【抜け毛の予防法とは】シャンプーや薬など今日からできる対策をご紹介

シャンプーをする時や髪をとかす時に抜ける毛を見て、毎日髪の毛が抜けて大丈夫なのだろうかと心配になる人もいるのではないでしょうか。私たちの髪の毛は日々生え変わっているため、毎日100本程度の髪の毛が抜けることは異常ではありません。
しかし、抜け毛が急激に増えた場合は、脱毛症を発症している可能性があります。ここでは、抜け毛の予防法としてシャンプー、頭皮マッサージ、飲み薬、発毛・育毛剤などを取り上げ、それぞれの作用や有効性、具体的な使用方法について紹介していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01抜け毛予防とシャンプー
  2. 02抜け毛予防に頭皮マッサージは効果的か
  3. 03抜け毛の予防薬はあるか
  4. 04抜け毛予防効果のある発毛・育毛剤はあるか
  5. 05抜け毛予防につながる食品
  6. 06男性と女性で予防法は異なるのか
  7. 07まとめ

抜け毛予防とシャンプー

ここがポイント!

  • 抜け毛の予防効果が医学的に証明されている市販のシャンプーはない
  • 洗髪は頭皮環境を整え、髪の毛を健康な状態に保つために大切
  • 正しい方法でシャンプーをすることは、抜け毛予防につながる

明確な抜け毛予防効果のあるシャンプーはない

「育毛シャンプー」と宣伝されている製品はいくつもあります。一部の商品には、AGA(男性型脱毛症)の診療ガイドラインにおいて「発毛・育毛効果に関する十分な根拠がないものの治療薬として用いても良い」とされている成分が配合されています。しかし、抜け毛の予防効果が医学的にしっかりと証明されているシャンプーはありません。AGAのガイドラインに唯一記載があるものは「ケトコナゾール含有シャンプー」ですが、現時点では市販されておらず、海外から個人輸入するか取り扱いのあるクリニックで購入するしかありません。しかし、その効果もAGAを発症した男性の発毛を促進した、という小規模な研究報告であり、明確な医学的根拠とは言い難く、また女性やAGA以外の脱毛症に対する効果については不明です。

正しい方法でシャンプーをすることは、抜け毛予防につながる

抜け毛予防に直接効果のあるシャンプーはありませんが、シャンプーをすること自体は頭皮環境を整え、健康な髪の毛を維持するために大切です。しかし、間違った方法でシャンプーを行うと、逆に抜け毛が増えてしまう可能性があります。抜け毛を予防するために、正しいシャンプーの方法を知りましょう。

<正しいシャンプーの方法>
1)シャンプーの前にはブラッシングを行う
2)熱すぎないお湯で、地肌までしっかりと濡らす
3)シャンプーは手のひらで泡立ててから使用する
4)爪を立てず、指の腹でマッサージするように洗う
5)洗い残しがないようにしっかりと洗い流す
髪と頭皮に優しいシャンプーの手順
正しいシャンプー法について詳しくは 「【AGAの予防・改善につながるシャンプーの方法とは】おすすめの洗い方からシャンプー選びのポイントまで~今日から試してみよう」をご参照ください。

参考



脱毛症診断チェック

抜け毛予防に頭皮マッサージは効果的か

ここがポイント!

  • 頭皮マッサージによる抜け毛の予防効果は明確ではない
  • しかし頭皮の血流が促進され、髪の毛の健康維持につながる可能性がある
  • 頭皮マッサージは髪の毛や頭皮を傷つけないよう、気持ち良いと感じる強さを意識することが大切

目的は頭皮の血行促進

頭皮マッサージによる脱毛の予防効果に関しては、いくつかの研究論文がありますが、いずれも小規模な研究であり、現状ではその効果に明確な医学的根拠はありません。
しかし、髪の毛は酸素や栄養を頭皮の毛細血管を通じて取り込んでおり、頭皮の血流が促進されることで、髪の毛の健康維持につながる可能性があります。

頭皮マッサージによる明確な抜け毛の予防効果は、明らかではありません。頭皮マッサージを行う際は、頭皮の血流促進による髪の毛の健康維持を目的としていることを理解しましょう。

マッサージ法

頭皮のマッサージの例をご紹介していきます。
  • 人差し指と中指をもみ上げに当てます。
  • そこから生え際に沿って、人差し指と中指で圧迫しながら皮膚を上に引き上げていきます。
  • 生え際の中央まで達したら今度は中央から頭頂部に向かって円を描くように圧迫していきます。
  • こめかみあたりから頭頂部、後頭部の順で手ぐしを通すように圧迫しながら頭皮を引き上げます。
  • 両手の指先で頭全体をはじいていきます。

頭皮マッサージを行う際に髪の毛を強く引っ張ったり、頭皮を強い力で圧迫したりすると、逆に抜け毛が増えたり、頭皮を傷つけてしまう可能性があります。実施する際は、気持ち良いと感じる強さを意識するようにしましょう。

参考


抜け毛の予防薬はあるか

ここがポイント!

  • 抜け毛の原因となるAGAでは、飲み薬で抜け毛を抑制できる
  • AGAの発症を予防するのではなく、発症後の脱毛を予防する

AGA治療における飲み薬には、発症後の脱毛の進行を予防する効果がある

抜け毛の原因となる脱毛症の一つにAGA(男性型脱毛症)があります。AGAは男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が、前頭部や頭頂部の髪の毛に対して成長を抑制するよう作用し発症します。

AGA治療における飲み薬には、「フィナステリド(プロペシアなど)」と「デュタステリド(ザガーロ)」があります。両者ともDHTの産生を抑える作用があるため、発症後の前頭部や頭頂部の抜け毛を予防する効果があります。

AGA発症後の抜け毛予防に効果的

ただし、フィナステリドやデュタステリドが配合された飲み薬は、AGAを発症してから開始する薬です。つまり、「AGA発症後の脱毛を予防する薬」という位置づけです。

・AGAの主な治療法とその効果、期間、薬、費用などにについて詳しくは「【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的に」をご参照ください。

・フィナステリドの発毛メカニズム、副作用、注意すべきポイントなどについて詳しくは「【フィナステリド(プロペシア錠)の治療効果と副作用】AGA内服薬の基本情報からミノキシジル(リアップ)との併用、ジェネリック情報や輸入薬(フィンペシア・フィナロ)の使用についてまで幅広く解説」

・デュタステリド(ザガーロ)の効果、副作用、注意すべき点などについて詳しくは「AGA新薬「ザガーロ」(デュタステリド)を徹底解説|正しい飲み方、効果、副作用、価格など~プロペシア(フィナステリド)との比較表付き」をご参照ください。

参考


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抜け毛予防効果のある発毛・育毛剤はあるか

ここがポイント!

  • 発毛・育毛剤は「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に分類される
  • 日本で発毛剤として、医薬品認可されているのは「リアップシリーズ」のみ
  • リアップシリーズは、AGAでの発毛効果が医学的に証明されている

発毛・育毛剤の種類と有効成分

日本で製造販売されている発毛・育毛剤は、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」に分類されます。医薬品に分類されるものは、有効性に対する医学的根拠が明確である一方、医薬部外品に分類されるものは、有効性に対する根拠が乏しいと考えられます。さらに化粧品は、主に美容目的などで使用されます。
発毛剤とは、毛母細胞に働きかけることによって「毛のないところ」に「毛を生やす」効果を持ち、一方、育毛剤は「すでにある毛の成長を促進させる」効果があります。

抜け毛に対する塗り薬の分類
分類 有効成分
発毛剤・育毛剤 医薬品(リアップシリーズ) ミノキシジル
育毛剤 医薬品(カロヤンシリーズなど)
医薬部外品
化粧品
塩化カルプロニウム

現在、日本で医薬品として認可されている発毛剤は「リアップシリーズ(有効成分:ミノキシジル)」のみであり、それ以外の塗り薬は「育毛剤」として販売されています。塩化カルプロニウムを主成分としたいくつかの育毛剤(カロヤンシリーズなど)は医薬品に分類されますが、その他の多くの育毛剤は、医薬部外品または化粧品として扱われています。
上記以外の有効成分として、AGAの診療ガイドラインに記載のあるものは、t-フラバノン、アデノシン、サイトプリン、ペンタデカン、ケトコナゾールです。
医薬部外品や化粧品を購入する際は、有効成分の記載をしっかり見るようにしましょう。

期待が出来るのは抜け毛の進行を予防すること

リアップの添付文書(薬の詳細情報を記載している文書)には、「壮年性脱毛症における発毛、育毛および脱毛(抜け毛)の進行予防効果がある」と記載されています。つまり、AGAの発症を予防するのではなく、発症後に使用することで発毛・育毛効果を示し、抜け毛の進行を予防する薬です。

ミノキシジルの効果、副作用、正しい使い方、内服薬との併用などについて詳しくは「【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用まで」をご参照ください。

参考


抜け毛予防につながる食品

ここがポイント!

  • 抜け毛予防の効果が証明された食品はない
  • 髪の毛や頭皮の健康をサポートする栄養素に「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」がある

直接予防効果のある食品はない

「わかめなどの海藻類を多く取ると髪の毛が伸びる」などという話を聞いたことはないでしょうか。わかめ以外にも髪の毛に良いと言われている食品はいくつもありますが、髪の毛の成長に直接作用していると医学的に証明されている食品はありません。そのため、抜け毛予防の効果が証明されている食品は、現状ではありません。

髪と頭皮の健康に良い栄養素と食品

抜け毛予防に直接的な効果はないものの、髪の毛や頭皮の健康維持のために大切と考えられている栄養素はいくつかあります。その主なものが「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」であり、それらを多く含む食品を摂ることは、髪の毛や頭皮の状態を良好に保ち、抜け毛予防につながる可能性があります。

髪の毛と頭皮の健康をサポートする栄養素と食品に関して詳しくは「【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説」をご参照ください。

脱毛症診断チェック

男性と女性で予防法は異なるのか

ここがポイント!

  • AGA治療で使用される飲み薬は、女性には無効とされている
  • 抜け毛抑制効果のあるミノキシジルは、女性でも有効である

これまでシャンプー、頭皮マッサージ、飲み薬、発毛・育毛剤などの効果については、紹介してきましたが、ここでは、男性と女性で効果が異なるのかについて説明していきます。

女性にはAGA飲み薬が無効

AGA治療に使われる飲み薬は、AGA発症後の抜け毛予防に効果的ですが、女性のAGAに対しては無効であることがわかっており、使用は勧められていません。また、男児を妊娠している女性が内服した場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性があり、妊娠または妊娠する可能性がある女性や授乳中の女性には使用が禁じられています。

医薬品である育毛剤は男性と女性で配合濃度が異なる

ミノキシジルは発毛・育毛作用が医学的に証明されていますが、男性と女性では推奨されている配合濃度が異なります。日本のガイドラインでは、男性は5%、女性は1%と示されています。しかし、諸外国では女性でも2%や場合によっては5%の使用を推奨しているところもあり、推奨濃度については今後さらなる検討が必要でしょう。

参考


まとめ

髪の毛は日々生え変わっており、ある程度の抜け毛は正常な生理現象であるため、過度に心配する必要はありません。しかし、急激な抜け毛の増加は脱毛症の可能性があります。抜け毛の予防効果が医学的にしっかり証明されているのは、AGA治療薬の医療用医薬品である「フィナステリド(プロペシアなど)」と「デュタステリド(ザガーロ)」と、医薬品に分類される発毛・育毛剤のみです。シャンプー、頭皮マッサージ、食品には抜け毛予防に直接的な効果はありません。しかし、頭皮や髪の毛の健康維持には大切であり、結果的に抜け毛予防につながる可能性はあります。規則正しい生活を心がけ、AGAを発症した場合は、早期に推奨されている飲み薬や発毛・育毛剤の使用を開始することが大切です。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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