痛風発作は膝でも起こるのか|痛風と似た症状の「偽痛風(ぎつうふう)」についても解説

痛風の症状は、足の親指の付け根部分の関節に痛みが起こることが多いのですが、膝関節などの他の関節に痛みが出ることもあります。ここでは、痛風発作が起こる仕組みから、痛風発作は膝関節で起こる可能性について、また、膝に起こる痛みとして、痛風発作と似た症状が起こる「偽痛風」についても解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01痛風発作は膝にも起こる場合がある
  2. 02膝の痛みは偽痛風(ぎつうふう)の可能性もある
  3. 03まとめ

痛風発作が起こる仕組み

ここがポイント!

  • 痛風とは尿酸値が高い状態が続くことで、尿酸の結晶が関節内に溜まることで起こる関節炎
  • 高尿酸血症は自覚症状がほとんどないが、放置していると痛風発作を起こす

痛風とは

プリン体の摂りすぎ、メタボリックシンドロームなど様々な要因で「尿酸値」が高くなってしまうことがあり、男女ともに尿酸値が7.0mg/dLを超えると、「高尿酸血症」と診断されます。
痛風は、尿酸値が高い状態が続くことで関節内に尿酸の結晶が沈着し、炎症が起こることで発症します。発症すると、関節に突然激しい痛みや腫れが生じます。痛みは飲み薬などで治りますが、発作中はひどい場合には歩行が困難になり、日常生活に支障を来たす場合もあります。

痛風発作が起こる前の治療が大切

高尿酸血症は、自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断などで尿酸値の高値を指摘されても、自覚症状が無いため放置してしまう方もいます。ですが、痛風発作は、尿酸値が一定以上高くなったら現れるというわけではなく、ある日突然発症します。また、温度の低下、長時間の運動、血清尿酸値低下作用のある薬剤の使用による急激な尿酸値の低下などがきっかけに急に激痛が起こることもあります。ですから、痛風発作が起こってしまう前に、プリン体の多い食品を控えたり、運動を習慣的に行うなど、生活習慣の改善を十分に取り組み予防することが重要です。

痛風予防について詳しくは、【痛風の予防法】尿酸値を下げる食事・運動・薬について徹底解説をご参照ください。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
高尿酸血症|e-ヘルスネット
高血圧症発症チェック

痛風発作は膝にも起こる場合がある

ここがポイント!

  • 痛風発作は、足の親指の付け根で好発する
  • 他にも、膝関節、足の甲、アキレス腱の付け根、手の関節、かかとなどの関節でも起こる

膝に痛みが起こったら、痛風とは思わず、ただの関節炎かなと思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、痛風発作は膝でも起こる可能性があります。

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版」でも、痛風が起こりやすい部位は、足の親指の付け根と紹介されていますが、他にも、膝関節、足の甲、アキレス腱の付け根、手の関節、かかとなどでも痛風発作が起こる場合があります。このように、膝の痛みでも痛風発作である可能性があるため、痛みを感じたら、なるべく患部の安静を保ち、医療機関を受診しましょう。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
高尿酸血症|e-ヘルスネット

膝の痛みは偽痛風(ぎつうふう)の可能性もある

ここがポイント!

  • 偽痛風(ぎつうふう)は、膝関節や手関節といった大きな関節で起こることが多い関節炎
  • 痛風は関節内に「尿酸結晶」が出来ることにより関節炎が生じ、偽痛風は関節内に「ピロリン酸カルシウムの結晶」が出来ることで関節炎が起こる
  • 痛風は男性に多く起こる疾患ですが、偽痛風は女性や、高齢者の人にも発症する

膝の痛みが起こる疾患に、「偽痛風(ぎつうふう)」という病気をご存知でしょうか。ここでは、痛風ではない膝の関節炎である「偽痛風」について解説していきます。

偽痛風は大きな関節で起こりやすい

偽痛風は、膝関節や手関節といった大きな関節で起こることが多い関節炎です。他にも、肩関節、足関節、あるいは椎間板や黄色靱帯(首)でも起こることがあります。

痛風は男性に多く起こる疾患ですが、偽痛風は女性や、高齢者の人にも発症します。
これまで関節リウマチなどの関節の病気や痛風の既往がない方で、関節が急に腫れて熱を持ち、激しい痛みを伴う場合、偽痛風の可能性も考慮されます。

痛風と偽痛風の見分け方

偽痛風は突然発症する関節の痛みで、痛風と類似していることから、偽の痛風と書いて「偽痛風(ぎつうふう)」と呼ばれますが、全く違う疾患なのです。

痛風は、関節内に「尿酸結晶」が出来ることにより関節炎が生じます。一方、偽痛風は、関節内に「ピロリン酸カルシウムの結晶」が出来るのが特徴です。
症状が痛風と似ていますが、血液検査、レントゲン、エコー、関節液検査などを行うと、関節液中あるいは組織中にある「ピロリン酸カルシウム結晶」が見られるため鑑別されます。

痛風、偽痛風も、どちらも激しい痛みが生じます。痛みで歩行が困難になることもあり、日常生活に支障が起こってしまうため、早急に整形外科がある医療機関で医師の診察を受けることをお勧めします。

痛風と偽痛風は違う病気なので治療も異なる

痛風は、尿酸値が高くなることにより発症する疾患ですが、偽痛風は、主な原因がはっきりと分かっていないとされています。偽痛風の治療は、痛みを和らげる対症療法が中心となります。痛みと炎症を抑えるために、「非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)」が使用されます。
偽痛風発作では、膝などの関節へ水が溜まることもあり、関節液の穿刺が行われることもあります。

参考

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版
KOMPAS|慶應義塾大学病院|医療・健康情報|サイトピロリン酸カルシウム結晶沈着症・偽痛風
高血圧症発症チェック

まとめ

痛風は突然に激しい痛みや腫れが起こる病気です。尿酸値が高いほど、発症リスクが高まりますので、尿酸値が高めの方は生活習慣を改善し発症予防に努めましょう。痛風は、足の親指の付け根部分に好発しますが、膝などの関節で起こることもあります。痛みが生じたら、患部を安静に保ち、直ちに医療機関を受診しましょう。
Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

この記事の情報の信憑性について

オンラインクリニックでは、医療従事経験者による記事編集、専任の監修医を設けることにより信頼性のある情報提供を心がけておりますが(詳細は「運営方針」をご確認ください)、ユーザーの方ご自身、またはご家族の具体的な医療上の問題を解決する必要がある場合には、医療機関へ相談されるか、または受診をするようにしてください(詳細は「利用規約」をご確認ください)。

記事についてのお問い合わせ