脂肪肝は自覚症状が現れるのか|肝機能悪化で現れる症状について解説します

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が溜まった状態をいいます。脂肪肝を放置しておくと、肝炎から肝硬変や肝臓ガンに進行する場合もあります。しかし、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど、病気がかなり進行しないと自覚症状が現れない臓器です。ですから、定期的に健康診断をうけて、早期に発見することが重要です。
ここでは、脂肪肝や肝機能が低下した際に現れる可能性がある症状について解説します。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01脂肪肝は初期症状がほとんど現れない
  2. 02肝臓が炎症を起こすと症状が現れ始める
  3. 03肝機能が悪化した場合に見られる症状とは
  4. 04まとめ

脂肪肝は初期症状がほとんど現れない

ここがポイント!

  • 脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まった状態
  • 肝臓は、ある程度まで機能が低下しないと自覚症状ほとんど現れない

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まった状態です。肝細胞の30%以上に脂肪が溜まると、「脂肪肝」と診断されます。肝臓は別名「沈黙の臓器」とも呼ばれており、ある程度まで機能が低下しないと自覚症状ほとんど現れません。そのため、健康診断などで指摘されない限り気付かない場合が多いですが、脂肪肝は放置すると肝炎や肝硬変に進行する可能性があり、改善が必要とされています。

肝臓に特有の症状が現れるわけではない

脂肪肝の方では、疲れやすさや肩こりなどの症状が現れる場合もあるようです。しかし、これらは肝臓特有の症状ではありません。脂肪肝の方は、血液中の中性脂肪が多く、血流が悪くなっている可能性があり、酸素や栄養素が体の隅々まで補給されにくくなるために現れると考えられています。

参考


高血圧症発症チェック

肝臓が炎症を起こすと症状が現れ始める

ここがポイント!

  • アルコール性肝炎の症状には、食欲不振、倦怠感、発熱などがある
  • 右上腹部の痛み、皮膚や組織が黄色する黄疸、尿の色が紅茶色に変わるなどが現れ、さらに進行するとむくみや腹水などの症状が現れる
  • 非アルコール性肝炎(NASH)は、病気がかなり進行しないと自覚症状がほとんど現れない
  • 脂肪肝の疑いがあると指摘された場合には、専門の医療機関を受診することを推奨されている





脂肪肝には、アルコールの飲み過ぎが原因の「アルコール性脂肪肝」と食べ過ぎや飲み過ぎなどの生活習慣の乱れが主な原因の「非アルコール性脂肪肝」の2種類があります。どちらの脂肪肝も改善せず放置していると、肝細胞に脂肪がどんどん蓄積していき、炎症を起こす場合があります。ここでは、それぞれの肝炎の症状について解説します。

アルコール性肝炎

アルコール性肝炎の症状には、食欲不振、倦怠感、発熱などがあります。また、肝細胞に脂肪が蓄積して膨らむことで、肝臓が張れ右上腹部の痛み、皮膚や組織が黄色する黄疸、尿の色が紅茶色に変わるなどが現れ、さらに進行するとむくみや腹水などの症状も現れます。アルコール性肝炎を放置すると、アルコール性線維症から肝硬変へ進行します。男性であれば日本酒5合を12~20年飲み続けることで肝硬変に進行すると考えられており、女性の場合は男性の三分の二の量で進行します。

非アルコール性肝炎(NASH)

非アルコール性肝炎(NASH)は、病気がかなり進行しないと自覚症状がほとんど現れません。そのため、日本消化器学会は健康診断で脂肪肝の疑いがあると指摘された場合には、専門の医療機関を受診することを推奨しています。非アルコール性脂肪肝は、推定で1000万人〜2000万人いると考えられており、そのうち100~200万人が非アルコール性肝炎に進行するとされています。

肝炎を放置すると、次第に肝臓が硬くなっていき肝硬変に進行し、肝がんを発症する場合もあります。そのため、アルコール性肝炎、非アルコール性肝炎ともに早期発見、早期治療が重要です。

参考


肝機能が悪化した場合に見られる症状とは

ここがポイント!

  • 脂肪肝を放置すると、肝炎から肝硬変や肝がんに進行する場合がある
  • 肝硬変の主な症状には、倦怠感、手のふるえ、黄疸、かゆみなどがある

脂肪肝を放置すると、肝炎や肝硬変、肝がんに進行する場合があります。肝硬変は、肝細胞の炎症が続くことで肝細胞がダメージを受けて、硬くなり肝機能が著しく低下した状態であり、進行により自覚症状が現れます。


進行した肝硬変の症状には、以下のような症状があります。

  • 倦怠感
  • 手のふるえ
  • かゆみ
  • 黄疸
  • くも状血管拡張(首や前胸部、頬に赤い斑点ができる)
  • 手掌紅班(てのひらが赤くなる、腹水:腹腔内に液体が溜まる)
  • 腹壁静脈拡張(へその周囲の静脈が太くなる)
  • 黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)
  • 女性化乳房(肝臓での女性ホルモンの分解が低下するため乳房が大きくなる)

しかし、肝硬変まで発展しても、初期であれば自覚症状を伴わないことが多く、症状だけでは診断できないことも多くあります。逆に言うと、上記のような症状が出ている場合は、肝硬変が進行してしまっている可能性もあります。肝臓は、非常に自覚症状が出現しにくい臓器なので、脂肪肝と診断された時点で、定期的な検査を受けるようにすることがとても大切です。

参考

高血圧症発症チェック

まとめ

脂肪肝は、肝細胞に脂肪が溜まった状態をいいますが、自覚症状はほとんど現れないため、健康診断などを受けない限り気づくことは難しいです。肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれており、肝機能がかなり低下しないと自覚症状は現れません。そのため、症状が現れた際にはすでに肝炎や肝硬変などに進行している可能性もあるため、早期に医療機関を受診するようにしましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

この記事の情報の信憑性について

オンラインクリニックでは、医療従事経験者による記事編集、専任の監修医を設けることにより信頼性のある情報提供を心がけておりますが(詳細は「運営方針」をご確認ください)、ユーザーの方ご自身、またはご家族の具体的な医療上の問題を解決する必要がある場合には、医療機関へ相談されるか、または受診をするようにしてください(詳細は「利用規約」をご確認ください)。

記事についてのお問い合わせ