血圧が高いときの症状とは|高くなる原因から対策までを徹底解説

「血圧」は、心臓の動きに合わせて発生するもので、人間が生きている証とも言える機能です。一方で血圧は、高い状態が続くと危険な病気を招き、場合によっては命を落とす可能性もあります。高血圧によって危険な状態にならないために私たちに出来ることは、「生活習慣の改善」です。なぜなら血圧が高くなる主な原因は、栄養バランスの悪い食生活や運動不足などの生活習慣にあるからです。
ここでは、血圧についての基本的な情報をまずおさらいした上で、血圧が高くなる理由について解説していきます。高血圧を予防・改善する方法を一緒に考えていきましょう。

Ito
伊藤恭太郎 医師監修
日本救急医学会救急科専門医

目次

  1. 01血圧が「高い」または「低い」とはどういう状態なのか
  2. 02「高血圧」とされる具体的な数値
  3. 03高血圧は程度によって3段階に分けられる
  4. 04血圧の高さは時間帯によって異なる
  5. 05高血圧の原因と引き金となる要因
  6. 06血圧が高いとこんな病気や症状につながる
  7. 07血圧が高い人は日頃から対策を行おう
  8. 08血圧が高い場合、病院の何科を受診すれば良いのか
  9. 09まとめ

血圧が「高い」または「低い」とはどういう状態なのか

ここがポイント!

  • 「血圧」とは、血液が流れる時に血管にかかる圧力
  • 血管の壁にかかる圧力が強ければ血圧が高い状態で、弱ければ低い状態と言える
  • 血圧の高さは主に「血管を流れる血液量」と「血液の流れにくさ」で決まる
  • 収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。(最高血圧)は、心臓が収縮して血液が全身へ送られる時の血圧
  • 拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。(最低血圧)は、心臓が膨らんで血液が全身から心臓へ戻る時の血圧

「血圧が高い」もしくは「血圧が低い」などの言葉は、日常的に耳にする言葉です。血圧が高い時や低い時に、私たちの体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。血圧の基本から確認していきましょう。

まずは「血圧」とは何かを確認しよう

「血圧」とは、血液が流れる時に血管にかかる圧力のことです。これがどういう意味なのか、詳しく見ていってみましょう。

私たちの体には、頭の先から足の先まで隅々に血管が張り巡らされています。そして血管の中を、心臓から送り出された血液が絶えず流れています。なぜ全身には、血液が絶えず流れている必要があるのでしょうか。
それは血液が酸素と栄養を全身に運び、加えて老廃物を体の外へ出す働きをしているからなのです。老廃物とは、生命維持に欠かせない細胞の代謝によって生じた不要な物質で、具体的には二酸化炭素やアンモニアなどです。血液が絶えず全身を巡ることで、脳や肺などの全身の臓器が正しく働き、私たちは生きることが出来ているのです。
血液を全身に絶えず流すために中心的な役割を担っているのが、心臓です。心臓の「ポンプ機能」によって血液が流れると、血流が血管の壁を押して、圧力がかかりますが、まさにその圧力が「血圧」なのです。
血圧ってなに?
心臓が縮むと血液が全身へ送られますが、その時の血圧を収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。(最高血圧)」と言います。次いで、心臓が膨らむと、血液が全身から心臓へ集められますが、その時の血圧を拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。(最低血圧)」と言います。
血圧について詳しは「【高血圧とは】高血圧の原因から予防法まで幅広く解説」をご参照ください。

血圧の高さはどのような仕組みで決まるのか

血圧の高さは人それぞれですが、ここでは血圧の高さを決める仕組みについて確認しましょう。

血圧は主に「心臓から送り出されて血管を流れる血液量」と「血液の流れにくさ」で決まります
蛇口につながっているホースを想像してみてください。蛇口を心臓、ホースを血管、ホースを流れる水を血液と置き換えて考えてみましょう。例えば、形や硬さの同じホースでも、蛇口をたくさんひねってホースを流れる水の量を増やすとホースには強い力がかかります。それと同じように、心臓から出て血管の中を流れる血液量が多くなると、血圧は上がります。反対に、血管の中を流れる血液量が少なくなると、血圧は下がります。

また、ホースに流す水の量が同じであっても、ホースの先をつぶして細くすると、水は流れにくくなり、その分ホースに強い力がかかって水が勢いを増します。ホースが劣化して硬くなっている場合にも、柔軟に曲がらないので水が流れにくい状態になります。血管も同様で、血管が細くなったり硬くなったりして、血液が流れにくい状態になると血圧は上がります

このように、心臓から出て血管を流れる血液量が増えたり、血液が流れにくくなったりすると血圧は高くなるのです。

高血圧症発症チェック

「高血圧」とされる具体的な数値

ここがポイント!

  • 病院測定の場合、140/90mmHg以上が高血圧
  • 家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。の場合、135/85mmHg以上が高血圧
  • 血圧の数値が高いほど、心臓や脳に命に関わる合併症を引き起こす危険性が高くなる

ここでは、高血圧の基準値について解説をします。高血圧の基準値は、測定条件によって異なります。詳しく見ていってみましょう。

この数値からが「高血圧」~一覧表で見てみよう

まずは下の図をご覧ください。
血圧値の分類
この図は、日本高血圧学会が「高血圧治療ガイドライン」に掲載している血圧値(診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。)の分類を示したものです。
図から分かるように、日本高血圧学会では、病院などの診察室で測定した時に収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が「140mmHg以上もしくは拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。が90mmHg以上」であった場合に高血圧としています。日本だけでなく、世界の多くの国の高血圧に関するガイドラインでも、同じ基準が使われています。
ではなぜ140/90mmHg以上を高血圧としているのでしょうか。それは、血圧が140/90mmHg以上の状態が続くと、心臓や脳などに命に関わる危険な病気を引き起こす可能性が高まるためです。これは、世界中で行われた数々の医学的な研究により証明されています。

日本人を対象とした研究例では、厚生労働省が行った循環器病の予防に関する調査「NIPPON DATA80」において、血圧が140/90mmHg以上の場合に心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などの心臓の血管に関する病気で死亡する確率が高くなると示されています。また九州大学と福岡県久山町が共同で行っている生活習慣病の地域調査研究「久山町研究」や札幌医科大学が北海道の端野町(たんのちょう)・壮瞥町(そうべつちょう)で、同じく生活習慣病の地域調査として行っている「端野・壮瞥町研究」においても、血圧が140/90mmHg以上になると、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などによる死亡率が高くなると報告されています。

高血圧の基準は測定条件によって異なり、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。を含めて以下の3種類があります。

診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。 病院などの診察室で測定された血圧
家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。 普段の生活の中の一定のタイミングで毎日測定された血圧
自由行動下血圧 普段通りの生活を行いながら15〜30分程の間隔で測定した血圧

病院で血圧測定した時に緊張して、いつもの血圧よりも高い値が出たという経験がある人もいると思いますが、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。は、緊張により高めの値が出やすいのです。そのため、家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。や自由行動下血圧の基準よりも、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。は高く設定されています。

それぞれの測定条件における高血圧の基準値は以下の通りです。
測定条件 高血圧の基準値
診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。 140/90mmHg以上
家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。 135/85mmHg以上
自由行動下血圧(24時間の平均) 130/80mmHg以上

高血圧は程度によって3段階に分けられる

高血圧治療ガイドラインでは、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。を基準とした高血圧の程度を、数値によって3段階に区分しています。
区分 収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。(mmHg) 拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。(mmHg)
I度(軽症)高血圧 140以上160未満 90以上100未満
II度(中等度)高血圧 160以上180未満 100以上110未満
III度(重症)高血圧 180以上 110以上

3段階に分けている理由は、同じ高血圧でも、値が高い方がより重症で、適切な治療が異なるためです。
血圧の数値が高ければ高いほど、高血圧に関連する合併症を起こす危険性が高いということは、先ほど紹介した久山町研究により証明されています。また、高血圧治療ガイドラインでもI度高血圧の人が脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)によって死亡する危険性は、血圧が正常な人の約3倍になると示しています。さらに、III度高血圧の人の場合は7倍以上も脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)によって死亡するリスクが高くなります。

正常範囲でも「正常高値」は要注意

血圧の正常範囲も次のように3段階に分けられており、自分の血圧が正常範囲であった人も、値によっては油断出来ません。
区分 収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。(mmHg) 拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。(mmHg)
至適血圧至適血圧(してきけつあつ)収縮期血圧120mmHg未満/拡張期血圧80mmHg未満の血圧。心血管病の発症率が正常血圧よりも低く、高血圧の発症リスクも低い。 120未満 80未満
正常血圧正常血圧(せいじょうけつあつ)収縮期血圧120~129mmHg/拡張期血圧80~84mmHgの血圧。正常な血圧である。心血管病の発症リスクは、至適血圧<正常血圧<正常高値血圧<高血圧の順で低い。 120以上130未満 80以上85未満
正常高値血圧正常高値血圧(せいじょうこうちけつあつ)収縮期血圧130~139/拡張期血圧85~89mmHgの血圧。正常域血圧の中で、最も心血管病のリスクが高く、高血圧を発症する確率も高い。 130以上140未満 85以上90未満

3段階の中で最も低い血圧である至適血圧至適血圧(してきけつあつ)収縮期血圧120mmHg未満/拡張期血圧80mmHg未満の血圧。心血管病の発症率が正常血圧よりも低く、高血圧の発症リスクも低い。 は、久山町研究において心臓の血管に関する病気での死亡率が最も低いと示されています。
また国内外で行われた数々の研究により、血圧が正常範囲内であっても、正常血圧正常血圧(せいじょうけつあつ)収縮期血圧120~129mmHg/拡張期血圧80~84mmHgの血圧。正常な血圧である。心血管病の発症リスクは、至適血圧<正常血圧<正常高値血圧<高血圧の順で低い。」や「正常高値血圧正常高値血圧(せいじょうこうちけつあつ)収縮期血圧130~139/拡張期血圧85~89mmHgの血圧。正常域血圧の中で、最も心血管病のリスクが高く、高血圧を発症する確率も高い。」は「至適血圧至適血圧(してきけつあつ)収縮期血圧120mmHg未満/拡張期血圧80mmHg未満の血圧。心血管病の発症率が正常血圧よりも低く、高血圧の発症リスクも低い。 」に比べて生涯のうちに高血圧になってしまう確率、加えて心臓の血管に関する病気になる確率が高いことが分かっています。

正常血圧正常血圧(せいじょうけつあつ)収縮期血圧120~129mmHg/拡張期血圧80~84mmHgの血圧。正常な血圧である。心血管病の発症リスクは、至適血圧<正常血圧<正常高値血圧<高血圧の順で低い。正常高値血圧正常高値血圧(せいじょうこうちけつあつ)収縮期血圧130~139/拡張期血圧85~89mmHgの血圧。正常域血圧の中で、最も心血管病のリスクが高く、高血圧を発症する確率も高い。の範囲であるという人は、今のところ高血圧ではないからと油断せずに、至適血圧至適血圧(してきけつあつ)収縮期血圧120mmHg未満/拡張期血圧80mmHg未満の血圧。心血管病の発症率が正常血圧よりも低く、高血圧の発症リスクも低い。 を目指して高血圧予防をしていきましょう。予防ために実践すべき対策法は、後の章でご紹介します。

参考



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血圧の高さは時間帯によって異なる

ここがポイント!

  • 血圧は時間帯によって変化し、それを「血圧の日内変動」と言う
  • 血圧は朝起きると上がって日中は高く、夜にかけて低下していき睡眠中が1番低くなる

血圧は気温や身体活動など、さまざまな要因に影響されて変化します。血圧に影響する要因の1つに「時間帯」があります。血圧が時間帯によってどのように変化するか確認してみましょう。

血圧の1日の変化を見てみよう

家で血圧を測定したときに、日中と夜では血圧の値が違っているということに既に気付いている人もいるでしょう。実は血圧は、1日の中で体のリズムに合わせて変化しているのです。まずは血圧の1日の変化を見ていきましょう。
血圧の日内変動
一般的に血圧は、朝起きる時間帯から徐々に上昇していきます。なぜなら全身の臓器が、体を活動させる準備を始めるためです。血圧を上げて血液を全身の臓器へ送ることで、臓器の活動を活発にすることが出来るのです。活動する時間帯である日中は、血圧が高い状態が持続します。そして、活動量が少なくなる夜に向かい、血圧は下がっていきます。睡眠中は体が休養するため臓器が活発に動く必要がありません。そのため、睡眠中の血圧は1日のうちで1番低くなります。

こうした血圧の1日の変化を血圧の日内変動と言います。血圧の日内変動は正常な体の仕組みですので、日中と夜とで血圧の値に違いがあるのは、異常ではありません。
血圧の日内変動はその人の生活リズムや周りの環境などによって多少異なります。例えば夜間に仕事をしている人は、一般的な血圧の日内変動とは違った変化があることもあります。

気を付けたい「早朝高血圧」

日内変動により、血圧が朝に上がってくるのは自然なことですが、注意が必要な血圧の変化があります。それが「早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。」と呼ばれる状態です。
早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。」とは診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。が140/90mmHg未満で正常範囲内であるにも関わらず、朝起きた時の平均血圧が135/85mmHg以上である場合を言います。早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。には、夜は下がっていて低いにも関わらず朝方に急上昇するタイプと、夜間から高く、それが朝になっても続くタイプがあります。どちらのタイプであっても早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。は心臓の血管に関係する病気になる可能性が上がるという論文報告が、2003年に自治医科大学の研究グループによりなされています。
早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。では、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。が正常範囲であるため、家で血圧を測定する必要性を感じにくく、その結果発見が遅れてしまうことがあるため、病院などでは高血圧を指摘されていない場合であっても、出来るだけ自宅で血圧を測定する習慣を持つことをお勧めします。

参考


高血圧の原因と引き金となる要因

ここがポイント!

  • 高血圧の引き金となる主な要因は、塩分の取り過ぎ、肥満、喫煙・過度な飲酒など
  • 緊張やストレスも、交感神経の働きを高め、血圧を上げる要因となる
  • 血圧が急に上がる原因は、主に運動、寒さ、緊張だが、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)などの病気による可能性もある
  • 20代に多い高血圧の原因は「他の病気」、それ以上の年齢で多い原因は「生活習慣や加齢による動脈硬化」
  • 妊娠が高血圧の原因になる場合もある

血圧が高い状態を改善するために、血圧を上げている原因や要因を知ることは重要なので、ここで確かめていってみましょう。

血圧を上げる要因の多くは「食事」などの生活習慣にある

偏った食事や運動不足など、発症に日々の生活習慣が大きく関わっている高血圧は、糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。と同様に、「生活習慣病」に分類されています。高血圧に関係すると知られている主な生活習慣を、1つずつ確認していきましょう。

1、塩分の取り過ぎ

日本人の高血圧の要因として最も重要視されているのは、塩分の取り過ぎです。
厚生労働省は国民の健康のために、日本人の食塩摂取目標量を男性8g/日未満、女性7g/日未満と定めています。しかし国民栄養調査によると、実際の塩分摂取量は平均10〜11g/日です。つまり、私たちは普段の生活で塩分を取り過ぎているのです。

塩分をたくさん取ると、塩分に含まれる「ナトリウム」という物質の血中濃度が上がります。すると体はナトリウムを水で薄めて元の濃度に戻そうと、血管外から水分を引き込んで血液量を増やします。
こうして塩分を取り過ぎると、血管の中を流れる血液量が増えるため、血圧が上がるのです。

2、肥満

国立循環器病研究センターによると、肥満である人はそうでない人に比べて、高血圧になる危険性が2~3倍高いことが分かっています。
肥満になると、血糖値を下げる作用のあるホルモンである「インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。」が効きにくくなります。インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。の効きが悪くなると、血糖値が上がりやすくなります。すると体は、インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。が足りていないのだろうと判断し、すい臓からインスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。をたくさん出します。その結果「高インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。血症」という、血液中にインスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。が多い状態になります。

インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。には、血糖値を下げる働きのほかに、尿として体外へ出される予定のナトリウムを一部血管内に戻す働きもあります。そのため、肥満によって引き起こされた高インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。血症は、血液中にナトリウムが増える原因となり、結果的に血液量が増えて血圧が上がる原因となります。
さらに高インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。血症になると、「交感神経」という体を活動させる神経が活発に働くようになります。その結果、血管が収縮して血圧が上がります。
このように、肥満による高インスリンインスリン(いんすりん)膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるホルモン。血液中のブドウ糖を細胞や臓器に取り込ませる働きがあり、血糖値を下げる唯一のホルモンである。インスリンの分泌や効果に異常が生じると、糖尿病を発症することで知られている。血症は、「血液量の増加」「血管収縮」の2つのルートから血圧を上げる原因になるというわけです。
肥満が高血圧につながる
日本では男性の肥満者が年々増加しています。それに伴い肥満による高血圧も増えてきており、今後も高血圧の人が増加していくのではないかと予測されています。

3、喫煙・多量の飲酒

喫煙や多量の飲酒も高血圧の引き金になることが分かっています。

たばこの煙にはニコチンや一酸化炭素などの有害物質が含まれています。たばこの煙に含まれる有害物質は、交感神経を刺激して血圧や脈拍を上昇させます。また、有害物質は、血管の壁の内側を覆っている細胞を傷つけることにより、血管の柔軟性を損ない、血液が流れにくい状態にします。血液が流れにくくなると、血圧は上がってしまいます。
イタリアの研究グループは、たばこを一服するだけで、収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が110mmHgから130mmHg以上に上昇すると報告しています。
喫煙の血圧への影響
出典:「Groppelli A et al: J Hypertens 1990;8(Suppl 5):S35.」より

飲酒は、適量であれば、血圧を低下させる効果があると知られています。一方で、長期に渡る大量の飲酒は、高血圧の引き金となります。国立循環器病研究センターは、飲酒によって血圧が上がる理由は、交感神経の活動が活発になり、血管が収縮して心臓の拍動が速まるためと説明しています。またお酒を飲むときに一緒に食べるつまみにも味の濃い食べ物が多く、つまみによる過剰な塩分摂取も血圧を上げる原因となっています。

緊張やストレスも血圧を上げる

緊張したり、イライラしたりしているときに「血圧が上がるよ」と言われたことがある人もいるでしょう。実際その通りで、緊張やストレスなどの「心の変化」によっても血圧は上がります。緊張やストレスは、交感神経の働きを高め、血管を収縮させます。また、ストレスがたまるとお酒を飲み過ぎたり、いつもより喫煙量が増えたりと生活習慣が乱れやすくなりがちで、こうした点も血圧を上げる原因になります。
米国で1948年から現在も継続されている大規模な観察研究「フラミンガム心臓研究」では、中年男性を20年間観察し、緊張状態の高かった人のグループよりもそうでない人のグループのほうが、高血圧になる頻度が低かったという結果が報告されています。

急な高血圧の原因

急に血圧が上がることは、健康な状態でも起こり得ますが、時には危険な病気のサインでもあります。
健康な状態で急に血圧が上がる主な要因は、激しい運動、寒さ、緊張やストレスなどです。これらは血圧が一時的に上昇しているだけのため、時間が経てば元の血圧に戻ります。必要以上に心配する必要はないので、寒さや緊張などの要因を取り除きましょう。
一方で、場合によっては病気が原因で急に血圧が上がっている可能性もあります。急に血圧が上がる可能性のある病気は、脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。や脳出血などの脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)です。多くの場合、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)の発症直後に血圧は高くなっています。その原因として、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)の症状である頭痛や、脳組織の血流不足、さらには脳がむくんで頭蓋骨の内部で脳自体が圧迫されることに対する体の防御反応が考えられています。

20代の若い人で血圧が高い場合の主な原因

高血圧といえば中年以降の人を一般的に連想しますが、若いうちから高血圧になる人もおり、20代の約5%が高血圧になると知られています。
20代は学生から社会人になり、生活が大きく変化する時期でもあります。仕事によっては夜遅くまで残業したり、飲み会などの付きあいが増えたりすることもあります。そうすると、睡眠不足やストレス、過度な飲酒など、高血圧につながるような生活を送りやすくなります。
しかし、20代は血管が若く、弾力性も高いため、少しくらい不適切な生活習慣を送ったとしても、その影響で高血圧になる人はそれほど多くありません。金沢大学の研究グループは、「20代は生活習慣による影響よりも、他の病気が原因で高血圧になる場合が多い」という調査結果を報告しています。

30代、40代で血圧が高い場合の主な原因

30、40代は働き盛りの年代です。そのため20代と同じように睡眠不足、ストレス、過度な飲酒など生活が乱れがちな状態が続いている考えられます。年齢を重ねるごとに不適切な生活による悪影響は積み重なっていき、その裏では確実に動脈硬化が進んで、血圧が高くなっていきます。実際、厚生労働省が2014年に行った国民健康・栄養調査によると、20代の平均血圧は男性が120/73mmHg、女性が108/69mmHgです。しかし30代になると男性123/79mmHg、女性110/69mmHgと上昇します。さらに40代では男性124/81mmHg、女性118/76mmHgとなり年齢とともに上昇していくことが確認されています。

高齢者で血圧が高い主な原因

20代よりも30代、30代よりも40代と年齢が高くなるにつれて、高血圧の人の割合は高くなっていきます。2014年の国民健康・栄養調査によると、65歳以上の人のうち約64%が高血圧(降圧薬内服者を含む)です。20代の約5%と比較すると、高齢者で高血圧が多いことが一目で分かります。
高齢者で血圧が高くなる主な理由は加齢であると考えられています。どれだけ血圧に気を付けた生活をしていても、加齢とともに肌が老化していくのと同じく、血管も老化して動脈硬化が進みます。加齢によって動脈硬化が進み、動脈の弾力性がなくなると血圧が高くなるという仕組みです。
加齢による高血圧

血圧が高い原因になる女性特有の「妊娠・出産」

女性の場合、妊娠によって高血圧になることもあります。日本妊娠高血圧学会によると、妊娠20週~出産後12週までの間に高血圧がみられる場合、もしくは高血圧に加えて尿からタンパク質が検出される場合を妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。としています。妊娠によって血圧が上がる理由は、現在のところ明確には分かっていません。いくつか仮説があるうちで、最も有力だとされているのが、「母親から赤ちゃんへ酸素や栄養を送る胎盤を作るときに、血管が正しく作られなかった場合に高血圧になる」という説です。血管が正しく作られないと、赤ちゃんへ十分な量の酸素や栄養を送ることが出来なくなってしまい、お母さんからの酸素や栄養が少ないと赤ちゃんは、おなかの中で育つことが出来ません。そのためお母さんの体は血液を無理に流そうとして、高血圧が起こるというのです。
妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。は、お母さんと赤ちゃんの両方の健康に影響を与えるため、妊娠した場合には意識的に高血圧の予防に取り組んでいく必要があります。

主な高血圧の要因や原因について、簡単に見てきました。もっと詳しく知りたい場合には、「【高血圧の原因】塩分・アルコール・運動不足などで血圧が上がるメカニズム」に詳しく書かれていますので、ご参照下さい。

参考


あなたに合わせた生活・食事指導で高血圧改善

血圧が高いとこんな病気や症状につながる

ここがポイント!

  • 血圧が高い状態が続くと動脈硬化が進み、心臓血管病心臓血管病(しんけっかんびょう)心臓や血管に生じる病気。症状がないまま進行することが多く、自覚症状が現れたときには重症化しており、命に関わる場合もある。狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、大動脈解離、末梢動脈疾患などがある。脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)などの病気(高血圧の合併症)につながる
  • 高血圧は自覚症状がほとんどないが、高血圧の合併症の影響で頭痛などの症状が出る場合がある
  • 妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。も自覚症状がほとんどないが、合併症の「子癇子癇(しかん)妊娠20週行こうに初めて起きた痙攣(けいれん)発作をいう。また、てんかん、脳炎、脳血管障害、薬物中毒を原因としないものをいう。妊娠中から分娩後も発症する可能性があり、ほとんどは妊娠高血圧症候群の方である。子癇は、脳がむくむ脳ヘルニアを引き起こし、母子ともに命に関わる状態に陥る場合もある。(しかん)」が起こると頭痛が出る

ここでは、高血圧により引き起こされる病気や症状について解説していきます。

高血圧により引き起こされる病気~高血圧の合併症


血圧が高い状態が続くと、命の危険につながる病気にかかりやすくなります。血圧が高いということは、血管の壁に常に強い力がかかっているため、血管が傷付きやすい状態です。血管が傷付くと、そこに血液中のコレステロールなどが付きやすくなり、動脈硬化が進んでいきます。動脈硬化が徐々に進行していくと、血管は狭くなっていきます。そしてある時血管が完全に塞がってしまうと、塞がった先の血流は途絶えてしまいます。これが心臓の血管で起こると、狭心症や心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などの心血管病、脳の血管で起こると脳梗塞脳梗塞(のうこうそく)脳の血管が詰まったり、細くなったりして、必要な酸素や栄養素が送られず、脳の細胞が死んだり、障害を受けてしまう状態。障害された脳の部位によって、様々な症状(麻痺や意識障害なぢお)が起こる。や脳出血などの脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)になります。こうした高血圧の合併症は、時に命を奪う危険な病気です。
高血圧が続くとどうなる

頭痛・めまい・肩こりなどの症状は現れるのか

高血圧では、目立った症状ほとんど出ません。しかし、高血圧の人が頭痛やめまいなどの症状を訴えることがあります。その場合、高血圧の合併症である心臓血管病心臓血管病(しんけっかんびょう)心臓や血管に生じる病気。症状がないまま進行することが多く、自覚症状が現れたときには重症化しており、命に関わる場合もある。狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、大動脈解離、末梢動脈疾患などがある。脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)などによる症状の可能性が考えられます。狭心症や心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。では、強い胸の痛みに加えて、首の痛みや違和感、冷や汗や吐き気などを感じます。また脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)では強い頭痛に加えて、めまいや吐き気、ろれつが回らない、ものをうまくつかめないなどの症状が起こる場合があります。

血圧の「下だけ高い」拡張期高血圧と合併症の関連性

測定する血圧の数値には、収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。の2種類あると最初に説明しました。高血圧では、下の血圧である拡張期血圧拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)心臓が縮んだ後もとの大きさになり、全身から血液が戻るときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最小の値のこと。だけが高い(90mmHg以上)場合もあり、これは「拡張期高血圧」と区分されています。同じく、収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。だけ高い場合には「収縮期高血圧」、両方高い場合には「収縮期拡張期高血圧」と区分されています。
東北大学の研究によって、「収縮期拡張期高血圧」と「収縮期高血圧」は正常域血圧に比べて、脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などで死亡する確率が高い一方で、「拡張期高血圧」は正常範囲の血圧に比べて合併症による死亡率に差はないと示されています。しかし、だからと言って安心は出来ません。拡張期高血圧では手足の先などの細い血管で動脈硬化が起こっているため、放置しておくと太い血管でも動脈硬化が進行して上の血圧も上がってしまう可能性が出て来ます。すると、上も下も高い高血圧と同じように、心血管病や脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)になる危険性が上がります

拡張期高血圧についてもっと詳しく知りたい人は「血圧の下が高い場合の症状や取るべき生活習慣の改善方法を徹底解説」をご参照ください。

妊婦や産後の頭痛は高血圧と関係があるのか

日本妊娠高血圧学会によると、妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。」自体による自覚症状はほとんどありません。しかし、人によっては頭痛、疲れ、むくみなどの症状を感じる人もいるようです。一方で、妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。により起こる子癇子癇(しかん)妊娠20週行こうに初めて起きた痙攣(けいれん)発作をいう。また、てんかん、脳炎、脳血管障害、薬物中毒を原因としないものをいう。妊娠中から分娩後も発症する可能性があり、ほとんどは妊娠高血圧症候群の方である。子癇は、脳がむくむ脳ヘルニアを引き起こし、母子ともに命に関わる状態に陥る場合もある。(しかん)」という合併症では症状が出ることがあります。「子癇子癇(しかん)妊娠20週行こうに初めて起きた痙攣(けいれん)発作をいう。また、てんかん、脳炎、脳血管障害、薬物中毒を原因としないものをいう。妊娠中から分娩後も発症する可能性があり、ほとんどは妊娠高血圧症候群の方である。子癇は、脳がむくむ脳ヘルニアを引き起こし、母子ともに命に関わる状態に陥る場合もある。」は「妊娠20週以降に初めて起きたけいれん発作」のことを表します。「子癇子癇(しかん)妊娠20週行こうに初めて起きた痙攣(けいれん)発作をいう。また、てんかん、脳炎、脳血管障害、薬物中毒を原因としないものをいう。妊娠中から分娩後も発症する可能性があり、ほとんどは妊娠高血圧症候群の方である。子癇は、脳がむくむ脳ヘルニアを引き起こし、母子ともに命に関わる状態に陥る場合もある。」の症状は、持続する強い頭痛、目が見えなく感じたり目の前で花火が光るように感じたりする目の症状、みぞおちのあたりが急に痛くなる、などです。
妊婦や産婦で高血圧があり、頭痛が出てくる場合は病院で検査を受けるようにしてください。

妊娠高血圧症候群妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)妊娠20週以降産後12週までに、初めて発症した高血圧をいう。タンパク尿を伴う場合には、妊娠高血圧腎症に分類される。妊婦の約20人に1人の割合で起こり、重症の場合子癇(しかん)、肝・腎機能障害、HELLP症候群などを引き起こす。についてもっと詳しく知りたい人は「【妊娠高血圧症候群について】定義・治療法・帝王切開の必要性などを解説」をご参照ください。

参考


血圧が高い人は日頃から対策を行おう

ここがポイント!

  • 食事では、塩分、飽和脂肪酸を控え、野菜、果物、魚を取るように心がけよう
  • 肥満度指数であるBMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。値が25未満になるように体重管理をしよう
  • 出来るだけ毎日30分以上、ゆっくりと呼吸の出来る有酸素運動を行おう
  • 飲酒は控えめにし、禁煙しよう
  • 寒さや暑さ、便秘、ストレス、寝不足などを避けるように生活習慣を工夫しよう

ここからは、血圧を下げるためには具体的にどうすればいいかを見ていきましょう。

食事による対策


1、塩分を控える

高血圧予防のための減塩方法
塩分は血圧を上げる主な要因であるため、減塩は高血圧予防においてとても重要なポイントです。
まずは日頃から、塩分が多く含まれている食品をあまり食べない習慣を付けましょう。食品のパッケージには「栄養成分表示」が記載されており、ここに塩分は「塩分相当量」もしくは「ナトリウム量」として書かれています。ナトリウム量は「ナトリウム量(mg)×2.54÷1000」で食塩量に換算できます。とは言え、食事や買い物の度に計算するのは面倒なので、1食あたりに取っても良いナトリウム量の目安を知っておきましょう。厚生労働省が推奨している食塩摂取目標量は男性8g/日未満、女性7g/日未満です。それをナトリウム量に計算すると、男性は約3,000mg、女性は約2,700mgです。1日3食とすると、1食当たりナトリウム900〜1,000mgが目安になります。
食品の選び方に加えて、食べる方法・調理方法も工夫していきましょう。まず、しょうゆやドレッシングなどの調味料による塩分の取り過ぎには注意しましょう。調味料からの塩分摂取を控える1番簡単な方法は減塩の調味料を使うことです。減塩の調味料に関しては、色々な商品が販売されているので、スーパーの調味料売り場へ行けばすぐに見つけることが出来るでしょう。
調味料のかけすぎを予防するために、調味料を「かける」のではなく、少しずつ「つけて」食べるのもお勧めです。醤油差しなどを、ワンプッシュずつ出せるタイプにすると、かけ過ぎを防ぐ事が出来ます。
食べ方の工夫としては、ラーメンやうどんなどのスープや汁を残す方法があります。今まで全部飲み干していた人は、まずは半分の量を残すことを目標にしていみましょう。
調理方法の工夫としては、唐辛子やわさびなどで辛味を出したり、酢やレモンで酸味を出したりすると、減塩による味の物足りなさが補えるためお勧めです。

2、飽和脂肪酸を控える

食品からの飽和脂肪酸の取り過ぎは、血中の脂質を増やし動脈硬化を悪化させる原因になります。動脈硬化は高血圧の原因であるため、血圧を下げるためには飽和脂肪酸を控えるようにしましょう。飽和脂肪酸が多い食べ物は牛肉・豚肉・鶏肉、牛脂、ラード、ソーセージ、ベーコン、バターなどです。
食べ過ぎ注意!飽和脂肪酸の多い食品

3、野菜・果物・魚を取る

野菜や果物には「カリウム」というミネラルが多く含まれています。カリウムは塩分の取り過ぎによる血圧上昇を防ぐ作用があると分かっています。そのため野菜や果物を積極的に取ると高血圧の予防につながります。カリウムはゆでると減ってしまうため、野菜は出来るだけ生でも食べましょう。いろいろな種類の野菜を入れたサラダを食べる習慣をつけるのがおすすめです。また果物は果糖を多く含むので、取りすぎは糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。や肥満などにつながり逆効果です。そのため1日に自分の握りこぶし大で1〜2個分を目安に果物を食べるようにしましょう
さらに、魚には動脈硬化を抑制する不飽和脂肪酸という物質が多く含まれています。高血圧予防のために、魚を積極的に食べるようにしましょう。

運動による対策

運動不足は肥満の原因になります。そのため高血圧を予防・改善するためには、肥満の予防のために、食事に気を付ける事に加え、運動を行い、体重管理をすることが大切です。
高血圧予防のための運動

1、体重管理

皆さんは、自分の体重を知っていますか?高血圧を予防・改善するためには体重管理をしていく必要があります。どの程度まで減量をしていくのか目標を決めるために、最初に体重を測ってみましょう。体重が分かったら「BMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。」という指標を使って計算してみましょう。BMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。(肥満度指数:Body Mass Index)とは肥満度を表す指標であり、次の計算式で出す事ができます。
BMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
BMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。が22なら標準体重、25以上だと肥満です。そのため体重管理の目標をBMIBMI(びーえむあい)ボディマス指数という、肥満度を表す体格指数をいう。 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2で求めることができ、BMIが25以上の場合には肥満と判定される。Body Mass Index。25以下に設定して食事に気を付けたり運動を行ったりしていきましょう

2、適度な運動

運動には、減量効果に加え、血圧を下げる効果もあることが分かっています。高血圧治療ガイドラインでは、出来るだけ毎日、30分以上の運動を行うように推奨しています。また30分の運動をまとめて行う時間を取るのが難しいという人は、10分以上の運動であれば2,3回に分けて運動しても良いとされています。
推奨されている運動内容は、ウォーキングや軽いジョギング、水泳、自転車、ヨガなどの有酸素運動です。
例えば通勤通学で電車や車を利用している人は、通える距離であれば自転車にしてみるのも良いでしょう。往復それぞれ15分以上であれば、それだけで1日30分運動をしていることになります。また自転車で通える距離でなければ、電車やバスを目的駅の1〜2駅前で降りて15分程歩いてみるのも良いでしょう。その際は、ゆっくり歩くのではなく、早歩きを意識するとより効果的です。休みの日は気分を変えて、景色のいい場所やジムなどでジョギングや水泳、エアロバイクなどをしてみるのも良いですね。

その他生活の面で気を付けたいこと

1、適度な飲酒・禁煙

多量の飲酒や喫煙は高血圧の原因になるため、血圧が高い人は「適度な飲酒」と「禁煙」を心がける必要があります。
「適度な飲酒」とは、実際にどのくらいの量を指すのでしょうか。高血圧治療ガイドラインでは、1日に男性はエタノール量20〜30mL以下、女性はエタノール量10〜20mL以下にすべきだとしています。
エタノール20~30mLをお酒に当てはめてみると、日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウイスキー・ブランデーダブル1杯、ワイン2杯程度です。女性はその約半量です。お酒を飲む際に目安にしてみてください。

たばこに関しては、「節煙」ではなく「禁煙」が必要です。喫煙者の中には「ニコチン依存症」という病気かかっている人も多く、本人の意思だけで禁煙をするのが難しい場合があります。何度も禁煙に失敗した経験がある人は「禁煙外来」を考えてみるのはどうでしょうか。「禁煙外来」は診療所や病院などで行われている、禁煙を希望する人向けの専門外来で、健康保険適用で禁煙治療を受けることが出来ます。気になる人はインターネットで調べてみたり、電話などで問い合わせてみたりするようにお勧めします。

2、温度やストレスなど

心筋梗塞心筋梗塞(しんきんこうそく)心臓に必要な酸素や栄養素を送る血管が、詰まったり、血管径が細くなることで、送られる血液量が減り、心臓を動かす筋肉が死んでしまった状態。典型的な症状としては、締め付けられるような胸の痛みが30分以上持続する。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙が危険因子とされている。などの心臓血管に関係する病気による死亡率は夏よりも冬の方が高いという傾向があります。なぜなら人間の体は、寒さを感じると血管を収縮させ血圧が上がる仕組みになっているからです。そのため、特に冬場は寒さにより血圧が急に上がらないような対策をしておく事が大切です。例えば、脱衣所や浴室、トイレなどは、服を脱ぐ少し前から暖房をつけておくなどして温めておくと良いでしょう。
また、入浴中のお湯の温度が熱すぎても血圧は上がってしまいます。そのため高血圧治療ガイドラインでは、入浴は湯温38〜42℃くらいで5〜10分程を目安とするように推奨しています。
便秘になりやすい人も血圧の上昇に注意が必要です。排便の時のいきみによって血圧は上がります。普段から、便秘予防のために良い食事や運動を心がけたり、場合によっては便秘薬を使用したりして、便秘にならないように対策を立てることが大切です。
さらにストレスや睡眠不足によっても血圧は上がるため、リフレッシュをするなどして避けるようにしましょう。
その他の高血圧予防

参考


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血圧が高い場合、病院の何科を受診すれば良いのか

ここがポイント!

  • 血圧の値が高血圧の基準に当てはまった人は内科の病院へ行きましょう
  • 一般的な内科で検査などを受けた結果、必要があると判断されれば専門科の紹介を受けることになる

血圧が高かったら病院に行こう

数値がいくつだったら病院へ行くべきか

実際に血圧の数値がいくつぐらいであった場合に、病院へ行くべきなのでしょうか。
まず、糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。、メタボリックシンドロームの疑いがある人は、血圧が正常値であっても病院に行きましょう。これらの病気は高血圧になる可能性や、心血管病・脳卒中脳卒中(のうそっちゅう)脳卒中は、脳内の血管が破れたり詰まったりして、神経細胞が障害される病気をいう。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」に分類される。脳卒中により年間約11万人が死亡しており、国内の死因割合で4位となっている。(平成27年度)になる可能性が高いからです。

糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。、メタボリックシンドロームの疑いがない人は、血圧が高血圧の基準値に当てはまった場合に病院へ行き、受診しましょう

何科を受診するべきか

それでは血圧が高かったら、何科の病院を訪れるべきなのでしょうか。
血圧が高い場合には、まず一般的な内科を受診することをお勧めします糖尿病糖尿病(とうにょうびょう)膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンという、血糖値を下げるホルモンの分泌が減少したり、効果が弱まったりすることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなる状態をいう。β細胞が破壊され、インスリンの分泌がほどんどなくなる1型糖尿病と生活習慣病の一つである2型糖尿病の2つに分類される。脂質異常症脂質異常症(ししついじょうしょう)コレステロールや中性脂肪などの代謝に異常が生じ、血液中の脂肪分(血清脂質)が高い状態をいう。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の値から、いくつかのパターンに診断が分かれる。、メタボリックシンドロームの疑いがある人も、同じく一般的な内科を受診してください。
最初から大学病院のような規模の大きい病院に行く必要はありません。まずは家や職場などの近くにあり、気軽に受診しやすい病院やクリニックに行ってみてはいかがでしょうか。血圧が高い原因や他にかかっている病気などの検査を結果、必要があれば大きな病院を紹介してもらって行くことになります。
一般的な内科以外では循環器内科、腎臓内科、内分泌内科なども、高血圧に関連した病気を専門としているため、血圧が高い場合に受診しても問題はありません。

まとめ

今回は「血圧が高い」ことに焦点を当て、その基準、原因、対策法などについて解説しました。
血圧は、全身に血液を送って酸素や栄養を届けるという心臓の大事な役割に伴って生じるものです。生きている証とも言えるでしょう。血圧は正常値よりも高いと、正常範囲であっても他の病気を合併する危険性が高まります。さらに血圧が一定の基準を超えて高血圧になると、心臓や脳などに、命に関わる重い病気を引き起こす危険性が高くなります。それを予防するためには、日ごろから家で血圧を測定する習慣をつけることが大切です。それに加えて、高血圧の原因となる生活習慣を見直し、改善していきましょう。具体的には、減塩、運動、禁煙・節酒などが高血圧改善に特に重要なポイントです。健康に長生きをするために、出来るところからで良いので今日から生活習慣の見直しを始めるようにしましょう。また、高血圧は値が高くなればなるほど怖い病気になる危険性も高まります。そのため高血圧になった場合には、内科の病院や診療所などを受診しましょう。

Ito
伊藤恭太郎 医師
日本救急医学会救急科専門医

プロフィール

東北大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院および聖路加国際病院の救命救急センターにて、救急集中治療医として診療に従事。聖路加国際病院では、救急部チーフレジデントを務め、救急科専門医資格を取得。一般内科外来や在宅診療、重症患者への高度救命処置まで、幅広い分野の診療を経験。

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