育毛効果がある育毛剤とは|種類から効果的な使用方法まで医学的根拠に基づいて解説

育毛剤を使うのであれば、育毛効果がはっきりと証明されているものを使用したいと思う人がほとんどでしょう。現在、塗るタイプの育毛剤として、育毛効果が医学的に明確と日本で認められている成分は「ミノキシジル」のみです。ミノキシジルはその医学的根拠から、AGA(男性型脱毛症)の診療ガイドラインで、「治療薬」として使用が推奨されており、「医薬品」に指定されている成分です。
また、ミノキシジルほどには根拠が明確でないながら、育毛効果を論文で示している成分は他にもいくつかあり、これらを含んだ育毛剤は「医薬部外品」に指定されています。
育毛効果があるとして市販されている商品は「育毛剤」の他にも、シャンプーや食品まで数多くみられます。これだけ育毛効果を宣伝している商品があると、本当に効果的なものはどれなのか、また、何を選べば良いのかなどと、迷ってしまう場合もあります。
ここでは、育毛効果をうたっている育毛剤などの商品や成分の「育毛効果」に焦点を当て、医学的根拠の有無を明らかにしつつ、詳しく解説をしていきます。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01育毛効果が最も高い育毛剤は「ミノキシジル配合薬」
  2. 02育毛効果に関連する成分
  3. 03育毛剤を効果的に使用するためのポイント
  4. 04育毛シャンプーの効果に医学的根拠はあるのか
  5. 05育毛剤はどのくらいの期間使用すると育毛効果が得られるのか
  6. 06まとめ

育毛効果が最も高い育毛剤は「ミノキシジル配合薬」

ここがポイント!

  • 育毛剤は「一般用医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3種類
  • 3つの中で最も育毛効果が期待出来るのはミノキシジル配合の「一般用医薬品」
  • 現在日本で製造販売が認可されている一般用医薬品の育毛剤は「リアップ」シリーズのみ

育毛剤は、有効成分の違いによって主に「一般用医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つに分類されます。これらの違いについて、効果を中心に確認していきましょう。

一般用医薬品:AGA治療薬として用いられる「発毛剤・育毛剤」

一般用医薬品とは、OTC医薬品とも呼ばれるもので、薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品です。「薬事法」という薬に関する法律の中で、「医薬品」とは「日本薬局方」という医薬品の品質基準書に収められており、病気の治療・診断・予防を目的として使用される薬と定義されています。医薬品は、一般用医薬品ともう1つ、医師が処方する「医療用医薬品」に分類されています。
現在、日本でAGA治療薬として使用されている「発毛剤・育毛剤」は、「ミノキシジル」を有効成分とした一般用医薬品で、国内での製造販売が認められているのは大正製薬の「リアップ」という商品のみです。
リアップは、その作用と効果から「一般用医薬品」の中でも「第1類医薬品」に指定されています。「第1類医薬品」とは、成分の種類や含有量などから、購入時に薬剤師から使用上の安全性の説明を受ける必要があると決められている薬ですが、医療用医薬品ではないので、医師の処方がなくても自己判断で購入することが出来ます。

リアップは、ミノキシジルの配合量が異なる商品がシリーズとして複数販売されています。日本皮膚科学会はAGAの診療ガイドラインの中で、男性の場合はミノキシジル5%、女性の場合は1%配合の外用薬を使用するように推奨しており、リアップもそれぞれの配合量の商品が取り揃えられています。もしも自分に適したた商品が分からないという場合には、薬局の薬剤師に相談してみると良いでしょう。

医薬部外品:ミノキシジル以外の市販の育毛剤

リアップシリーズ以外の「育毛剤」の多くは「医薬部外品」に指定されています。
「医薬部外品」とは、体に対する作用が緩やかで、その使用が次の4つの指定された目的に該当するとして厚生労働大臣が指定したものを言います。

医薬部外品の使用目的
1 吐き気その他の不快感または口臭もしくは体臭の防止
2 あせも、ただれ等の防止
3 脱毛の防止、育毛または除毛
4 人または動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除または防止

したがって、医薬部外品に指定されている育毛剤は「脱毛の防止、育毛または除毛」を目的としており、厚生労働省が認めている有効成分が配合されているもので、治療薬とは違い「予防」のみの目的で使用されています。

医薬部外品に指定されていない育毛剤について

一般用医薬品と医薬部外品の、どちらにも指定されていない育毛剤も国内で販売されています。こうした育毛剤は、薬事法によると「化粧品」に該当します。化粧品とは、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は、皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもの」で、体への作用が緩やかなものを言います。つまり、医薬品にも医薬部外品にも指定されていない育毛剤は、髪の毛の健康を目的としている化粧品なのです。育毛効果を期待するというよりは、あくまで「美容目的」で使用すると考えるのが無難でしょう。

育毛剤の中で最も効果が期待出来るのは「ミノキシジル配合薬」

「一般用医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3種類の育毛剤について解説しましたが、このうち最も育毛効果が期待出来るのは、「一般用医薬品」である「ミノキシジル配合薬」です。ミノキシジルは、研究が重ねられ、育毛効果についての医学的根拠が明確に示されているものなのです。それでも、100%の人に効果が現れるわけではないということを、使用前によく理解しておきましょう。

H26年6月以降、リアップはネットでの購入が可能となりました。ただし注文する際には、サイト上の様式やメールで、性別や年齢、症状のほか、必要な情報を送る必要があります。

参考


脱毛症診断チェック

育毛効果に関連する成分

ここがポイント!

  • 「ミノキシジル」は外用のAGA治療薬として、明確な医学的根拠に基づき育毛効果が認められている成分
  • ミノキシジル配合の育毛剤は、AGAの診療ガイドラインで積極的な使用が推奨されている
  • 医薬部外品の育毛剤に含まれる有効成分は「t ‐フラバノン」「アデノシン」など
  • これらの医薬部外品の育毛剤は、AGAの診療ガイドラインで「使用しても良い」とされている
  • 食べ物やサプリメントに含まれる成分で、育毛効果があるとされるものは今のところない

ここでは、育毛剤に含まれる有効成分を中心に、育毛効果があるとされる成分について解説をしていきます。食べ物やサプリに含まれる成分の育毛効果についても見ていきましょう。

育毛剤の成分

「一般用医薬品」に含まれる有効成分

ミノキシジル
ミノキシジルは育毛効果だけではなく、発毛効果も医学的に認められている成分です。
ミノキシジルには血管を広げる作用があるため、もともとは「高血圧を治療するための内服薬」として開発されましたが、服用している人の中に「髪の毛が増える」という副作用が現れたのをきっかけとして、「発毛剤・育毛剤」としての開発が始まりました。その後、ミノキシジルには「髪の毛の成長因子の産生を促進する作用」「髪の毛の周辺組織の血流を改善する作用」「 髪の毛の基となる細胞の減少を抑制する」などがあると判明し、今ではAGAの症状を改善する外用薬の成分として使用されています。
ミノキシジルのメカニズム

ミノキシジルが配合された育毛剤「リアップ」を日本で唯一製造・販売している大正製薬は、リアップを4カ月以上使用することで効果が現れる可能性があると示しています。また6カ月以上使用しても効果が現われない場合には、医療機関の受診を推奨しています。

ミノキシジルについて詳しくは、「【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用まで」をご参照ください。

「医薬部外品」に含まれる有効成分

t ‐フラバノン
t-フラバノンは株式会社花王が独自の研究により開発した育毛成分です。
花王は、2,000種類以上の天然薬草を調べた中で、「西洋オトギリソウ」という植物に含まれる「アスビルチン」という成分に、髪の毛の成長に欠かせない「毛母細胞」の増殖促進作用があることを発見しました。そしてさらにアスビルチンを改良して、安定性・機能性ともにより優れた「t‐フラバノン」を開発しました。

花王の生物科学研究所は、AGAの男性197人を対象に30週間「t-フラバノン」を使用してもらって育毛効果を調べる研究を行い、t‐フラバノンを使用すると髪の毛が太くなる傾向が認められたという結果を論文報告をしています。さらに8人に6カ月間使用してもらった研究では、洗髪時の抜け毛が減少したという結果も出ています。現在、t-フラバノン配合の育毛剤は、花王から「医薬部外品」として「サクセス バイタルチャージ」「セグレタ 育毛エッセンス」などの商品名で販売されています。

アデノシン
育毛研究を長年行ってきた株式会社資生堂は、「アデノシン」という成分に育毛効果があることを突き止めました。研究の成果により、アデノシンには、髪の毛を成長させる指令を出す「毛乳頭(もうにゅうとう)細胞」に直接作用して、発毛を促す「FGF-7」という物質の産生を促す作用や、頭皮の血管を拡張することで、髪の毛に必要な栄養素などを行き渡りやすくする作用があると分かったのです。厚生労働省はこれらの報告を受け、2004年にアデノシンを、育毛効果が期待出来るとして医薬部外品における有効成分として認めました。

資生堂リサーチセンターを中心とした研究グループは、AGAの男性52人にアデノシン配合ローションを、50人にニコチン酸アミド配合ローションを1日2回ずつ継続して使用してもらい、育毛効果を比較して論文報告をしました。(ニコチン酸アミドは、以前から医薬部外品として育毛剤の有効成分とされてきたものです。)結果、アデノシンでは80%以上の人に軽度以上の改善が認められたのに対し、ニコチン酸アミドで改善が認められたのは32%でした。アデノシン配合ローションは、女性に対して使用した場合でも、育毛に効果的であると示されています。現在、アデノシン配合の育毛剤には、資生堂から「アデノバイタル スカルプエッセンス」「アデノゲンEX」などの商品名で販売されています。

サイトプリン・ペンタデカン
「サイトプリン」と「ペンタデカン」は、それぞれ男性に対しての育毛効果を検証した論文が1報ずつ報告されています。女性に対する効果を検討した論文報告は今のところありません。t-フラバノンやアデノシンに比べて効果の検証が十分ではありませんが、医薬部外品の有効成分に指定されており、ライオン株式会社からこの2つの有効成分を含んだ育毛剤が販売されています。

塩化カルプロニウム
この成分は、国内において育毛効果を評価する研究がいくつか行われましたが、今のところ単独での効果は実証されていません。一方で、1%塩化カルプロニウムを主成分として生薬などを加え、「カロヤンアボジカ」の商品名で第一三共ヘルスケア株式会社が販売している外用液を、AGAの人を対象に12週間続けて使用してもらったところ、20%の人で「有効」、60%の人で「やや有効以上」という結果が認められたとの報告があります。別の研究でも、塩化カルプロニウムと生薬などを混ぜたものを24週間使用したところ、男性も女性も症状が軽度改善したとの報告があります。
この事実を踏まえ、AGAの診療ガイドラインでは、その他の医薬部外品の有効成分と同様に、塩化カルプロニウム配合の外用液を「用いても良い」としています。

「ケトコナゾール」について

ケトコナゾールという成分は、水虫などの真菌症に対する抗真菌薬の1種類で、ふけや頭皮の炎症に対する治療にも用いられています。AGAに対しては、内服により発症の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」を作る酵素である「2型5αリダクターゼ」の働きを邪魔する作用があると示した海外の論文報告があります。そのため、AGA治療の内服薬である「フィナステリド」と同様の作用があるとも考えられていますが、ケトコナゾールの内服薬は日本では今のところ認可されていません。また、ケトコナゾール配合シャンプーの育毛効果を男性で検証した海外の論文報告では、ケトコナゾール2%配合のシャンプーで髪の毛の成長が認められたと示されていますが、ケトコナゾール配合シャンプーも日本では製造販売されておらず、また、女性に対する効果は検証されていません。こうした事実を踏まえ、診療ガイドラインでは、AGAに対してケトコナゾールは「外用で用いてもよい」としています。

「セファランチン」について

セファランチンという、円形脱毛症の治療薬として用いられている成分があります。日本皮膚科学会はAGAの診療ガイドラインの中で、セファランチンの外用薬はAGAの改善を目的として「用いない方が良い」と記載しています。その理由は、AGAの治療において、セファランチン外用の有益性が、現段階では実証されていないためとしています。

食べ物に含まれる成分

食べ物に含まれる成分のうち、育毛効果があると医学的に証明されているものは、今のところありません。一方で、髪の毛や頭皮の健康を保つために大切な栄養素はあり、具体的には「タンパク質」「ビタミン」「亜鉛」などです。これらの成分について詳しくは「AGA・予防」の記事をご参照ください。

サプリの成分

サプリメントも食べ物に含まれる成分と同様に、育毛効果が医学的に証明されているものは今のところありません。育毛効果を宣伝して販売されているサプリメントは複数ありますが、その効果を実証している研究論文は今のところないということを知っておきましょう。

参考


育毛剤を効果的に使用するためのポイント

ここがポイント!

  • 育毛剤を効果的にしようするためは、用法・用量を守って使用することが重要
  • 育毛剤の効果を助けるために、髪の毛や頭皮の健康に良い生活を送りましょう
  • バランスの良い食事・運動・良質な睡眠、禁煙などがポイント

育毛剤は、含まれる成分によって用法・用量が異なります。ここでは、育毛剤を効果的に使用するためのポイントについてお話しします。
リアップ(ミノキシジル)の正しい使い方

治療薬(発毛剤・育毛剤)は指示された用法・用量を守る

AGA治療薬の1つである「ミノキシジル」は、作用の強さなどから「第1類医薬品」に指定されています。医薬部外品の育毛剤などに含まれる他の成分に比べて育毛効果が強いとされる一方で、副作用が現れる可能性も高いと言えます。そのため、必ず用法・容量を守って使用するようにしましょう。
ミノキシジルの主な副作用は、薬を塗った部位の赤み、かぶれ、かゆみ、ふけなどの皮膚症状です。加えて頭痛、めまい、胸の痛み、心拍が速くなる、手足のむくみなども報告されています。薬の使用中にこれらの症状が現れた場合には、直ちに使用を中止し医師に相談しましょう。

育毛剤を使用しつつ生活リズムを整える

育毛剤を使用するとともに、生活リズムを整えて髪の毛や頭皮の健康を保つことも重要です。髪の毛の細胞には、頭皮の毛細血管を通る血液を介して成長に必要な栄養や酸素が運ばれてきます。そのため、不規則な生活習慣によって血行不良になると、髪の毛は栄養不足・酸素不足になります。髪の毛の成長のためには、生活リズムを整えることにより血流を改善して必要な栄養と酸素が髪の細胞に十分に届けられるようにすることが大切です。

それでは、生活リズムを整えるための3つの大きなポイント「食事」「運動」「睡眠」について具体的に見ていきましょう。

バランスの良い食事
私たちは、食べ物からさまざまな栄養素を取り入れることで、体を成長させたりエネルギーを得たりして生きているため、食事は体作りの基本であると言えます。髪の毛や頭皮も体の一部であるため、規則正しい食生活を送ることは、髪や頭皮の健康にとっても重要です。食事は1つの栄養素に偏らないように、バランス良く食べる必要があります。具体的には、以下の5種類を中心に年齢や性別に応じた必要量を摂取するようにしましょう。

1)主食(ごはん、パン、麺など)
2)副菜(野菜、きのこ、いも、海藻類など)
3)主菜(肉、魚、卵、大豆類など)
4)牛乳・乳製品
5)果物

厚生労働省と農林水産省は共同で、バランスの良い食事を具体的にイメージしやすいように「食事バランスガイド」を作っています。厚生労働省もしくは農林水産省のホームページなどに掲載されているので、ぜひ活用してみましょう。

ストレッチなどの運動
運動は全身の血流改善に効果的です。普段、運動をする習慣がない人は、「ストレッチ」などの簡単な運動も、血流改善に効果的であるとされています。ストレッチにより全身の筋肉を順番に30分以上かけて伸ばしていくことで、興奮を司る「交感神経」の活動を弱めて、反対にリラックス効果のある「副交感神経」の活動を高める効果があることが明らかになっています。副交感神経には、血管を拡げる働きもあるため、血流改善効果につながります。頭皮を直接マッサージすることも、固まっていた筋肉をほぐし血流改善につながるとされています。ストレッチやマッサージは、気分転換にもなりますし、疲れた時に行ってみると良いでしょう。

良質な睡眠
良質な睡眠は、こころと体の疲れを癒す効果があります。睡眠不足が続いたり、睡眠の質が悪かったりすると、自律神経の乱れにつながります。睡眠不足による自律神経の乱れは、交感神経の働きを活発にして血管を収縮させて血行不良を引き起こす他、生活習慣病、うつ病などにもつながることが明らかになっています。

それでは、良質な睡眠につながるポイントをいくつか紹介します。

  • 就寝環境を整える
寝室の湿度や室温が低過ぎると体温調節が上手くいかないため、寝つきが悪くなってしまうため、エアコンなどで適度な湿度と温度を保つようにしましょう。
  • 体内時計をリセットする
私たちの体の中には「体内時計」があります。1日は24時間ですが、私たちの体内時計は24時間よりも少し長く出来ているため、リセットをしないと次第に体内時計がずれ、夜自然に眠くなる時間が遅い時間にずれ込んでいき、不眠の原因になります。体内時計をリセットするためには「朝に光を浴びる」ことが最も効果的です。起床時には、カーテンを開けて太陽の光を浴び、体内時計をリセットする習慣を付けましょう。
  • 眠るときは電気を消す
夜間に明るい光を浴びていると、体内時計が狂う原因となり、睡眠の質が落ちてしまうため、眠るときには電気を消すようにしましょう。光の中でも特に白い光は睡眠の質を悪化させることが分かっています。真っ暗だと不安で眠れないという人は、オレンジ色の明かりを選ぶと良いでしょう。
  • 就寝直前はリラックスできる行動を取る
就寝直前に、激しい運動、食事、飲酒、喫煙などを行うと睡眠の質が悪くなると知られています。これらは全て、体を興奮させる神経を活発に働かせる行動だからです。これらの行動は就寝直前には行わないように、眠る前にはリラックス出来るように心がけましょう。
「お酒やたばこはリラックスにつながる」と考える人もいるでしょう。しかし「アルコール」は、飲んだ直後に眠ることは出来ても、眠りが浅いために途中で目が覚めてしまうことが多くなると知られており、たばこの煙に含まれる「ニコチン」には覚醒作用があるため、寝つきが悪くなるだけではなく、眠りも浅くなってしまうと知られています。

育毛剤を使用しつつ禁煙をする

たばこの煙にはたくさんの有害な化学物質が含まれています。その中でも「ニコチン」には依存性があるだけではなく、血管を収縮させて血行を悪くする作用もあります。せっかくの育毛剤も、たばこを吸って頭皮が血行不良では、効果が減ってしまいもったいないことになってしまいます。たばこには発がん物質も多く含まれており、肺がんの原因としても有名です。たばこを吸っている人は、髪と頭皮の健康のみならず、全身の健康のために、ぜひ「禁煙」を始めましょう。最近では「禁煙」の専門外来も多く開設されてきていますので、そちらを受診して医師に相談してみてはいかがでしょうか。

参考


脱毛症診断チェック

育毛シャンプーの効果に医学的根拠はあるのか

ここがポイント!

  • 市販の育毛シャンプーを使用した場合の育毛効果は医学的に証明されていない
  • あくまでも、髪の毛や頭皮の健康を保つために使用する程度と心得ましょう

ドラッグストアなどのシャンプーを販売するコーナーには、さまざまな種類の育毛シャンプーが陳列されているのを見かけます。育毛シャンプーの広告には、シャンプーを使用することで育毛効果があると書かれているものもあります。毎日育毛シャンプーを使用することで薄毛が治るのであれば、そんなに簡単で喜ばしいことはありません。しかし、研究によって医学的に育毛効果が実証されている育毛シャンプーは、今のところないのです。したがって育毛シャンプーは、あくまでも髪の毛や頭皮の健康を保つための補助をする役割で使用する、くらいに考えた方が良いでしょう。

参考


育毛剤はどのくらいの期間使用すると育毛効果が得られるのか

ここがポイント!

  • 治療薬として使われる育毛剤の成分ミノキシジルは効果が現れるまでに4~6カ月程度かかる
  • その他の育毛剤は、効果が現れるまでの期間についてはっきりと分かっていない

育毛剤を使用し始めてから育毛効果が得られるまでの期間は、個人差もありますが、配合されている有効成分によっても異なります。ここでは、育毛効果が得られるまでの「期間」について、種類別に確認をしましょう。

ミノキシジル配合の治療薬(発毛剤・育毛剤)の場合

リアップシリーズには、ミノキシジル5%配合、および1%配合の商品があります。それぞれについて、育毛効果が得られるまでの期間を見ていきましょう。

ミノキシジル5%配合薬(リアップX5プラス)

ミノキシジル5%配合の男性用育毛剤は「リアップX5プラス」という商品名で発売されています。リアップX5プラスの添付文書には「効果が分かるようになるまで少なくとも4カ月間、毎日使用してください」と記載されています。4カ月としている根拠は、リアップX5プラスを使用した男性が、平均して4カ月後から薬の効果を実感し始めたという研究データがあるためです。
大正製薬は、ホームページ上でこうした研究データを公開しています。その中に、国内で100人以上のAGAの男性にリアップX5プラスを使用してもらった研究データがあり、使用開始の4週間後までは1平方センチメートルあたり平均1.4本だった毛髪数が、その後徐々に増えて、約4カ月後である16週間後には22.3本と、およそ16倍に増えたと示されているのです。
また、発毛効果に対しての印象を「非常に良くなった」「良くなった」「少し良くなった」「変わらなかった」「悪くなった」の5段階で評価したところ、「少し良くなった」までを「発毛効果が実感出来た」とすると、8週間後に実感出来たと回答した人はわずか20%未満であったのに対し、52週間後には9割以上の人が実感出来たと回答しており、長く使用を続けるほど効果を実感できる人が増えると分かりました。
以上のような理由から、使用してすぐに効果が得られないからといってすぐに諦めず、まずは4カ月間続けてみると良いでしょう。

ミノキシジル1%配合薬(リアップリジェンヌ)

ミノキシジル1%配合のリアップシリーズは数種類販売されていますが、男性はリアップX5を使用する場合が多いため、ここでは女性用として販売されている「リアップリジェンヌ」について見ていきましょう。

リアップリジェンヌの添付文書には、「効果が分かるようになるまで少なくとも6カ月間、毎日使用してください」と記載されています。リアップリジェンヌは、先発品である「リアップレディ」に頭皮環境を整える有効成分を追加したもので、AGA症状に対する育毛効果はリアップレディと同等とされています。リアップレディの効果を評価する研究は国内で100人以上を対象に行われており、使用開始から6カ月後に毛髪数の増加が認められたと報告されています。こうした理由から、リアップリジェンヌを使う場合はまず、6カ月間続けて使用してみましょう。6カ月間育毛剤を使用しても効果が現れなかった場合には、AGAではなく他の病気が原因の場合もあるので、一度医療機関を受診するようにしましょう。

このように、育毛効果が医学的に明確とされている「ミノキシジル」であっても、効果を実感するまでには数カ月かかります。もちろん体質などにより個人差があるため、実感がもっと早く得られる人もいれば、遅く得られる人もいます。人によっては、効果が得られない場合もあります。ミノキシジルが効かない場合には、他の治療法という選択肢もあるので、諦めずに病院へ行き、医師に相談しつつ自分に合った治療法を見つけていきましょう。

医薬部外品の育毛剤の場合

前の章で詳しく解説しましたが、「ミノキシジル」以外の成分を含んだ育毛剤は「治療薬」ではなく、「医薬部外品」または「化粧品」に分類されています。AGAの診療ガイドラインには、AGAの症状が軽症の場合において「用いても良い」と記載されている有効成分があり、それらの有効成分については育毛の効果を示す論文がいくつか報告されています。一方で、こうした育毛剤は、いずれも使用後「どの程度の期間」で効果が現れるかについての詳しい検証がなされておらず、今のところ効果が現れるまでの期間を示すことは出来ません

参考


脱毛症診断チェック

まとめ

育毛効果をうたっている育毛剤などの商品や成分の「育毛効果」について、詳しく見てきました。

育毛剤のうち、医学的に確かな育毛効果が認められているのは「ミノキシジル」という成分を含むもののみです。ミノキシジルは、AGAの診療ガイドラインで「AGAの治療薬」として使用が推奨されている医薬品で、日本で製造販売されているのは今のところ大正製薬の「リアップ」シリーズのみです。治療薬と言っても、薬局などで市販されている一般用医薬品なので、薄毛に悩んでいる人は、一度購入して試してみてはいかがでしょうか。リアップは、一般用医薬品の中でも「第1類医薬品」に属しており、購入の際には必ず薬剤師から薬の説明があるので、その際に不安や疑問を直接聞くことが出来ます。リアップの効果は使用を開始してすぐに現れるものではありません。少なくとも半年ほどは、毎日継続して使用してみましょう。

「ミノキシジル」以外にも、緩やかな育毛効果について論文報告のある有効成分がいくつかあり、これらを含む育毛剤は「医薬部外品」や「化粧品」として販売されています。これらの育毛剤は、積極的に育毛効果を求めるのではなく、使用する場合にはあくまでも髪の毛や頭皮の健康を保ち、育毛環境を補助する程度の心持ちで使用しましょう。

AGAは進行性の脱毛症です。育毛剤の使用中も、AGAが顕著に進行していると感じた場合には、早期に病院の皮膚科、脱毛症専門外来、AGA専門クリニックなどを受診し医師の診察を受けるようにしましょう。他の病気と同じく、AGAも早期治療が望ましいとされています。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

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