痛風の初期症状とは|痛風発作が現れるメカニズムや対策についても解説

痛風では、どのような初期症状が現れるのでしょうか。痛風は、突然関節部に激しい痛みが生じます。文字通り、風が吹くだけでも痛いと言われており、日常生活にも支障が出てしまう場合もあります。そのため、痛風発作が起こる前に、適切な治療をすることが重要になるのです。
ここでは、痛風に初期症状はあるのか、痛風発作の症状とは、痛風発作が起こってしまった時の対策などについて解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01痛風の初期症状とは
  2. 02痛風発作は足の関節に現れやすい
  3. 03痛風発作の対策とは
  4. 04まとめ

痛風の初期症状とは

ここがポイント!

  • 尿酸値が高い状態が続くほど、痛風発作を発症するリスクが高まる
  • 痛風は、足指などの関節に「尿酸の結晶」が蓄積することで突然激しい痛みや炎症が生じる
  • 痛風発作がまだ起きていない「無症候性高尿酸血症」の段階から、適切な治療を受けることが重要

ここでは、痛風が起こる前に初期症状が現れるのかについて解説していきます。

まずは高尿酸血症を発症する

「痛風」と「高尿酸血症」は、密接な関係があります。なぜなら、痛風は尿酸値が高い状態が続くことで、尿酸の結晶が体内に蓄積することが原因で発症する病気なのです。
高尿酸血症は、生活習慣の乱れや遺伝により、尿酸の産生と排出のバランスが崩れることで発症します。男女ともに尿酸値が「7.0mg/dL」を超えると、高尿酸血症と診断され、治療が必要になります。
高尿酸血症は、自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断などで「尿酸値が高い」と指摘を受けた場合には、早期に生活習慣の改善や治療を行い尿酸値を下げることが重要です。

痛風発作は突然現れる特徴がある

痛風は、関節に「尿酸の結晶」が蓄積することで痛みや炎症が生じる病気です。この、関節炎は突然起こるので「痛風発作」と呼ばれています。痛風発作は、尿酸値が高くなった時のみ現れるわけではありません。関節の温度低下、長時間の運動、血清尿酸値低下作用のある薬剤の使用による急激な尿酸値の低下などがきっかけになる場合もあります。
長年かけて体内に蓄積された尿酸の結晶は、このようなきっかけにより剥がれてしまうことがあります。尿酸の結晶が関節に剥がれ落ちると、体の免疫機能が結晶を異物と認識し、攻撃するために痛みや炎症が起こります。

痛風発作が起こる前段階とは

「高尿酸血症」の期間が長く、尿酸値が高いほど痛風になるリスクが高いことが明らかになっています。高尿酸血症で、痛風発作が起きていない段階を「無症候性高尿酸血症」といいます。この発作が起こる前の段階で、高尿酸血症の治療を行うことが、痛風発作を起こさないために重要なのです。
高尿酸血症の治療を行わず、無症候性高尿酸血症の状態を放置していると、ある日突然、痛風発作が起こります。関節の激痛は7日~10日ほどで収まりますが、症状が落ち着いている時期を「間欠期」といい、この痛風発作と間欠期は繰り返し現れます。

高尿酸血症は腎障害や尿路結石の原因にもなる

高尿酸血症は、痛風の原因になるだけではありません。尿酸の結晶が、腎臓に溜まると腎臓の働きが悪くなる「痛風腎」や「尿路結石」などの原因にもなります。そのため、痛風発作が起きていなくても、尿酸値が「9.0mg/dL以上」の人は薬物治療の開始が検討されます。
尿路結石や腎障害や高血圧などの合併症をすでに発症している人は、尿酸値が「8.0mg/dL以上」で、薬物療法が開始される場合もあります。

参考

高血圧症発症チェック

痛風発作は足の関節に現れやすい

ここがポイント!

  • 痛風発作は、足の親指の付け根に最も現れやすい
  • 足の甲、アキレス腱、肘、膝、手などの関節でも現れる場合がある
  • 痛風を治療せず放置していると、関節周囲だ けでなく皮膚の下にも結晶が浸出し「痛風結節」が出来る

痛風発作は、足の親指(第一中足趾節)に最も現れやすいとされています。また、足の甲、アキレス腱、肘、膝、手などの関節でも現れる場合があります。痛風発作は、激しい痛みや炎症を生じるため、歩行が困難になり、日常生活に支障を来たす場合もあるのです。

高尿酸血症を放置すると痛風結節に繋がる

高尿酸血症や痛風を治療せず放置していると、尿酸の結晶が関節周囲だけでなく、皮膚の下にも蓄積されて「痛風結節」が出来ます。痛風結節は、痛みが生じることはほとんどなく、表面からはやや黄色くみえることがあります。痛みがなければ積極的な治療対象にはなりませんが、大きくなり生活に支障をきたす場合や、結節が神経を圧迫して痛みがでる場合などは、手術で切除する場合もあります。痛風結節が出来ても、血清尿酸値を「6.0mg/dL未満」に維持することで消失し再発が防止出来るとされています。

参考


痛風発作の対策とは

ここがポイント!

  • 痛風発作が起きてしまった場合は、痛みを止めるために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用する
  • 痛風発作の痛みを悪化させないために、患部を安静にする、冷却する、禁酒を行う
  • 痛風を発症していない高尿酸血症の方は、生活習慣の改善を行い尿酸値を下げよう

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

痛風発作が起きてしまった場合は、歩けないほどの痛みが起こり生活にも大きな影響を与えるため、炎症を抑える薬が使用されます。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)には、炎症を抑え、鎮痛・解熱効果があり、痛風の痛みを抑えます。

<痛風関節炎に適応のあるNSAIDs一覧>
一般名 商品名
インドメタシン インデバンSP
ナプロキセン ナイキサン
オキサプロジン アルボ
プラノプロフェン 二フラン

NSAIDが使用できない場合や、効果が出ない場合、多発性に関節炎を生じている場合などには、強力な抗炎症作用がある副腎皮質ステロイドを使用する場合もあります。

痛風発作がある時に、尿酸値を下げる治療は行われない

発作が起こっている時に、尿酸値を変動させると痛みを悪化させる危険があるため、痛風発作がある時に、尿酸値を下げる治療は行われません。発作が収まってから、慎重にコルヒチンや尿酸降下薬による治療が行われます。また、痛風発作の痛みを悪化させないためには、患部を安静にする、冷却する、禁酒を行うことなどが推奨されています。

痛風発作が起こる前の高尿酸血症の治療が重要

尿酸値が高めの方は、痛風発作を起こす前に生活習慣を改善し予防に努めましょう。
特に、日常的にアルコールを多量摂取している人や、砂糖入りのソフトドリンクを好んで飲む人は、高尿酸血症を悪化させるため、控えることが大切です。

他にも、プリン体を多く含む肉類中心の生活や、ジュースや果物を多く食べることによる果糖の過剰摂取、肥満といったことに当てはまる人は、すでに尿酸値が上昇しているかもしれません。痛風発作が起こる前に、生活習慣の改善を十分に行うことで、尿酸値を下げるようにしましょう。

痛風予防については、こちらを【痛風の予防法】尿酸値を下げる食事・運動・薬について徹底解説

参考

  • 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版2010|日本痛風・核酸代謝学会
高血圧症発症チェック

まとめ

痛風発作はある日突然、発症し歩けないほどの激痛を起こします。高尿酸血症はほとんどの場合、痛風発作が起こるまでは自覚症状が現れることはありません。しかし、尿酸値を下げることで、痛風を予防することができます。定期的に健康診断を受け、自分の尿酸値の状態を確認すると良いでしょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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