痛風でもビールを飲んで良いのか|お酒は種類よりも量に注意しよう

痛風になったら、ビールを飲むことはできないのでしょうか。
もちろん、ビールは酒類の中でもプリン体を多く含むため、飲まないことが最も良いです。しかし、お酒が好きな方は禁酒することが難しい場合もあります。確かにビールはプリン体を多く含んでいますが、高プリン体食品に比べれると含有量は意外に少ないのです。ですから、ビールも種類や量に気をつければ、楽しむことは可能です。
ここでは、ビールに含まれるプリン体の量や飲む際の注意点などを解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01痛風にビールはなぜ悪いのか
  2. 02アルコールは種類より量に気をつけよう
  3. 03「プリン体0」のビールも販売されている
  4. 04まとめ

痛風にビールはなぜ悪いのか

ここがポイント!

  • ビールには、他の酒類に比べると尿酸のもとになるプリン体が多く含まれている
  • ビールに含まれるプリン体は、100mLあたり3.3~8.4mg程度、地ビールで4.6~16.7mgである

プリン体の過剰摂取は痛風の発症リスクを高める

痛風は、高尿酸血症により尿酸が関節内に溜まっていき、結晶化することで生じる関節炎です。尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と診断され、尿酸値が高くなるほど痛風の発症リスクが高まるとされています。
尿酸は、プリン体が体内で代謝される際に作られる物質であり、通常は尿中に排出されますが、量が増えると排出しきれずに血液中に増加してしまうのです。そのため、痛風の発症や悪化防止のために、プリン体の過剰摂取は控えることが推奨されています。

ビールにはプリン体が多く含まれている

ビールは、酒類の中でもプリン体が多く含まれています。
ここでは、お酒にどの程度のプリン体が含まれているのか紹介します。

<お酒に含まれるプリン体の含有量>
種類 プリン体(100mlあたり)
ビール 3.3~8.4mg
地ビール 4.6~16.7mg
発泡酒 2.8~3.6mg
ウイスキー 0.1mg
焼酎(25%) 0mg
梅酒 0.2mg
ワイン 0.4~1.6mg

上の表のように、ビールは他の酒類に比べてプリン体が多いことがわかります。また、ビールもメーカーや種類の違いによって、プリン体の含有量には差があります。特に、地ビールは多いものでプリン体を100mLあたり16mg程度も含んでいる商品もあるようです。

参考

痛風・高尿酸血症ガイドライン第2版
高血圧症発症チェック

アルコールは種類より量に気をつけよう

ここがポイント!

  • 高プリン体食品と比較すると、ビールに含まれるプリン体はそれほど多くない
  • 高プリン体食品は、100gあたりプリン体を200mg以上含むものをいい、動物の内臓や魚の干物などがある
  • アルコール自体にも尿酸値を上げる作用があるため、お酒は種類よりも量に気をつける必要がある
  • 痛風の発症や悪化防止には、禁酒が最も効果的である

お酒に含まれるプリン体はそれほど多くない

前の章で、ビールにはプリン体が多く含まれていると紹介しました。しかし、ビールは酒類で比較すると多いですが、プリン体を多く含む食品と比べるとそれほど多量に含まれている訳ではないのです。100gあたりプリン体を200mg以上含む食品は、「高プリン体食品」と呼ばれており、動物の内臓や魚の干物などに多いです。特に、鶏レバー、イサキ白子、マイワシ干物、あんこう酒蒸しは100gあたり300mg以上ものプリン体が含まれています。ビールに含まれるプリン体は、100mLあたり3~8mg程度ですから、缶ビールを1本飲んでも10~30mg程度しか含まれていないのです。

お酒を飲む際は種類よりも量に気をつけよう

ビールに含まれるプリン体の量は、食品と比べると比較的低いことが理解していただけたでしょうか。お酒は「ビールを飲まない」と種類で制限するよりも、量を制限する方が効果的です。実は、アルコール自体にも尿酸値を上げる作用があるのです。そのため、プリン体が少ない酒類を選んでも、多量に飲んでいては、尿酸値が上がってしまいます。お酒の飲む際には、種類よりも量に気をつけるようにしましょう。
もちろん、痛風の発症や悪化防止には、もちろんお酒を飲まないことが最も効果的です。お酒を多量に飲まれる方は、少しずつでも良いので量を減らしていきましょう。

痛風とアルコールの関連性について詳しくは痛風とアルコールの関連性とは|アルコールが尿酸値を上げる仕組みを解説しますをご参照ください。

参考

痛風・高尿酸血症ガイドライン第2版

「プリン体0」のビールも販売されている

ここがポイント!

  • ビールには、「プリン体0」と表示されている商品も販売されている
  • プリン体0と表示されていても、プリン体が全く含まれていないわけではない
  • 糖質やプリン体0と表示されている商品の中には、人工甘味料や添加物が多く含まれているものがあるため注意しよう

プリン体0と表示されていてもプリン体は含まれている

プリン体を多く含むビールですが、「プリン体0」と表記されている商品も複数の飲料メーカーから販売されています。プリン体0と表示されていますが、全くプリン体が含まれていないわけではありません。消費者庁が定める「栄養表示基準」では、含有量が100mlLあたり0.5mg未満あれば、プリン体0と表示しても良いとされています。そのため、プリン体0と表示されている商品であっても、少量のプリン体が含まれていることがあります。

プリン体0の商品

糖質やプリン体が含まれていない商品は、一見、健康に良さそうに見えます。しかし、糖質やプリン体を含まない分、人工甘味料や添加物を含んでいる商品もあります。人工甘味料は、種類によっては摂取によって健康に影響を及ぼすことが危惧されています。また、プリン体の量は少なくても、アルコールは含まれていますので、摂取には注意が必要です。
前の章でも解説しましたが、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があるため、お酒は種類よりも量に注意しましょう。また、おつまみには高プリン食品が多いので、一緒に食べる食事についても気をつけましょう。

参考

痛風・高尿酸血症ガイドライン第2版
健康や栄養に関する表示の制度について|消費者庁
高血圧症発症チェック

まとめ

ビールは、酒類の中でもプリン体が多く含まれています。尿酸は、プリン体が体内で代謝される際に作られる物質なので、痛風の発症や悪化防止にはプリン体を控えることが重要です。ビールに含まれるプリン体は、高プリン体食品に比べると少ないですが、アルコール自体にも尿酸値を上げる作用がありますので、お酒を飲む際は種類よりも量やおつまみに注意が必要です。
もちろん、お酒は飲まないことが最も効果的です。お酒好きな方は、少しずつ量を減らすように意識することから始めてみてはいかがでしょうか。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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