痛風とアルコールの関連性とは|アルコールが尿酸値を上げる仕組みを解説します

ビールは、尿酸値を上げるイメージをお持ちではないでしょうか。実際に、お酒の中でもビールには多くのプリン体が含まれています。また、アルコール自体にも尿酸値を上げる作用があるため、摂取量が増えるほど尿酸値が高くなるとされています。ここでは、アルコールと痛風の関連性について解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01アルコールが尿酸値をあげる仕組みとは
  2. 02痛風になったらアルコールは飲めないのか
  3. 03アルコール摂取量が多いほど痛風の発症リスクが高まる
  4. 04まとめ

アルコールが尿酸値をあげる仕組みとは

ここがポイント!

  • アルコールにはプリン体が含まれているが、高プリン食品に比べると少ない
  • アルコールは「尿酸産生の増加」「尿酸の排出の阻害」「利尿作用による尿酸の濃縮」という3つの働きにより尿酸値を上げる
  • アルコールの過度な摂取は、痛風と関連性の強いメタボリックシンドロームの原因にもなる

尿酸値が高い方は、アルコールを控えることが推奨されています。
ここでは、アルコールと痛風の関連性について解説します。

アルコールには尿酸値をあげる作用がある

お酒には、尿酸のもとになる「プリン体」が含まれています。お酒の中でも、特にビールには比較的多くのプリン体が含まれているため、尿酸値が高めの方は控えることが推奨されています。しかし、お酒に含まれるプリン体は、高プリン食品に比べると意外に少ないのです。
それでは、なぜお酒が痛風の原因となるのでしょうか。実は、アルコール自体に尿酸値をあげる作用があるのです。そのため、アルコール自体の作用にプリン体が上乗せされることで、より尿酸値が上がりやすくなってしまうのです。

アルコールが尿酸値をあげる3つの作用

アルコールを摂取すると、体内の尿酸値が上がることがわかっています。
アルコールには、尿酸の産生を増加させる働きがあります。また、尿酸の尿中への排出を阻害する働きや利尿作用により尿酸が濃縮されるため、尿酸値が上がりやすくなります。これらの作用に加えて、お酒に含まれるプリン体も尿酸値の上昇の原因になります。

アルコールの過度な摂取は肥満にも繋がる

痛風の発症には、メタボリックシンドロームが関連していることが明らかになっています。メタボリックシンドロームの診断基準に、高尿酸血症は含まれていませんが、メボタリックシンドロームの方は高尿酸血症・痛風を発症している場合が比較的多く見られます。アルコールの過度な摂取は、メタボリックシンドロームの原因にもなりますので、控えることが推奨されています。

参考

アルコールと痛風|e-ヘルスネット
高血圧症発症チェック

痛風になったらアルコールは飲めないのか

ここがポイント!

  • お酒は飲まないことが最も効果的であり、アルコール量が増えるほど痛風の発症リスクは上がる
  • ただしお酒に含まれるプリン体は、高プリン食品に比べると少なく、少量であれば楽しむことはできる
  • 高尿酸血症・痛風治療ガイドラインでは、1日のプリン体摂取量が400mgを超えないようにすることが推奨されている
  • 健康日本21では、節度ある適度な摂取は1日純アルコール20g程度と定めている

アルコールに含まれるプリン体の量とは

お酒は種類や商品によって、含まれているプリン体の量が異なります。
ここでは、お酒の種類別に含まれるプリン体の目安量を紹介します。

<お酒に含まれるプリン体の含有量>
種類 プリン体(100mlあたり)
ビール 3.3~8.4mg
地ビール 4.6~16.7mg
発泡酒 2.8~3.6mg
ウイスキー 0.1mg
焼酎(25%) 0mg
梅酒 0.2mg
ワイン 0.4~1.6mg

上記のように、お酒にはプリン体が豊富に含まれていますが、高プリン食品である、レバーや白子には100gあたり300mg程のプリン体が含まれています。それらと比べるとお酒に含まれるプリン体は、意外に少ないことがわかります。もちろん、お酒は控えた方が尿酸値を下げるためには効果的ですが、少量であればお酒を楽しむことも可能なのです。
ですから、プリン体含まれる量が少ないからと行って多量に飲酒したり、おつまみで高プリン食品を摂取したりすると、尿酸値は上がってしまうので気をつけましょう。また、アルコールも比較的プリン体が少ないものを選ぶと良いでしょう。

アルコールはどの程度摂取しても良いのか

尿酸値を上げないためには、お酒は飲まないことが最も効果的です。そのため、どの程度まで飲んでも良いという基準はありません。アルコール量が少ないほど、尿酸値は上がりにくくなります。高尿酸血症・痛風治療ガイドラインでは、1日のプリン体摂取量は400mgを超えないようにすることが推奨されているため、食事も含め基準を超えないように注意しましょう。

節度ある適度な摂取は1日純アルコール20g程度である

厚生労働省は「健康日本21」において、節度ある適度な飲酒を「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」と定義しています。アルコール量20gは、お酒で例えると、「ビール:中ビン1本」「日本酒:1合」「チュウハイ(7%):350mL缶1本」「ウィスキーダブル:1杯」に相当します。お酒を飲む際には、生活習慣病予防のためにも節度ある飲酒を心がけましょう。

参考

高尿酸血症・痛風ガイドライン第2版

アルコール摂取量が多いほど痛風の発症リスクが高まる

ここがポイント!

  • アルコール摂取量が多い集団ほど痛風の発症リスクが高まる
  • お酒の種類で比べると、ビールは1.5倍、スピリッツは1.2倍発症リスクが高いという研究結果もある

アルコールには、尿酸値を上げる作用があることを解説してきました。実際に、2014年にChoiらにより、痛風を発症していない男性4万7,150人を対象に12年間、生活習慣と痛風の関連性を追跡した研究結果によると、アルコール摂取量が多い集団ほど痛風の発症リスクが高まることが明らかになりました。また、お酒の種類で比べると、ビールは1.5倍、スピリッツは1.2倍発症リスクが高いこともわかりました。

参考

高尿酸血症・痛風ガイドライン第2版
高血圧症発症チェック

まとめ

お酒にはプリン体が含まれているだけでなく、アルコール自体にも尿酸値を上げる作用があります。そのため、アルコールの摂取量が多いほど、痛風の発症リスクが高まることも明らかになっています。そのため、尿酸値を下げるためには、お酒を全く飲まないことが効果的です。しかし、どうしてもお酒を飲みたい場合には、種類や量、一緒に食べるおつまみに十分注意して、上手に付き合っていくようにしましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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