中性脂肪とは|脂肪の役割から増えることによる体への影響までを解説

中性脂肪は、一般的な「脂肪」をいいます。食べ物から摂取した脂肪は、体脂肪として体内に蓄えられます。食べ過ぎや運動不足により、体内に過剰に脂肪が蓄えられた状態が肥満です。ここでは、そもそも中性脂肪とは何か、内臓脂肪と皮下脂肪の違いなどについて解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01中性脂肪とは
  2. 02中性脂肪は血液検査で調べられる
  3. 03中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる
  4. 04まとめ

中性脂肪とは

ここがポイント!

  • 中性脂肪は、食品や油の脂質や体脂肪などの大部分を占める「脂肪」である
  • 中性脂肪を摂りすぎると、体に脂肪が蓄積し肥満に繋がる
  • 中性脂肪は血液検査で調べることができ、基準値は50~150mg/dLとされている

生活習慣病の主な原因の一つに「肥満」があります。
食べ過ぎや運動不足を続けることで、次第に体内に脂肪が蓄積し、体重が増えてしまうのです。ここでは、体に溜まる脂肪の種類や脂肪の役割などについて解説します。

中性脂肪は一般的な「脂肪」のこと

中性脂肪は、一般的に「脂肪」と呼ばれている物質です。肉や魚、食用油などの脂質や体脂肪のほとんどを占めています。中性脂肪のとりすぎると、体に脂肪が蓄積し肥満に繋がります。しかし、中性脂肪自体は、生きていくために必要なエネルギー源であり、他の栄養素と合わせてバランスよく摂取することが重要です。

脂肪の役割とは

脂肪は増えすぎると肥満になり、生活習慣病のリスクを高めることから悪者のイメージをお持ちではないでしょうか。しかし、体脂肪は細胞やホルモンの構成に欠かせません。また、体温を保ったり、外傷から体を守ったりする役割もあります。ですから、過度なダイエットによる痩せ体型になることで、体のバランスが崩れてしまう方もいるのです。特に、若い女性は痩せすぎにより月経異常を引き起こす場合もあるので注意しましょう。

参考


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中性脂肪は血液検査で調べられる

ここがポイント!

  • 中性脂肪は血液検査で調べることができる
  • 中性脂肪の基準値は50~150mg/dL未満されており、高いほど生活習慣病や動脈硬化のリスクが高まる
  • 中性脂肪が低すぎる場合には、栄養障害、吸収不良が生じていたり、甲状腺機能亢進症や肝硬変などの病気を発症していたりする可能性もある

中性脂肪は、食事を摂取すると小腸で吸収されて血液に入り、エネルギー源として使用されます。そのため、中性脂肪の値は血液検査で調べることができるのです。生活習慣病の重要な指標となるため、一般的な健康診断の検査項目に入っています。

中性脂肪の基準値とは

中性脂肪の基準値は「50~150mg/dL」とされています。
中性脂肪が基準値よりも高い場合には、高中性脂肪症と診断されます。中性脂肪が高いことによる体への影響は次の章で詳しく解説します。

中性脂肪が低すぎる場合には病気が隠れている場合もある

中性脂肪は増えすぎると、生活習慣病のリスクを高めます。しかし、中性脂肪は生きるために必要なエネルギー源ですので、低すぎる場合も注意が必要です。
中性脂肪が低値の場合には、栄養障害や吸収不良などが生じている可能性があります。また、甲状腺機能亢進症、肝硬変などの病気では、コレステロールと中性脂肪が低下する特徴があります。
このように、中性脂肪が低すぎる場合には、体に異常が生じている場合もありますので、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

参考

中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる

ここがポイント!

  • 中性脂肪は、体内の脂肪細胞に蓄えられる
  • 脂肪は、腹腔内の腸間膜に蓄えられる「内臓脂肪」と皮下組織の下に蓄えられる「皮下脂肪」に分けられる
  • 内臓脂肪の増加は、生活習慣病の発症リスクを高めることが明らかになっている

食事により摂取された脂質は、肝臓で中性脂肪に合成されます。
中性脂肪は、小腸で吸収されると血液中に入り、体中の脂肪細胞に蓄えられるのです。脂肪は蓄えられる場所によって、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分けられます。
内臓脂肪
内臓脂肪は、腹腔内の腸間膜に蓄えられた脂肪です。
内臓脂肪型肥満の場合は、お腹がぽっこりと出た体型が特徴で「りんご型肥満」とも呼ばれ、男性に多いです。皮下脂肪に比べ、食事や運動などで落としやすいとされています。BMI25以下で、見た目は太っていなくても、蓄積している場合があり注意が必要です。
皮下脂肪
皮下脂肪は、皮下組織の下に蓄えられた脂肪です。下半身に脂肪がつきやすく「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。女性に多く、特に授乳期には皮下脂肪がつきやすいとされています。皮下脂肪は、一度体に蓄えられると減らしにくいという特徴がありますが、動脈硬化の進行には関与しておらず、内臓脂肪に比べると体への影響は少ないです。しかし、皮下脂肪が増えることで体重が増加し、関節痛や睡眠時無呼吸症候群などの要因となるので、注意が必要です。

内臓脂肪は動脈硬化を進行させる

内臓脂肪が多いほど、動脈硬化を進行させたり、生活習慣病の発症リスクを高めることが明らかになっています。
2014年に厚生労働省内臓脂肪研究班は、全国人間ドッグ施設で12,443人(男性:10.080人、女性:2,263人)を対象に、「内臓脂肪の面積」と「心臓血管病の危険因子である高血圧、脂質異常、高血糖」の関係を解析した研究結果を発表しました。結果として、危険因子の平均合併数は内臓脂肪とともに増加するが、皮下脂肪の増加では増加が見られないことが分かりました。

このように、中性脂肪は生きるために必要なエネルギー源ではありますが、取りすぎると内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられ、生活習慣病の要因となります。肥満体型の方は、健康を維持するためにも体脂肪を減らすことが重要なのです。

参考

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まとめ

中性脂肪は、食品に含まれる脂質や体脂肪などの大部分を占める「脂肪」のことです。脂肪自体は生きるために必要なエネルギー源ですが、中性脂肪は増えすぎると内臓脂肪や皮下脂肪として体内に蓄えられます。男性に多い、内臓脂肪型肥満は動脈硬化を進行させたり、生活習慣病の発症リスクを高めたりすることが明らかになっています。中性脂肪は、血液検査で調べることができるので、数値が基準値よりも高い場合には、生活習慣を改善したり、医療機関に相談しましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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