痛風に悪い食べ物とは|プリン体と痛風の関連性から尿酸値を下げる食べ物まで解説

痛風を悪化させる食べ物をご存知でしょうか?痛風は、関節内に尿酸の結晶が沈着することで誘発される関節炎のことをいいます。風が吹くだけでも強い痛みを感じると言われるほど、強烈な痛みを伴います。痛風を改善するためは、食生活を改善することが重要です。ここでは、痛風に悪い食べ物と改善が期待される食べ物を紹介いていきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01痛風を悪化させる食べ物とは
  2. 02アルコールが痛風を悪化させる仕組み
  3. 03痛風を改善する食べ物とは
  4. 04まとめ

痛風を悪化させる食べ物とは

ここがポイント!

  • 痛風の原因となる尿酸は、プリン体が肝臓で代謝される際に作られる
  • プリン体を豊富に含むレバー、イクラ、タラコなど高プリン食は避けることが推奨されている
  • プリン体の摂取は1日400mgを超えないようにする

尿酸はプリン体から作られる

痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで、関節内に尿酸の結晶が沈着し誘発される関節炎のことをいいます。痛風の原因となる「尿酸」は、プリン体が肝臓で代謝される際に作られ、尿中に排泄されます。しかし、尿酸が増えすぎると排出されきれず、血液中に溜まっていき、高尿酸血症を引き起こします。高尿酸血症の状態が続くと、痛風発作を引き起こしやすくなるので、痛風予防では「尿酸」のもととなるプリン体の摂取を控えることがすすめられています

プリン体の働きとは

プリン体は、痛風を引き起こす悪い物質であるというイメージを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、プリン体は生物の細胞の核となる「核酸」の主成分であり、生物が生きるために必要な物質なのです。また、プリン体の3分の2は体内で作られています。食事から摂取するプリン体は、3分の1程度なのです。

プリン体を多く含む食べ物

先ほども解説しましたが、食事から摂取するプリン体は全体の3分の1程度です。しかし、尿酸値が高めの方は、プリン体の過剰摂取をを避けることが推奨されています。
プリン体を多く含む食品を「高プリン食」といい、1日のプリン体の摂取量を400mgを超えないようにすることがすすめられています。レバー、イクラ、タラコなど細胞数が多い食品には、プリン体が多く含まれています。
尿酸値が高い方は、以下の表にあるプリン体の多い食品の摂取には気をつけましょう。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
プリン体|e-ヘルスネット
高血圧症発症チェック

アルコールが痛風を悪化させる仕組み

ここがポイント!

  • アルコールは「尿酸の産生を増加させる」「尿中への尿酸の排出を阻害する」「利尿作用により尿酸が濃縮される」という3つの作用から尿酸値を上げる
  • ビールには100mlあたり、4~6mg程度のプリン体が含まれている
  • アルコール自体の尿酸値を上げる作用に、お酒のプリン体が上乗せされることで、より尿酸値が上がりやすくなる
  • アルコールの摂取量が多いほど、痛風の発症リスクが高くなる

プリン体の他にも摂取に気を付けたいのが「アルコール」です。
ビールには、プリン体が比較的多く含まれていることは有名ですが、実はアルコール自体にも尿酸値を上げてしまう作用があるのです。ここでは、なぜアルコールで痛風が悪化してしまうのかを解説します。

お酒にはどのくらいのプリン体が含まれているのか

前の章で、プリン体の1日の摂取量を400mgを超えないようにしましょうと解説しました。商品によって異なりますが、ビールには100mlあたり4~6 mg程度のプリン体が含まれているようです。このように、実はお酒にはそれほど多くのプリン体は含まれていないのです。一緒に食べるおつまみに含まれるプリン体やアルコール自体の作用の方が、尿酸値を上げる原因になっている場合もあるのです。

アルコールが尿酸値をあげる3つの理由とは

アルコールには、「尿酸の産生を増加させる」「尿中への尿酸の排出を阻害する」「利尿作用により尿酸が濃縮される」という3つの作用があります。これらアルコール自体の作用に、ビールや焼酎などお酒に含まれるプリン体が上乗せされることで、さらに尿酸値が上がってしまうのです。

ビールや焼酎の多量摂取が痛風の発症率を上げる

2004年、米国でChoiらは、痛風を発症していない男性4万7,150人を対象に12年間追跡調査をした結果を発表しました。結果として、730人が痛風を発症し、発症リスクには食生活や飲酒が関係していることが明らかになりました。
アルコールに関しては、アルコール摂取量が多いほど痛風の発症リスクも高くなり、さらに、ビールでは1.5倍、スピリッツでは1.2倍発症リスクが高まるという結果が報告されました。このように、痛風を予防するためには、アルコールを控えることが重要なのです。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
アルコールと痛風 |e-ヘルスネット

痛風を改善する食べ物とは

ここがポイント!

  • コーヒーの摂取量が多いほど、痛風の発症リスクが低い
  • 乳製品を摂取している人の方が、痛風の発症リスクが低い
  • アルカリ性食品を摂取し、尿を中和することで、尿酸が溶けやすく排出されやすくなる
  • 尿量を増やし、尿酸の排出量を増やすために十分な水分摂取が推奨されている

プリン体を多く含む食品やお酒は、尿酸値を上げて痛風の発症リスクを高めることが明らかになっています。一方で、摂取することで尿酸値を下げる効果が期待されている食品もあります。ここでは、それらの食品について解説していきます。

コーヒー

2007年に米国でChoiらは、4万5,869人の痛風を発症していない男性を対象に、12年間追跡調査した結果を発表しました。
12年間で737人が痛風を発症しましたが、痛風発症リスクを「コーヒーを飲まないグループ」と「コーヒーを1日に一定量飲むグループ」で比較したところ、コーヒーの1日の摂取量が「1杯未満は、1.0倍」「1〜3杯は、0.9倍」「4〜5杯は、0.6倍」「6杯以上は、0.4倍」痛風発症リスクが下がることが明らかになったのです。
つまり、コーヒーを全く飲まな人よりも、コーヒーを日常的に飲んでいる人の方が痛風を発症する可能性が低いことが示されました。

乳製品

乳製品は、タンパク質が豊富でプリン体も少ない食品の一つです。前の章で触れた2004年のChoiらの追跡調査の結果では、乳製品が摂取量が多いグループは少ないグループに比べて、痛風発症リスクが0.6倍と低くなることが明らかになっています。
尿酸値が高い方は、牛乳やヨーグルトなど乳製品を意識して摂取してはいかがでしょうか。ただし、乳製品は脂肪分が多いため、無糖や無脂肪などの商品を選ぶように心がけましょう。

アルカリ性の食品

尿酸は、尿中へ排出されますが、尿が酸性に傾いていると尿に溶けにくくなり、結晶ができやすくなってしまいます。アルカリ性の食品を摂取することで、尿が中和され、尿酸が溶けやすく排出されやすくなるのです。
アルカリ性の食品は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルを豊富に含んでいる食品です。海藻類、野菜類、きのこ、果物などを意識して摂取しましょう。ただし、果物は糖質が高いものが多いので、注意しましょう。

十分な水分摂取をしよう

尿酸は、体内で作られると尿中へ排出されます。そのため、水分を十分に摂取し尿量を増やすことで、尿酸の排出も増やすことができるのです。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版では、「尿量を1日あたり2,000mL以上確保することを目標とする」と記載されています。尿酸値が高い方は、意識して水分を摂取するようにしましょう。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
高血圧症発症チェック

まとめ

痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで発症リスクが高まります。そのため、尿酸のもとになるプリン体を豊富に含んでいる食品や、尿酸値を上げる作用があるアルコールの摂取を控えることが重要です。また、コーヒーや乳製品、アルカリ性食品の摂取では、痛風の発症リスクを下げられる可能性がありますので、尿酸値が気になる方は意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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