【薄毛を改善する方法とは】食事や運動など日常生活で行える方法とその効果を徹底解説

薄毛を改善するために、「治療」以外に私たちができることはないのでしょうか。現在、発毛・育毛効果が医学的に証明されているものは「治療」のみです。しかし、日々の生活の中で、髪の毛を含めた体の健康をサポートする方法はいくつもあります。例えば、髪の毛に良い栄養素を食事に積極的に取り入れたり、髪の毛の健康につながる運動を行うなど、日常生活の中でできることはたくさんあります。
ここでは、薄毛の改善につながる食事、運動、シャンプー、マッサージなどについて紹介します。また、薄毛の改善方法に男女の違いはあるのか、薄毛が改善しない場合にはどうしたらいいのかなども合わせて説明していきます。

Okada
岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01「治療」以外の薄毛改善方法はあるのか
  2. 02薄毛を改善するための食事
  3. 03薄毛を改善するための運動
  4. 04薄毛を改善するためのシャンプー
  5. 05薄毛の改善方法は男性と女性で異なるのか
  6. 06薄毛が改善しない場合の対策
  7. 07まとめ

「治療」以外の薄毛改善方法はあるのか


薄毛に繋がる脱毛症の1つに男性型脱毛症(AGA)があります。男性では「額の生え際」や「頭頂部の薄毛」、女性では「頭頂部の比較的広い範囲の薄毛」という症状の特徴があります。AGAの治療法には外用薬と内服薬があり、どちらも発毛・育毛効果が医学的に証明されているものがあります。しかし、これらの治療法以外で発毛・育毛効果が認められているものはありません。ですが、日々の食事や運動で髪の毛の健康をサポートする事はできると考えられています。
脱毛症診断チェック

薄毛を改善するための食事

ここがポイント!

  • 髪の毛の90%以上は、ケラチンという「タンパク質」からできている
  • 「タンパク質」とその合成に関与している「亜鉛」「ビタミンB群」を積極的に食事に取り入れる

食事によって薄毛を直接改善させる事はできませんが、髪の毛や頭皮も体の一部ですので、食事によって取り入れた栄養素で成り立っています。ここでは、髪の毛や頭皮の健康に良いとされる栄養素を紹介します。

タンパク質

髪の毛の約90%以上は、「ケラチン」というダンパク質でできています。タンパク質は髪の毛だけではなく、内臓、筋肉、皮膚などの組織を作るのに必要な栄養素です。タンパク質は動物性タンパク質と植物性タンパク質に分けられます。
タンパク質が多く含まれる食べ物

亜鉛

亜鉛はタンパク質を合成するのに欠かせない「元素」の1つです。髪の毛はタンパク質でできていますので、亜鉛が不足するとタンパク質が合成できずに「抜け毛」の原因にもなるとされています。
亜鉛が多く含まれる食べ物

ビタミンB群

ビタミンB群は「脂質・糖・タンパク質(三大栄養素)の代謝」や「エネルギー産生」を助ける働きがあり、皮膚や髪の毛の健康を維持する役割があります。ビタミンは体内で合成することがほとんどできないので、日々の食生活の中で摂取したい栄養素です。
ビタミンB群が多く含まれる食べ物


髪の毛や頭皮の健康に良い栄養素、タンパク質、亜鉛、ビタミンB群について詳しくは「【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説」をご参照下さい。

参考


薄毛を改善するための運動

ここがポイント!

  • 髪の毛は頭皮の毛細血管から必要な栄養や酸素を取り入れている
  • 血行不良になると、髪の毛が栄養・酸素不足となり成長に影響を及ぼす可能性がある
  • ストレッチや頭皮のマッサージを行い、血行不良を解消することは薄毛の改善につながる

髪の毛は頭皮の毛細血管を通して、成長に必要な栄養や酸素を取り入れています。そのため、血行不良を起こすと十分な栄養や酸素が届かなくなり、髪の毛の成長に影響を与えてしまいます。
デスクワークで同じ姿勢を取ることが多い方、肩こりなどが気になる方は、ストレッチやマッサージをするように心掛けましょう。ストレッチを行う場合には、30分程度かけて全身の筋肉を順番にゆっくりと伸ばしていくと良いとされています。仕事中に凝りを感じた時や帰宅後など、ストレッチを行いリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

日常生活で出来る薄毛対策(運動、ストレス、禁煙、生活リズムを整える)について詳しくは「【AGAの予防と対策】食事やシャンプーなどの日常生活で出来る対策から予防薬の情報までを解説」をご参照下さい。

参考


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薄毛を改善するためのシャンプー

ここがポイント!

  • 髪の毛や頭皮にダメージを与えない方法でシャンプーをしよう
  • 育毛シャンプーに「医薬品」に分類されるものはなく、「医薬部外品」「化粧品」に分類されている
  • 育毛シャンプーは、あくまでも髪の毛や頭皮の健康増進目的であると心得て使用する

多くの方が、毎日髪の毛を洗いますが、シャンプー時には直接髪の毛や頭皮に触れるため、方法によっては髪の毛や頭皮にダメージを与えてしまう可能性があります。髪の毛の健康をサポートするために、正しいシャンプー方法を覚えておきましょう。ここでは、シャンプーの際に気を付けるべきポイントを紹介します。

<洗い方のポイント>
1)シャンプーの前にはブラッシングをする
シャンプーを行う前に、髪の毛の絡まりを取っておきましょう。髪の毛に絡まりがあると、シャンプーの際に絡まりを解こうとして頭皮に無理な力を加えてしまう原因になります。
2)髪の毛から地肌までしっかりと濡らす
3)シャンプーは手のひらで泡立ててから使用する
シャンプーをしっかりと泡立てて、髪の毛を泡で包み込むようにして洗いましょう
4)爪を立てずに、指の腹でマッサージをするように洗う
指の腹を使って、優しくもみ洗いを行いましょう。マッサージするようなイメージです。
5)洗い残しがないように、しっかりと洗い流す
髪と頭皮に優しいシャンプーの手順
AGAの進行とシャンプーの関係、AGAの人におすすめのシャンプーなどについて詳しくは「【AGAの予防・改善につながるシャンプーの方法とは】おすすめの洗い方からシャンプー選びのポイントまで~今日から試してみよう」をご参照下さい。

また、発毛・育毛効果を謳う「育毛シャンプー」が複数販売されていますが、育毛シャンプーは「医薬品」ではなく、「医薬部外品」「化粧品」に分類されており、育毛効果が医学的に証明されている商品はありません。あくまでも、髪の毛や頭皮の健康増進目的であると心得て使用する必要があります。

育毛シャンプーの種類、市販の男性向け育毛シャンプー、女性向け育毛シャンプーについては「市販の育毛シャンプーの正しい使用方法と効果について|男性用・女性用育毛シャンプーの特徴や価格と効果の関連性などまで解説」をご参照下さい。

薄毛の改善方法は男性と女性で異なるのか

ここがポイント!

  • 髪の毛の健康をサポートするための食事や運動、シャンプー方法に男女の違いはない
  • しかし、AGAの治療では男性と女性で異なる部分がある

ここまで紹介してきた「食事」「運動」「シャンプー」などの薄毛改善方法は、あくまでも髪の毛や頭皮の健康増進や成長のサポートを目的としています。男性や女性など性別の違いで異なるということはありません。髪の毛や頭皮も体の一部であることを理解し、規則正しい生活を送ることが重要です。

一方で、AGAでは男女で治療法が異なる部分があります。外用薬では、有効成分であるミノキシジルの推奨配合量が異なります(男性は5%、女性は1%)。内服薬では、女性のAGAの原因が完全に解明されていない点、胎児の性器形成に影響を及ぼす可能性がある点が危惧されており、基本的に女性への使用は推奨されておらず、妊婦や妊娠する可能性がある女性への処方は禁忌とされています。

AGAの治療方法、治療の効果や期間、治療薬の商品名、副作用などについて詳しくは「【AGAの治療について】3つの治療方法・期間・薬の効果と副作用から保険適用まで網羅的に」をご参照下さい。

参考


脱毛症診断チェック

薄毛を改善するための睡眠法

ここがポイント!

  • 睡眠不足により自律神経が乱れると、血管が収縮し血行不良の原因となる
  • 快眠のポイントは、「毎晩同じ時間に眠る」「寝具を整える」「朝起きたら光を浴びる」「就寝前のカフェインの摂取や寝酒を控える」「就寝の2~3時間前の入浴」など
 
皆さんは、日頃十分な睡眠が取れているでしょうか。髪の毛も体の一部ですので、成長には規則正しい生活は重要です。睡眠不足により生活リズムが崩れると、自律神経の乱れに繋がります。自律神経が乱れ「交感神経」の働きが強まると、血管を収縮させ血行不良の原因になります。髪の毛は、頭皮の毛細血管から成長に必要な栄養や酸素を取り入れているため、血行不良は髪の毛の成長の妨げてしまう可能性があります。
生活リズムを整えるために「睡眠を十分に取ること」を心掛けましょう。睡眠不足は、生活習慣病の発症リスクを高めることも明らかになっているのです。髪の毛だけでなく、体の健康のために、これから快眠のポイントをいくつか紹介します。

睡眠は、時間だけでなく質も重要となります。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、快眠のポイントとして「毎日同じ時刻に寝る」寝具を整える」「起きたら朝日を浴びる」「就寝前のカフェインの摂取や寝酒を控える」「就寝の2~3時間前に入浴する」などが紹介されています。「健康的な生活」のために、睡眠時間を十分とることは、髪の毛の成長を促すことにつながります。日頃、寝付けないという方は、これらのポイントを試してみてはいかがでしょうか。

参考

 薄毛を改善するためのサプリメント

ここがポイント!

  • 発毛効果が医学的に証明されているサプリメントはない
インターネット上やドラッグストアなどで、多くのサプリメントが市販されています。商品によっては育毛・発毛効果を宣伝しているものもあります。しかし、育毛・発毛効果が医学的にはっきりと証明されているサプリメントは、現在のところ発売されていません。
現在、日本皮膚科学会が推奨している薬のうち育毛・発毛効果が認められている薬は、効果が認められているAGA治療薬は、外用薬である「ミノキシジル」と内服薬である「フィナステリド」「デュタステリド」の3種類であり、サプリメントは、あくまでも「健康食品」に分類されます。

健康食品とは、法的な定義は無く、「健康の保持・促進」のための食品全般のことを指します。病気に対する治療効果が医学的に証明されているものは「医薬品」のみなので、サプリメントで薄毛の症状を抑えたり、改善させる事は期待できません。
外食が多かったり食生活が不規則な人は、食事で補えない栄養素の補助としてサプリメントを飲むことは問題ないと考えます。栄養バランスの悪い食事を摂っていると、髪の毛や頭皮が栄養不足になってしまい、間接的に薄毛に繋がる可能性があるからです。

髪の毛や頭皮の健康に良いとされる栄養素は、「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」などです。タンパク質は、髪の毛の主な構成成分であり、肉、魚、卵、大豆などに豊富に含まれます。亜鉛は、タンパク質の合成に関与しており、牡蠣、赤身の肉、鶏肉、豆などに豊富に含まれます。ビタミンB群は、タンパク質の代謝などに関与しており、レバー、卵、大豆などに豊富に含まれます。これらの栄養が多く含まれている食品を意識して摂るようにし、1日3食、バランスのいい食生活を心掛けましょう。

参考

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薄毛が改善しない場合の対策

ここがポイント!

  • AGAの診療ガイドラインでは、推奨されている外用薬や内服薬治療を1年以上続けても薄毛が改善されない場合には「自毛植毛」や「かつらの使用」が推奨されている
  • 薄毛は命に関わる疾患ではないため、見た目を受け入れ、治療を受けない事も選択肢の1つである

AGAの診療ガイドラインでは、推奨されている外用薬や内服薬による治療を1年間続けても症状が改善しなかった場合、「自毛植毛」と「かつらの使用」を推奨しています。ここでは、自毛植毛とかつらについて簡単に説明します。

自毛植毛

自毛植毛とは、AGAの原因物質である「DHT」の影響を受けにくい後頭部の髪の毛を根元から取り出し、脱毛部へ移植する方法です。人工毛植毛のように化学繊維で作られた髪の毛を移植する方法に比べて、生着率が高くトラブルが少ないといわれています。
自毛植毛を受ける際の注意点として、AGAの診療ガイドラインでは「自毛植毛に対して十分な経験と技術を有する医師が行う場合に限り推奨」していますので、医療機関を受診する際は信頼性の高いサイトや雑誌などから情報収集をすることをおすすめします。

自毛植毛術の流れや経過、自毛植毛術に掛かる費用などについて詳しくは「【自毛植毛によるAGA治療について】植毛後の経過、費用、メリット・デメリット、失敗例など幅広く解説」をご参照下さい。

かつらの使用

AGAのように髪の毛が抜けてしまう脱毛症は、見た目が変わるので精神的ストレスを抱えてしまう方が少なくありません。かつらの使用は治療ではありませんが、かつらを使用し見た目をカバーすることで、精神的ストレスが軽減するのであれば、かつらを使用する事が推奨されます。かつらは、脱毛症の方の生活の質をあげる補助的な役割として期待されています。

かつらの材質や特徴、男性用・女性用・子ども用かつらの特徴、かつらの購入方法や値段相場などについて詳しくは「【AGAや円形脱毛症でも使う医療用かつら(ウィッグ)とは】男性、女性、子ども用の違いや特徴、値段の相場と医療費控除や保険適用など」をご参照下さい。

受け入れる

AGAの症状は「薄毛」です。そのため、病気の進行によって生命が脅かされる事はありません。また、AGAの治療費は医療保険が適用にならず「全て自己負担」です。そのため、見た目の変化を受け入れることができれば、治療をしないという選択肢もあるでしょう。

まとめ

薄毛の主な原因である「AGA」の治療薬には、効果が医学的に証明されガイドラインで推奨されているものがあります。一方、そのような治療以外で発毛・育毛効果が明確に証明されている方法はありません。しかし、日常生活の中で髪の毛の健康や成長をサポートすることはできます。
食事で「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」などを含む食べ物を積極的に摂取する、ストレッチを行って血行不良を改善するなど、ここで紹介した情報を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、シャンプーは髪の毛や頭皮に直接触れる行為です。正しいシャンプー方法を身につけて、髪の毛や頭皮に優しい洗髪を心掛けていきましょう。

また、治療薬には発毛・育毛効果が証明されていると紹介しましたが、薬の効果は個人差があるため、AGAの治療を続けていても薄毛が改善しない方もいます。AGAの診療ガイドラインでは外用薬と内服薬治療を1年以上続けても症状が改善しない方に対して「自毛植毛」や「かつらの使用」などを推奨しています。また、薄毛は命に関わることはないので、見た目の変化を受容できる方はありのままを受けいれ治療を行わないという選択肢もあります。
いずれにしても、髪の毛も頭皮も体の一部であり、バランスの良い食事や適度な運動により健康状態を維持していくことは大切です。ここで紹介したことを、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

円形脱毛症・前頭脱毛症などの脱毛症でお悩みの方へ

Okada
岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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