを摂取しても、AGA予防に直接効果があるという医学的根拠はない
  • しかし亜鉛は髪の成分であるタンパク質の合成に関与しており、髪の健康のために積極的に取りたい栄養素

先ほど、食生活の項目でも説明したように、亜鉛は、髪の毛の素であるタンパク質の合成で働く酵素の構成要素であるため、髪の毛の健康的な成長に欠かせない元素の一つであると言えます。亜鉛が不足すると「亜鉛欠乏症」となり、発育遅延、食欲不振だけではなく、重症になると「脱毛」を引き起こす場合もあります。
亜鉛がAGA予防に効果的であると言われる理由は、タンパク質の合成に関わっているという他に、亜鉛に「2型5αリダクターゼ」の働きを阻害する作用があると考えられていることにもあります。フランスで行われた研究で、亜鉛が2型5αリダクターゼの働きを阻害する作用が見られたという論文報告がありますが、人体を使って行われた研究結果は今のところありません。そのため、亜鉛サプリを摂取することでAGA予防に直接効果があるという医学的根拠は、現在のところ得られていません
「亜鉛」の直接的な予防効果はまだ不明なわけですが、「亜鉛」が髪の毛の成長に必要な元素であることに間違いはありませんので、髪の健康のためにも、普段から食事を通して積極的に取るように心がけましょう。
サプリの発毛・育毛効果に医学的根拠はありません

参考


まとめ

AGAの予防について、いろいろな面から一緒に見てきました。AGAの原因は「男性ホルモン」と「遺伝的要因」であり、これらの影響を直接変更出来るような予防法は、残念ながら今のところありません。しかし、髪の毛と頭皮の健康のために日常生活で気を付けられるポイントはたくさんあります。規則正しい食生活、運動、正しいシャンプー法など、ここで紹介してきた予防法を是非参考にしてみてください。また、髪の毛が抜ける、額が広くなってきた、髪が細くなったなどの症状がある場合には、AGAを発症している可能性があります。AGAも早期治療が大切なので、治療を望む場合には、病院の皮膚科もしくはAGA専門クリニックを受診してみましょう。今回紹介をした予防法は、「髪の毛に良い行動」なので、AGA発症した人も、続けていくべきものばかりです。日頃から、髪の毛や頭皮に優しい日常行動を取るように心掛けていきましょう。

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Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

この記事の情報の信憑性について

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