食後低血圧とは|血圧が下がるメカニズムや予防法について解説します

食事の後に、めまいを感じたり、ふらついてしまうことはありませんか。もしかしたら「食後低血圧」を起こして、血圧が急に下がってしまっているのかもしれません。特に高齢の方は「食後低血圧」を起こりやすく、めまいやふらつきによりそのまま転んでしまったら、骨折などの大ケガにつながる危険があり、十分に注意が必要です。ここでは、食後低血圧について、低血圧を起こすメカニズムや予防法などについて解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01食後に血圧が下がる食後低血圧とは
  2. 02食後低血圧が起こりやすい時間帯
  3. 03食後低血圧の予防法
  4. 04まとめ

食後に血圧が下がる食後低血圧とは

ここがポイント!

  • 高齢者高血圧診療ガイドライン2017によると、食後低血圧は、「食後 2時間以内に、収縮期20 mmHg以上低下する場合」もしくは「食前:収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が100 mmHg以上の場合に、食後:収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が90 mmHg以下になること」と定義されている
  • 食後低血圧の主な症状には、「めまい」「ふらつき」「失神」などがあるが、自覚症状をまったく感じない場合もある
  • 食後は血液が胃腸に集まりやすいため血圧が下がりやすく、高齢者や自律神経が乱れている方は、血圧を維持するコントロールが上手くいかず食後低血圧を起こしやすい

食後低血圧とは

高齢者高血圧診療ガイドライン2017によると、食後低血圧は「食後 2時間以内に収縮期20 mmHg以上の血圧低下」もしくは、「食前:収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が100 mmHg以上の場合に、食後収縮期血圧収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)心臓が縮んで、全身に血液を送り出すときに血管にかかる圧力。血圧を測定した時の最大の値のこと。が90 mmHg以下になること」と定義されています。食後低血圧の主な症状には、食後の「めまい」「ふらつき」「失神」などがありますが、このような自覚症状をまったく感じない場合もあります。また、高血圧が「食後低血圧」を悪化させる可能性があることがわかっており、血圧の高い高齢者はより注意が必要です。

食後低血圧が起こるメカニズム

私たちは、食事をすると消化・吸収のために大量の血液が胃や腸などの臓器に集まってきます。しかし、そのままだと心臓の血液量が減り、血圧が低下してしまうので、心拍を速めたり、血管を収縮させたりして、血圧を一定に維持しています。
ブドウ糖を点滴することで体内に摂取した場合、血圧低下は起こらないと言われています。食事として口から摂取することで消化管から分泌される物質によって、血圧低下が引き起こされると考えられています。また、炭水化物の摂取が最も食後に血圧を低下させると言われています。
しかし、「加齢」や「自律神経の乱れ」などが原因で、このコントロールが上手く働かないと、血圧が下がり過ぎてしまうのです。

食後に血圧を維持出来きず、血圧が低くなりすぎると、脳への血流量が減ってしまいます。これにより脳が酸素不足となり「めまい」「ふらつき」「失神」といった症状が起こるのです。

いきなり意識を失うこともある

低血圧などで「意識障害」を起こして倒れてしまう前には、「目の前が暗くなる・目の前が白くなる」「耳が聞こえづらくなる」「冷や汗をかく」「血の気が引く」「気分不快」「嘔気」などといった症状を、まず始めに感じるとされています。しかし、気がついた時にはもう倒れていた、というケースも少なくありません。
少しでも異変を感じることがあれば、最悪の事態である転倒を回避するために、その場で座ったり、しゃがみこんだりして、落ち着くのを待ちましょう。

食後低血圧は高齢者に多い

食後低血圧は、食事後に下がってしまった血圧を、再び上昇させて、一定に維持出来ないことで起こりますが、高齢の方はこの血圧をコントロールをする機能が弱くなります。
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」によると、高齢の方では食後低血圧の他にも、急に立ち上がった際に血圧が低下する「起立性低血圧起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)寝ている状態では正常の血圧であるが、立ち上がった際に起こる低血圧。ふらつき、めまい、目のかすみなどの症状が現れるため、転倒に注意が必要である。」 の頻度も高くなると記載されています。また、高齢になると、食事の量が減り、あまり食べれない日があることも「低血圧」を起こす要因とされています。

参考

日本高血圧学会|高血圧治療ガイドライン2014
日本老年医学会|高齢者高血圧診療ガイドライン
国立循環器病研究センター|循環器情報サービス
慶應義塾大学病院|KOMPAS
日本循環器学会|失神の診断・治療ガイドライン2012年
あなたに合わせた生活・食事指導で高血圧改善

食後低血圧が起こりやすい時間帯

ここがポイント!

  • 食事を摂った後の2時間以内が食後低血圧が起こりやすい
  • 低血糖の起こりやすさは「病気の有り無し」「服薬」「年齢」などによって個人差はある

食後低血圧に注意が必要な時間帯は、病気の有無、飲んでいる薬、年齢などにより個人差はありますが、食事を摂った後の2時間以内とされています。もし、めまいやふらつきを感じた場合には、無理をせず、横になり、症状が落ち着くまでゆっくりとしましょう。

参考

日本高血圧学会|高血圧治療ガイドライン2014
日本老年医学会|高齢者高血圧診療ガイドライン
消費者庁|冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!

食後低血圧の予防法

ここがポイント!

  • 食前に水分を摂取しよう
  • 炭水化物を食べ過ぎない
  • 食事の回数に気をつけよう
  • カフェインを摂取しよう
  • 食後は急に動かないようにしよう

食後低血圧を予防するために、日常的に気をつけられるポイントを紹介していきます。

食後低血圧予防のポイント

食前に水分を摂取しよう
食事の際に水やお茶などの水分を摂っていますか。しっかりと水分を取ることで、身体中の血液量が増加するため、急激な血圧低下を防ぐことができます。汗をよくかく夏などは、こまめな水分補給をこころがけましょう。
炭水化物を食べ過ぎない
上記で説明したように、炭水化物の摂取が最も食後の血圧低下をおこします。炭水化物は、ご飯、麺類、パン類などに多く含まれています。炭水化物だけではなく、タンパク質や脂肪を食事に加えることで摂取カロリーを上手にコントロールしましょう。
食事の回数に気をつけよう

一回の食事で大量に食べてしまう過食は、一気に血液が胃や腸に集まりやすくなるため、食後低血圧を引き起こしやすくなります。一度にたくさん食べてしまうより、少量を何回かにわけて食べるほうが、食後の血圧低下は少なくなります。規則正しい食生活は、1日3回の食事が推進されていますが、食後の血圧低下が強く現れてしまう方は、間食を追加するなど、食事回数を増やすことも大切です。
カフェインを摂取しよう
コーヒーや緑茶などには「カフェイン」が含まれているが、カフェインは血管を収縮させ一時的に血圧を上昇させる効果があり、食後低血圧の予防が期待されます。
カフェインの健康効果については、コーヒーは◯杯飲むと死亡リスクが下がると研究所が発表をご参照ください。
食後は急に動かないようにしよう
食後は、急に動いたりせず少し休むなど、血圧の急な変動が起こらないようにしましょう。食後低血圧の症状(めまい、たちくらみ)を経験したことがある方などは、食後1時間程度は安静にするように心がけましょう。

食後の血圧の変化を測定してみよう

食後低血圧を起こしているかどうか不安な方は、食前と食後の血圧を測定してみてはいかがでしょうか。食事2時間以内に、食前に比べて血圧が20mmHg以上低下している場合には、食後低血圧の可能性が高いです。また、測定した血圧は必ず記録をつけておきましょう。診察の際に、持参することで今後の治療に役立てることが出来ます。

高血圧の治療薬を服用している人は医師に相談しよう

高血圧患者に対する降圧療法は、食後血圧低下を起こしにくくさせる可能性があると考えられています。しかし、降圧薬のうち「ループ利尿薬」は、食後低血圧を悪化させる可能性があるので注意する必要です。食後にめまいやふらつきを感じることがあれば、主治医に相談するようにしましょう。

参考

日本高血圧学会|高血圧治療ガイドライン2014
日本老年医学会|高齢者高血圧診療ガイドライン
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まとめ

食後低血圧は、高齢者に多く、めまいやふらつきから転倒の恐れもある症状であると解説してきました。食後低血圧が起きているか不安な方は、一度家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。計で、食前と食後の血圧の変化を計ってみるといいでしょう。ただし、血圧はその日の状況など様々な要因で変動するため、1日だけでなくしばらく何日か測定してみて、あまりに血圧の変動が大きい場合や、低血圧を起こしている場合は、主治医に相談すると良いでしょう。

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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