脂肪肝を改善する方法とは|食べ物・飲み物・薬などの改善策を紹介します

脂肪肝は、お酒の飲みすぎだけでなく、食べ過ぎや飲み過ぎなどが原因となる場合もあります。現代は、食生活の欧米化も影響して、肥満になる割合が高くなってくると共に、脂肪肝になる率も上がってきています。肝臓の病気というと、アルコールの飲み過ぎにより発症するイメージもあるかと思いますが、「非アルコール性脂肪肝(NAFL)」というアルコールを原因としない脂肪肝も多くなってきているのです。
ここでは、脂肪肝を悪化させてしまう習慣や、脂肪肝を改善させる方法などについて詳しく解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01脂肪肝とは
  2. 02脂肪肝が体に与える影響
  3. 03脂肪肝の改善方法①食事
  4. 04脂肪肝の改善方法②運動
  5. 05脂肪肝の改善方法③薬
  6. 06お酒をある期間やめると改善する脂肪肝もある
  7. 07まとめ

脂肪肝とは

ここがポイント!

  • 脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が30%以上溜まった状態をいう
  • 消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が上回っていると、余ったエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄えられる

肝臓に中性脂肪が30%以上溜まると脂肪肝と診断される

脂肪肝とは「肝臓に中性脂肪が溜まった状態」をいいます。肝臓には食事から摂取した栄養素を分解し、吸収する働きがあります。通常、食事から摂取した脂質や糖分は分解され、脳や身体のエネルギー源になります。しかし、消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が上回ると、余分なエネルギーは中性脂肪として体に蓄えられてしまうのです。中性脂肪は、肝臓にも蓄えられ、その割合が30%を超えると脂肪肝と診断されます。

脂肪肝の原因はアルコールだけではない

脂肪肝は、アルコール性と非アルコール性のもに分けられます。非アルコール性脂肪肝の原因には、肥満、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病、薬の副作用、栄養障害などがあります。

日本でも多くの人が脂肪肝になっている

脂肪肝は、実際どのくらいの人に発症している病気か知っていますか。日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドラインには、「健康診断や人間ドックを受けた人の約30%もの人に脂肪肝が見つかっている」と記載されています。また、脂肪肝になると「倦怠感」が強くなったり「不眠」といった症状が現れることがあるようです。しかし、ほとんどは自覚症状を感じないため、気づかない間に脂肪肝になってしまう場合が多いです

太った人だけが脂肪肝になるわけではない

肥満体型の方だけが、脂肪肝になるわけではありません。体重が数キロ増加しただけで、中性脂肪が肝臓に溜まる可能性はあります。そのため、見た目は痩せている方でも、体内では
内臓脂肪が溜まっている場合もあるのです。食生活が乱れていないか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 - 日本消化器病学会
慶應義塾大学病院 KOMPAS|非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
厚生労働省e-ヘルスネット|脂肪肝
高血圧症発症チェック

脂肪肝が体に与える影響

ここがポイント!

  • 脂肪肝の多くはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を合併する
  • 中性脂肪の増加や善玉のHDLコレステロールを減少により「動脈硬化」が進行する
  • 脂肪肝を放置していると「肝炎」や「肝硬変」「肝癌」などに進行していくリスクが高くなる

動脈硬化が進行する

脂肪肝は食べ過ぎや脂質の多い食生活が要因となり、肝臓に中性脂肪が溜まると触れましたが、このような生活を続けていると、「動脈硬化」を進行させてしまいます。
脂肪肝の多くはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を合併しており、中性脂肪の増加や善玉のHDLコレステロールを減少させ、血液がドロドロになり血液がスムーズに流れなくなります。そのため、脂肪肝の人は血管の機能が増悪し「心血管疾患」を発症するリスクが高くなることが明らかになっています。

肝硬変や肝臓ガンの原因となる可能性がある

脂肪肝は、単に肝臓に脂肪が蓄積するだけではありません。脂肪肝の中には、アルコールの摂取に関係なく発症する「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」などもあります。これらは、単に肝臓に脂肪が蓄積するだけではなく、やがて炎症や慢性的な肝障害を引き起こします。さらに、肝硬変や肝臓ガンに進行することも明らかになっているのです。

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 - 日本消化器病学会
厚生労働省e-ヘルスネット|脂肪肝
厚生労働省e-ヘルスネット|メタボリックシンドロームのメカニズム(1) 動脈硬化編
慶應義塾大学病院 KOMPAS|非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

脂肪肝の改善方法①食事

ここがポイント!

  • 食べ過ぎを控え「低カロリー」な食事をすることが必要
  • 糖質(炭水化物)、脂質(特に飽和脂肪酸、ω-6脂肪酸、コレステロール)の過剰摂取は脂肪肝を悪化させる
  • 魚類、ω-3脂肪酸、食物繊維は積極的に摂取しましょう

脂肪肝の改善には、体重減少が効果的であることが明らかになっています。ただし、急激に体重を落とすことは、体に悪い影響を与える可能性があります。減量は、1ヶ月に2~3キロ程度を目標にしましょう。

減量のための食事のポイント

<控えた方がいい食事>
・カロリーオーバーな食事メニュー
・糖質(炭水化物)や脂質が多い食事
・甘い清涼飲料水やジュース

特に、飽和脂肪酸(乳製品、肉などの動物性脂肪、パーム油などの植物油脂に多く含まれる)、ω-6脂肪酸(大豆油やコーン油などの植物油に多く含まれる)、コレステロール(卵や動物性脂質に多く含まれる)の摂取は控えることが推奨されています。

<積極的に摂取をした方がいい食事>
・魚類
・ω-3脂肪酸(魚や貝類・甲殻類などに多く含まれる)
・食物繊維(豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれる)

全体の栄養バランスに注意するようにしましょう。食事療法をする際には、主治医や管理栄養士の指導を受け、自分で続けていけるように工夫すると良いでしょう。

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 |日本消化器病学会
農林水産省 脂質による健康影響
厚生労働省e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康
高血圧症発症チェック

脂肪肝の改善方法②運動

ここがポイント!

  • 運動不足は肥満に繋がり、脂肪肝を悪化させる
  • ウォーキングなどの「有酸素運動」を1日30~60分程度、週3~4回行おう
  • 有酸素運動の継続が脂肪肝を改善させることが明らかになっている

日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドラインによると、4週~12週間運動を継続したところ、脂肪肝が改善されたことが記載されています。体重が減らなくても、諦めずに継続して運動を続けていくことが大切です。

また、運動不足は肥満に繋がり、脂肪肝の悪化に繋がります。肥満体型の方は、呼吸器や循環器疾患といった合併症が無ければ、運動を積極的に行うことが重要です。ウォーキングやサイクリングなどの「有酸素運動」を1日30~60分程度、週3~4回のペースで行うように心がけましょう

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 - 日本消化器病学会

脂肪肝の改善方法③薬

ここがポイント!

  • 非アルコール性脂肪肝の治療の基本は、生活習慣の改善
  • 食事や運動で改善されない場合には、補助的に薬物治療を行う場合もある

脂肪肝の発症や進行に影響する糖尿病や脂質異常症、高血圧などがある場合は、まずはそれらの病気の治療をすることが優先されます。食事療法と運動療法が基本ですが、生活習慣の改善を行っても改善されない場合には、補助的に薬物療法が行われる場合もあるようです。

補助的な薬物療法

糖尿病を合併している場合の薬物療法ーチアゾリジン誘導体ー
チアゾリジン誘導体は、インスリン抵抗性改善薬です。短期間の使用でも、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の肝機能を改善させることが明らかになっています。そのため、インスリン抵抗性を合併している非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対して、使用が推奨されています。
脂質異常症を合併している場合の薬物療法
HMG-CoA還元酵素阻害薬・エゼチミブ

非アルコール性脂肪肝で、高コレステロール血症がある人には、「HMG-CoA還元酵素阻害薬」や「エゼチミブ」といった高コレステロール血症治療薬による肝機能の改善効果が期待されます。
高血圧を合併している場合の薬物療法
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)

高血圧を伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の場合には、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)の使用により肝機能と肝組織の改善効果が期待されるため、使用が推奨されている。

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 - 日本消化器病学会
高血圧症発症チェック

お酒をある期間やめると改善する脂肪肝もある

ここがポイント!

  • 習慣的な飲酒は、アルコール性肝障害になる大きな要因
  • アルコール性肝障害になると、食欲不振・だるさ・発熱といった症状がみられる場合がある
  • エタノール換算で「1日に60g以上」お酒を摂取する人は、肝障害になるリスクが上がる

アルコール性肝障害(ALD)

お酒の飲み過ぎが「肝臓」に悪いことはご存知だと思います。確かに、過剰なアルコールの摂取はアルコール性肝障害(ALD)になる要因の一つです。毎日お酒を飲む人、大量のお酒を飲む人は、やがてアルコール性脂肪肝となり、アルコール性肝障害を発症します。

アルコール性肝障害は、進行すると食欲不振・だるさ・発熱といった症状がみられる場合があり、放っておくと「肝硬変」となり、治療も困難になっていきます。アルコール性脂肪肝の段階では、節酒又は断酒などを十分に注意して、生活習慣の改善に取り組めば、脂肪肝は改善することが出来ます。

アルコール摂取量

日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドラインによると、エタノール換算で「男性30g/1日以上」「女性20g/1日以上」の飲酒で、アルコール性肝障害の発症リスクが上がるとされています。
しかし、この目安は全ての人に当てはまるわけではなく、他の病気を併発している人や、遺伝的にアルコールの代謝が悪い人などは、これより少量の飲酒でも肝障害となるリスクが上がるとされています。

参考

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014 - 日本消化器病学会
厚生労働省e-ヘルスネット|アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎
厚生労働省e-ヘルスネット|アルコールと肝臓病
慶應義塾大学病院 KOMPAS|アルコール性肝炎

まとめ

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、炎症などが生じても自覚症状を感じにくい臓器です。特に日常生活に支障が出ていないからと言って、健康診断などで肝臓の数値を指摘されても、何も改善していないという人はいませんか。脂肪肝は単なる肥満というだけではなく、肝炎や肝硬変の発症を引き起こしてしまうため、早期のうちに発症と進行の予防をすることが必要なのです。脂肪肝にならないために、食事や運動といった日々の生活習慣の改善を十分に行うようにしましょう。脂肪肝を早期に発見するためにも、年に一度は健康診断など定期的な検査を受けて、自分の健康状態を把握するようにしましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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