肝臓の異常を示す数値とは|肝機能の指標(AST・ALT・γ-GTP)について解説します

肝臓の機能を表す検査項目は複数ありますが、特にAST・ALT・γ-GTPは、肝障害を示す重要な指標です。これらが基準値よりも高い場合には、肝臓だけでなく胆道系の病気が隠れている可能性もあるのです。ここでは、肝臓の機能を表すこれらの数値について解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01AST・ALTの数値が高い場合の肝臓の病気とは
  2. 02γ-GTPの数値が高い場合に考えられる病気とは
  3. 03肝臓の数値を下げる方法はあるのか
  4. 04まとめ

AST・ALTの数値が高い場合の肝臓の病気とは

ここがポイント!

  • AST・ALTが基準値より高い場合には、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などの可能性がある
  • AST・ALTは30以下が基準範囲内であり、31~50は要注意、50以上は医療機関の受診が推奨されている

肝臓の機能とは

肝臓は、体の中で最も大きな臓器です。重さは1~1.5kg程あります。肝臓には、肝動脈や門脈など血管が集中しており、小腸で吸収されたグルコースやアミノ酸は門脈を通って肝臓に流れ込みます。肝臓では、それらの合成、分解、貯蔵などを行い、代謝の重要な器官です。また、胆汁を分泌したり、人体に有害な物質を解毒したりする働きもあり、とても重要な臓器なのです。

肝臓の機能はAST・ALTの数値でわかる

一般的な健康診断では、血液検査の際に肝臓で作られる酵素である「AST」「ALT」を調べます。以前は、「GOT」「GPT」と呼ばれていました。ASTとALTの数値が基準値よりも高い場合には、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などの可能性があるとされています。また、ASTとALTの比率は、病気によって異なるため診断の指標とされています。
ASTとALTの基準値は、下の表の通りです。

基準範囲 情報提供が必要 受診が推奨される
AST(IU/l) 30以下 31~50 50以上
ALT(IU/l) 30以下 31~50 50以上

このように、ASTとALTの基準値については、31~50で異常値であると情報提供が必要であるとされ、50以上で医療機関の受診が推奨されています。健康診断であった場合には、早期に医療機関を受診することをおすすめします。

参考


高血圧症発症チェック

γ-GTPの数値が高い場合に考えられる病気とは

ここがポイント!

  • γ-GTPは、胆道から分泌され、アミノ酸の生成に欠かせない酵素の一つである
  • γ-GTPが高い場合には、アルコール性肝機能障害、肝硬変、慢性肝炎など肝臓の障害だけでなく、胆道系の病気の可能性がある
  • γ-GTPの数値だけが高い場合には、アルコールが原因の肝機能障害もしくはすい炎やすい臓がんなどの可能性がある

γ-GTPは、胆道から分泌され、アミノ酸の生成に欠かせない酵素の一つあり、肝臓の解毒作用にも関わっています。お酒を飲む量が多かったり、胆道系の病気などで数値が上昇します。
そのため、γ-GTPが基準値よりも高い場合には、アルコール性肝機能障害、肝硬変、慢性肝炎など肝臓の障害だけでなく、胆道の圧迫や閉塞など胆道の障害の可能性もあります。

γ-GTPの基準値とは

γ-GTPの基準値は、男性50IU/l以下、女性30IU/l以下とされています。これらに加えて、前の章で紹介したASTやALTの数値も高い場合は、肝機能障害の可能性が高いです。
しかし、γ-GTPの数値だけが高い場合には、アルコールが原因の肝機能障害もしくはすい炎やすい臓がんなどの可能性があるとされています。
特に、γ-GTPが100以上の場合には、要検査が必要とされていますので、医療機関を受診し医師に相談するようにしましょう。

参考


肝臓の数値を下げる方法はあるのか

ここがポイント!

  • 肝機能が低下している場合には、アルコール性肝障害、脂肪肝、肝炎、肝臓がんなどの病気が考えられる
  • アルコール性肝障害や脂肪肝は、生活習慣の改善により効果が期待できる
  • 肝炎や肝臓がんの場合には、根本的な病気の治療が必要である

肝機能が低下している場合には、アルコール性肝障害、脂肪肝、肝炎、肝臓がんなどの病気が考えられます。アルコール性肝障害や脂肪肝の場合は、アルコールの制限、食生活の見直し、運動量の増加など生活習慣の改善が効果的です。特に、脂肪肝は自覚症状はほとんどありませんが、進行すると肝硬変や肝臓がんに移行する場合がありますので、症状がなくとも生活習慣の改善を心掛けましょう。
一方、肝炎や肝臓がんの場合には、原因となっている病気の治療が必要となります。生活習慣の改善を続けても、数値が改善されなかったり、上昇したりする場合には、医療機関を受診しより詳しい検査を受けることをおすすめします。

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まとめ

肝臓は、体内での代謝の働きを担う重要な臓器です。肝臓の機能が低下すると、AST・ALT・γ-GTPなどの数値が基準値よりも高くなります。これらの数値が、肝臓の病気を発見するための指標となるのです。皆さんも健康診断を受けた際には、自分がどのくらいの数値なのかを確認してみてはいかがでしょうか。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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