牛乳は痛風予防に効果的なのか|尿酸値が上がる原因や乳製品を選ぶポイントとは

牛乳には、痛風予防の効果が期待されていることをご存知でしょうか。痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで発症リスクが高まる病気であるため、尿酸値を下げることが最も予防に効果的です。実は、牛乳を含む乳製品には、尿酸値を下げる効果が期待されているのです。ここでは、牛乳には本当に痛風予防効果があるのか、どのくらいの量を飲めば良いのかなどを解説します。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01高尿酸血症には3つのタイプがある
  2. 02肥満も尿酸値を上げる原因になる
  3. 03牛乳は痛風予防に効果があるのか
  4. 04まとめ

高尿酸血症には3つのタイプがある

ここがポイント!

  • 痛風は、尿酸値が高い状態が続き、尿酸の結晶が関節内に沈着することで生じる炎症
  • 高尿酸血症は「尿酸産生過剰型」「尿酸排泄低下型」「混合型」の大きく3つに分けられる
  • 治療中にタイプが変化する場合があり、尿酸排泄低下型に尿酸産生過剰型の要因が加わることが比較的多い

尿酸はプリン体が代謝される際に作られる物質

痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで、関節内に尿酸の結晶が沈着し、炎症が起こることで発症します。尿酸は、プリン体が体内で代謝される際に産生される物質です。私たちの体には、通常約1,200mgの尿酸プールがあり、1日700mgの尿酸が作られています。このうち、約500mgは尿中に排出され、残りの約200mgは汗や消化液などとして排出されています。

高尿酸血症の3つのタイプとは

尿酸値が7.0mg/dLを超えると、男女ともに「高尿酸血症」と診断されます。尿酸値が高くなるタイプは「尿酸産生過剰型」「尿酸排泄低下型」「混合型」の大きく3つに分けられています。これらのタイプは治療中に変化することも知られており、尿酸排泄低下型に尿酸産生過剰型の要因が加わることが比較的多いです。そのため、治療効果が弱まっている場合には、2週間ほど薬を中断し、タイプに変化がないか確認する場合もあります。

参考

  • 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版

高血圧症発症チェック

肥満も尿酸値を上げる原因になる

ここがポイント!

  • 肥満の方は、尿酸の産生が増えたり、排出が減ったりするため尿酸値が上がりやすい
  • 高尿酸血症で肥満体型の方は、減量が効果的である

尿酸は、プリン体が代謝される際に作られるため、プリン体の取りすぎが尿酸値の上昇に深く関係していることは広く知られています。

しかし、尿酸値が上がる原因は「プリン体」だけではありません。高尿酸血症の方は、肥満体型が比較的多く、その理由として、内臓脂肪が増えるとインスリンの尿酸の産生が増えたり、インスリン抵抗性により尿酸の排出が低下したりするため、尿酸値が上がりやすいと考えられています。そのため、肥満体型の方が尿酸値を下げたい場合には、減量が効果的です。

参考

  • 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版

牛乳は痛風予防に効果があるのか

ここがポイント!

  • 乳製品には、尿酸の排出を増やす効果があると考えられている
  • 牛乳は、低脂肪のものを1日200ml程度取ることがおすすめ

痛風を予防するには、尿酸値を下げる必要があります。乳製品には、尿酸の排出を増やす効果があると考えられています。

2014年に発表された、Choiらによる、4万7140人の痛風を発症していない男性を対象に12年間追跡調査した結果によると、乳製品の摂取量が多い集団は少ない集団に比べて、痛風の発症率が0.6倍だったことがわかりました。
このように、乳製品の摂取は痛風予防の効果が期待できるのです。

牛乳はどのくらいの量を飲めば良いのか

牛乳は、脂肪分が多く含まれています。痛風予防効果があるからと、脂肪分が豊富に含まれた牛乳を多量に飲んでいては、かえって肥満に繋がってしまいます。

牛乳を選ぶ際には、無脂肪や低脂肪の商品を選ぶようにしましょう。また、厚生労働省の食事バランスガイドによると、乳製品の1日の推奨摂取量は、牛乳で200ml程度とされています。ですから、脂肪分の少ない牛乳を1日200ml程度取ることを意識すると良いかもしれません。

参考


高血圧症発症チェック

まとめ

痛風は、尿酸値が高い状態が続くほど発症リスクが上がります。そのため、痛風の予防には尿酸値を下げることが必要です。乳製品には、尿酸の排出を促し、尿酸値を下げる効果が期待されています。牛乳は、日々の生活にも取り入れやすくカルシウムも豊富ですので、意識して摂取してみてはいかがでしょうか。ただし、脂肪分が高いものや飲み過ぎには注意が必要です。バランスの良い食事を心がけ、痛風予防に努めていきましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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