血圧をノートに記録するメリットとは|家庭血圧が診察に役立つ理由について解説します

皆さんは、家庭で血圧を測定する習慣はあるでしょうか。日本高血圧学会では、診察室で測定する血圧よりも家庭で測定した血圧の方が、高血圧の治療や診断において重要だとしています。なぜなら、血圧は常に変動しているため、診察室での値だけでは判断が難しいからです。ここでは、家庭血圧を記録するための血圧ノートの活用法について解説します。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01家庭での血圧測定が重要な理由とは
  2. 02血圧を記録する血圧ノートとは
  3. 03まとめ

家庭での血圧測定が重要な理由とは

ここがポイント!

  • 血圧は常に変動しているため、健康診断や診察時の血圧だけでは正確な診断ができない場合もある
  • 家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。は、診断や治療方針を決めるための重要な情報である
  • 家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。測定は、朝と夜の決まった時間に原則2回ずつ測定しその平均値をとる

血圧は常に変動している

血圧は、常に変動しており一定ではありません。通常であれば、血圧は起床時から徐々に上がりはじめ、日中に最も高くなります。そして、夕方から夜になるにつれて下がっていき、睡眠時には最も低くなります。サーカディアンリズムが正常であれば、夜の血圧は日中に比べると10~20%程低下するとされています。また、血圧は食事、運動、ストレスなども変動の要因となります。

診察室血圧だけでは判断できない

血圧は常に変動しているため、健康診断や診察時の血圧だけでは正確な診断ができない場合もあります。そのような高血圧のタイプは「隠れ高血圧」や「仮面高血圧」と呼ばれています。仮面高血圧には、「早朝高血圧早朝高血圧(そうちょうこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準値を超えていないが、早朝に家庭で測定した血圧が収縮期血圧135mmHg以上/拡張期血圧85mmHg以上の血圧をいう。このタイプの場合、夜間から早朝にかけて、血圧が上昇する。」「昼間高血圧」「夜間高血圧夜間高血圧(やかんこうけつあつ)家庭血圧もしくは24時間行動下血圧において、夜間血圧の平均値が収縮期血圧120mmHg以上/拡張期血圧70mmHg以上の場合をいう。」があり、それぞれ、早朝、日中、夜間のみ血圧が上昇する高血圧です。
一方、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。のみが高く、日常生活では高血圧ではないタイプを「白衣高血圧白衣高血圧(はくいこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準を満たしていても、それ以外の血圧は正常域血圧の場合をいう。医師や看護師の白衣を見ることで、緊張して血圧が高くなる方がいることから、白衣高血圧の名付けられた。」といいます。白衣高血圧白衣高血圧(はくいこうけつあつ)診察室血圧は、高血圧の基準を満たしていても、それ以外の血圧は正常域血圧の場合をいう。医師や看護師の白衣を見ることで、緊張して血圧が高くなる方がいることから、白衣高血圧の名付けられた。は、医療機関で医師や看護師などの白衣を見ると緊張により血圧が上がることから、そう呼ばれています。このように、診察室で測定する血圧だけでは、正確な数値を得ることは難しいのです。そのため、医療機関で測定する診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。よりも家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。の方が重要視されています。

家庭での血圧測定が治療に役立つ

先ほども解説しましたが、血圧は常に変動しており、診察室で測定する血圧だけでは正確な状態を把握することは難しいです。そのため、家庭での血圧測定は、降圧薬の量を増やしたり減らしたりする上で、重要な情報となります。

家庭血圧は原則2回測定しよう

日本高血圧学会は、正しく家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。を測定するためには、朝と夜の決まった時間に上腕で測定することを推奨しています。また、血圧測定は原則2回行い、その平均値をその機会の血圧値とするとしています。高血圧の方や高血圧が不安な方は、朝と夜に、2回ずつ測定し、血圧を記録しておきましょう。

参考

高血圧治療ガイドライン2014|日本高血圧学会(pdf資料)
あなたに合わせた生活・食事指導で高血圧改善

血圧を記録する血圧ノートとは

ここがポイント!

  • 診断や治療の方針を決める時は、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。よりも家庭で測定した血圧が優先される
  • 血圧ノートでは日付、グラフ、血圧の値(朝と夜)、脈拍などが記載できる
  • 家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。は、血圧ノートを活用し記録をつけて診察時に持参するようにしよう

記録して持参することで治療に役立つ

高血圧の診断や治療では、診察室血圧診察室血圧(しんさつしつけつあつ)医療機関で測定した血圧をいう。診察室血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧140mmhg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上。よりも家庭で測定した血圧を優先するとしています。ただし、家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。をただ測定するだけでは意味がありません。測定した血圧は、記録し診察を受ける際には持参するようにしましょう。家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。の情報は、医師が治療をすすめる上でとても重要な情報となります。

血圧ノートを活用しよう

血圧の記録をつけるためのノートを、血圧ノートや血圧手帳といいます。血圧ノートには、日付、グラフ、血圧の値(朝と夜)、脈拍などを記載することができます。グラフも簡単につけられるようになっているので、視覚的にも自分の血圧の変化を把握しやすいです。また、メモ欄に、食事、運動量、飲酒量、睡眠時間などを記載しておくと、自分がどのような状況で血圧が上がりやすいのかを把握することも出来ます。
血圧ノートや血圧手帳は、医療機関で無料で配布されていたり、健康保険組合のホームページなどでダウンロードしたりすることも可能です。気になる方は、かかりつけの医療機関で相談してみましょう。

血圧をスマートフォンで管理することも出来る

最近では、血圧管理用のアプリも開発されており、無料でダウンロードすることも可能です。数値を入力することで自動でグラフ化されたり、血圧計と連動しているアプリでは血圧測定をすると自動で記録されたりするものもあり、血圧管理を手軽に行うことが出来ます。

参考

高血圧治療ガイドライン2014|日本高血圧学会(pdf資料)

まとめ

高血圧の診断や治療では、家庭血圧家庭血圧(かていけつあつ)家庭で測定した血圧をいう。家庭血圧の高血圧の基準は、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上をいう。診察室血圧よりも基準が低い。近年では、家庭血圧の測定値が診断や治療でも重要視されている。の情報がとても重要です。また、高血圧では朝のみ高くなるタイプや夜間のみ高くなるタイプなど様々あります。そのため、朝と夜の決まった時間に毎日測定し、記録をつけるようにしましょう。血圧記録用の血圧ノートやアプリなどを活用すると、記録を続けやすく、医師にも共有しやすいのでおすすめです。

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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