コーヒーが糖尿病のリスクを下げる|研究結果からその関連性について解説します

コーヒーには、2型糖尿病の発症を予防する効果があることがわかってきています。コーヒーは、コンビニや自動販売機などでも手軽に購入することが出来、自宅でインスタントコーヒーを楽しんだり、コーヒー専門店によく行く人も多いのではないでしょうか。
1日に数杯のコーヒーを飲む人と全く飲まない人を比較すると、飲む人のほうが、糖尿病を発症するリスクが軽減されたという研究結果も発表されています。しかし、コーヒーにはカフェインも含まれているため、飲み過ぎてしまうと健康に悪影響が起こる場合もあり、適度な摂取量を知ることは大切です。ここでは、適度な量とはどのくらいなのかということや、糖尿病とコーヒーの関連性について詳しく解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01糖尿病とコーヒーの関連性について
  2. 02糖尿病の方におすすめのコーヒーの飲み方
  3. 03まとめ

糖尿病とコーヒーの関連性について

ここがポイント!

  • コーヒーには、2型糖尿病の発症を予防する可能性がある
  • コーヒーを1日3杯以上飲む人は糖尿病の発症のリスクが42%減ったという研究結果がある
  • コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸といった成分が、糖尿病の発症予防に効果がある

ここでは、糖尿病とコーヒーの関連性について解説していきます。

コーヒーの摂取が2型糖尿病の予防になる

コーヒーの摂取は、2型糖尿病の発症予防に効果があると期待されています。
コーヒーの2型糖尿病の予防効果について、初めて世界的に発表したのは、2002年にオランダのDr. vanDamらです。1万7,111人の男女を対象に平均約7年間追跡調査したところ、1日に7杯以上のコーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人に比べて、2型糖尿病の発症リスクが2分の1になることが報告されました。
その後、世界各国でコーヒーの2型糖尿病発症予防の効果についての研究が行われており、ほとんどの研究で予防効果は得られるという結論が出ています。

糖尿病の予防に効果的なことは「生活習慣の改善」

2型糖尿病は「生活習慣病」の一つとされており、過食や運動不足、肥満などの生活習慣が要因となり、徐々に血糖値が高くなり糖尿病を発症します。

<糖尿病を予防するための気をつけるべきポイント>
・バランスの良い食事
・習慣的な運動
・節酒
・禁煙

日本人の8人に一は、「糖尿病予備軍」であるとされています。そして、糖尿病は一度発症すると治ることはありません。糖尿病の怖いところは、糖尿病になると高血糖になるだけではなく、様々な「合併症」を引き起こすリスクが高くなります。
糖尿病性合併症は自覚症状が無く進行していき、大きく生活の質を下げたり、命に関わる病気も引き起こします。そのため、糖尿病は合併症の発症と進行を予防するためにも、糖尿病となる前のうちからの対策が重要になるのです。
糖尿病の予防について詳しくは、糖尿病にならないための対策とは|食事・運動・サプリなどの予防法をご紹介をご参照ください。

コーヒーに含まれる成分の効果

コーヒーには、カフェイン、クロロゲン酸、脂質、ビタミンB2、カリウム、炭水化物などの成分が含まれています。特に、カフェインとクロロゲン酸は血糖値に関連した効果があると期待されています。

カフェイン

カフェインは、一時的に血糖値を上昇させ、インスリンの効果を弱めることが明らかになっています。しかし、これは多量に摂取した場合であり、適量であれば問題ないと考えられています。また、食事と一緒にカフェインを摂取すると、血糖値の上昇が緩やかになることがわかっており、カフェインは摂取量とタイミングによっては糖尿病に良い効果をもたらす場合もあります。
他にもカフェインには、眠気を覚ます「覚醒作用」や尿の量や回数が増える「利尿作用」が知られています。カフェインは刺激が強いので、人によっては、空腹時に飲むと異が荒れてしまうこともあります。

クロロゲン酸

コーヒーには「クロロゲン酸」という成分が多く含まれています。クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、体内で過剰に作られると細胞を傷つけてしまう「活性酸素」の産生を抑制したり、ダメージを受けた細胞を再生・修復したりする働きを言います。
コーヒーの糖尿病予防効果には、クロロゲン酸の働きが関与しているのではないかと考えられています。

コーヒーの健康効果については、コーヒーは◯杯飲むと死亡リスクが下がると研究所が発表もご参照ください。

参考

日本糖尿病学会|診療ガイドライン2016
厚生労働省e-ヘルスネット|抗酸化物質
全日本コーヒー協会
van Dam RM et al.Lancet.Coffee consumption and risk of type 2 diabetes mellitus.2002 Nov 9;360(9344):1477-8.
高血圧症発症チェック

糖尿病の方におすすめのコーヒーの飲み方

ここがポイント!

  • 甘いコーヒーには多くの砂糖が使われているので、ブラックコーヒーを選ぼう
  • 食事と一緒にコーヒーを飲むと、血糖値の上昇が穏やかになることが期待できる
  • 他に治療中の病気がある人は、主治医にコーヒーを飲んでもいいか相談しよう

糖分の少ないコーヒーを選ぶ

糖尿病の方は、糖分の摂取量を制限する必要があるため、砂糖やミルクが入っていないものを飲むといいでしょう。甘いコーヒーには、多くの糖分が含まれカロリーが高いため、ブラックコーヒーをおすすめします。

糖質やカロリー(熱量)がどのくらい含まれているのかチェックしよう

市販されているコーヒー飲料には「栄養成分表示」が記載されていて、含まれている糖質やカロリー(熱量)が見てわかるようになっています。パッケージに、「ノンカロリー」「低カロリー」「ノンシュガー」「微糖」などと記載されていても、砂糖が含まれている場合がありますので、コーヒー飲料を飲む前には、「栄養成分表示」を確認して糖質やカロリー(熱量)がどのくらいあるのか確認するようにしましょう。

食事と一緒にコーヒーを飲む

食事をすると、健康な人でも血糖値は一時的に上昇します。高血糖の状態が長く続いてしまうと、糖尿病が悪化する原因になります。また、急激な血糖値の上昇も身体に悪影響となり注意が必要です。食事と一緒にカフェインを摂取すると、血糖値の上昇が穏やかになることが期待されています。

糖尿病の治療中の人は主治医相談しよう

糖尿病やその他の病気の治療中の人には、コーヒーを飲むことがおすすめ出来ない場合もあります。1日に何杯、どのタイミングでコーヒーを飲んで良いのかというのは、その人の病気の状態によって変わってきます。
病気の治療中の人は主治医に相談して、コーヒーを飲む量やタイミングを決めるようにしましょう。

糖尿病の方におすすめするコーヒーの飲み方

参考

日本糖尿病学会|診療ガイドライン2016
厚生労働省e-ヘルスネット|嗜好飲料(アルコール飲料を除く)
消費者庁|栄養成分表示を活用しよう
厚生労働省|「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」

まとめ

適量のコーヒーの摂取は、2型糖尿病の発症予防になることについて解説してきました。しかし、コーヒーが身体に良い効果をもたらすといっても、過度な摂取はかえって悪影響となります。また、砂糖やミルクが含まれているコーヒーは、糖質やカロリーが多いため、1日の摂取量に注意しなければなりません。飲み過ぎには注意をして、コーヒーを楽しみましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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