【ミノキシジルタブレットとは】日本で製造販売が許可されていない理由について|薬が体にもたらす影響から解説

AGAの治療では、ミノキシジルが配合された外用薬の使用が推奨されています。ミノキシジルの発毛・育毛効果は医学的に証明されており、日本でも多くの方がミノキシジルを配合した育毛剤を使用しています。
しかし、一方で「ミノキシジルタブレット」というミノキシジルの内服薬は、国内での製造販売が許可されていません。ここでは、ミノキシジルタブレットの効果、副作用、個人での購入がおすすめできない理由などを紹介していきます。

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岡田 里佳 医師監修
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

目次

  1. 01ミノキシジルタブレットの効果とは
  2. 02ミノキシジルタブレットの副作用と危険性
  3. 03ミノキシジルタブレットで初期脱毛は見られるか
  4. 04ミノキシジルタブレットの購入がおすすめできない理由
  5. 05まとめ

ミノキシジルタブレットの効果とは

ここがポイント

  • ミノキシジルには血管を拡げて血圧を下げる作用があり、当初は「血圧を下げる内服薬」として開発された
  • ミノキシジル内服中に多毛が現れたことをきっかけに、発毛・育毛効果が発見された
  • 現在では、ミノキシジルは「塗り薬(外用薬)」としてのみ製造・販売されている

もともとは血圧の薬

現在ミノキシジルは、AGA治療の外用薬として使用されていますが、もともとは「血圧を下げるのみ薬」として開発されました。ミノキシジルには、血管を拡げて血圧を下げる作用あり、その効果を評価する試験にて、被験者の何人かに「多毛」の副作用が現れたのです。これをきっかけに、ミノキシジルの発毛・育毛効果が発見され、医学的な研究を経て、現在のように「発毛剤・育毛剤」として製造・販売されるようになりました。

日本では、ミノキシジルタブレットの製造販売は禁止されている

発毛・育毛効果が認められている「ミノキシジル」ですが、日本では「外用薬」のみ使用が許可されています。そのため、内服タイプの「ミノキシジルタブレット」は、製造・販売自体が禁止されているのです。また、血圧の薬として開発されたと紹介しましたが、日本では「降圧薬」としての使用も認められていません。認められていない理由としては、下記で示すような重篤な副作用が出現する可能性があるからです。

参考


ミノキシジルタブレットの副作用と危険性

ここがポイント

  • ミノキシジルタブレットは、もともと「血圧を下げる薬」
  • 血圧を下げるだけではなく、心臓に重篤な副作用をもたらす可能性がある
  • 海外での使用も、高血圧患者に限られている

前の章で触れましたが、ミノキシジルタブレットはもともとは血圧の薬です。血圧を低下させる作用があり、副作用として血圧低下、めまいやふらつき、手足のむくみ、吐き気、腹痛、体毛の増加などがあります。それに加えて、心嚢液(しんのうえき)という心臓の周りを取り囲んでいる袋(心嚢)に満たされている液体が増え、心臓が動きにくくなる症状(心タンポナーゼ)や、心筋に障害が生じる可能性があります。動物実験で、心臓への危険な副作用が示されており、個人差はありますが、これらの副作用によって命が脅かされる危険もあります。
米国では、数種類の血圧を下げる薬を使用しても、血圧のコントロールが得られない場合に限り、医師からの処方される場合がありますが、FDA(米国の食品医薬品局)は、ミノキシジルの心臓に対する副作用を、処方せん薬の添付文書記載の中では最も重い警告である「黒枠警告(Boxed Warning)」に指定しています。
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日本では、副作用の危険性から医療用医薬品としても認可されていない薬です。個人輸入などで購入することは可能ですが、内服したことで心臓に重篤な副作用が生じる可能性があることを知っておきましょう。また、薬疹などの副作用が生じた場合でも、国の「医薬品副作用被害救済制度」を受けることはできません。

ミノキシジルタブレットは海外でも、医療用医薬品(医師の診察を受けて処方される薬)としてのみ認められています。海外の人でも、個人で購入して飲むことは許されていない薬です。ミノキシジルタブレットの使用を考えてる人は、このような背景をしっかり理解しましょう。

参考


オンラインで医師の診療が受けられるAGA治療

ミノキシジルタブレットで初期脱毛は見られるか

ここがポイント

  • いくつかのAGA専門クリニックのホームページには、初期脱毛の記載がある
  • AGA治療に用いられる外用薬と内服薬の両方にみられる症状であると記載されている
  • しかし、AGAの診療ガイドラインや研究論文には「初期脱毛」についての記載はない
  • 現状では、「初期脱毛」の医学的根拠は乏しく、AGA治療薬に関連した症状だと証明されていない

初期脱毛は、AGA治療薬を開始して間もなく起こる一次的な脱毛をいい、副作用の1つとされています。この症状は、「毛周期」という髪の毛の成長サイクルが関係しています。髪の毛は、ある程度成長すると、古い毛が抜け落ちて新しい毛に生え変わるという成長サイクルを繰り返しています。
いくつかのAGA専門クリニックのホームページには、「AGA特有の細くて短い髪の毛が、太く長い髪の毛に生え変わるために生じる症状であり、薬の効果が現れ始めている証拠である」と記載されています。
これは、AGA治療で用いられる外用薬と内服薬の両方に起こり得ると解説しているサイトもあります。そのため、ミノキシジルを有効成分とした「ミノキシジルタブレット」でも、初期脱毛が起こる可能性を完全に否定できません。

しかし、日本皮膚科学会が策定したAGAの診療ガイドラインには「初期脱毛」や関連症状に関する記載はありません。また、診療ガイドラインが参考文献としている研究論文にも、初期脱毛についての記載はありませんでした。そのため、初期脱毛はAGA治療薬に関連した症状であることは医学的には証明されていないのです。一方で、実際に診療を行っている現場で見られている症状であるからこそ、クリニックのサイトなどに記載があるとも考えられます。

「初期脱毛」について詳しく知りたい方は「副作用の「初期脱毛」はフィナステリド(プロペシア)やミノキシジル(リアップ)による治療初期に本当に起こるのか~怖いと思う前に正しく理解しよう」をご参照下さい。

参考


ミノキシジルタブレットには体毛が濃くなる副作用も

ここがポイント

  • ミノキシジルタブレットには、体毛が濃くなる「多毛症」という副作用がある

前の章でも解説してきましたが、「ミノキシジルタブレット」はもともと血圧を下げる薬として開発されました。ミノキシジルタブレットの治療効果を評価する試験で、被験者の多くに現れた副作用が「多毛」です。そのため、ミノキシジルタブレットを内服することで「多毛」という副作用が現れる可能性があることは明らかです。多毛の副作用が現れたことをきっかけに、発毛・育毛効果が注目された薬です。現在、日本ではミノキシジルタブレットの製造販売は許可されていません。ミノキシジルタブレットには、多毛以外にも多くの副作用があり、副作用のリスクが治療効果を上回ると判断されていないのです。
AGAの症状を改善することは重要ですが、認可されていない薬を使用して、その副作用から新たな病気を発症してしまっては意味がありません。薬には、病気を治療する効果とそれ以外の効果(副作用)があることを心得ておきましょう。

参考


ミノキシジルタブレットを処方しているクリニックもある

ここがポイント

  • AGA専門のクリニックで、処方を受けることができる

ミノキシジルタブレットは、服用による副作用の危険性が高く安全性が保証されていないため、日本での製造販売は認可されいません。そのため、日本国内では薬局やドラッグストアなどで購入することはできません。「ミノキシジル」には発毛、育毛効果が認められていますが、日本では「外用薬」のみ使用が許可されています。日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインでは、男性、女性ともにミノキシジルの外用薬での治療が推奨されています。
日本では認可されていない「ミノキシジルタブレット」ですが、医師の判断で処方することは可能な場合があり、AGA治療を行っている専門のクリニックでは、海外のミノキシジルタブレットを輸入し、医師の判断のもと処方している施設もあるようです。。

しかし、ミノキシジルタブレットは、もともと「血圧を下げる薬」として開発された薬です。副作用には、血圧を下げる作用があるだけではなく、「心臓に重篤な副作用をもたらす可能性」もあります。、そのため、海外でもAGA治療を目的とした使用は認可が下りておらず、血圧の降下剤としてのみ、医師の管理の下で処方されています。
例え、医師の判断で処方を受けたとしても、国内において有益性や安全性が検証されていないことを心得ておく必要があります。ミノキシジルタブレットは主に心臓や血管系に作用するので、特に持病がある方などには重大な健康被害が及ぶ可能性があるのです。AGA治療を受ける際には、医師とよく相談をして治療効果と副作用について理解した上で治療方法を決定していきましょう。

参考

オンラインで医師の診療が受けられるAGA治療

ミノキシジルタブレットの購入がおすすめできない理由

ここがポイント

  • ミノキシジルタブレットは副作用が強く、日本での製造・販売が認められていない
  • 海外の薬は、安全性が検証されておらず危険性が高い

ミノキシジルタブレットは、日本での製造・販売が認められていませんが、最近ではインターネットを経由して海外から「ミノキシジルタブレット」を個人輸入することができることがあります。このようなサイトから購入した海外の薬は、製造ラインが不明でどのような成分が入っているのか分かりませんし、そもそも日本では認可されていない薬であり、安全性の検証もされていません。
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ミノキシジルタブレットは、上記で示したように、心臓などに重篤な副作用が生じる可能性があるため、自己判断での購入はリスクが高いと言えます。海外では、数種類の薬を用いても改善しない高血圧の治療に使われる場合がありますが、医師の診察や処方が必要です。通常1日5mg程度から開始し、徐々に増量していき、1日10-40mgを内服している患者さんが多いとの報告があります。しかし、繰り返すようですが、これらは難治な高血圧の患者さんの治療であり、かつ専門医の指導の下で行う治療です。自己判断での内服は危険性が極めて高く、決しておすすめできません。

輸入薬の危険性について詳しくは「【ミノキシジル(リアップ)の効果と副作用】AGA外用薬の基本からフィナステリド(プロペシア)との併用、ロゲインやタブレットの使用まで」をご参照下さい。

まとめ

ミノキシジルは、もともと血圧を下げる飲み薬でした。血圧を下げる効果を調べる研究の中で、被験者に多毛が出現したことより、「発毛・育毛効果」が発見されました。その後、医学的な研究を経て、「発毛剤・育毛剤」として使用されています。日本皮膚科学会でも、ミノキシジルを有効成分とした「外用薬」による治療を推奨しています。
一方、飲み薬である「ミノキシジルタブレット」は日本で製造・販売が認可されていません。ミノキシジルタブレットは、血圧低下、めまいやふらつき、手足のむくみ、体毛の増加などの副作用に加えて、心臓への危険な副作用も示されています。
最近では、インターネットを通じて海外から「ミノキシジルタブレット」を個人輸入できるサイトもあるようですが、海外の薬は成分が不明であり、安全性も証明されていません。服用によって重篤な健康被害が生じても、自己責任となります。
安全な治療を受けるためには、自己輸入などは行わず、日本で認可されている薬を使用しましょう。ミノキシジルの外用薬は、大正製薬から「リアップ」シリーズが製造・販売されています。こちらは薬剤師のいるドラッグストアで購入することができますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
リアップシリーズの効果、種類、価格などについて詳しくは「【リアップ徹底解説】ミノキシジル配合の育毛剤リアップシリーズについて種類・効果・購入方法・費用まで」をご参照下さい

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岡田 里佳 医師
TMクリニック院長、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本内科学会認定 認定内科医、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

2008年名古屋市立大学医学部卒業。内科を中心に初期研修を行い、その後皮膚科へ進む。大学病院での勤務を経て、皮膚疾患を合併しやすいアレルギー・膠原病診療を経験するため、約3年間内科医として勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医を取得。2017年11月、誰にでも最適な医療を提供するためTMクリニック 皮フ科を開設。

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