【糖尿病でも外食を楽しむ方法】メニューの選び方や食事の取り方のポイントを解説します

糖尿病になると、厳しい食事制限があり外食が出来ないというイメージを抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、自分の適正な食事量を守り、栄養バランスの良い食事をすることが出来るようになれば、基本的には食べてはいけないものはないとされています。ここでは糖尿病の人が外食をする際の、メニューの選び方や食事の取り方のポイントを解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01糖尿病の方は外食に要注意
  2. 02糖尿病の外食メニューの選び方
  3. 03食事の取り方を工夫してみよう
  4. 04糖尿病の方におすすめの外食メニュー
  5. 05まとめ

糖尿病の方は外食に要注意

ここがポイント!

  • 糖尿病の治療の目的は、血糖値を下げ合併症の発症を予防することである
  • 糖尿病治療では、食事療法が継続して行う必要がある
  • 外食やコンビニ食はカロリーが多く、糖質・脂質・塩分などが高く、栄養のバランスが悪くなりやすい
  • 一般的にエネルギー摂取のバランスは、炭水化物から50~60%、たんぱく質20%、残りを脂質から摂ることが推奨されている
  • 摂取エネルギーは体型や病態によって異なるため、主治医の指示を守ろう

外食やコンビニ食の注意点

<高カロリー>
外食やコンビニ食を食べる際に「カロリー」を気にして選んでいるでしょうか。最近では、メニュー表にカロリー(熱量)を記載しているところもあります。外食やコンビニ食は、高カロリーなことが多いため、選ぶ際にはカロリー(熱量)を確認するようにしましょう。

<糖質が多い>
丼物や麺類やコンビニ弁当などは「炭水化物(糖質)」がメインになっているものが多いです。糖質は、血糖値を上昇させます。糖質量が多いほど血糖値が大きく上昇するため注意が必要です。

<脂質が多い>
唐揚げ・フライ・天ぷらなどといった油で調理されたものや、肉類が多いメニューだと「脂質」が多くなりすぎることがあります。脂質を過剰に摂りすぎると、「肥満」や「動脈硬化」になるリスクを上げます。

<塩分が多い>
ラーメンや魚介の干物や肉の加工品などには、「塩分」が多く含まれています。そして、外食やコンビニ食は、味付けが濃く付けられているものも多いため、ソースを少なめにしたり、味噌汁などの汁物は少し残すなど、「減塩」を意識する必要があります。
塩分の過剰摂取は「高血圧」などの他の生活習慣病のリスクを上げます。

<野菜が少ない>
外食やコンビニ食では、野菜が不足しがちになります。追加でサラダや野菜の小鉢などを頼んだりして、メニューを1品増やすなどの工夫できるといいでしょう。
日本糖尿病協会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」には、1日の野菜の目標摂取量が「350g」で、そのうち「120g」は緑黄色野菜で摂取することが推奨されています

糖尿病の人は、「食事療法」を行うことが重要

糖尿病の人は、「食事療法」により血糖をコントロールをすることが必要不可欠です。
食事をすると誰でも血糖値は上昇しますが、健康な人はインスリンの作用により食後速やかに血糖値が低下します。しかし、糖尿病の方はインスリン作用が低下することにより食後の高血糖状態が長く続くと言われています。高血糖状態が長く続くと、「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」といった合併症になるリスクが高くなります。これらの合併症の発症予防・進行防止のためにも、日々の食事の管理が重要になります。

バランスの良い食事を目指そう

糖尿病の「食事療法」では、病気の状態や年齢や体重、食事量や運動量など様々な要素が考慮され、その人に合った食事を医師管理栄養士が決めて管理していきます。
糖尿病診療ガイドライン2016には、炭水化物を50~60%、たんぱく質20%、残りを脂質からエネルギーとして摂取することが推奨されています。

糖尿病は糖を制限すればいいと思いがちですが、炭水化物(糖質)のみを極端に摂らない食事は、糖尿病診療ガイドラインでも推奨されていません。極端な糖質制限は、長期的には腎症や動脈硬化の進行などが懸念されています。

糖尿病食事療法のための食品交換表を参考にしよう

糖尿病の食事療法は、日本糖尿病協会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」を基本として考えられています。
この糖尿病食事療法のための食品交換表では、摂取エネルギーを「80kcal=1単位」として、様々な食品が紹介されているので、簡単にメニューを組み合わせることが出来ます。この単位を意識出来るようになれば、「このメニューなら、どのくらいの量なら食べてもいい」ということがわかるようになります。食事療法を実践する際には、実際どのようなメニューを選べばいいのか、この本を参考にしてみましょう。

食品分類表

参考

日本糖尿病学会|糖尿病診療ガイドライン2016
日本糖尿病協会「糖尿病食事療法のための食品交換表」第7版
厚生労働省|「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」
高血圧症発症チェック

糖尿病の外食メニューの選び方

ここがポイント!

  • 糖尿病の人でも、食事や血糖値の自己管理が出来れば、食べてはいけないものはない
  • 丼物や麺類ではなく、多くの食品が食べれる「定食メニュー」を選ぶようにしよう
  • お刺身や蒸し物、焼き物などといった、脂っこくない調理法のメニューを選ぶようにしよう
  • 飲み物は水や甘くないお茶を選び、お酒の飲み過ぎにも注意しよう

糖尿病の食事療法というと、いろいろなものを「制限」しなくてはいけないイメージがありますが、食事や血糖値の自己管理が出来れば、基本的に食べてはいけないものはないとされています。ここでは、糖尿病の方が外食する際のポイントを紹介します。

丼物や麺類を避けて定食を選ぼう

丼物やラーメン、パスタなどの麺類のみの食事で済ませることは出来るだけ避けるようにしましょう。これらのメニューは「炭水化物(糖質)」が多くなり、野菜も不足するため、栄養バランスが悪くなります。丼物や麺類といった単品のメニューより、和食などの「定食」を選ぶようにすると、炭水化物、たんぱく質、野菜類など多くの食品を摂取することが出来るため、栄養のバランスが良くなります。農林水産省も和定食のような「日本型食生活」を推奨していて、いろいろな食品を食べることも、バランスの良い食事を摂る上で重要になります。
ただし、定食は品数が多い分、意外にカロリーが高いです。カロリー表示も必ずチェックして選ぶようにしましょう。

ヘルシーな調理法のメニューを選ぼう

同じ食材でも、「調理法」を工夫することで、カロリーは大きく変わってきます。揚げ物や炒め物は、油が多く使われているため、高カロリーになります。例えば、お刺身や蒸し物、網焼きなどといった、油をあまり使用していない調理法のメニューを選ぶようにしましょう。

ジュースには大量の糖分が含まれている

甘いジュースは大量の「砂糖」が含まれているため、糖尿病の悪化やメタボリックシンドロームを引き起こす危険があり、糖尿病の人は控えることが推奨されています。外食の際も飲み物は、水か糖分が含まれていないお茶を選びましょう。

アルコールは適量に抑える

病気の治療中の人でも、医師と相談して適量のお酒なら飲める場合があります。糖尿病診療ガイドライン2016には、純アルコールにて「1日20g程度」が適量であると記載されています

ただし、血糖コントロールが上手に出来ていて、重篤な合併症がないことなどが条件になります。重度の糖尿病の場合や、肝臓などに疾患がある場合などでは「禁酒」となることもあるので、くれぐれも主治医の指示をよく聞くようにしましょう。

参考

日本糖尿病学会|糖尿病診療ガイドライン2016
日本糖尿病協会「糖尿病食事療法のための食品交換表」第7版
農林水産省|「日本型食生活」のススメ
消費者庁|栄養成分表示を活用しよう
厚生労働省|「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」

食事の取り方を工夫してみよう

ここがポイント!

  • 野菜を先に食べることで、野菜に含まれる食物繊維により食後の血糖値の上昇が穏やかになる
  • 早食いは食後の血糖値を上昇させるため、よく噛んでゆっくり食べることを意識しよう
  • 欠食は血糖値を急激に上げてしまうため、食事は「1日3食」規則正しく食べよう

野菜から食べる

食べる順番で血糖値の急激な上昇を抑えることが出来ます。
野菜は「食物繊維」を豊富に含んでいます。野菜に含まれる食物繊維には食後の血糖値の上昇を穏やかにしてくれる働きがあるので、積極的に食べるといいでしょう。糖尿病治療ガイドラインでも、1日20g以上の食物繊維を摂取することが推奨されています。

また、野菜には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているため、1日「350g」、そのうち「120g」は緑黄色野菜で摂取することが推奨されます。しかし、サラダを食べるときなどにドレッシングやマヨネーズといった調味料を使い過ぎすと、調味料に含まれるカロリーや糖質や塩分に注意が必要になります。

時間をかけて食べる

忙しい時は、ついさっと食事を済ませてしまいがちになりますが、早食いは食べすぎのもととなり「肥満」になりやすくなります。また、早食いは食後の血糖値を急激に上昇させてしまうため、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう

1日3食規則正しく食べる

外食するからといって、食事の回数を減らすことはおすすめ出来ません。欠食することで、1回の食事量が多くなると、食後の血糖値の上昇が大きくなります。
「1日3食」規則正しく食べることが、糖尿病の食事療法では大切になります。

参考

日本糖尿病学会|糖尿病診療ガイドライン2016
厚生労働省e-ヘルスネット|早食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」
高血圧症発症チェック

糖尿病の方におすすめの外食メニュー

ここがポイント!

  • 焼肉は糖質が少ないですが、ご飯やお酒を一緒に食べるとカロリーの摂りすぎになる
  • しゃぶしゃぶは、お肉と一緒に野菜もたくさん食べられるため栄養バランスが良い
  • タレなどの調味料には糖質が含まれているものが多いため、付けすぎに注意する
  • お刺身、焼き鳥、おでん、豆腐、枝豆、サラダなども糖質が少なめで糖尿病の人におすすめ

焼肉

お肉は「糖質」が少ないため、血糖値が上がりにくいメニューといえます。
焼き肉は、焼くという調理で余分な脂も落とすことが出来ますが、実は注意するポイントは焼き肉のタレです。甘辛で美味しいタレがありますが、「糖質」が含まれているものも多いので、タレを付けすぎないようにしましょう。
そじて、焼き肉を食べる際に、一緒にごはんを食べすぎない、アルコールを飲み過ぎないこともカロリーや糖質を控えるために大切です。

糖尿病診療ガイドラインには、たんぱく質摂取量が、全体の摂取エネルギー量の20%を超えると、動脈硬化性疾患や糖尿病の発症のリスクを上げる可能性があることが記載されています。どのメニューでも食べ過ぎには気をつけることが必要といえますが、たんぱく質摂取量は、全体の摂取エネルギー量の20%程度に収めましょう。

しゃぶしゃぶ

お肉は「糖質」が少ないだけでなく、しゃぶしゃぶは、野菜もたくさん一緒に食べることが出来るため栄養バランスに優れたメニューです。野菜はしゃぶしゃぶにすると、かさが小さくなってたくさん食べることが出来ます。
ですが、ここでもタレに注意が必要です。ポン酢やゴマダレやめんつゆといった付けタレには、糖質が多いものもあることを理解して、タレを付けすぎないようにすることが必要です。

居酒屋でもヘルシーな料理を選べる

居酒屋などでは「単品」でメニューを注文出来るため、ヘルシーなメニューを覚えておくといいでしょう。
お刺身、焼き鳥、おでん、豆腐、枝豆、サラダなどは、低糖質でヘルシーなメニューです。反対に、唐揚げやポテトフライなどの油で調理されたメニューや、〆のご飯や麺類などは糖質や脂質が多いため糖尿病の人はなるべく避けたほうがいいでしょう。

参考

日本糖尿病学会|糖尿病診療ガイドライン2016
日本糖尿病協会「糖尿病食事療法のための食品交換表」第7版
厚生労働省e-ヘルスネット|上手な外食の活用

まとめ

糖尿病の人でも、食事量や種類に気をつければ外食を楽しむことは出来ます。過度に食事について気にしすぎていると、食事の楽しみが無くなってしまいます。「糖尿病の食事療法」と聞くと難しく感じますが、まずは担当の医師、管理栄養士とよく食事の方法などについて相談し、自分が無理なく続けていける方法を考えていきましょう。
また、食事を残すことに抵抗がある人は、最初から「ごはんを少なめに」など、オーダーの際に伝えておくといった工夫も良いでしょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

この記事の情報の信憑性について

オンラインクリニックでは、医療従事経験者による記事編集、専任の監修医を設けることにより信頼性のある情報提供を心がけておりますが(詳細は「運営方針」をご確認ください)、ユーザーの方ご自身、またはご家族の具体的な医療上の問題を解決する必要がある場合には、医療機関へ相談されるか、または受診をするようにしてください(詳細は「利用規約」をご確認ください)。

記事についてのお問い合わせ