ストレスは薄毛の原因になるのか|ストレスと薄毛の関連性を医学的根拠に基づいて解説

「ストレスがたまると髪の毛が抜ける」といったイメージを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ストレスはさまざまな病気の発症要因と考えられていますが、薄毛もストレスが原因で発症する可能性はあるのでしょうか。ここでは、AGA、円形脱毛症、びまん性脱毛症とストレスの関連や、ストレス解消による薄毛の改善効果について解説していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01ストレスによりAGAは発症するか
  2. 02ストレスにより円形脱毛症は発症するか
  3. 03ストレスは女性に多い「びまん性脱毛症」の原因となるか
  4. 04ストレス解消により薄毛は改善されるか
  5. 05まとめ

ストレスによりAGAは発症するか

ここがポイント!

  • 「ストレスによりAGAが発症する」という医学的根拠はない

AGA発症の要因として、遺伝的背景や男性ホルモンへの反応性の違いなどがあります。ストレスとAGAの関連性を医学的に証明した論文はなく、ストレスがAGAによる薄毛の原因とする医学的根拠はありません。

AGAについて詳しくは「【AGA(男性型脱毛症)とは】症状・原因・予防法〜病院・AGA専門外来での検査・診断・治療そして気になる費用までを解説」をご参照下さい。

参考


脱毛症診断チェック

ストレスにより円形脱毛症は発症するか

ここがポイント!

  • ストレスは、円形脱毛症の原因と考えられている髪の毛の細胞に対する「自己免疫応答」の引き金になる可能性がある
  • しかし、ストレスは客観的な評価が難しく円形脱毛症との関連について十分な医学的根拠はない

円形脱毛症の原因は完全には解明されていませんが、現在最も有力だと考えられているのは髪の毛の細胞に対して起こる「自己免疫応答」という反応です。自己免疫応答とは、免疫のバランスが崩れて本来であれば細菌やウイルスに働くはずの免疫機能が、自分自身の細胞を異物であると誤認し攻撃してしまう反応のことを言います。
ストレスは免疫のバランスを崩し「自己免疫応答」の引き金になる可能性があり、円形脱毛症の発症要因として否定はできません。しかし、ストレス(特に精神的なストレス)の感じ方は個人差が大きいため客観的に評価することが難しい場合が多く、十分な医学的根拠は得られていないのが現状です。
また、円形脱毛症は「自己免疫応答」だけではなく「自己免疫疾患」「アトピー素因」「遺伝」などの要因も関与していると考えられています。

円形脱毛症とストレスの関連性について詳しくは「【円形脱毛症とストレスについて】関連性は医学的に証明されているのか~診療ガイドラインを基に正しい情報を解説」をご参照下さい。

参考


ストレスは女性に多い「びまん性脱毛症」の原因となるか

ここがポイント!

  • びまん性脱毛症には明確な定義はなく、「女性のAGA」や「円形脱毛症の全頭型」を表す場合がある
  • そのため、びまん性脱毛症の発症の原因がストレスであるという医学的根拠はない

びまん性脱毛症の症状や原因に明確な定義はありません。
しかし、一部の医学論文、大学病院のホームページ、治療薬の添付文書などでは、びまん性脱毛症は「頭部全体の広範囲の脱毛」という状態を指しています。そのため、女性のAGAや円形脱毛症の全頭型などが該当すると考えられます。先ほど示したようにAGAも円形脱毛症もストレスとの関連は医学的に証明されておらず、このような点から「びまん性脱毛症」についても、ストレスが発症要因になるという根拠はありません。

びまん性脱毛症について詳しくは「【女性に多い「びまん性脱毛症」の治療と対策】主な3つの原因から病院の治療薬、シャンプーなどの日常対策まで解説」をご参照下さい。

脱毛症診断チェック

ストレス解消により薄毛は改善されるか

ここがポイント!

  • ストレスは客観的な評価が難しく、ストレス解消と薄毛改善の関連性は医学的に証明されていない

これまで示したように、ストレスが原因で発症すると医学的に証明されている薄毛はありません。ストレスの感じ方は人や状況によって異なり、ストレスがどの程度改善したのかを数値化し薄毛の改善と比較することは困難です。そのため、ストレス解消と薄毛改善の関連性についての明確な医学的な根拠はありません。しかし、AGAや円形脱毛症を発症し精神的なストレスを感じる場合は、かつらの使用などストレスを軽減させることは重要と考えます。

ストレスで薄毛になる根拠は明確ではありませんが、円形脱毛症などの脱毛症を発症した場合に、どんな人でもある程度のストレスを感じることは、容易に想像ができるでしょう。かつらなどをうまく利用したり、信頼し相談できる主治医とともに治療をしていくことが大切です。

まとめ

ストレスと薄毛の関連については医学的に証明されていません。円形脱毛症の原因として最も有力であるとされている「自己免疫応答」はストレスが引き金になる可能性がありますが、ストレスは客観的な評価が難しいため、その関連性は解明されていません。また、ストレスの感じ方は人や状況によって異なり、ストレスを解消したことでどの程度薄毛が改善したかを調べることは困難であり、現状ではストレス解消と薄毛改善の関連性も不明です。
しかし、ストレスは体や心に悪い影響を与え、さまざまな病気の発症要因の一つである可能性があります。強いストレスを感じている場合は、自分なりのストレス発散方法を見つけて、ストレスをため込まないよう気を付けましょう。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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