痛風の痛みを和らげる方法とは|痛みが起きた時の対処法や薬について解説

痛風は、突然に激しい関節の痛みや腫れを生じる病気であり、適切な治療を受けないと痛風発作を繰り返したり、腎機能が悪化したりする場合もあります。痛風の痛みは数日続き、歩行が困難になる場合もあります。ここでは、なぜ痛風は痛みを感じるのか、痛みが起こりやすい部位や起きた時の対処法などを解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01痛風発作で痛みが生じる原因とは
  2. 02痛風の痛みを和らげる薬はあるのか
  3. 03痛風発作の痛みを感じた場合の対処法
  4. 04まとめ

痛風発作で痛みが生じる原因とは

ここがポイント!

  • 痛風発作は、関節内に沈着した尿酸の結晶を、免疫細胞が異物と誤認し攻撃することで、炎症が生じ腫れや痛みを感じる
  • 尿酸値が高くなるに連れて、痛風発作の発症リスクが高まる
  • 痛風発作は、足の親指の第一関節で最も起こりやすい

痛風は、突然に関節に腫れや激しい痛みが生じる病気です。一度、痛風発作が起きると、痛みは数日続き、ひどい場合には歩くことができなくなる方もいます。
ここでは、痛風発作が起こるメカニズムや起こりやすい部位などを解説していきます。

痛風発作が起こるメカニズムとは

痛風は、尿酸値が高い状態が続き、尿酸が結晶化したものが関節や組織内に沈着することが原因で発症します。関節に沈着した結晶を、自己免疫細胞が異物であると誤認し、攻撃してしまうため炎症を起こしてしまうのです。尿酸値が7.0mg/dLを超えると、高くなるに連れて発症リスクが高まることも明らかになっています。##日本では、成人男性の20~25%は高尿酸血症を発症しており、そのうちの1%が痛風を発症しています##。男性にとっては、いつ発症してもおかしく身近な生活習慣病の一つなのです。

痛風発作が起こりやすい部位とは

痛風発作は、足の親指の第一関節に最も起こりやすいです。他には、足首の関節、ひざ関節などでも見られます。痛風発作は、痛みを感じるだけではなく、炎症部位がが赤く腫れ、熱を伴うという特徴もあります。

痛風発作と間違われやすい偽痛風とは

痛風発作に似た症状が現れる病気の一つに「偽痛風(ぎつうふう)」があります。偽痛風も痛風と同じく関節の炎症により痛みを感じますが、原因は尿酸の結晶ではなく「ピロリン酸カルシウム」という物質です。痛風とは治療法が異なるため、レントゲンや関節内の体液検査などで判別が必要な病気です。痛風発作が足の親指の関節に起こりやすいのに対し、偽痛風は、膝や手の関節で発症しやすいとされています。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
KOMPAS|慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
高血圧症発症チェック

痛風の痛みを和らげる薬はあるのか

ここがポイント!

  • 痛風の治療薬は、発作が起きている時に使用する薬と発作が起きそうな時、発作が起きないように予防的に使用する薬の分けられる
  • 痛風発作が起きている場合は、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)を使用する
  • 副腎皮質ステロイド薬は、NSAIDが使用できない場合、NSAIDで改善されない場合、複数の関節に炎症が生じている場合に使用される
  • コルヒチンは、痛風発作が起きそうな時に予防的に使用する

痛風の治療薬は、発作が起きている時に使用する薬と発作が起きそうな時、発作が起きないように予防的に使用する薬の2種類に分けられます。ここでは、痛風の治療薬について解説していきます、

痛風発作が起きている時に使用する薬

非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)
痛風発作が起きている場合は、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)を短期間に多量に投与する「NASIDパルス療法」による治療が行われます。痛風に適応のある非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)には、インドメタシン、ナプロキセン、オキサプロジン、プラノプロフェンという4種類の薬があり、それぞれ投与方法が異なります。

<非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)の投与方法>
一般名 痛風発作に推奨される投与方法
インドメタシン 1日25mgを1日2回、症状により1回37.5mgを1日2回
ナプロキセン 初回400~600mg、その後1回200mを1日3回または300mgを3時間ごとに3回まで
オキサプロジン 常用量400mg、最高量600mg
プラノプロフェン 1回150~225mgを1日3回、翌日から1回75mgを1日3回

適切な投与によって痛風の痛みは、徐々に軽快することが明らかになっています。痛みが軽減すれば、薬は中止できます。しかし、関節の破壊が生じた場合など、炎症が落ち着いても関節痛が残る場合もあります。

腎障害を引き起こす場合がある

非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)は、胃の粘膜の障害、腎障害などを引き起こす可能性があります。また、痛風の方は軽度の腎障害を持っている場合が多く、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)を服用する場合は、医師による診察が必要であり、胃薬を併用するなどの注意が必要になります。

副腎皮質ステロイド
副腎皮質ステロイド薬は、強い抗炎症作用を持っています。非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)が使用できない場合、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)を使用しても痛みが改善されなかった場合、複数の関節に炎症が生じている場合などに処方されます。通常は内服薬ですが、膝や肘関節などに強い炎症を伴う関節炎がある場合には、関節液を排液した後に副腎皮質ステロイド注射を注入する場合もあります。ただし、化膿性関節炎の場合には、注入はしてはならないとされており、正確な診断の元で行う必要があります。

痛風発作が起こりそうな時や予防として使用する薬

コルヒチン
日本では、痛風発作が起きそうな時に少量を用いる方法が一般的です。痛風発作の前兆を感じた際には、1錠(0.5mg)を内服し発作を和らげる方法があります。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版

痛風発作の痛みを感じた場合の対処法

ここがポイント!

  • 痛風発作では激しい痛みが生じるが、冷静を保ち早めに医療機関を受診しよう
  • 患部は冷やして心臓よりも高い位置にすることで症状の改善が期待される
  • 痛風発作が起きている場合には、無理をせず休養し安静にしましょう

冷静を保ちすぐに医療機関を受診しよう

痛風発作は、突然激しい痛みが生じるためパニックになる場合もあります。痛みはとても強いですが、関節炎なので命に関わることはありません。まずは、落ち着いて患部を安静に保ち医療機関を受診することが重要です。痛風発作は、数日で痛みが治りますが、適切な治療を受けないと、再度発作を繰り返したり、痛みが強くなったりします。まずは、落ち着いて行動するようにしましょう。

患部は冷やして安静にしよう

痛風発作が起きた場合には、患部を揉んだりせず、冷やして安静を保つことが重要です。また、心臓よりも高い位置にあげることで、血液が患部に流れにくくなり症状の改善が期待できます。強い痛みが生じている場合には、横になり足を挙上しながら安静にしましょう
高血圧症発症チェック

まとめ

痛風は突然に激しい痛みや腫れが生じる病気です。尿酸値が高いほど、発症リスクが高まりますので、尿酸値が高めの方は生活習慣を改善し予防に努めましょう。また、痛風発作が起きた場合には、冷静を保ち医療機関を受診することが重要です。痛風は、痛みが治っても、尿酸値を低下させる治療を継続的に行わないと再発を繰り返す病気ですので、適切な治療を受けることが重要です。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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