LDLコレステロールは低い場合でも注意が必要|隠れている病気や、起こる症状について解説します

LDLコレステロールは、悪玉コレステロールとも呼ばれ、増えすぎると動脈硬化の原因となります。そのため、LDLコレステロールが高い場合には、生活習慣の改善や薬により、コレステロール値を下げる治療が行われます。
一方で、LDLコレステロールが低い場合には、何かの病気せいで低くなっている可能性もあります。ここでは、LDLコレステロールが低くなる病気にどのようなものがあるのか、LDLコレステロールが低い場合に起こる症状などを解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01LDLコレステロールが低いと病気の可能性もある
  2. 02LDLコレステロールが低い場合に起こる症状
  3. 03まとめ

LDLコレステロールが低いと病気の可能性もある

ここがポイント!

  • コレステロールには、いわゆる善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール」と悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」がある
  • LDLコレステロールは増えると動脈硬化を進行させる
  • バセドウ病などの甲状腺の病気や、肝炎や肝硬変といった肝臓の病気がある場合は、コレステロール値が下がる場合がある

コレステロールには2種類ある

HDLコレステロール

HDLコレステロールは、体内に増えすぎたコレステロールを回収する働きがあります。血管壁の余ったコレステロールは動脈硬化を進行されてしまいます。HDLコレステロールは、余分なコレステロールを肝臓へ戻すため、いわゆる「善玉コレステロール」と呼ばれています。
コレステロールが多いと身体に悪いイメージがあるかと思いますが、HDLコレステロールは、余分なコレステロールを取り除いてくれる働きをもっています。そのため、血液中のHDLコレステロール値が低い状態は、身体にとって都合が悪い状況といえ、HDLコレステロールが少ないと動脈硬化を進行させてしまうことになります。

LDLコレステロール

LDLコレステロールが増えると動脈硬化が進行します。
LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶという大切な働きがありますが、LDLコレステロールが多すぎると血管の壁に張り付いて固まり、動脈硬化を引き起こす要因となるため、「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
動脈の内側の壁にコレステロールが張り付いて固まると、血管が狭くなり血液が循環しづらくなります。脳や心臓といった重要な臓器で動脈硬化が進行すると、「脳梗塞」や「心筋梗塞」を引き起こし、突然命を落とす危険もあります。

コレステロールは身体に必要な成分

善玉・悪玉コレステロールと呼ばれていますが、「コレステロール=有害物質」というわけではありません。コレステロールは脂質の一つで、細胞膜の構成成分であり、ホルモンを作るための材料なので、私たちが生きていくために必要な成分なのです。

LDLコレステロールが低くなる病気もある

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、動脈硬化を進行させないためにも低くすることが目標とされますが、何か別の病気が原因でLDLコレステロールが低くなることがあります。これらの病気が原因でコレステロール値が低い場合は、原因となっている元の病気の治療が優先されます。

LDLコレステロールが低いと判断される基準とは

「LDLコレステロールが低い」とはどの程度の値を指すのでしょうか。LDLコレステロールの基準値は、70〜140mg/dLとされています。よって、定義上ではLDLコレステロール値が70mg/dL以下であれば「低い」と判断され、「低脂血症(低LDLコレステロール血症)」となります。
しかし、あくまでも定義としての分類になりますので、1回の検査で70mg/dL以下であったからといって、すぐに検査や治療が必要になるわけではありません。どのくらい低値であるか、いつから低値であるか、などを総合的に判断し、精密検査の必要性が考慮されます。

LDLコレステロールが低い原因には2種類ある

LDLコレステロールが低い場合、もともと(生まれつき)低い場合と、なんらかの病気が原因で低くなっている場合が考えられます。前者を「原発性」、後者を「続発性」と分類します。これまでの検査では異常を指摘されていなかったにも関わらず、初めてLDLコレステロール値が低いと指摘された場合には、「続発性」の可能性が高いでしょう。
「原発性」の場合は、小児期から何らかの症状や検査異常値が指摘されることもありますが、無症状のこともあります。続発性の原因になる病気が特定されない場合には、遺伝子検査やホルモン検査などの詳しい検査が必要になることもあります。

ここでは、LDLコレステロール値が低くなる原因の病気について、説明していきます。
甲状腺疾患
甲状腺とは、喉の下のあたりにあるホルモンを分泌する器官です。甲状腺ホルモンは、コレステロールの代謝に影響を及ぼします。日本甲状腺学会のバセドウ病の診断ガイドラインによると、自己免疫性疾患の一つである「バセドウ病(甲状腺機能亢進症)」を発症すると、コレステロールが低くなる場合が多いことが記載されています。
肝疾患
コレステロールは、食べ物から取り入れられているだけではなく、7割程度は肝臓で「糖」や「脂肪」が合成することで出来ます。そのため、肝炎や肝硬変といった重い肝疾患を発症していて、肝臓の機能が低下すると、コレステロールが作られなくなり、LDLコレステロール値は低くなります。
栄養不良
やせていて、あまり食事をとれない方や、慢性的に下痢をしている場合など、極端に栄養が不足している場合は、LDLコレステロール値が低くなることがあります。
その他
糖尿病や高血圧の治療薬の中には、コレステロール値を下げる作用のある薬があり、その治療薬の効果でLDLコレステロールが低くなることがあります。

参考


高血圧症発症チェック

LDLコレステロールが低い場合に起こる症状

ここがポイント!

  • LDLコレステロールが低くても、自覚症状は現れにくい
  • 年に一回は健康診断を受けて、自分のコレステロール値を把握しましょう

自覚症状は現れにくい

LDLコレステロールが低くても、自覚症状は現れにくいため、自分で気づくことはほとんどありません。先ほど触れた甲状腺などの病気の検査や健康診断などの定期検査で、LDLコレステロールが低いことを知ることが多いようです。
LDLコレステロールは高い場合も自覚症状は現れません。LDLコレステロールは高くなると、動脈硬化が進行していき、脳梗塞や心筋梗塞を起こして初めて病気に気づくこともあります。
LDLコレステロールの基準値は、70〜140mg/dLとされていますが、先ほども説明したようにその基準値からはずれただけで、必ずしも治療や検査が必要とは限りません。いつもの健康診断と比べて急に低くなったなど、変化が見られる時には、先程触れたような他の病気の発症が疑われるため、検査の結果を持参して近くの内科がある医療機関を受診しましょう。

健康診断を受けよう

コレステロール値は、採血検査で調べる事ができます。少なくとも年に一回は健康診断などで検査を受けて、自分のコレステロール値を把握することが重要です。
また、コレステロール値は基準値外だとしても、普段生活していて何か自覚症状を感じることはありません。そのため、検査結果が悪くても放置してしまう人も多いのではないでしょうか。『何も症状がないからそのままにしておこう』ではなく、恐ろしい合併症などの進行を防ぐためにも適切な治療をすることが重要です。

参考


まとめ

LDLコレステロールは、不摂生な食生活や運動不足といった生活習慣により、上昇してしまいます。LDLコレステロールが高いと、動脈硬化が進行していき、脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクが上がるため十分気をつける必要があります。LDLコレステロールが低いことはそれほど問題視されないこともありますが、過度に低い場合や、急に低くなった場合などは何か原因となる病気が隠れている可能性もあります。検診などで指摘され心配な場合は、一度医療機関に相談してみましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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