中性脂肪を下げる食事法とは|下げる必要性や日常生活で気をつけられるポイントを解説します

なぜ、中性脂肪は増えるすぎると体に悪いのでしょうか。実は、中性脂肪が増えると悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化を進行させることがわかっているのです。ですから、中性脂肪が基準値よりも高い方は、食生活を改善させ、低下させる必要があります。
ここでは、中性脂肪を改善するための食事のポイントや治療薬はあるのかなどについて解説していきます

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01なぜ中性脂肪は下げる必要があるのか
  2. 02中性脂肪を下げるため食事法とは
  3. 03中性脂肪を低下させる薬とは
  4. 04まとめ

なぜ中性脂肪は下げる必要があるのか

ここがポイント!

  • 中性脂肪が増えると、「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」が増え、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」が減ってしまう
  • LDLコレステロールが増えるとプラークを形成し、アテローム動脈硬化を引き起こす
  • HDLコレステロールは、増えすぎたLDLコレステロールを回収し肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を抑制する

中性脂肪は悪玉コレステロールを増加させる

中性脂肪が増えすぎると、悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」を増やし、善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール」を減らしてしまいます。悪玉コレステロールが増えると、動脈硬化が進行し、命に関わる合併症を発症する可能性があります。そのため、中性脂肪が基準値を超えている方は、生活習慣を改善し、中性脂肪を下げることが重要なのです。

中性脂肪は生きるために必要な役割もある

中性脂肪は、ある程度下げる必要はありますが、生きるためには必要な役割もあります。中性脂肪は、単に脂肪と呼ばれることもあり、体脂肪を構成し体温の調節や内臓を守るためのクッション材の役割も果たしています。

LDLコレステロールが動脈硬化を進行させる仕組み

動脈硬化には、大動脈など太い動脈にプラークを形成する「アテローム動脈硬化」があります。このプラークを主に形成しているのが血液中の「LDLコレステロール」なのです。プラークができて血管が狭くなると、狭心症を引き起こします。また、プラークの一部が剥がれると血栓となり、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなるのです。つまり、LDLコレステロールが多いほど、プラークが形成されやすくなるのです。

HDLコレステロールは動脈硬化を抑える

善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールには、増えすぎたコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあります。コレステロールという名前から、悪者と勘違いされる場合もありますが、HDLコレステロールは動脈硬化を抑制する働きがあるのです。

参考


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中性脂肪を下げるため食事法とは

ここがポイント!

  • 中性脂肪のもととなる脂質や糖質の摂取を控える
  • 自分の標準体重を知り、維持しよう
  • 食事の際には、脂質や糖質の吸収を抑える食物繊維から摂取する
  • 過度なアルコールの摂取は、中性脂肪やLDLコレステロールを増加させるため、節酒を心がける(1日平均純アルコール20g程度)

中性脂肪が増えるのは、消費エネルギーよりも食べ物から摂取したエネルギーの方が多いためです。そのため、中性脂肪を下げるためには食生活の改善が最も重要です。ここでは、中性脂肪を下げるための食事法を紹介していきます。

脂質や糖質が多い食べ物控えよう

脂質や糖質は、中性脂肪のもとになるので、必要以上の摂取は控えましょう。糖質は、1日に必要なエネルギーのうち60%を目安に摂取することが推奨されていましたが、最近では45~50%程度に抑えた方が、糖・脂質代謝改善に効果があるという報告もされています。果物、お菓子、ジュースには、糖質が豊富に含まれているため注意しましょう。

標準体重を保つよう心がける

中性脂肪を増やさないためには、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスを保つことが重要です。食べ過ぎや太り過ぎの方は、最も病気になりにくいとされている「標準体重(BMI22)」を維持することができる食事量に変えてみましょう。標準体重は身長(m)×身長(m)×22で求めることができます。

また、適正エネルギー量は、1日の適正エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×25~30(kcal/kg)で計算できますので、食生活を見直す参考にしてみてはいかがでしょうか。

食事の際は食物繊維を策に摂取しよう

食物繊維は、野菜、きのこ、海藻などに多く含まれています。食物繊維を先に摂取することで、後から食べた糖質が腸に運ばれるのを遅らせるだけでなく、糖質や脂質の吸収を抑える働きもあります。そのため、血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。食事の際は、サラダから食べるように心がけましょう。

お酒の飲み過ぎは要注意

アルコールの過剰摂取は、中性脂肪やLDLコレステロールを増やすことが明らかになっています。お酒を飲む量を減らすように心がけましょう。厚生労働省は、「節度ある適度な飲酒」を1日平均純アルコールで20g程度と定めています。これは、日本人を対象としたアルコール摂取量と総死亡率の関係を調べた大規模な研究から割り出された数値です。
純アルコール20gの目安量

参考

中性脂肪を低下させる薬とは

ここがポイント!

  • 中性脂肪が高い場合には、脂質異常症と診断される
  • 脂質異常症の治療の基本は、運動・食事などの生活習慣の改善である
  • 生活習慣の改善を十分に行っても効果が得られなかった場合には、中性脂肪やコレステロールを減らす薬が処方される場合がある


中性脂肪が基準値より高い場合には「脂質異常症」と診断されます。
脂質異常症には、「LDLコレステロールが多いタイプ」「HDLコレステロールが少ないタイプ」「中性脂肪が多いタイプ」の3つがあります。

<脂質異常症の3つのタイプ>
コレステロール 数値
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール値 140㎎/dl以上
境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール値 120~139㎎/dl以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール値 40㎎/dl未満
高トリグリセライド(中性脂肪)血症 トリグリセライド値 150㎎/dl以上

脂質異常症を放置すると、動脈硬化を進行させて、命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、必要に応じて、中性脂肪やコレステロールを減らす薬が、医師の判断で処方される場合があります。

脂質異常症の治療は生活習慣の改善が基本

脂質異常症の治療薬は、生活習慣の改善を十分に行っても、効果が得られなかった場合にのみ検討されます。基本的には生活習慣の改善で治療を行います。まずは薬に頼らず食生活の改善や定期的な運動を心がけましょう。

<脂質異常症の生活習慣の改善ポイント>
  • 禁煙し、受動喫煙を回避する
  • 過食を抑え、標準体重を維持する
  • 肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を増やす
  • 野菜、果物、未精製穀類、海藻の摂取を増やす
  • 食塩を多く含む食品の摂取を控える(6g/日未満)
  • アルコールの過剰摂取を控える(25g/日以下)
  • 有酸素運動を毎日30分以上行う

参考

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まとめ

中性脂肪が増えると、悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化を進行させてしまいます。中性脂肪を下げるためには、食生活を見直すことが最も重要です。中性脂肪の元になる脂質や糖質を控えたり、食物繊維を摂取するなど、ここで紹介したポイントを元に食生活を改善してみてはいかがでしょうか。脂質異常症の治療薬もありますが、あくまで治療の基本は生活習慣の改善です。今日から、できるところから、食事や運動などを見直してみましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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