【AGAと保険】保険適用の有無や生命保険加入の際の告知の必要性などについて解説

AGAの診療は医療保険が適用になりません。そのため治療費(診察料金や薬剤費)は全て自己負担となり、保険が適用される病気と比べると高額になることがあります。経済的負担が大きいと費用の面から治療を断念せざるを得ない状況になってしまう可能性もあります。ここでは、なぜAGAの診療に医療保険が適用されないのか、医療保険制度の仕組みから解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01AGAの治療は保険適用外
  2. 02AGAの検査も保険適用外
  3. 03AGA治療に保険証を持って行く必要はないのか
  4. 04AGAも皮膚科によっては保険診療が受けられる可能性も
  5. 05生命保険加入・更新の際にAGA治療は告知すべきか
  6. 06まとめ
この記事のチェックポイント

AGAの治療は保険適用外

ここがポイント!

  • 医療保険制度は、病気やけがをして治療を受けた際にかかる医療費の自己負担を減らすための仕組み
  • 現状AGAは病気とはみなされておらず保険が適用されないため、医療費はすべて自己負担となる

AGAの治療は医療保険(公的医療保険)が適用にならないため「自由診療」で行われます。そのため、診療にかかる料金は定められておらず医療機関ごとに異なります。また、費用も保険が適用される病気に比べ高額になることがあります。

医療保険制度とは

医療保険制度は、病気やけがをして治療を受けた際にかかる医療費の自己負担を減らすための仕組みです。
日本では「国民皆保険制度」をとっており、すべての国民がなんらかの公的医療保険に加入しています。私たちは所得に応じて保険料を納め、医療機関にかかった時にはこの保険料から年齢や所得に応じて医療費の一部が給付され、自己負担が軽減されているのです。

<医療費自己負担額の割合(2017年1月現在)>
・義務教育就学前は2割負担
・6歳以上70歳未満は3割負担
・70歳以上75歳未満は2割負担
・75歳以上は1割負担
・70歳以上であっても現役並みの所得がある場合には3割負担

AGA治療は診察も薬も保険適用外

AGAは現在「病気」とみなされておらず、治療にかかる費用は医療保険の適用にならず全て自己負担となります。そのため、保険が適用される病気に比べると医療費は高額となります。また、自由診療では料金を自由に設定することが出来るため、医療機関によって治療費が異なります。AGA治療を希望して医療機関を受診する場合は、事前に料金の目安や支払い方法を確認しておくことをお勧めします。

AGAの治療にかかる費用について詳しくは「【AGAの治療にかかる費用】年間費用の相場を治療法別に比較~ジェネリック情報や確定申告についても」をご参照ください。

金額は医療期間が自由に設定できるため、高額なローンを組まされるなどのケースもあるようです。事前に相場などをしっかりチェックして、トラブルに巻き込まれないように注意しましょう。

参考


脱毛症診断チェック

AGAの検査も保険適用外

ここがポイント!

  • AGAの確定診断のために必要な検査はない
  • 採血などの検査をした場合、その目的によっては保険が適用される場合がある

AGAの治療や薬にかかる費用は、公的な医療保険が適用されず、全て自費になることをこれまで説明しました。それでは、AGAの診断のために必要な検査にかかる費用についても、保険が適用されないのでしょうか。
まず知っておきたいこととして、AGAの確定診断のために必要な検査はありません。多くの医師は、問診(どのような経過で脱毛が進んだか、血の繋がった家族に脱毛症はいるか、などの質問)と、視診(前頭部や頭頂部に薄毛が見られるか)によって診断を行います。AGAの発症には、男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)が関わっていますが、採血でDHT濃度を測るような検査もしません。最近では、診断が難しい症例に対して、虫眼鏡のような拡大鏡(トリコスコピー)を用いて、頭皮や頭髪の状態を観察する場合もあります。この検査は、皮膚ガンなどの診察に対しては保険が適用されますが、AGAの診断時に検査されたとしても、保険が適用されません。検査料金は、クリニックによって定められた値段になります。

しかし、いかなる検査も自費というわけではなく、公的な保険が適用される場合もあります。例えば、円形脱毛症(保険が適用される疾患)と鑑別が難しいAGAの症例の場合、円形脱毛症を疑って採血検査などが施行された場合は保険が適用されます。そのような検査は、AGA専門クリニックより一般の皮膚科で行われることが多いでしょう。
AGAだと思い受診した場合でも、医師の診断が異なる場合もあります。検査が追加される場合は、保険が適用されるのかされないのかについて、主治医に確認するのが良いでしょう。クリニックによっては、多額の検査料を請求される場合もあるでしょう。

AGA治療に保険証を持って行く必要はないのか

ここがポイント!

  • AGA治療は保険適用外のため、「保険証」を持参しなくても問題はない

初めて病院を受診する際には「保険証」が必要です。保険証は医療保険に加入していることを証明するために必要なものであり、保険が適用される治療を受ける場合には保険証がなければ自己負担が軽減されません。一方、AGAの治療は自由診療ですので医療保険の対象外であり、保険に加入していることを証明する必要はないため保険証は不要です。しかし、病院を受診した際にAGAではなく他の病気であった場合や、急な体調不良や怪我の場合には治療が必要となり、保険証が必須となります。そのため、たとえ自由診療であっても病院を受診する際は保険証は持参していく事をお勧めします

参考


脱毛症診断チェック

AGAも皮膚科によっては保険診療が受けられる可能性も

ここがポイント!

  • 保険が適用されるAGAの治療は、外用薬(塩化カルプロニウム)のみ
医学的に効果が認められているAGAの治療は、内服薬(フィナステリド、デュタステリド)と外用薬(ミノキシジル)のみで、それらは公的な保険が適用されません。保険が適用されるAGAの治療は、外用薬(塩化カルプロニウム)のみです。塩化カルプロニウムは、ガイドラインにおいても推奨度C1(行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がない)となっており、それなりに効果が認められている治療法です。しかし、確かな効果が認められている内服薬(フィナステリド、デュタステリド)と外用薬(ミノキシジル)に比較すると、有効性は低く、塩化カルプロニウム単独の治療は推奨されません。また、塩化カルプロニウムは、AGAだけではなく円形脱毛症など様々な脱毛症にも保険適用があります。外用を希望する場合は、まず主治医に相談してみましょう。

生命保険加入・更新の際にAGA治療は告知すべきか

ここがポイント!

  • AGAは保険上は「病気」とみなされていないが、事前にきちんと告知することをお勧めする
  • 告知しないと、告知義務違反となり保険料がもらえなくなる場合もある

生命保険に加入したり、更新したりする際には健康状態や病歴などを正確に報告しなければなりません。
AGAは医療保険が適応されない疾患ですが、AGAと診断されている場合は生命保険の加入や更新を行う際には告知する必要があるでしょう。
虚偽の報告をして加入・更新が出来たとしても「告知義務違反」となり、保険料がもらえないばかりか、今まで保険会社に支払ってきた保険料が全て無駄になってしまう可能性があります。そのような事態を招かないためにも、事前にきちんと告知しておくことをお勧めします。

脱毛症診断チェック

まとめ

医療保険制度は病気やけがをして治療を受けた際に掛かる医療費の自己負担を減らすための制度です。しかし、AGAは「病気」としてみなされておらず保険が適用になりません。そのため、診療にかかった医療費は全て自己負担となり、他の病気と比べ高額になることがあります。保険が適用される疾患(円形脱毛症など)との鑑別が必要と判断された時の検査は、保険が適用される場合があります。有効性は確かではありませんが、一部の外用薬(塩化カルプロニウム)はAGAに対しても保険が適用されます。しかし、有効性は低く、単独での使用は推奨されません。
保険が適用にならない自由診療では医療機関ごとに料金を設定出来るため、事前に電話やインターネットなどで料金設定や支払い方法を確認することをお勧めします。また、生命保険の加入や更新時にはAGAについて告知する必要があります。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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